MEDIA›集客・マーケ戦略

旅行会社のWeb集客事例|クラブツーリズム・びゅうトラベルに学ぶ予約導線

集客・マーケ戦略公開:2026年10月6日
TimeValue MEDIA

旅行会社のWeb集客では、SEO・広告・CRMそれぞれの反応を増やすだけでなく、記事から特集、商品詳細、予約へ進む途中の離脱を改善することが重要です。途中の行動が増えても予約や確定売上が伸びているかを確認します。観光記事のアクセスや広告のクリックは取れるのに予約が増えない場合は、このつながりを優先して点検してください。

旅行者が知りたいことは、検討の進み方によって変わります。行き先を探している段階と、出発日や同行者を決めた段階では、同じページを見せても十分とは限りません。記事、特集、商品詳細、予約、再訪時の案内を、次の疑問に答える順番でつなぐことが重要です。

この記事では、クラブツーリズムとJR東日本びゅうツーリズム&セールスの公表事例をもとに、SEO・広告・サイト・CRMを予約と売上へつなぐ改善策を考えます。いずれも第三者が公開した事例であり、TimeValueの支援実績ではありません。確認できる事実を最初に整理し、その後に自社向けの具体策を提示します。

クラブツーリズムは、広告・サイト・CRMを通してWeb販売を改善

ノートと計算機、色付きのメモ(イメージ写真)

トランスコスモスの公式事例は、クラブツーリズムに対する広告、Webサイト、CRMの統合運用を紹介しています。広告から着地ページ、着地ページから商品詳細など、接点の間で起きる離脱を可視化し、施策を横断して改善したと説明されています。

公表成果は、運用開始から9年でWeb売上高が4倍に拡大したというものです。事例PDFは2018年11月の取材情報であることを明記しています。出典:トランスコスモスのクラブツーリズム導入事例、同事例PDF。

この数字は会社全体の売上でも、広告単独の成果でもありません。具体的な売上額や費用、施策別の寄与は同事例では確認できず、長期の市場変化やWebへの販売移行の影響を分離した検証結果も示されていません。参考にするのは4倍という倍率そのものより、施策の境目にある離脱を改善対象にした考え方です。

びゅうトラベルは、記事から次の検討へ進む率を改善

白い机に置かれたノートパソコン(イメージ写真)

ミエルカコネクトの2024年7月公開事例では、JR東日本びゅうツーリズム&セールスが、検索する人の検討段階に沿って記事と案内先を設計した取り組みを紹介しています。予約ページや特集への遷移、メルマガ登録などを、最終予約に至る手前の成果として扱いました。

半年で約30本のコンテンツを公開し、支援マーケターが作成した記事群は、それ以前に制作した記事群と比べ、マイクロコンバージョン率が2.3倍だったと公表されています。出典:ミエルカコネクトのJR東日本びゅうツーリズム&セールス事例。

これは予約件数や売上が2.3倍という意味ではありません。同じ記事の改善前後ではなく、作成した記事群と以前の記事群の比較です。比較する記事群では対象者やテーマなどが異なる可能性があり、記事設計だけの効果を分離した検証結果は示されていません。分母の詳細や各行動の内訳も公表ページでは確認できないため、複数の行動の率を自社で単純合計して再現しようとしないでください。

二つの事例が示すのは、流入を増やすだけでなく、利用者が次へ進めるかを見る視点です。以下は、その考え方を参考にした編集部の提案です。両社が以下の施策をすべて行ったという説明ではありません。

旅行者の検討を、行き先探し・比較・予約の三段階で考える

グラフを表示するノートパソコン(イメージ写真)

まず、自社が販売したい商品と、利用者がまだ決めていない条件を整理します。行き先が決まっていない人に出発日だけを選ばせても動きにくく、日程を決めた人に広い観光情報ばかり見せても、必要な商品に到達できません。

行き先探しの段階には、旅のテーマや過ごし方を具体的に想像できる記事を用意します。比較段階には、出発地、日数、移動の負担、食事や体験、料金に含まれる内容を確認できる特集や一覧が必要です。予約段階には、希望条件で申し込める商品と、その条件を迷わず確認できる導線を整えます。

たとえば、同じ紅葉旅行でも、景色をゆっくり楽しみたい人と、多くの名所を巡りたい人では比較したい内容が違います。「おすすめの紅葉スポット」から一律に商品一覧へ送るより、記事内で過ごし方の違いを説明し、対応する旅行商品へ案内する方が、次の判断をしやすくなります。

すべての読者を予約へ直行させる必要はありません。予約できる人には近道を残し、まだ迷う人には次の疑問を解消する情報を出すことが基本です。ページの途中に置くボタンも、読者がそこで何を決められるかに合わせて変えます。

SEO記事は、販売する旅行の選び方まで扱う

ノートと筆記具(イメージ写真)

旅行のSEOでは、大きな観光キーワードほど幅広い読者が集まります。アクセスを増やすこと自体はできても、自社の旅行商品に関係の薄い訪問ばかり増えると、予約への貢献を確認しにくくなります。検索量だけでなく、自社が答えられる疑問と、紹介できる商品があるかを見て企画します。

記事の企画では、観光地の紹介に加え、どんな日程なら何を体験できるか、どんな条件の人に合いやすいかを具体化します。自社が販売する旅で確認できる内容と、一般的な観光情報を混ぜないことも重要です。自由時間に個人で訪れる場所を、旅行代金に含まれる体験のように見せないようにします。

案内先には、記事のテーマに合った特集や商品を選びます。出発地に制約のある商品なら、全国の読者へ同じ強さで申し込みを促すより、出発地を選べる一覧を案内する方法が考えられます。記事で紹介した体験を選べる商品がないなら、無関係な商品を押し込むより、別の検討情報を示します。

既存記事の改善では、検索流入があるのに商品閲覧へ進んでいないものから確認します。検索者が情報収集だけを望んでいるのか、販売商品の存在に気づいていないのかで、修正は変わります。タイトルを変える前に、検索語、本文の説明、リンク先を一続きで読むことが有効です。

特集ページでは、旅行を選ぶ条件を見つけやすくする

三脚に取り付けたスマートフォン(イメージ写真)

特集ページに多数の商品を並べれば選びやすくなるとは限りません。利用者が決めたい条件と、商品の見せ方をそろえる必要があります。テーマが同じでも、出発地や日数、参加形式が違えば、一つずつ詳細を開いて戻る負担が生まれます。

最初に、商品を比較するうえで重要な軸を選びます。短い休みで行ける旅なのか、食や文化の体験が中心なのか、移動のしやすさを重視するのか。自社の商品に合う比較軸を示し、各商品で違う内容を同じ順序で掲載します。写真の印象だけで選ばせず、予約前に必要な条件を見つけられるようにします。

料金表示も比較しやすさに関わります。最低価格だけが並ぶと、その条件で利用できる日や内容を探す負担が増えます。表示価格の対象、含まれる内容、追加で確認すべき条件を分かる位置に示してください。最新条件は正式な商品ページで確認できるようにし、特集の古い表示と矛盾させないことが大切です。

特集から商品詳細への遷移率だけが上がり、予約が増えない場合は、期待した条件の商品があるかを確かめます。目立つ画像でクリックを誘えても、詳細で内容が違うと感じさせていれば改善とは言えません。商品詳細から特集に戻る動きや、条件変更の多さも手がかりにできます。

広告は、記事と特集で見つけた選択理由を試す

計算機とメモ用紙(イメージ写真)

広告で伝える内容を、値引きや有名観光地の名称だけに限定しないことが重要です。記事や特集で、どの説明が商品閲覧や予約に結びついているかを確認し、旅行を選ぶ理由を広告の仮説にします。自社の商品で実現できる体験や、比較で評価される条件を伝えます。

たとえば、移動の手間を減らしたい人向けの商品なら、その仕組みを具体的に説明します。内容が似た旅行と比べ、どの体験が含まれるのかが強みなら、その違いを示します。広告を見た後のページにも同じ説明を置き、広告の言葉だけで魅力を作らないようにします。

検索広告では、検索している地域や条件に合う特集へ案内します。SNSの広告では、旅行をまだ決めていない人にも体験を知ってもらえますが、予約直前の検索流入と同じ即時CVRを期待するとは限りません。商品閲覧などの途中の行動と、一定期間後の予約を分けて確認します。

CTRが上がっても、予約率が下がる場合は訴求が広がりすぎていないかを確認します。反対に、対象条件を明確にしたことでクリックは減っても、予約に至る割合が上がる可能性があります。広告の良し悪しは、着地先で何を理解し、どの商品を選んだかと合わせて判断します。

メールやSNSで、前回の検討を続けられるようにする

パソコンとタブレットを置いた机(イメージ写真)

旅行は、本人だけで決められない場合があります。同行者との日程調整や、候補の比較をしてから戻る利用者に向け、前回の関心に近い情報を探しやすくすることを考えます。すべての人に全商品を案内するより、本人が希望した旅のテーマや地域に沿って内容を選びます。

メールなら、特定の地域に関心を示した人へ、その地域の商品を比べる際に役立つ内容を届ける方法があります。日程が決まっていない段階には、季節の特徴や日数別の過ごし方を案内し、予約検討が進んだ段階には、現在申し込める商品の条件確認へつなげます。配信は同意と利用目的の範囲に沿って行います。

SNSでは、旅の魅力を短い動画や写真で伝えた後に、詳細な記事や特集へ進めるようにします。体験の一部だけを印象的に切り取る場合も、どの旅行に含まれる内容かを明確にします。第三者の投稿や写真を無断転載せず、自社で権利を確認した素材を使います。

予約済みの利用者に、新規申込み用の案内を何度も届けることは避けます。利用前に必要な情報と次の旅行の提案を分け、現在の関心に合う接点を作ります。配信後はクリックだけでなく、商品閲覧、予約、解除や苦情を確認し、届く人数を増やす前に内容が役立っているかを見ます。

途中の成果は、予約までつながっているかを確かめる

積み重ねた無地の配送箱(イメージ写真)

びゅうトラベルの事例のように、最終予約より手前の行動を設定すると、記事や特集の改善を検討しやすくなります。ただし、指標を増やせばよいわけではありません。自社では、どの行動が次の検討を示すのかを定義します。

記事から関連商品への到達は、商品を比較し始めたことを示す候補になります。予約ページへの到達は、さらに申込みに近い行動です。一方、ページを最後まで読んだことは、満足した結果そこで検討を終えた場合もあります。計測しやすいという理由だけで、すべてを同じ価値の成果にしないようにします。

途中の成果を増やす変更をしたら、その後の予約率も確認します。ボタンを増やして商品ページへの遷移が増えたとしても、関心の薄い訪問が増えただけなら、売上への効果は限定的かもしれません。同じ訪問者が複数のボタンを押したときの扱いもそろえ、行動数と人数を区別します。

記事群を比べる場合は、テーマ、流入元、公開からの期間、対象シーズンなどを確認します。新しく作った記事が高い率でも、予約に近いテーマを多く扱っているだけという可能性があります。比べる条件をそろえられない場合は、差があることまでを事実とし、理由を断定せず次の検証へ進みます。

予約CPAとWeb売上を、同じ期間の実績につなげる

ノートと計算機、色付きのメモ(イメージ写真)

広告ではCTR、サイトでは商品閲覧や予約のCVR、費用面では予約CPAを確認します。CTRの分母は表示、予約CVRの分母は対象となる訪問など、自社で定めた計測単位をそろえてください。特集閲覧の率と予約完了の率を、同じCVRという名前で混ぜないことが重要です。

予約CPAは対象費用を予約件数で割って求めますが、記事制作費やメール運用費を含める場合は、広告費だけのCPAと区別します。複数媒体が同じ予約を計上する可能性もあるため、媒体の成果件数を足し合わせた数字をWeb予約総数として扱わないようにします。

売上を見る際は、申込日と出発日が異なることに注意します。広告を出した月の予約が後の月の利用につながる場合、売上の計上時点だけで比べると、集客の成果を見誤ることがあります。予約を獲得した時点の見込額と、取消しや変更を反映した確定額を分けて追います。

予算を増やす判断では、予約数だけでなく、利用金額と費用の変化も見ます。低価格商品の比率が上がった場合、予約件数が伸びても売上は同じように伸びません。販売商品の構成が変わったのか、同じ商品で獲得効率が変わったのかを確認してから、配分を見直します。

季節商品の改善は、次の販売機会に使える形で残す

白い机に置かれたノートパソコン(イメージ写真)

旅行商品の成果は季節の影響を受けます。前月よりアクセスが増えたとしても、単に旅行の関心が高まる時期に入った可能性があります。前年同時期との比較も、曜日や連休、価格、商品構成が違えば同じ条件にはなりません。施策変更と外部条件を分けて考えます。

シーズン中の改善では、すでに流入している記事と特集のつながりを先に見ます。旅行の検索が増えてから新しい記事を大量に作るより、読まれている記事から現在の商品を見つけられるようにする方が、早く試せる場合があります。終了した商品だけを案内し続けていないかも確認します。

シーズン後には、どんな検索や投稿から来た人が、どの比較情報を見て予約したかを整理します。次回は記事のテーマ、特集の比較軸、広告の訴求、メールで案内する順序へ反映します。前年と同じページをそのまま再掲せず、今年販売する商品と最新条件に合わせて更新することが必要です。

最初は一つの旅行テーマで、施策の間をつなぎ直す

グラフを表示するノートパソコン(イメージ写真)

総合的な改善と聞くと、全サイトを作り替える取り組みに見えるかもしれません。最初は、一定の検索流入があり、複数の商品を比較できる旅行テーマを一つ選びます。記事、特集、商品詳細、予約画面をたどり、どの疑問が未解決のまま残るかを確認します。

そのうえで、直す場所を絞ります。記事は読まれるのに特集へ進まないなら、関連性の説明と案内先を改善します。特集から商品詳細へ進むのに予約が始まらないなら、料金や参加条件などの比較材料を見直します。広告やメールは、修正したページに合う表現へそろえます。

変更後は、途中の行動と予約を一緒に確認してください。複数の施策を同時に変える必要がある場合は、個別の施策だけの成果と断定せず、テーマ全体の成果として判断します。最初の検証で見つかった不足を直し、別の旅行テーマへ広げる際は、その商品の選ばれ方に合わせて作り直します。

よくある質問

記事のアクセスが増えていれば、SEOは成功ですか?

集客の成果はありますが、予約への貢献は別に確認が必要です。自社の商品に関係する読者が来ているか、比較ページや商品詳細へ進んでいるかを見ます。記事の役割に応じた途中の行動と、十分な検討期間を経た予約を合わせて評価します。

マイクロコンバージョン率2.3倍を目標にできますか?

そのまま目標にはできません。事例は新旧の記事群の比較であり、同じ記事の改善前後ではありません。自社でどの行動を成果とし、どの訪問を分母にするかを決め、テーマや流入元をそろえた基準値から改善を検証してください。

旅行会社のCRMは、割引メールが中心でよいですか?

価格以外で迷っている利用者には、比較材料の方が役立つ場合があります。希望した地域やテーマに沿い、日数別の過ごし方や商品の違いを案内します。配信への同意を前提に、予約済みの人と検討中の人を分けて内容を見直します。

広告とSEOのどちらへ予算を増やすべきですか?

先に流入と予約までの離脱を確認します。訪問はあるのに商品を選べない状態なら、特集や商品説明の改善が先です。選ばれるページがあり到達が少ないなら集客を増やします。予約CPAと確定売上を見ながら段階的に判断してください。

参考情報

まとめ 旅行を選ぶ過程を、施策ごとに途切れさせない

ノートと筆記具(イメージ写真)

クラブツーリズムの事例は施策の境目にある離脱への対応、びゅうトラベルの事例は記事から次の検討へ進む行動の改善を示しています。自社へ取り入れる際は、成果倍率を借りるのではなく、利用者が次に必要とする情報と案内先をそろえることから始めます。

出典確認日:2026年10月6日。紹介した事例は各出典の公表時点の情報であり、TimeValueの支援実績ではありません。

観光記事のアクセスや広告のクリックを予約につなげたい、SEO・特集ページ・広告・CRMを横断して見直したい方は、TimeValueへご相談ください。一つの旅行テーマの検討経路から、優先して改善すべき場所を考えましょう。

無料Webマーケティング診断|毎月10社まで

集客から売上まで、改善の優先順位を整理しませんか?

広告・LP・計測の状況をもとに、問い合わせや購入につながるまでの課題を整理します。どこから改善すべきか迷っているWebマーケティング担当者の方は、無料診断をご相談ください。

無料診断について相談する

受付上限は毎月10社です。現在の受付状況はお問い合わせ時にご確認ください。

本文の写真は人物を含まないイメージ素材です。紹介した企業の製品・施設・施策を撮影したものではありません。