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システム開発会社のマーケティング予算の決め方|経営にどう説明するか

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約12分
システム開発会社のマーケティング予算の決め方|経営にどう説明するか

獲得を増やしても、受注できる量に上限があるからです。
人が増えなければ売上は伸びないため、獲得の予算は採用の計画とつながります。

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獲得を増やしても、受注できる量に上限があるからです。
人が増えなければ売上は伸びないため、獲得の予算は採用の計画とつながります。

システム開発会社の予算が、他の業種と違う置き方になるのはなぜか

獲得を増やしても、受注できる量に上限があるからです。
人が増えなければ売上は伸びないため、獲得の予算は採用の計画とつながります。

システム開発会社の予算が、他の業種と違う置き方になるのはなぜか

多くの業種では、獲得を増やせば売上が増えます。
受託の開発では、その前に手がける人の制約があります。

引き合いが2倍になっても、投入できる工数が変わらなければ受注は増えません。
増えるのは、断る案件と、そこに使った提案の工数です。

予算の議論に採用が入る理由

売上を伸ばす手段は、工数を増やすか、単価を上げるかの2つです。
工数を増やすには、採用するか、協力会社を使うか、育成するかになります。
獲得の予算だけを議論しても、売上の上限は動きません。

売上を伸ばす手段と、必要な投資

手段必要な投資効果が出るまで
獲得を増やすマーケティングの費用数か月
単価を上げる提案力と領域の専門性半年以上
人を増やす採用の費用と育成の期間半年以上
協力会社を使う調達と管理の工数数週間から数か月
請求できる工数の比率を上げる社内の業務の整理数か月

順序を間違えると、どちらも無駄になる

先に人を増やして案件が足りないと、稼働が空きます。
先に獲得を増やして人が足りないと、断ることになります。
この2つの計画を、同じ会議で並べて議論します。

予算の議論の前に、上限を確認する

稼働可能な工数から売上の上限を出します。その上限に対して、現在どこまで埋まっているかを確認します。埋まり方によって、獲得に使うべき金額が変わります。

獲得にかけてよい上限を、どこから出すのか

1件の案件が生む粗利から出します。
受注金額ではなく、工数を差し引いた後の粗利が基準になります。

獲得にかけてよい上限を、どこから出すのか

受注金額を基準に獲得の上限を決めると、粗利の薄い案件でも予算を使うことになります。

粗利で計算する

案件の受注金額から、投入する工数の原価と、外注の費用を引きます。
残った粗利の一部を、獲得に充てられる上限とします。

受託で獲得上限を出すために要る数字

数字出し方注意点
平均受注金額領域別と規模別に出す全社平均は使わない
案件あたりの投入工数過去の実績から出す見積もりではなく実績
技術者の原価人件費と間接費を含めた単価協力会社は別に出す
案件あたりの粗利受注金額から原価と外注費を引く要件の膨張分を含める
獲得に充てる比率経営が決める配分継続の見込みで変える

継続する案件と、一回で終わる案件を分ける

保守の契約が続く案件と、納品して終わる案件では、獲得に使える額が違います。
継続が見込める案件では、初回の粗利だけで判断しません。

領域ごとに上限を変える

得意な領域では見積もりの精度が高く、粗利も安定します。
不慣れな領域では、同じ受注金額でも粗利が薄くなります。
領域ごとに粗利率を出して、上限を分けます。

提案の工数を上限に含める

受注しなかった案件の提案工数は、獲得の費用です。広告費だけを獲得の費用として扱うと、実際の費用を過小に見積もります。

マーケティングの費用と採用の費用を、どう並べて見るのか

売上の上限を上げる投資として、同じ器で比較します。
どちらが足りないかは、稼働率と引き合いの量で判断できます。

マーケティングの費用と採用の費用を、どう並べて見るのか

獲得の予算と採用の予算は、別々の部門が管理していることが多くあります。
売上を伸ばす投資としては、同じ性質を持っています。

どちらに配分すべきかの判断

稼働率と引き合いの組み合わせによる判断

稼働率条件に合う引き合い優先すべき投資
高い多い採用と育成
高い少ない採用を進めつつ獲得も維持
低い多い提案力と受注率の改善
低い少ない獲得
高い多いが断っている採用または協力会社の確保

断った案件を記録する

条件が合わずに断った案件の件数と金額を記録します。
この金額が大きいなら、獲得ではなく供給側に投資すべき状態です。

採用の費用を売上の上限で説明する

技術者を1人採用すると、年間でいくらの売上の上限が増えるか。
この形で示すと、獲得の予算と同じ土俵で比較できます。
数字は説明のための仮の値です。
一人あたりの年間請求可能工数が10か月分、単価が月100万円なら、上限は年1,000万円増えます。

育成の期間を織り込む

採用しても、すぐには請求できる工数になりません。立ち上がりまでの期間を計画に含めます。

提案の工数を、費用としてどう扱うのか

獲得の費用として集計します。
見えないまま増え続けると、獲得の効率が実態より良く見えます。

提案の工数を、費用としてどう扱うのか

受託の獲得では、提案書と見積もりの作成に時間がかかります。
規模が大きい案件ほど、技術者が関わる時間も増えます。

提案の工数を可視化する

提案にかかる工数の内訳

工程関わる人かかる時間の傾向
初回のヒアリング営業と技術1から数時間
要件の整理技術数時間から数日
概算の見積もり技術数時間から数日
提案書の作成営業と技術数日
提案の説明と質疑営業と技術数時間
追加の検討と再見積もり技術案件により変動

獲得単価に提案の工数を含める

広告費と提案の工数の原価を合わせて、受注1件あたりの獲得費用を出します。
この数字を見ると、引き合いを増やすことの費用が実態に近づきます。

受注率が低いと、提案の工数が積み上がる

受注率が低いまま引き合いを増やすと、提案の工数だけが増えます。
量を増やす前に、条件に合う引き合いの比率を上げるほうが効きます。

提案の段階を分けて工数を抑える

すべての引き合いに正式な提案を出さず、概算の提示で判断する段階を挟みます。この段階で条件が合わないものを止めると、工数が減ります。

期の前半と後半で、配分をどう変えるのか

枠の埋まり方に合わせて動かします。
先の枠が埋まっている時期に獲得を増やしても、断る案件が増えるだけです。

期の前半と後半で、配分をどう変えるのか

受託の事業では、受注してから着手までに時間があります。
今の引き合いは、数か月先の枠を埋めます。

枠の埋まり方を先に見る

3か月先、6か月先の枠がどれだけ埋まっているかを月次で確認します。
埋まっている時期には、その先の時期を対象にした獲得に切り替えます。

枠の状態と、獲得の動かし方を、項目ごとに見ていきます。
3か月先まで埋まっているについては、獲得の量は維持、対象の調整は長期の案件を狙う。
3か月先が空いているについては、獲得の量は増やす、対象の調整は短期で着手できる案件。
半年先まで埋まっているについては、獲得の量は絞る、対象の調整は条件の良い案件のみ。
全体的に空いているについては、獲得の量は大きく増やす、対象の調整は規模を問わず広げる。

年度の区切りの影響

発注する側の予算の都合で、相談の時期が偏ることがあります。
過去の実績から、引き合いが増える時期と減る時期を把握します。
その時期に合わせて、配分を前倒しするか後ろ倒しにします。

期末の消化を避ける

予算が余ったからと期末に獲得を増やすと、着手が翌期になります。
翌期の枠を先に埋めることになり、翌期の選択肢が減ります。

配分の変更の条件を決めておく

枠の埋まり方に応じて獲得の量を動かす基準を、期初に決めておきます。都度の判断にすると、決裁に時間がかかります。

受託の予算が足りないとき、何から削るのか

受注までの期間が短い施策を残し、長い施策から削ります。
ただし削った施策の影響は、半年以上あとに出ます。

受託の予算が足りないとき、何から削るのか

削減の判断では、効果が測りにくい施策が先に候補になります。
受託の事業では、この判断が翌期以降の引き合いを細らせます。

削る順番の考え方

施策ごとの、削減の影響が出る時期を、項目ごとに見ていきます。
運用型広告については、削った月に起きることは引き合いが即座に減る、半年後に起きることは受注が減る。
技術情報の発信については、削った月に起きることは変化はない、半年後に起きることは指名と紹介が減る。
展示会とセミナーについては、削った月に起きることは当月の変化は小さい、半年後に起きることは数か月後の相談が減る。
事例の制作については、削った月に起きることは変化はない、半年後に起きることは提案の材料が古くなる。
既存顧客への接触については、削った月に起きることは変化は小さい、半年後に起きることは追加の相談が減る。

既存顧客への接触を削らない

受託の事業では、既存顧客からの追加の依頼が受注の一定割合を占めます。
接触の頻度が下がると、他社に相談が流れます。
費用が小さいわりに、削減の影響が大きい領域です。

事例の制作を止めない

提案の場で使う材料は、事例です。
古い事例しかない状態では、提案の説得力が落ちます。
制作は継続し、公開の可否は顧客ごとに調整します。

一律の削減を避ける

全施策を一律で削ると、効果の高い施策まで薄まります。施策単位で止めるか続けるかを決めます。

経営への説明で、何を確認されるのか

その予算が、稼働の空きをどう埋めるかです。
引き合いの件数ではなく、埋まる工数と金額で説明します。

経営への説明で、何を確認されるのか

受託の事業の経営は、稼働の空きを最も気にします。
獲得の予算の説明も、この観点で組み立てます。

1枚に載せる内容

経営に示す項目を、項目ごとに見ていきます。
売上の上限については、内容は稼働可能な工数と単価から出した金額。
現在の埋まり方については、内容は3か月先と6か月先の枠の状況。
必要な受注金額については、内容は上限と現在の見込みの差。
必要な引き合いの件数については、内容は受注金額から逆算した数。
必要な予算については、内容は件数×引き合い1件あたりの獲得費用。
提案の工数については、内容は獲得に伴って発生する社内の工数。
未達のリスクについては、内容はどの前提が崩れると届かないか。

役職によって確認される点が違う

Testifyが2026年5月に実施した調査では、代理店への不満の内容が役職で分かれていました。
経営層は費用が成果に見合わないが56.3%、マーケティング責任者は成果不振の説明が不十分が53.1%です。

社内の説明でも同じ分かれ方が起きます。
経営層には費用と埋まる工数の関係を、責任者には進まなかったときの打ち手を示します。

採用の計画と並べて出す

獲得の予算だけを出すと、売上の上限が動かないことが見えません。採用の計画と並べて、どちらがどれだけ上限を動かすかを示します。

予算の枠組みを、どう組み立てるのか

請求できる工数と粗利率を確定するところからです。
この2つが出ていないと、獲得にかけてよい上限が計算できません。

予算の枠組みを、どう組み立てるのか

予算の作業は、金額を割ることではなく、上限を計算できる状態を作ることから始まります。

予算の枠組みを作る手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去12か月の投入工数と請求できた工数を出す、期間の目安は2週間。
2については、やることは領域別と規模別に受注金額と粗利率を並べる、期間の目安は2週間。
3については、やることは案件1件あたりの粗利と許容獲得費用を出す、期間の目安は1週間。
4については、やることは提案の工数を集計して獲得の費用に加える、期間の目安は2週間。
5については、やることは採用の計画と並べて配分を決める、期間の目安は2週間。
6については、やることは枠の埋まり方に応じた変更の条件を決める、期間の目安は1週間。

見る数字を決める

数字は説明のための仮の値です。
平均受注金額が1,500万円、投入工数の原価と外注費が1,000万円なら、粗利は500万円です。
そのうち1割を獲得に充てるなら、許容できる獲得費用は150万円になります。
受注率が20%なら、提案1件あたりに使える額は30万円です。

予算の執行中に並べる数字を、項目ごとに見ていきます。
条件に合う引き合いの件数については、見る頻度は毎週、判断に使う場面は獲得の量の調整。
引き合い1件あたりの獲得費用については、見る頻度は毎月、判断に使う場面は配分の見直し。
提案の工数の合計については、見る頻度は毎月、判断に使う場面は受注率の改善が必要か。
3か月先と6か月先の枠の埋まり方については、見る頻度は毎月、判断に使う場面は獲得の量と対象の調整。
受注金額と粗利率については、見る頻度は毎月、判断に使う場面は案件の中身の確認。
断った案件の件数と金額については、見る頻度は四半期、判断に使う場面は供給側への投資の判断。

粗利の計算の定義を固める

技術者の原価に間接費をどこまで含めるかで、粗利率は変わります。
どちらでも構いませんが、期の途中で変えないことです。

採用の予算と合わせて稟議する

獲得の予算と採用の予算を別々に出すと、売上の上限の議論が分断されます。
同じ稟議で並べて出す形にします。

予算の根拠づくりで判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を一緒に整理するところから始められます。配分の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

獲得の予算は、どこから計算すればいいですか

1件の案件が生む粗利からです。受注金額ではなく、投入する工数の原価と外注費を引いた後の粗利が基準になります。領域ごとに粗利率が違うため、全社平均は使わないでください。

マーケティング費と採用費は、どちらを優先すべきですか

稼働率と条件に合う引き合いの量で判断します。稼働率が高く引き合いも多いなら採用と育成、稼働率が低く引き合いも少ないなら獲得です。断った案件の金額を記録しておくと判断しやすくなります。

提案の工数は費用として扱うべきですか

獲得の費用として集計してください。広告費だけを費用とすると、獲得の効率が実態より良く見えます。受注率が低いまま引き合いを増やすと、提案の工数だけが積み上がります。

期末に予算が余ったら、獲得を増やしてもいいですか

着手が翌期になり、翌期の枠を先に埋めることになります。翌期の選択肢が減るため、余った予算は事例の制作や技術情報の発信など、先に効く投資に回すほうが向いています。

経営には何を示せばいいですか

稼働の空きをどう埋めるかです。売上の上限、3か月先と6か月先の枠の埋まり方、必要な受注金額と引き合い件数を並べてください。採用の計画と同じ稟議で出すと、上限の議論が分断されません。

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お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

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まとめ

  • 獲得を増やしても、受注できる量に上限があるからです。人が増えなければ売上は伸びないため、獲得の予算は採用の計画とつながります
  • 1件の案件が生む粗利から出します。受注金額ではなく、工数を差し引いた後の粗利が基準になります
  • 売上の上限を上げる投資として、同じ器で比較します。どちらが足りないかは、稼働率と引き合いの量で判断できます
  • 獲得の費用として集計します。見えないまま増え続けると、獲得の効率が実態より良く見えます
  • 枠の埋まり方に合わせて動かします。先の枠が埋まっている時期に獲得を増やしても、断る案件が増えるだけです
  • 受注までの期間が短い施策を残し、長い施策から削ります。ただし削った施策の影響は、半年以上あとに出ます
  • その予算が、稼働の空きをどう埋めるかです。引き合いの件数ではなく、埋まる工数と金額で説明します
  • 請求できる工数と粗利率を確定するところからです。この2つが出ていないと、獲得にかけてよい上限が計算できません