
TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを支援する「KAIZEN」を提供しています。
目次
化粧品の広告からLPへは来てもらえるのに、購入につながらない。商品の説明を増やすべきか、冒頭のコピーを変えるべきか、それとも購入ボタンを増やすべきか。どれも試せる施策ですが、同じ「購入されない」という結果でも、商品への期待が合っていない場合と、購入条件が分からない場合では、必要な変更が異なります。
ETVOSの公開事例には、LPのコピーと購入ブロックの改善が登場します。ここでは結果の倍率を目標にするのではなく、自社のLPでどの判断を助けるべきか、短期間の比較をどう読み、次の改修につなげるかを考えます。企業が公表した事実と、読者が自社で試すための提案は分けて説明します。
翌日のCVRと13日間の売上は、別の結果として読む

ペンシルはETVOSのLPでコピーと購入部分を改善し、広告経由CVRが翌日から1.5倍、13日間のA/B比較で売上が約1.13倍と公表しています。ペンシルのETVOS事例が出典です。
この二つは観察期間も指標も異なります。翌日の変化を13日間ずっと維持したと解釈したり、CVRの倍率を売上の倍率へ置き換えたりしないことが重要です。元のCVR、流入母数、配信の割り付けなどは公開情報だけでは分かりません。掲載値を独立に検証したわけではない点も踏まえて読みます。
自社に持ち帰るべき問いは、魅力が伝わらないために買わないのか、魅力は分かっても条件を判断できないのか、という切り分けです。以下の点検やテスト手順は、本記事が提案する自社適用の考え方であり、ETVOSが同じ内容を実施したことを示すものではありません。
コピーを変える前に、広告から持ち込まれた期待を確認する
広告をクリックする時点で、読者は何かを確かめようとしています。使い心地なのか、色の選び方なのか、初めて試す際の負担なのかによって、最初に必要な情報は変わります。LPの冒頭だけを眺めて改善案を作るのではなく、実際に配信している広告と、その到着先を組にして点検します。
広告で提示した商品がLPの最初に見つかるか、広告にあった条件が詳しく説明されているか、クリック前の問いに答える順序になっているかを確認します。価格やセット内容が広告と違って見える場合には、購入以前に「別の商品へ来たのではないか」という迷いが生まれます。
流入元ごとに期待が大きく異なる場合、一つのコピーへすべてを押し込むと焦点がぼやけます。ただし、すぐにLPを多数作る必要はありません。主要な流入をいくつかの目的にまとめ、同じページ内で答えられる違いか、冒頭から別の説明が必要な違いかを判断します。
たとえば商品名を知っている人には、ブランドの長い紹介より、購入条件や選択肢の違いが役立つかもしれません。一方、商品を初めて知る人には、何を試せる商品なのかが先に必要です。これは一般的な仮説であり、実際の閲覧行動や購入者の質問から自社で確かめます。
クリック率を高める強い表現と、購入後の納得が両立しているかも確認します。LPへ来る人数だけが増えても、広告で想像した商品と実物の条件が離れていれば、購入にはつながりません。訴求を強くする際は、商品の根拠資料で裏づけられる範囲と、購入者が誤解しやすい読み方を並べて点検します。
キャッチコピーに任せる役割を一つ決める
冒頭のコピーが担うのは、ページ全体の説明を一文に詰め込むことではありません。読者が「自分の検討対象として読み進める価値がある」と判断できる入口を作ることです。誰が、どんな場面で、何を選べる商品なのかを、ページ内の具体的な説明につながる言葉で示します。
改善案を考えるときは、形容詞を強める作業から始めない方が有効です。「高品質」「理想的」といった言葉を増やしても、選択に必要な違いは伝わらない場合があります。商品の仕様、セットに含まれるもの、使用場面など、読者が比較に使える事実を探し、それが自分に合うか判断できる表現にします。
ただし、具体的であればどんな表現でも使ってよいわけではありません。化粧品の効能や安全性に関わる表現は、商品区分や根拠資料、適用されるルールを別途確認する必要があります。本記事では個別表現の適法性を判定しません。テストで反応がよかったことも、その表現を使用できる根拠にはなりません。
コピー案には、何の迷いを減らすための案かを添えます。「商品が自分向けか分からない」「セットの内容がつかめない」「本品と試用品の違いが分からない」では、確かめるべき内容が異なります。見た目の好みで案を選ぶ前に、どの疑問に答えるかを定めると比較の目的が明確になります。
本文とのつながりも重要です。冒頭で使い方の簡単さを伝えたなら、次に操作や使用順が理解できる説明が必要です。初めての選びやすさを伝えたなら、選択肢の違いが分かる構成にします。コピーだけを差し替え、下の情報が以前の訴求のままだと、読み進めるほど説明がずれてしまいます。
購入ブロックは、押す場所と判断材料をセットで考える
購入ブロックでは、ボタンを見つけてもらうことに加え、何をいくらで買うかを理解できることが必要です。商品名、内容量、セットの点数、選択した色、支払う金額など、自社の注文で間違いが起こりやすい情報を整理します。説明を増やす場所ではなく、判断を完了する場所として設計します。
同じ商品でも、初回限定の注文と通常購入などで条件が違う場合があります。読者が別の条件を想定したままボタンを押さないよう、選択肢の名称だけでなく違いを示します。定期的な購入を含む場合など、重要な契約条件が関わる内容は、表示要件を確認したうえで必要な説明を省略しないようにします。
価格の近くには、その価格が何を含むかを明確にします。送料や選択内容で総額が変わるなら、条件が分かる場所へ案内します。値引きの強調を大きくする一方で支払条件が小さくなると、目立つ部分だけで判断されるおそれがあります。強調と理解の両方が成立しているかを見ます。
ボタン文言は、押した後に起きることと合わせます。商品をカートへ入れるのか、選択画面へ進むのか、その場で注文が確定するのかが曖昧だと、慎重な人ほど押しづらくなります。画面上の表現と実際の遷移が一致しているか、初めて使う人の目で確認してください。
複数の場所に購入ブロックを置く場合は、それぞれで条件が矛盾しない管理方法も必要です。途中のブロックだけ古い価格や特典が残ると、どちらが正しいか分からなくなります。追加する数よりも、情報更新が確実に反映されることと、読んだ内容に近い位置で選択できることを優先します。
コピーと購入ブロックのどちらを先に直すか
冒頭で多くの人が離れているからといって、原因が必ずコピーにあるとは限りません。表示の遅さ、広告と商品の不一致、価格の想定違いなども候補になります。逆に購入ボタンのクリックが多くても、その後で条件を初めて理解して離脱しているなら、購入ブロックの説明が不足している可能性があります。
点検では、LP到着、主要説明の閲覧、購入ブロックの表示、ボタン操作、購入手続き、注文完了を分けて見ます。閲覧できたはずの場所と実際に読んだ内容は同じではないため、表示やスクロールの数字だけを理解の証拠にしないことが重要です。利用者が何を理解したかは、操作確認や質問内容も合わせて確かめます。
| 自社で見つかった迷い | 先に検討する変更 | 確認したい行動 |
|---|---|---|
| 広告の商品や条件が見つからない | 冒頭の情報と広告の対応 | 目的の説明へ進めるか |
| 違いを理解できず候補から外す | コピーと根拠説明のつながり | 商品選択を続けるか |
| セット内容や総額が分からない | 購入ブロックの確認情報 | 条件を理解して手続きへ進むか |
| ボタン後に商品選びをやり直す | 選択済み内容と遷移先の一致 | 選び直しや戻る操作が減るか |
優先順位は、迷いの存在をどれだけ確認できたかと、その迷いに接する人数で決めます。到達者が少ない最下部の表現を細かく直すより、広告と冒頭の商品が一致しない状態を直す方が先になる場合があります。逆に既存顧客中心のLPなら、長いブランド説明より購入条件の整理が先になるかもしれません。
証拠が不足している場合は、大きな改修を始める前に購入までの確認を行います。商品を知らない人でもセットを説明できるか、金額を尋ねたときに同じ答えになるか、ボタンを押す前に次の操作を予想できるかを見ます。回答を誘導せず、どの言葉や配置が誤解につながったかを残すと、修正点が具体化します。
短い期間の比較を、早い結論の口実にしない

公開事例のテスト日数は、自社が同じ日数で判断できることを意味しません。必要な観察量は、もとの購入率、流入数、見つけたい差の大きさなどによって変わります。毎日の数字が動くたびに終了日を変えるのではなく、比較前に判断したい差と観察方法を決めます。
同時に二案を比べるなら、対象者の割り付けを揃える必要があります。新規訪問者だけが新案へ入り、再訪者だけが旧案へ入るような偏りがあれば、LPの差と購入者の差を分けられません。また、同じ人が再訪のたびに別案を見てしまう場合、購入に至るまでの体験も複雑になります。
広告側の変更も記録します。訴求や配信対象を変えた時期とLP変更が重なると、どちらの影響か判断しにくくなります。すべてを完全に固定できない場合でも、変更があった期間と対象を残せば、結果をどこまで比較できるかを後から検討できます。
一度にコピーと購入ブロックを変える場合は、複合案としての成否を測る設計にします。どちらが寄与したかを知りたいなら、変更を分けるか、それぞれの組み合わせを比べるために十分な対象数があるかを検討します。細かい要素を増やして比較群を分けすぎると、どの群も判断材料が不足します。
注文が少ない初期には、購入件数だけでなく、表示不具合や遷移の誤りを先に確認します。ただし、中間行動がよいことを購入改善の代わりにしないようにします。ボタンが押されても注文が増えなければ、購入条件の伝わり方や遷移後の画面まで戻って原因を調べます。
購入率が上がっても、売上と利益を別に確かめる
LPの購入率は、来た人が注文へ進む割合を示します。売上は注文単価にも影響されます。小さいセットの購入が増えれば率は上がっても平均単価が下がることがあり、値引きが増えれば売上が増えても残る利益は変わります。率の改善だけで採用を決めないために、何を増やしたいのかを先に決めます。
比較の基本として、対象訪問者当たり売上を「対象となる注文売上÷比較対象の訪問者数」で揃える方法があります。総売上だけでは配信人数の差が混じるためです。ただし、返品や取消し、送料の扱いなど、売上に含める範囲は両案で同じにします。購入までの時間差がある商品では、観察期間も揃えます。
獲得費を含めて判断するなら、注文から得られる粗利だけでなく、値引き、決済、出荷など自社が負担する費用を定めて差し引きます。LP別に費用を割り付けられない場合は、無理に細かな利益差を断定せず、比較できる注文内容と費用条件を明示します。
試用品を販売するLPでは、その後の本品購入をどう扱うかも重要です。初回注文の増加が目的なのか、一定期間内の本品購入まで見たいのかを分けます。後続購入を評価するなら、購入者の同じ経過日数で比較し、まだ購入機会の来ていない人を失敗として数えないようにします。
購入後の不満や返品理由も見ます。強いコピーによって注文は増えたものの、想像と違うという声が増えるなら、期待の作り方を修正する必要があります。広告、LP、届いた商品が同じ期待につながっているかを、短期のCVRと別の軸で点検します。
流入が少ないLPでは、確かな欠陥から直す
対象者が少なく比較テストを十分に行えない場合でも、何も改善できないわけではありません。価格の矛盾、選択した商品の不一致、押せないボタンなど、正しい動作や情報から外れている部分は、率の差が確定するまで放置する対象ではありません。まず不具合と仮説を分けます。
好みや訴求の違いのように、どちらがよいか判断できない変更は、小さく試して観察を積み重ねます。その際、毎回ページ全体を作り直すと結果を比較しづらくなるため、迷いと変更の対応を残します。量が少ないことを理由に、偶然の数件を大きな改善率として扱わないようにします。
他の商品へ展開する際も、同じ配置をそのまま使うのではなく、購入時の判断が似ているかを確認します。色を選ぶ商品と、使う順番を理解して買うセットでは、必要な情報が異なります。再利用するのはページの見た目より、広告の期待と購入条件をつなぐ考え方です。
LPの成績を取り違えないために、計測のつながりを確かめる
LPを比較しても、注文にどちらの案が関わったか分からなければ評価できません。広告のリンク、LP、商品選択、購入手続きの間で、比較対象を識別できる情報が途切れていないかを確認します。計測が抜けた注文を都合のよい案へ割り振らず、不明として扱うことも必要です。
購入者が別の端末へ移った場合や、後日商品名で検索して戻った場合は、最初のLPとの対応が分からないことがあります。すべての経路を完全に把握できるという前提は置きません。自社で確実につながる範囲を決め、つながらない注文がどの程度あるかを確認したうえで、比較の限界を残します。
LPから別の商品へ移って購入する人もいます。対象商品の購入だけを数えるのか、訪問後の全注文を含めるのかで、コピーの評価が変わります。主な目的が特定セットの販売なら対象商品の購入を主指標にし、別商品の売上は補助的に見る方法があります。途中で有利な定義へ切り替えないことが重要です。
注文の発生日だけで新旧を分けると、変更前のLPを見た人の購入が変更後の成果へ混ざる場合があります。初回接触、再訪、注文のどの時点で所属を決めるかを揃えます。追える情報が限られるなら、期間比較であることを明確にし、同時比較と同じ確かさで説明しないようにします。
最後に、自社の集計が意図どおり動くかを確認用の操作で試します。広告からLPへ入り、選択肢を変更し、購入を完了する流れと、途中で離れ再訪する流れを分けて確認します。比較を始めてから記録不足に気づくより、先に注文記録との対応を検証する方が、限られた流入を無駄にせず判断に使えます。
よくある質問
化粧品LPのA/Bテストは、公開事例と同じ13日間で終えてよいですか?
日数だけを合わせず、自社の流入数と購入件数、判別したい差から観察量を決めます。購入までに時間がかかる場合は後日の注文も揃えて確認します。毎日の率の上下で終了を決めず、比較前に定めた条件に達しているかを確かめてください。
キャッチコピーと購入ブロックは、一緒に変更してもよいですか?
新しいLP全体を採用できるかが目的なら、まとめて比較できます。ただし、どちらが効いたかは分かりにくくなります。要素別の優先順位を知りたい場合は変更を分け、流入を細分化しすぎて各案の購入件数が不足しないかも確認してください。
LPの購入ボタンは押されるのに、注文が増えない場合は何を見ますか?
ボタンの先で初めて分かる条件と、選択内容が引き継がれているかを確認します。送料、セット内容、購入方法の想定違いがあると、操作は増えても注文にはつながりません。購入手続きの段階別離脱と、戻る操作や入力エラーを合わせて点検してください。
まとめ:期待を作るコピーと、購入を決める情報をつなぐ

化粧品LPの改善では、冒頭のコピーと購入ブロックを独立した装飾として扱わないことが大切です。広告で持った期待を受け止め、その期待を商品情報で確かめ、購入条件を理解して注文へ進める流れを作ります。どこで判断が止まるかによって、先に変える場所は変わります。
まずは主要な広告一つと到着先を選び、商品、訴求、価格、セット内容、次の操作が一貫しているかを点検してください。そのうえで減らしたい迷いを一つ定め、購入率と注文内容を同じ条件で比較します。短期間の数字だけで結論を急がず、正しく理解して買われたかまで確かめることが、自社に残るLP改善の知見になります。
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