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目次
目次
- 通信講座のLTVは、なぜ1講座で止まりやすいのか
- 1回で終わる前提が獲得の上限を下げる
- 2回目以降の収入には、どんな経路があるのか
- 試験の結果が出る時期に動く
- 途中で中断した人を、どう数えるのか
- 受講期間の延長という扱い
- 通信講座で紹介を、偶然から仕組みに変えるには何が要るのか
- 謝礼の設計で気をつけること
- 完走率を上げることは、収入にどう効くのか
- 獲得側が完走率に関われる範囲
- 受講の終了後に、どう接点を維持するのか
- 法人としての再来に備える
- 受講後の収入から、獲得の上限をどう引き上げるのか
- 上限を上げたあとに確認すること
- 通信講座のLTVの設計は、どこから着手するのか
- よくある質問
- まとめ
学ぶ目的が試験の合格に紐づき、目的を果たすと関係が終わるからです。
上位の講座や次の資格への経路がないと、収入は1回で確定します。
通信講座のLTVは、なぜ1講座で止まりやすいのか
学ぶ目的が試験の合格に紐づき、目的を果たすと関係が終わるからです。
上位の講座や次の資格への経路がないと、収入は1回で確定します。
通信講座の多くは、特定の試験や検定に対応しています。
受講の目的は、その試験に向けた準備です。
目的を果たすと、その講座を続ける理由がなくなります。
受かっても受からなくても、関係はそこで途切れます。
さらに、この事業には校舎がありません。
物理的な接点がないため、関係が自然に続く仕組みもありません。
途中で離脱した人は、さらに切れやすくなります。
続かなかった経験があるため、同じ講座には戻りにくくなります。
一方で、学びの階段は多くの領域に存在します。
基礎の資格から上位の資格へ、あるいは関連する別の領域へという流れです。
この階段を経路として設計していなければ、受講者は自分で他社を探します。
探した先に自社の講座がなければ、収入は1回で確定します。
1回で終わる前提が獲得の上限を下げる
LTVを1講座ぶんだけで見ると、払える獲得コストの上限が低く出ます。
上限が低いと、取れる経路が限られます。
限られた経路に集中すると、その経路の単価が上がります。
上がった単価を上限が受け止められず、件数が伸びません。
この循環から抜けるには、2回目以降の収入の経路を作るしかありません。
経路ができてから、上限を引き上げる順番になります。
目的を果たすと関係が終わる構造のため、収入は1回で確定します。学びの階段を経路として設計しないと、上限も上がりません。
2回目以降の収入には、どんな経路があるのか
上位の資格、関連する領域、再受験、そして紹介の4つです。
どれも受講の終了時点で何を渡したかで、その後の発生率が変わります。
2回目以降の収入は、大きく4つの経路に分かれます。
本人が再び受講する経路が3つ、他者を連れてくる経路が1つです。
1つ目が、上位の資格への進行です。
基礎の段階を終えた人が、次の段階に進む流れです。
2つ目が、関連する領域への展開です。
同じ分野の別の資格や、実務に近い内容が該当します。
3つ目が、再受験です。
合格に至らなかった人が、次の回に向けて再び受講する流れです。
4つ目が、紹介です。
職場や学習の仲間を連れてくる経路で、獲得コストが最も低くなります。
このうち再受験は、扱いに注意が要ります。
成果に関する表現には制約があるため、案内の仕方は掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
通信講座で受講の終了後に生まれる収入の経路
| 経路 | 発生までの期間 | 金額の大きさ | 発生率を左右するもの |
|---|---|---|---|
| 上位の資格への進行 | 試験の結果の後すぐ | 受講料に近い | 終了時の次の提示 |
| 関連する領域への展開 | 数か月から1年 | 受講料に近い | 継続した接点 |
| 再受験 | 次の回に向けて | 割引の設計による | 案内の仕方と時期 |
| 紹介 | 受講中から終了後 | 受講料に近い | 紹介の導線の有無 |
| 学習の記録の発信 | 継続 | 直接は発生しない | 発信しやすい材料 |
試験の結果が出る時期に動く
上位への進行と再受験は、試験の結果が出る時期に決まります。
この時期を過ぎると、提示の効果は急速に落ちます。
そのため、結果の発表の時期に合わせて案内を用意してください。
別の施策として後から送る形では、時期を逃します。
案内の内容は、結果によって分けます。
分けるには、結果を把握する仕組みが要ります。
収入の経路は上位の資格、関連する領域、再受験、紹介の4つです。試験の結果が出る時期に、案内を用意してください。
途中で中断した人を、どう数えるのか
中断の理由を分けて記録し、戻る可能性のある層を別に管理します。
すべてを失注として扱うと、再開の経路がそのまま消えます。
途中の中断には、性質の違うものが混ざっています。
分けずに数えると、防げる中断と防げない中断が同じ扱いになります。
防げない中断には、転職、家庭の事情、体調が含まれます。
これらは提供の質とは無関係に起きます。
防げる中断には、進度が合わない、想定と違った、質問への対応が届かなかったが含まれます。
こちらは設計で減らせます。
この2つを分けると、中断の率の変化の意味が読めます。
防げない中断の比率が一定なのに全体が上がっていれば、設計側の問題です。
さらに、戻る可能性で分けます。
時間の確保ができなかった人は、状況が変われば戻ります。
戻る可能性のある層には、接点を残してください。
接点がないと、状況が変わったときに他社が選ばれます。
受講期間の延長という扱い
中断を退会としてしか扱えないと、戻る経路が閉じます。
受講期間の延長という選択肢を用意すると、再開しやすくなります。
延長の条件と期間を先に決めてください。
決まっていないと、個別の交渉になり運用が続きません。
延長の記録は、中断の記録とは別に持ちます。
混ぜると、完走率の数字が実態からずれます。
中断は防げるものと防げないもの、戻る可能性の有無で分けてください。受講期間の延長を用意すると、再開の経路が残ります。
通信講座で紹介を、偶然から仕組みに変えるには何が要るのか
紹介が生まれる場面を特定して、その場面に導線を置きます。
制度を作るより、同じ試験を目指す人が集まる場面に材料を渡すほうが先です。
紹介は、この事業で最も獲得コストの低い経路です。
一方で、多くの組織では発生件数を記録していません。
記録がないと、どの場面で紹介が生まれているかが分かりません。
分からないまま制度だけを作っても、使われません。
最初にやるのは、既存の申込のうち紹介経由の件数を数えることです。
申込フォームに経路の項目があれば、すぐに出せます。
次に、紹介した人がいつの時点の受講者かを見ます。
受講中に集中しているのか、終了後かで打ち手が変わります。
紹介が生まれる場面は、多くの場合、同じ試験を目指す人が集まる場面です。
職場の同僚や、学習の仲間が該当します。
その場面で渡せる材料があるかどうかが、紹介の発生率を決めます。
説明しやすい一言と、送れる先があれば十分です。
通信講座で紹介が生まれる場面と用意するもの
| 場面 | 起きる時期 | 用意するもの | 測る数字 |
|---|---|---|---|
| 職場で同じ資格が話題になる | 受講中から終了後 | 説明しやすい一言と送り先 | 紹介経由の申込数 |
| 学習の仲間との会話 | 受講中 | 共有できる教材の一部 | 経路別の申込率 |
| 試験の結果が周囲に伝わる | 結果の発表の後 | 案内の入口 | 結果の時期の申込数 |
| 学習の記録を発信する | 受講中から終了後 | 発信しやすい材料 | 発信からの流入数 |
| 職場での研修の検討 | 数年後 | 法人向けの相談窓口 | 法人からの問い合わせ数 |
謝礼の設計で気をつけること
紹介の謝礼は、金額を上げても件数が比例しません。
紹介が生まれるのは金額ではなく、話題になる場面があるかどうかで決まるためです。
謝礼を高く設定すると、紹介の動機が金銭に寄ります。
金銭で動く紹介は、完走率が低くなる傾向があります。
謝礼は、手間への対価として控えめに設定してください。
そのぶん、紹介しやすい材料の用意に力を割きます。
紹介はまず件数を数え、生まれる場面を特定してください。謝礼の金額より、話題になる時期に渡す材料のほうが効きます。
完走率を上げることは、収入にどう効くのか
返金の抑制と、2回目以降の経路の両方に効きます。
獲得を増やすより、完走率を数ポイント上げるほうが効率がよい局面があります。
完走率は、受講サポートの指標として扱われがちです。
実際には、収入の側に3つの経路で効きます。
1つ目が、返金と中断の抑制です。
制度がある場合、途中の離脱は収入の減少に直結します。
2つ目が、上位の資格や関連する領域への進行です。
最後まで続けた人からしか、次の受講は生まれません。
3つ目が、紹介と発信です。
途中で離れた人が、周囲に薦めることはほとんどありません。
この3つを合わせると、完走率の数ポイントは獲得の数百件に相当します。
数字は説明のための仮の値です。
年間5,000件の申込で完走率が60%から65%に上がると、完走者は250人増えます。
その250人から上位への進行が1割生まれるなら、25件の申込が獲得費用なしで発生する計算になります。
獲得側が完走率に関われる範囲
完走率は受講サポートだけの数字ではありません。
入ってくる人の状態が、完走率を大きく左右します。
確保できる時間の見立てが甘いまま申込を取ると、完走率は下がります。
この見立ては、訴求と資料の設計で変えられます。
そのため、完走率は獲得側にも返してください。
返す単位は申込の群ごとで、訴求の変更と照らせる形にします。
完走率は返金の抑制、上位への進行、紹介の3つに効きます。獲得側にも申込の群ごとに返してください。
受講の終了後に、どう接点を維持するのか
情報を送るのではなく、使える場を残す形にします。
配信だけの接点は、目的を果たした相手には開かれません。
受講の終了後の接点として最初に思いつくのは、定期的な配信です。
ただし、目的を果たした相手への配信は開封率が急速に落ちます。
理由は、受け取る側に読む理由がないからです。
学習が終わっている状態では、情報そのものの価値が下がります。
続くのは、使える場が残っている形です。
教材を一定期間参照できる状態、質問できる場が該当します。
場を維持する費用は、運用の工夫で抑えられます。
新しい仕組みを作るより、受講中に使っていた場を残すほうが早くなります。
場が残っていると、次の資格を考えたときに戻ってきます。
戻ってきたときに、上位の講座の提示ができます。
接点の効果は、開封率ではなく再訪問の数で測ってください。
配信を減らしても再訪問があれば、接点は機能しています。
法人としての再来に備える
受講者が数年後に研修の検討側に回ることがあります。
このとき、法人名で問い合わせが入るため気づけません。
そのため、法人からの問い合わせに担当者の受講の経験を聞く項目を置いてください。
1項目を足すだけで、この経路の大きさが分かります。
経路の大きさが分かれば、終了後の接点への投資の判断ができます。
分からないままでは、費用の説明がつきません。
終了後の接点は配信ではなく、使える場を残す形にしてください。効果は開封率ではなく再訪問の数で測ります。
受講後の収入から、獲得の上限をどう引き上げるのか
2回目以降の収入が実際に発生している比率だけを、上限の計算に足します。
見込みで足すと、回収が終わらないまま費用だけが増えます。
LTVを伸ばす取り組みは、上限の引き上げとセットで意味を持ちます。
伸びても上限を変えなければ、獲得できる件数は変わりません。
一方で、見込みの数字で上限を上げると資金繰りが先に詰まります。
2回目の収入が発生するのは、早くても試験の結果が出た後だからです。
足してよいのは、実績として発生している比率です。
過去の受講者のうち、何割が次の講座に至ったかを集計します。
集計できていない場合は、上限を上げずに待ってください。
先に集計の仕組みを作るほうが、結果的に早く進みます。
上限に足す期間は、回収の制約と合わせます。
回収を12か月以内に収めるなら、12か月以内に発生した収入だけを足します。
紹介の分は、上限ではなく獲得コストの平均を下げる形で効きます。
上限に足すと二重に計算することになります。
通信講座でLTVを上限の計算に反映する手順
| 段階 | やること | 足してよい条件 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 上位の資格への進行の実績を集計する | 12か月以内の発生分のみ | 見込みは入れない |
| 2 | 関連する領域への展開の実績を集計する | 入金が確認できる分 | 申込段階では数えない |
| 3 | 再受験の実績を集計する | 割引後の実質の金額 | 案内の表現を確認する |
| 4 | 紹介経由の申込を数える | 経路の記録がある分 | 平均の低下として扱う |
| 5 | 上限を再計算する | 回収期間の内側に収まる分 | 講座別に分けて出す |
上限を上げたあとに確認すること
上限を上げると、取れる経路が広がります。
広がった経路の質は、既存の経路と違います。
そのため、上限を上げてから3か月は、最初の課題の提出率を注視してください。
提出率が落ちていれば、広げた経路の質に問題があります。
落ちていなければ、上限の引き上げは正しく機能しています。
その状態で件数が伸びていれば、次の引き上げを検討できます。
上限に足してよいのは、回収期間の内側で実際に発生した収入だけです。紹介は平均の獲得コストを下げる形で反映します。
通信講座のLTVの設計は、どこから着手するのか
受講を終えた人のうち何割が次の講座に至っているかを数えるところからです。
この比率が分からないと、上限をいくら上げてよいかが決まりません。
LTVの設計は、施策から始めると空回りします。
いまどれだけ2回目の取引が起きているかを知らないためです。
最初にやるのは、過去の受講者を名簿として1つにまとめることです。
講座別、終了の時期別に並べるだけで、次の受講の有無が見えます。
次に、申込フォームの経路の項目に紹介と再受講を加えます。
項目がなければ、経路の記録が永久に取れません。
通信講座のLTV設計の着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 受講を終えた人の名簿を1つにまとめる | 受講サポートとマーケ | 2週間 |
| 2 | 上位への進行と関連領域への展開の実績を集計する | マーケティング | 1週間 |
| 3 | 申込の経路に紹介と再受講の項目を足す | マーケティング | 3日 |
| 4 | 中断を理由別に分けて記録し始める | 受講サポート | 1週間 |
| 5 | 試験の結果の時期に次の提示を用意する | 受講サポートとマーケ | 1か月 |
| 6 | 12か月以内の発生分で上限を再計算する | マーケと経営 | 1週間 |
数字は説明のための仮の値です。
年間3,000人が受講を終え、12か月以内の次の講座への進行が6%、紹介経由の申込が5%であれば、終了1人あたり0.06件の追加取引と0.05件の紹介が生まれています。
次の講座の粗利が3万円なら、終了1人あたり1,800円が上限に足せる計算になります。
紹介の分は、上限ではなく全体の平均獲得コストの低下として扱います。
この計算を一度出すと、完走率への投資の判断ができます。
出していない状態では、完走率は受講サポートだけの話にとどまります。
集計は半年ごとに更新してください。
講座の構成が変われば、進行の発生率も変わります。
着手点は施策ではなく、受講を終えた人の名簿と追加取引の集計です。この比率が出れば、上限をいくら上げられるかが決まります。
LTVと獲得の上限の設計で判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
終了後の接点ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
1講座で終わる事業でLTVを考える意味はありますか
あります。受講の終了後には上位の資格への進行、関連する領域への展開、再受験、紹介の4つの経路があります。これらが実績として発生している比率を集計すると、申込1件に払える上限を根拠を持って引き上げられます。
次の講座への案内はいつ送りますか
試験の結果が出る時期です。上位への進行と再受験は、この時期に決まります。時期を過ぎると提示の効果は急速に落ちるため、結果の発表に合わせて案内を用意してください。案内の内容は結果によって分けます。
途中で中断した人はどう扱えばいいですか
中断の理由を、防げるものと防げないもの、戻る可能性のあるものとないものに分けて記録してください。受講期間の延長という選択肢を用意し、条件と期間を先に決めておくと再開の経路が残ります。
完走率は獲得の数字とどう関係しますか
返金と中断の抑制、上位への進行、紹介と発信の3つに効きます。入ってくる人の状態が完走率を左右するため、獲得側にも申込の群ごとに返してください。返さないと、訴求の変更が完走率に与えた影響に気づけません。
LTVが伸びたら獲得の上限をすぐ上げてよいですか
実績として発生している比率だけを足してください。2回目の収入は試験の結果が出た後に発生するため、見込みで足すと回収が終わらないまま費用が増えます。上げたあとの3か月は最初の課題の提出率を注視してください。
まとめ
- 学ぶ目的が試験の合格に紐づき、目的を果たすと関係が終わるからです。上位の講座や次の資格への経路がないと、収入は1回で確定します
- 上位の資格、関連する領域、再受験、そして紹介の4つです。どれも受講の終了時点で何を渡したかで、その後の発生率が変わります
- 中断の理由を分けて記録し、戻る可能性のある層を別に管理します。すべてを失注として扱うと、再開の経路がそのまま消えます
- 紹介が生まれる場面を特定して、その場面に導線を置きます。制度を作るより、同じ試験を目指す人が集まる場面に材料を渡すほうが先です
- 返金の抑制と、2回目以降の経路の両方に効きます。獲得を増やすより、完走率を数ポイント上げるほうが効率がよい局面があります
- 情報を送るのではなく、使える場を残す形にします。配信だけの接点は、目的を果たした相手には開かれません
- 2回目以降の収入が実際に発生している比率だけを、上限の計算に足します。見込みで足すと、回収が終わらないまま費用だけが増えます
- 受講を終えた人のうち何割が次の講座に至っているかを数えるところからです。この比率が分からないと、上限をいくら上げてよいかが決まりません