P-MAXを回しているが、LPのCVRが下がったまま戻らない。
どの面から来ているのか分からないまま、LPだけを何度も直している。
この状態で起きているのは、LPの劣化ではなく流入の構成比の変化であることが多くあります。
この記事では、美容クリニック・美容医療のP-MAXで、LPに触る前に何をどの順番で確認するかを整理します。
LPを直す前に、流入が混ざっていないかを先に見ます。
指名と一般、検索とディスプレイが1つの数字にまとまっていると、LPの良し悪しは判定できません。
- 最初の1週間は配信を動かさず、指名比率と配信面の内訳を出すことだけに使う
- 遷移先の付け替えとアセットグループの分割は、LPの改修より先に効く
- 医療広告ガイドラインの制約は、情報を削る理由ではなく、費用とリスクを書き足す理由として扱う
※本記事の数値は、実案件で起きやすい状況を一般化したモデルケース(シミュレーション)です。特定企業の実績ではありません。
目次
- LPを直す前に、P-MAX側で分けるものを分けます
- 確認1:指名と一般が、同じキャンペーンに混ざっていないか
- 確認2:配信面の内訳で、CVRの振れ幅を見る
- 確認3:アセットグループと遷移先が、施術単位で対応しているか
- 確認4:広告の言葉とLPの1画面目、そしてフォームのどこで落ちているか
- 医療広告の制約で情報を削ると、LPは弱くなります
- 条件別の判断基準と、4週間の進め方
- 効かないケースと、やってはいけない対処
- よくある質問
- まとめ
LPを直す前に、P-MAX側で分けるものを分けます

P-MAXでLPのCVRが下がったとき、LPそのものが悪くなっているとは限りません。
流入の中身が変わっただけ、というケースが多くあります。
P-MAXは1つのキャンペーンで、検索・ディスプレイ・YouTube・Discover・Gmailに配信します。
この5面の成果が、1つのCVRにまとめて表示されます。
ディスプレイの比率が上がれば、同じLPでもCVRは下がります。
LPを1行も変えていなくても、数字は動きます。
美容医療は、この振れ幅が特に大きい業種です。
検索で来る人と、なんとなく見て来る人の温度差が大きいためです。
P-MAXでのLPのCVRは、LPの出来ではなく流入の構成比を映していることが多い指標です。
そのため、LPを直す前に、混ざっているものを分ける作業を先に置きます。
順番を逆にすると、直した効果が数字に現れません。
分け方は2つあります。
キャンペーンの構成を変えるか、レポートで内訳を出すかです。
構成を変えると配信は変わりますが、学習が一度リセットされます。
レポートで分けるだけなら、配信には影響しません。
先に手を付けるのはレポート側です。
何が起きているか分からないまま構成を変えると、原因の切り分けができなくなります。
確認1:指名と一般が、同じキャンペーンに混ざっていないか

美容クリニックは、院名や医師名での指名検索が一定量あります。
P-MAXはこの指名検索も拾います。
問題は、指名の比率が月によって変わることです。
メディア露出やSNSの反応で、指名は簡単に上下します。
指名は、すでに来院を検討している人を含むためCVRが高く出ます。
その比率が下がった月は、LPを変えていなくてもCVRが落ちます。
逆に、指名が増えた月はLPが良くなったように見えます。
この誤読のほうが、施策としては危険です。
指名を分離しない限り、一般流入に対するLPの実力は測れず、改善の当たり外れも判定できません。
【モデル試算】指名比率40%、指名CVR7.8%、一般CVR1.9%の場合、全体CVRは4.3%と表示されます。
この4.3%を見てLPを判断すると、一般流入の弱さが見えません。
指名を分ける手順
- 比率だけを先に出す検索語句レポートを、院名・医師名・その略称を含むものと、施術名だけのものに分類します。構成は変えずに、比率の把握だけを行います。
- 月次で推移を並べる単月の値ではなく、変動幅がLPのCVRを動かしています。指名比率が30%を超えているなら、分離の効果は大きくなります。
- ブランド除外リストを適用するアカウント単位で設定します。ただし表記ゆれや略称が残ることがあり、完全には除けません。
- 指名専用の検索キャンペーンを立てる同じクエリでは、完全一致の検索キャンペーンが優先されます。除外との併用が前提になります。
POINT
「クリニック名+施術名」は、指名側に含めて構いません。
院を知ったうえで施術を調べている人だからです。
確認2:配信面の内訳で、CVRの振れ幅を見る

P-MAXは、配信面の比率を自動で決めます。
クリック単価が安い面に寄りやすい性質があります。
ディスプレイとDiscoverは、単価が低く量が出ます。
その分、検討度が低い人の割合が上がります。
【モデル試算】検索の比率が22%から11%に下がると、LPのCVRは3.6%から2.1%まで落ちます。
LPが同じままでも、この程度は動きます。
できるのは、内訳を把握したうえで、判断の基準を面ごとに分けることです。
同じCVRの水準を、すべての面に当てはめないという意味です。
不足分は、LP側の計測で補います。
参照元とメディアを見れば、どの面から来たかは概ね判別できます。
期間は、直近28日と前28日で並べてください。
月次だと日数の差が混ざります。
面ごとに、LPで起きることも違います。
検索は料金と予約枠を先に探し、ディスプレイは数秒で離脱します。
YouTubeはスクロールが深い一方、その場の予約は少なくなります。
資料請求やLINE相談を併設すると、受け皿になります。
確認3:アセットグループと遷移先が、施術単位で対応しているか

P-MAXの遷移先は、アセットグループ単位で設定します。
広告文や画像の組み合わせは、その中で自動的に決まります。
二重整形の見出しと、脱毛の画像が組み合わさることがあります。
着地するのは、そのアセットグループに設定した1つのURLです。
このときLPのCVRが落ちる原因は、コピーの巧拙ではありません。
探している施術のページに着地していないことです。
アセットグループを施術メニュー単位で分けていないなら、LPを直しても効きません。
美容クリニックは、施術ごとに価格帯と検討期間が違います。
価格帯が3万円の施術と80万円の施術では、判断に必要な情報が違います。
表1|アセットグループと遷移先の対応(モデル試算)
| アセットグループ | 主な訴求 | 遷移先 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 医療脱毛 | 全身5回の総額 | 脱毛専用LP | 一致 |
| 二重整形 | 埋没法の料金 | クリニックトップ | ずれ |
| 輪郭形成 | 症例数と医師の経歴 | 二重整形LP | ずれ |
| 総合 | 院の紹介 | クリニックトップ | 一致だが判定不能 |
※「一致だが判定不能」は、複数の施術が同じページに集まり、どの施術で落ちているか分けられない状態です。
ずれている行を見つけたら、LPよりも先に遷移先を直します。
作業は数分で終わり、学習への影響も限定的です。
分割の順番は、施術単価が高いものからです。
1件あたりの損失が大きい順に潰すほうが、回収が早くなります。
P-MAXのどこで流入が混ざっているかを、いちど外から見てみませんか
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- 指名と一般が、どの程度混ざっているか
- アセットグループと遷移先が、施術単位で対応しているか
- LPとフォームのどちらを先に直すべきか
オンライン30〜45分/資料の事前提出は不要です。
確認4:広告の言葉とLPの1画面目、そしてフォームのどこで落ちているか

広告のアセットとLPの先頭が、別のことを言っているケースはよくあります。
P-MAXは訴求を自動で選ぶため、このずれが起きやすくなります。
広告で総額を出しているのに、LPの上部に料金がないと、その時点で離脱します。
探しに行く人は多くありません。
見るのは印象ではなく単語の一致です。
アセットは点数が多いので、表示回数の多い上位3〜5本に絞ります。
揃えるのは言葉だけではありません。
価格の表記単位、施術回数、通院回数の3つを一致させてください。
そして、LPのCVRが低いとき、実際に落ちているのはフォームであることが多くあります。
ページの上半分ではありません。
【モデル試算】入力開始620件に対して送信210件なら、完了率は33.9%です。
この水準なら、フォームの見直しで数字は動きます。
つまり、判定できる変更として優先順位が高くなります。
効きそうな順ではなく、判定できる順に並べるという考え方です。
フォームの離脱位置が計測できていないなら、LPの改修はどこを直しても当てずっぽうになります。
予約導線で先に確認する4点
- LPから予約完了までの画面数が3以内か
- 必須項目が氏名・連絡先・希望日時の3つに絞れているか
- 外部予約システムへのクロスドメイン計測が入っているか
- スマートフォンの実機で、カレンダーUIと電話番号入力まで通せるか
P-MAX経由はモバイル比率が高くなります。
ディスプレイとDiscoverが、ほぼモバイルだからです。
PCで問題がなくても、モバイルで入力できないフォームは珍しくありません。
実機確認は、改修より先に済ませてください。
医療広告の制約で情報を削ると、LPは弱くなります

【公開データ】医療広告ガイドラインでは、治療前後の写真や患者の体験談について、掲載の条件が定められています。
体験談は、広告に該当する場合には掲載できないとされています。
治療前後の写真も、説明を併記しない形での掲載は認められていません。
併記が求められるのは、通常必要とされる治療内容、費用、主なリスクや副作用などです。
ウェブサイトについては、限定解除という考え方があります。
患者が自ら求めて閲覧するページで、一定の要件を満たす場合の扱いです。
注意
本記事の記載は概要です。
ガイドラインは改正されるため、最終的な判断は原文の確認と、所管の自治体窓口や医療広告に詳しい専門家への相談を前提にしてください。
実務でよく起きるのは、制約を過剰に読んでLPが情報不足になることです。
書けるはずのものまで削ってしまう状態です。
ただし、費用の明示、リスクの記載、問い合わせ先の掲載は、むしろ限定解除の要件側にあります。
ガイドライン対応で情報を削っていくと、限定解除の要件からも外れ、同時にCVRも下がります。
そこで、写真と体験談の代わりに置くものを先に決めておきます。
最初に置くのは、施術別の症例数と実施年数です。
美容医療で最も不安が集まるのは、当日の追加費用です。
麻酔代、アフターケア、再診料は、まとめて表に載せてください。
表2|信頼要素の置き換え(モデル試算)
| 使いにくい要素 | 代わりに置くもの | LP上の位置 | 動きやすい指標 |
|---|---|---|---|
| 治療前後の写真 | 施術別の症例数と実施年数 | 1画面目の直下 | スクロール到達率 |
| 患者の体験談 | カウンセリングの流れと所要時間 | 中盤 | フォーム表示率 |
| 「No.1」などの表現 | 学会発表と専門医資格の一覧 | 中盤 | 滞在時間 |
| 割引の強調 | 総額と追加費用の内訳 | 料金セクション | 入力開始率 |
| 「安全」の断定 | リスク・副作用・ダウンタイム | 料金の直後 | 予約送信率 |
※動きやすい指標は【モデル試算】に基づく傾向です。表現の可否は、医療広告ガイドラインの原文と専門家の確認によります。
カウンセリングの流れも、写真の代わりになります。
所要時間、当日施術の可否、その場で断ってよいことを明記します。
断ってよいと書くだけで、予約のハードルは下がります。
その場で契約を迫られる、という不安が最も強いためです。
リスクの記載は、CVRを下げると思われがちです。
実際には、記載した直後のセクションで送信率が上がる動きが出ます。
審査の差し戻しが続いているなら、その通知を理由別に並べてください。
同じ理由が3件以上あれば、表現の型そのものを作り直す段階です。
条件別の判断基準と、4週間の進め方

どこから手を付けるかは、感覚ではなく条件で決めます。
下の表を、上の行から順に当てはめてください。
表3|条件別の判断基準(モデル試算)
| 条件 | 見る数字 | 先に触る場所 | 判断の目安 |
|---|---|---|---|
| 指名比率が月で10ポイント以上動く | 検索語句レポートの指名クエリ比率 | P-MAX側(ブランド除外・指名分離) | 分離後2週間で一般CVRを測り直す |
| 検索比率が20%を下回る | インサイトの配信面内訳 | P-MAX側(アセットと予算の見直し) | ディスプレイ60%超なら評価軸をCPAに戻す |
| 遷移先が施術と一致していない行がある | アセットグループ別の最終URL | P-MAX側(遷移先の付け替え) | 一致させてから14日は他を変えない |
| 料金セクション到達率が30%未満 | スクロール到達率 | LP側(1画面目) | 総額を1画面目に移して2週間観測 |
| 入力開始後の完了率が40%未満 | フォームの離脱位置 | LP側(フォーム単体) | 画面数3以内、必須項目3つまで |
| 審査の差し戻しが月5件以上 | 管理画面のポリシー通知 | 表現側(ガイドライン確認) | 原文と専門家の確認を経て文言を確定 |
| どの数字も取れていない | — | 計測の実装 | 2週間は変更せず、計測だけ入れる |
※【モデル試算】目安の数値は、美容医療で起きやすい水準を一般化したものです。自社の実測値で置き換えてください。
複数の条件に当てはまるときは、上の行を先に処理します。
上の行ほど、影響範囲が広いためです。
同時に2行以上を処理しないでください。
P-MAXは変更の影響が数週間続くため、切り分けができなくなります。
4週間で回す順番
Week1は、計測と内訳の確認だけに使ってください。
配信も入札もアセットも、この週は動かしません。
Week2で遷移先を直します。
URLの付け替えは学習への影響が小さく、効果が早く出ます。
Week3でP-MAX側を分離します。
ブランド除外とアセットグループの分割を、同じ週にまとめます。
この週は数字が荒れます。
院長や経営層への共有は、Week1の時点で済ませておいてください。
Week4で、ようやくLPそのものに触ります。
フォームの項目削減か、1画面目への料金移動のどちらか1点だけを選びます。
【モデル試算】この順番で進めると、Week4終了時点でCVRが1.9%から2.6%程度まで動きます。
効いたのはLPではなく、Week3の分離であることが多くなります。
5週目以降も、1回に1つ、判定できる変更だけを入れていきます。
効かないケースと、やってはいけない対処

ここまでの手順が効かないケースを、先に挙げておきます。
当てはまる場合は、確認の順番より前に決めることがあります。
月間のCV数が20件を下回る場合、どの変更も判定できません。
差が偶然の範囲に収まるためです。
この場合は、P-MAXではなく検索キャンペーンで運用したほうが読めます。
P-MAXは学習に一定のデータ量を必要とします。
広告費が月30万円を下回る場合も同様です。
5面に分散すると、1面あたりの量が足りません。
予約枠が埋まっている場合も、LPの改修は後回しです。
枠が足りない状態でCVRを上げても、機会損失が形を変えるだけです。
やってはいけない対処
LPの全面刷新は、最も避けたい対処です。
変更点が多すぎて、何が効いたか分からなくなります。
アセットを一度に全部入れ替えるのも、同じ理由で避けます。
P-MAXは学習をやり直し、2〜3週間は数字が荒れます。
目標CPAを毎週動かすと、学習が安定しません。
変更は2週間に1回までに抑えます。
もう1つ、値引き訴求を強める対処もよく取られます。
予約は増えますが、来院率と施術単価が下がります。
P-MAXで数字が読めないときに変更を増やしても、読めない状態が長引くだけで終わります。
よくある質問
P-MAXをやめて、検索キャンペーンに戻したほうがいいですか
月間CV数が20件を下回る場合や、広告費が月30万円未満の場合は、検索キャンペーンのほうが読めます。P-MAXは5面に配信を分散させるため、量が少ないと1面あたりのデータが溜まりません。逆にCV数が月50件を超え、指名分離とアセットグループの分割ができているなら、P-MAXのまま改善したほうが到達点は高くなります。
アセットグループは、施術メニューごとに全部分けるべきですか
全部を分ける必要はありません。基準は2つで、施術単価が2倍以上違うことと、遷移先のLPが別であることです。分けすぎると1グループあたりのデータ量が減り、学習が進まなくなります。【モデル試算】月間CV50件のアカウントであれば、アセットグループは3〜4つが上限の目安です。それ以上ある場合は、価格帯でまとめて中グループを作ってください。
治療前後の写真は、LPに載せてよいのですか
【公開データ】医療広告ガイドラインでは、治療前後の写真について、通常必要とされる治療内容、費用、主なリスクや副作用等の説明を併記しない形での掲載は認められていません。限定解除の要件を満たす場合には掲載できる余地がありますが、当てはめは事例ごとに変わり、ガイドラインも改正されます。掲載可否は、原文の確認と専門家への相談を前提に判断してください。
まとめ
- P-MAXでのLPのCVRは、LPの出来ではなく流入の構成比を映していることが多い
- 確認の順番は、指名の混在、配信面の内訳、遷移先の対応、広告とLPの整合とフォーム、表現の制約
- 遷移先の付け替えは学習への影響が小さく、LPの改修より先に効く
- アセットグループは全部分けず、施術単価が2倍以上違うものだけを分ける
- 医療広告の制約は、情報を削る理由ではなく、費用とリスクを書き足す理由として扱う
- 月間CV20件未満、広告費30万円未満では、どの変更も判定できない
- 変更は1回に1つ。2週間は据え置いてから判断する
LPを直す前にP-MAX側を分けるのは、変更の効果を読める状態にしてから改修を積み上げるためです。
P-MAXの切り分けとLPの改修を、同じ順番で回していきませんか
KAIZENは、広告運用とLP改善を分けずに一括で支援するサービスです。
医療広告の制約がある業種では、使ってよい表現の型を先に作ってから検証に入ります。