
費用の計画が会計の年度で組まれ、需要が試験の回で動くからです。
この2つがずれていると、需要の山に費用が足りず、閑散期に余ります。
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目次
目次
- 通信講座の広告予算が、試験の暦と噛み合わないのはなぜか
- 費用の管理の単位を変える
- 申込1件に払える上限は、どう計算するのか
- 物の原価が件数で変わる
- 試験の回に、費用をどう寄せるのか
- 山の位置を過去の実績から出す
- 複数の講座がある場合、配分をどう決めるのか
- 入門の講座をどう位置づけるか
- 経営に講座別の予算を説明するとき、何を1枚に載せるのか
- 試験の回の一覧を添える
- 期中に費用を増減する判断は、どう行うのか
- 週次で見る数字を決める
- 外部に配分を任せるとき、何を渡すのか
- 更新の周期を決める
- 通信講座の予算設計は、どこから着手するのか
- よくある質問
- まとめ
費用の計画が会計の年度で組まれ、需要が試験の回で動くからです。
この2つがずれていると、需要の山に費用が足りず、閑散期に余ります。
通信講座の広告予算が、試験の暦と噛み合わないのはなぜか
費用の計画が会計の年度で組まれ、需要が試験の回で動くからです。
この2つがずれていると、需要の山に費用が足りず、閑散期に余ります。
通信講座の需要は、試験や検定の日程に連動します。
試験の半年前から検討が始まり、直前に集中します。
この動きは、会計の年度とは一致しません。
年度の途中で山が来ることも、年度をまたいで需要が続くこともあります。
予算を年度で12等分すると、山の時期に費用が足りません。
足りない分は、その回の申込として取り戻せません。
一方で、閑散期には費用が余ります。
余った費用を消化するために、効率の悪い出稿が続くこともあります。
さらに、複数の試験に対応している場合は山が複数あります。
年度の中で、山と閑散期が何度も入れ替わります。
この構造を予算に反映しないと、前年比の増減でしか説明できません。
説明できないと、増額も減額も根拠が作れません。
費用の管理の単位を変える
会計の年度は変えられません。
変えるのは、費用の管理の単位です。
管理の資料では、試験の回ごとに費用と申込を並べます。
会計の資料とは別に持つ形になります。
この2つを並べて経営に出すと、どちらの視点でも説明できます。
片方だけだと、必ずどこかで説明がつかなくなります。
需要が試験の回で動くため、年度の予算と噛み合いません。費用の管理の単位を試験の回に変えてください。
申込1件に払える上限は、どう計算するのか
受講料から教材と添削の原価を引き、返金と中断の率を織り込んで出します。
講座ごとに原価の構造が違うため、講座別に計算してください。
計算に必要なのは3つです。
受講料、提供にかかる原価、そして返金と中断の率です。
受講料は、割引を反映した実質の金額で置いてください。
名目の金額で計算すると、上限が高く出ます。
原価には、教材の制作と印刷、発送、添削の人件費が入ります。
校舎がないぶん、物流と添削の比重が大きくなります。
返金と中断の率は、収入を直接減らします。
制度がある場合は、必ず織り込んでください。
この3つから出した粗利に、残したい利益の割合を掛けます。
残りが、申込1件に払える上限です。
講座をまとめて平均で計算すると、実在しない数字が出ます。
単価と原価の差が大きい講座がある場合は、必ず分けてください。
通信講座で申込1件の上限を出す計算の流れ
| 段階 | 入れる数字 | 注意する点 | 出てくるもの |
|---|---|---|---|
| 1 | 講座別の実質の受講料 | 割引を反映する | 名目ではない単価 |
| 2 | 教材と印刷と発送の原価 | 部数で単価が変わる | 物の原価 |
| 3 | 添削とサポートの人件費 | 受講者数に比例する | 人の原価 |
| 4 | 返金と中断の率 | 直近12か月の実績 | 実質の粗利 |
| 5 | 残したい利益の割合 | 回収の制約と合わせる | 申込1件に払える上限 |
数字は説明のための仮の値です。
実質の受講料が6万円、教材と発送の原価が1万2千円、添削とサポートが1万8千円なら粗利は3万円です。
返金と中断で1割落ちると実質2万7千円になります。
残したい利益を6割に置くと、申込1件に払える上限はおよそ1万8百円です。
物の原価が件数で変わる
教材の印刷は、部数によって単価が変わります。
部数が読めないと、原価も確定しません。
そのため、申込の見込みと印刷の計画を連動させてください。
連動していないと、余剰か不足のどちらかが生じます。
余剰の在庫は、改訂で使えなくなります。
不足は、発送の遅れとして受講者に影響します。
上限は実質の受講料から物と人の原価を引き、返金と中断を織り込んで講座別に出します。印刷の部数は申込の見込みと連動させてください。
試験の回に、費用をどう寄せるのか
試験日から逆算して、検討が始まる時期と直前期の2つに山を作ります。
均等に配分すると、どちらの山も取りこぼします。
費用を寄せる時期は、試験日から逆算して決まります。
山は2つあります。
1つ目が、検討が始まる時期です。
試験の半年前あたりから、計画的に準備する層が動きます。
この層は完走率が高く、上位の講座も検討します。
単価も高くなるため、費用を厚く置く価値があります。
2つ目が、直前期です。
短期で仕上げたい層が動きます。
この層は完走率が低く、単価も低い傾向があります。
一方で件数は出るため、目的を分けて費用を置きます。
2つの山の間は、費用を絞って構いません。
検討が動いていない時期に出稿しても、単価が上がるだけです。
山の位置を過去の実績から出す
山の位置は、試験の種類によって違います。
過去2年から3年の月別の申込を、試験日からの週数で並べてください。
週数で並べると、試験日が動いても比較できます。
月で並べると、年によってずれます。
この形にすると、山の位置と高さが見えます。
見えれば、費用を置く週が決まります。
費用は検討が始まる時期と直前期の2つの山に寄せます。過去の申込を試験日からの週数で並べると、山の位置が見えます。
複数の講座がある場合、配分をどう決めるのか
講座別の上限と、完走率の高さの2つで決めます。
件数が出るだけの講座に寄せると、完走率が下がって口コミに効きます。
複数の講座を持つ場合、配分の基準が要ります。
基準がないと、件数が出る講座に費用が寄ります。
寄る先は、単価が低く入りやすい講座です。
件数は出ますが、収入も完走率も低くなります。
そのため、基準を2つ置いてください。
講座別の上限と、講座別の完走率です。
上限が高く完走率も高い講座に、費用を厚く置きます。
この講座は、収入にも口コミにも効きます。
上限が低い講座は、件数の目的で使います。
上位の講座への経路が設計されていれば、位置づけが変わります。
経路がない場合は、その講座の費用は抑えてください。
件数だけが増え、収入は伸びません。
通信講座で講座ごとの配分を決める判断材料
| 判断材料 | 見る数字 | 厚く配る条件 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 講座別の上限 | 粗利から出した金額 | 上限が高い | 原価の構造で変わる |
| 講座別の完走率 | 申込の群ごとの完走率 | 完走率が高い | 期間の長さで変わる |
| 上位への経路 | 上位講座への移行率 | 経路がある | 設計されているか |
| 試験の暦 | 回ごとの需要の山 | 山の時期 | 複数の暦が重なる時期 |
| 在庫と発送の余力 | 印刷と発送の計画 | 余力がある | 急増に対応できるか |
入門の講座をどう位置づけるか
低単価の入門の講座は、それ単体では採算が合わないことがあります。
上位の講座への経路として位置づけると、扱いが変わります。
その場合、評価する数字は入門の申込件数ではありません。
入門から上位への移行率です。
移行率が一定を下回る場合、入門の講座は単体で評価してください。
経路として機能していないためです。
配分は講座別の上限と完走率で決めます。低単価の講座は、上位への移行率で評価してください。
経営に講座別の予算を説明するとき、何を1枚に載せるのか
講座別の上限、試験の回ごとの必要な申込件数、そこから出た総額の3つです。
総額だけを出すと、増額も減額も前年比の議論に戻ります。
予算が通らない理由の多くは、金額の大きさではありません。
その金額が何に基づいているかを、1枚で説明できていないことです。
載せるのは、講座別の上限、回ごとの必要な申込件数、総額の3つです。
この3つが並ぶと、どこを動かせば総額が変わるかが分かります。
上限は、実質の受講料と原価と返金の率から出した数字です。
前提として置いた率も添えてください。
必要な申込件数は、完走の目標から逆算した数字です。
完走率を含めた計算であることを明記します。
総額は、この2つの掛け算に、認知の枠を足した形になります。
足した分は、目的が違うことを明記して別行にします。
この形にしておくと、減額を求められたときの会話が変わります。
総額を削るのではなく、どの回のどの講座を削るかの議論になります。
試験の回の一覧を添える
年度の中に、試験の回が複数あります。
回の一覧と、それぞれの費用の山を添えてください。
一覧があると、削減の判断がどの回に効くかが分かります。
一覧がないと、総額を一律に削る判断になります。
一律の削減は、山の時期に最も大きく効きます。
効率の悪い削り方になります。
1枚に載せるのは講座別の上限、回ごとの必要な申込件数、総額の3つです。試験の回の一覧を添えてください。
期中に費用を増減する判断は、どう行うのか
試験日までの残りの週数と、講座別の申込の進捗で判断します。
試験が終わった講座に費用を足しても、その回の申込にはつながりません。
期中の判断は、試験日までの残りの週数で取れる打ち手が変わります。
時期を過ぎると、その回では回復できません。
半年以上前の時期に進捗が遅れている場合、回復の余地があります。
訴求と経路の見直しで、まだ間に合います。
3か月前の時期は、直前期に向けた準備の時期です。
短期向けの講座の訴求を強める判断が使えます。
直前期に遅れている場合、打てる手が限られます。
残る期間で仕上がる講座だけが対象になります。
試験の直後は、次の回への切り替えの時期です。
この時期の費用は、次の回の検討層に向けた設計になります。
止める判断は、在庫と発送の余力で行うこともあります。
急増に対応できない場合、申込を増やしても発送が遅れます。
通信講座で期中に費用を動かす判断
| 試験日までの残り | 遅れている数字 | 取れる打ち手 | 効果が出るまで |
|---|---|---|---|
| 半年以上 | 資料請求 | 経路の追加と訴求の見直し | 1か月 |
| 3か月から半年 | 申込 | 上位講座の訴求と比較の材料 | 2週間から1か月 |
| 1か月から3か月 | 申込 | 短期向けの講座の訴求 | 1週間から2週間 |
| 1か月未満 | 申込 | 残る期間で仕上がる講座のみ | 数日 |
| 試験の直後 | 次の回への申込 | 次の回への切り替えの案内 | 2週間 |
週次で見る数字を決める
需要の山の時期は、週次の確認が要ります。
見る数字を3つに絞ってください。
講座別の申込件数、試験日からの週数で見た前年との比較、そして在庫と発送の余力です。
この3つがあれば、その週の判断ができます。
週次で見る数字を増やすと、確認が業務を圧迫します。
残りは月次に回してください。
期中の判断は試験日までの残りの週数で変わります。山の時期は週次で、講座別の申込と前年比と発送の余力を見てください。
外部に配分を任せるとき、何を渡すのか
試験の暦、講座別の上限と完走率、そして在庫と発送の余力です。
これがないと、外部は申込が安く取れる講座に費用を寄せます。
外部に配分を任せる場合、渡す情報が判断の質を決めます。
渡さなければ、外部は媒体の数字で最適化します。
媒体の数字で最適化すると、申込が安く取れる講座に寄ります。
安く取れるのは、単価の低い入門の講座です。
この講座は、上位への経路がなければ収入に変わりません。
寄せた費用が、収入につながらない状態になります。
渡すべきなのは、試験の暦です。
回ごとの日程がないと、費用の投下の設計ができません。
次に、講座別の上限と完走率です。
この2つがあれば、どの講座に寄せるべきかが判断できます。
3つ目が、在庫と発送の余力です。
急増に対応できない時期は、申込を増やす判断が適切でありません。
更新の周期を決める
進捗は、試験の回によって速く動きます。
月次の共有では、判断が遅れます。
需要の山の時期は、週次で更新してください。
更新の形式を固定すると、作業は数十分で終わります。
形式が毎回変わると、外部側も蓄積して比較できません。
1つの表を毎週更新する形にしてください。
外部に渡すのは試験の暦、講座別の上限と完走率、在庫と発送の余力です。山の時期は週次で更新してください。
通信講座の予算設計は、どこから着手するのか
講座別の実質の受講料と原価を出すところからです。
粗利が分からないと上限が決まらず、総額の根拠も作れません。
予算設計の作業の大半は、金額を決めることではありません。
講座別の収入と原価を、社内から集める作業です。
最初に集めるのは、講座別の実質の受講料です。
割引を反映した数字で出してください。
次に、教材と発送の原価と、添削とサポートの人件費を出します。
校舎がないぶん、この2つが原価の中心になります。
通信講座の予算設計の着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 講座別の実質の受講料を出す | 経営とマーケ | 1週間 |
| 2 | 教材と発送の原価を出す | 制作と物流 | 2週間 |
| 3 | 添削とサポートの人件費を出す | 受講サポート | 1週間 |
| 4 | 返金と中断の率を出して粗利に織り込む | 経営と受講サポート | 1週間 |
| 5 | 申込1件に払える上限を講座別に出す | マーケと経営 | 3日 |
| 6 | 試験日からの週数で過去の申込を並べて配分を作る | マーケティング | 2週間 |
この6工程は、着手から合意までで6週間前後が目安になります。
試験の回に間に合わせるには、山の時期の3か月前までに終えてください。
作った配分は、試験の回ごとに進捗と突き合わせて更新します。
年度の初めに作った配分をそのまま使い続けると、回ごとの差に追随できません。
数字は説明のための仮の値です。
申込1件の上限が1万8百円で、必要な申込が5,000件なら、置ける費用の総額はおよそ5,400万円です。
この金額を、試験の回ごとの山に配分します。
在庫と発送の余力を超える見込みが立った時点で、出稿を調整する判断になります。
見直しは回ごとに行ってください。
返金と中断の率が動くと、上限が変わります。
着手点は金額ではなく、講座別の実質の受講料と原価の集計です。粗利と完走率が揃えば、上限と配分は数週間で決まります。
通信講座の予算の決め方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
獲得の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
広告予算を年度で均等に配分してよいですか
需要が試験の回で動くため、均等に配分すると山の時期に費用が足りず閑散期に余ります。費用の管理の単位を試験の回に変えてください。過去の申込を試験日からの週数で並べると、山の位置が見えます。
申込1件に払える上限はどう計算しますか
実質の受講料から教材と発送の原価、添削とサポートの人件費を引き、返金と中断の率を織り込んでから残したい利益の割合を引きます。講座によって原価の構造が違うため、平均ではなく講座別に出してください。
費用をどの時期に寄せますか
試験日から逆算して、検討が始まる時期と直前期の2つに山を作ります。検討が始まる時期の層は完走率が高く単価も高くなり、直前期の層は件数が出ます。2つの山の間は、費用を絞って構いません。
複数の講座がある場合の配分はどう決めますか
講座別の上限と完走率の2つで決めます。件数が出るだけの講座に寄せると、完走率が下がって口コミに効きます。低単価の入門の講座は、上位への移行率で評価してください。
期中に費用を増やす判断はどうしますか
試験日までの残りの週数と、講座別の申込の進捗で判断します。試験が終わった講座に費用を足しても、その回の申込にはつながりません。在庫と発送の余力も確認し、急増に対応できない時期は調整してください。
まとめ
- 費用の計画が会計の年度で組まれ、需要が試験の回で動くからです。この2つがずれていると、需要の山に費用が足りず、閑散期に余ります
- 受講料から教材と添削の原価を引き、返金と中断の率を織り込んで出します。講座ごとに原価の構造が違うため、講座別に計算してください
- 試験日から逆算して、検討が始まる時期と直前期の2つに山を作ります。均等に配分すると、どちらの山も取りこぼします
- 講座別の上限と、完走率の高さの2つで決めます。件数が出るだけの講座に寄せると、完走率が下がって口コミに効きます
- 講座別の上限、試験の回ごとの必要な申込件数、そこから出た総額の3つです。総額だけを出すと、増額も減額も前年比の議論に戻ります
- 試験日までの残りの週数と、講座別の申込の進捗で判断します。試験が終わった講座に費用を足しても、その回の申込にはつながりません
- 試験の暦、講座別の上限と完走率、そして在庫と発送の余力です。これがないと、外部は申込が安く取れる講座に費用を寄せます
- 講座別の実質の受講料と原価を出すところからです。粗利が分からないと上限が決まらず、総額の根拠も作れません