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システム開発会社のインハウス化の判断|内製と外注の分け方

外注・パートナー選び公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約12分
システム開発会社のインハウス化の判断|内製と外注の分け方

技術の知識があるため、できそうに見えるからです。
計測の実装やデータの扱いは確かに自社で対応できますが、運用の判断は別の技能です。

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技術の知識があるため、できそうに見えるからです。
計測の実装やデータの扱いは確かに自社で対応できますが、運用の判断は別の技能です。

開発会社が広告の運用を自社でやりたくなるのは、なぜか

技術の知識があるため、できそうに見えるからです。
計測の実装やデータの扱いは確かに自社で対応できますが、運用の判断は別の技能です。

開発会社が広告の運用を自社でやりたくなるのは、なぜか

システム開発会社には技術者がいます。
計測のタグの設置、データの集計、管理画面の操作。
これらは社内で対応できます。

だから、広告の運用も自社でできるように見えます。
この見立ては半分正しく、半分外れています。

できることと、できないことが混在する

開発会社が持っている力と、足りない力

領域開発会社の状況備考
計測の実装自社で対応できる技術の作業
データの集計と可視化自社で対応できる技術の作業
管理画面の操作習得できる手順は学べる
訴求の設計経験が要る技術の知識とは別
配分の判断事業の数字の理解が要る社内にある
媒体の変化への追随継続的な時間が要る稼働との取り合いになる

内製を検討する動機

Testifyが2026年5月に実施した調査では、代理店を全面委託している企業の8割超が1年以内のインハウス化を計画または検討していました。
動機はノウハウの蓄積が56.7%、コスト削減が46.7%です。
障壁は教育の時間と知見の不足が44.8%、媒体の更新への追随が40.3%、人材の採用が36.7%と報告されています。

目的を1つに絞る

費用の削減が目的なら、手数料の比率が高い領域から移します。知見の蓄積が目的なら、判断に関わる領域から移します。順番が逆になるため、両方を同時に追うと設計がぶれます。

技術ができることと、運用ができることは、どう違うのか

技術は正解が決まっており、運用は決まっていません。
設定の方法は学べますが、何にいくら配分するかの判断は事業の理解から出てきます。

技術ができることと、運用ができることは、どう違うのか

広告の運用で差がつくのは、設定の巧拙より判断の側です。
この点を見誤ると、内製の効果が出ません。

2つの技能の違い

技術の作業と、運用の判断の違い

項目技術の作業運用の判断
正解決まっている決まっていない
習得の方法手順を学ぶ試して結果から学ぶ
必要な期間短い長い
判断の材料仕様事業の数字と市場の状況
失敗の影響やり直せる費用が消える

差がつく場所が移動している

検索広告の自動化が進み、手動で設定していた範囲が減っています。
Googleは2025年5月6日にAI Max for Search campaignsを発表し、公称でCV数またはCV値が平均14%増としています。
自動作成アセットとキャンペーンレベルの部分一致は2026年9月に自動アップグレードされ、新規のDSAキャンペーンは2026年9月以降作成できません。

設定の細かさより、渡す成果の定義と検証の設計で差がつく方向に動いています。
この領域は、事業の数字を知っている社内のほうが有利です。

社内が有利な領域を先に移す

条件に合う引き合いの定義。
渡す成果の設計。
配分の判断。
この3つは、社内のほうが精度を出せます。

実務の習得を軽く見ない

管理画面の操作は学べますが、媒体の仕様は継続的に変わります。追随する時間を確保できるかが、内製の成否を分けます。

どこまでを自社で持つかの線引きを、どう決めるのか

判断と実装は自社、制作と日々の調整は外という線が扱いやすい形です。
開発会社は実装を持てるため、他の業種より社内側を広く取れます。

どこまでを自社で持つかの線引きを、どう決めるのか

すべてを内製にする必要はありません。
どこを社内に持つかを決める作業です。

領域ごとの向き不向き

開発会社における内製の向き不向き

領域内製に向くか理由
条件に合う引き合いの定義向く営業と技術の合意が必要
配分の判断向く事業の数字と接続が必要
計測の設計と実装向く社内に技術者がいる
データの集計と可視化向く社内で作れる
訴求の文言と素材の制作外でよい制作の専門性が要る
媒体ごとの日々の調整どちらでもよい時間の確保次第
媒体の仕様変更への追随外に残す価値がある継続的な時間が要る

計測とデータを社内に持つ利点

開発会社は、計測の実装を自社でできます。
社内の案件の記録と、広告の記録をつなぐ作業も自社で進められます。
この接続ができると、経路別の受注率と粗利率が出せます。

制作を外に出す判断

訴求の素材やサイトの制作は、社内の技術者の稼働を使います。
その稼働は、請求できる案件に使えたはずの時間です。
外に出したほうが、機会費用の面で有利なことがあります。

線を文書にする

どこまでが社内で、どこからが外部かを文書に残します。担当が変わったときに、範囲が揺れなくなります。

稼働の工数を使うことは、何を意味するのか

請求できる時間を減らすということです。
社内の技術者が対応すると、その時間の分だけ売上の上限が下がります。

稼働の工数を使うことは、何を意味するのか

受託の事業では、技術者の時間が売上に直結します。
内製の費用を考えるとき、この点が他の業種と違います。

機会費用として計算する

社内で対応したときの費用の見方

作業社内で対応した場合見落としやすい点
計測の実装請求できる時間が減る案件に使えた時間
サイトの制作請求できる時間が減る同上
日々の運用請求できる時間が減る継続的に発生する
媒体の仕様への追随請求できる時間が減る断続的に発生する
データの集計請求できる時間が減る自動化で減らせる

機会費用を数字で出す

数字は説明のための仮の値です。
技術者の請求単価が月100万円なら、1日あたり約5万円です。
サイトの制作に技術者が20日を使えば、100万円分の請求機会が消えます。
外部に80万円で依頼できるなら、外に出したほうが有利になります。

稼働に余裕がある時期は判断が変わる

案件が薄い時期は、社内の技術者の時間が余っています。
その時期に内製で進めるのは合理的です。
ただし、稼働が戻ったときに止まることを前提に計画します。

継続的に発生する作業を社内に置かない

日々の運用や仕様への追随は、継続的に時間を取ります。稼働の変動に左右される社内の体制では、安定しません。

自社でやる費用を、どう見積もるのか

手数料と人件費に加えて、機会費用と教育の期間を含めます。
受託の事業では、社内の時間に請求できたはずの価値があります。

自社でやる費用を、どう見積もるのか

内製のほうが安いという試算には、含めていない費用があることが多くあります。

比較に含める項目

機会費用まで入れた内外の費用比較を、項目ごとに見ていきます。
媒体費については、外注の場合は同じ、内製の場合は同じ。
手数料については、外注の場合は発生する、内製の場合は発生しない。
担当の人件費については、外注の場合は窓口の一部、内製の場合は担当の人件費。
技術者の機会費用については、外注の場合は発生しない、内製の場合は請求できたはずの時間。
採用と教育の費用については、外注の場合は不要、内製の場合は発生する。
立ち上がりの期間の損失については、外注の場合は小さい、内製の場合は成果が下がる期間がある。
体制の維持については、外注の場合は委託先が負う、内製の場合は稼働の変動で止まる。

損益分岐の時期を出す

内製の費用が外注の費用を下回るのは何か月目か。
これを出しておくと、途中の数字が悪くても判断がぶれません。

専任を置く場合の計算

技術者ではなく、専任の担当を採用する場合は機会費用が発生しません。
この形なら、手数料と人件費の比較が中心になります。
ただし、採用と教育の期間は計上します。

前提を明記する

配分の判断が速くなることで成果が上がる前提を置くなら、その前提を明記します。明記しないまま試算すると、後から検証ができません。

誰に担わせるかを、どう判断するのか

技術者の兼任ではなく、専任か外部が現実的です。
兼任にすると、稼働が上がった時期に活動が止まります。

誰に担わせるかを、どう判断するのか

社内で担当を決めるとき、技術者の兼任を選ぶことがあります。
この形は、稼働の変動に弱いという性質があります。

担当の形ごとの性質

担当の置き方と、その性質を、項目ごとに見ていきます。
技術者の兼任については、立ち上がりの速さは速い、稼働の変動への強さは弱い、費用は機会費用が発生。
営業の兼任については、立ち上がりの速さは中程度、稼働の変動への強さは中程度、費用は営業の時間が減る。
専任の採用については、立ち上がりの速さは遅い、稼働の変動への強さは強い、費用は人件費が発生。
社内からの異動については、立ち上がりの速さは中程度、稼働の変動への強さは強い、費用は元の業務の穴が空く。
外部への委託については、立ち上がりの速さは速い、稼働の変動への強さは強い、費用は手数料が発生。

兼任が止まる場面

大型の案件が始まったとき。
納期が迫ったとき。
この2つで、兼任の活動は確実に止まります。
止まった期間の分だけ、引き合いが細ります。

専任を置く判断の目安

獲得の予算が一定の規模を超え、かつ稼働の変動が大きい場合は、専任を置く価値があります。
逆に、規模が小さい段階では外部に任せるほうが安定します。

経営者が担う場合

規模の小さい会社では、経営者が担うことがあります。判断の速さでは有利ですが、時間の確保が課題になります。月に何時間を充てるかを決めて、計画に入れます。

内製にした後、活動が止まるのはなぜか

担当が1人に固定されるからです。
稼働の変動や異動で止まり、そのまま再開されないことがあります。

内製にした後、活動が止まるのはなぜか

内製化の目的の1つは、社内に知見を残すことです。
担当1人に集まると、外部に預けていたときと同じ構造になります。

止まる兆候

内製が止まるときの兆候と、対処を、項目ごとに見ていきます。
配分が数か月動いていないについては、起きていることは担当の時間が取れていない、対処は時間を計画に入れる。
設定の意図を他の人が説明できないについては、起きていることは記録が残っていない、対処は変更の理由を記録する。
新しい施策が試されていないについては、起きていることは余力がない、対処は検証の枠を確保する。
媒体の変更に気づいていないについては、起きていることは情報の確認が止まっている、対処は情報源と頻度を決める。
数字の報告が止まるについては、起きていることは集計の手間が大きい、対処は自動で出る形にする。

変更の記録を残す

何をいつ変えたか、なぜ変えたか、結果どうだったか。
この3点を、簡易な形で残します。
形式が重いと続かないため、数行で足ります。

外部の目を残す

完全に内製にすると、媒体の変化や他社の動向が入りにくくなります。
分析や検証の設計だけ外部に依頼する形を残す方法があります。

定期的に外部の見積もりを取る

内製の費用が妥当かを確認するため、定期的に外部の見積もりを取ります。戻す前提ではなく、水準を確認するために行います。

切り替えの計画を、どう作るのか

目的を1つ決め、第1段階の範囲と期間を区切るところからです。
全体の計画を先に作ると、途中で止められなくなります。

切り替えの計画を、どう作るのか

切り替えは、一度に設計するのではなく、段階ごとに区切って進めます。

切り替えの計画を作る手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは目的を1つに決めて経営と合意する、期間の目安は2週間。
2については、やることは現在の委託の範囲と費用の内訳を整理する、期間の目安は2週間。
3については、やることは技術者の機会費用を含めた比較を作る、期間の目安は2週間。
4については、やることは社内に移す範囲と担当の形を決める、期間の目安は2週間。
5については、やることはアカウントと計測の所有と権限を確認する、期間の目安は2週間。
6については、やることは引き継ぎの項目と期間を外部と合意する、期間の目安は1か月。

見る数字を決める

数字は説明のための仮の値です。
月の広告費が200万円、手数料が20%で40万円とします。
技術者が月に5日を使うなら、機会費用は約25万円です。
専任を置かず兼任で進めると、手数料の削減分の大半が機会費用で消えます。

切り替えの途中で確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
条件に合う引き合いの件数については、見る頻度は毎週、何を確かめるかは量が落ちていないか。
引き合い1件あたりの獲得費用については、見る頻度は毎週、何を確かめるかは効率が保てているか。
社内で使った工数については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは機会費用の実額。
手数料と機会費用を含む総費用については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは比較の前提が保たれているか。
面談化率と提案に進んだ比率については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは質が落ちていないか。
受注金額については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは事業の数字に効いているか。

第1段階の評価まで次を決めない

第1段階が終わってから、第2段階に進むかを判断します。
全段階の予定を先に固めると、途中の結果を反映できません。

外部との関係を一度に切らない

切り替えの期間は、両方が並行する形にします。
費用の重複を計画に含めておくと、途中で無理な打ち切りをせずに済みます。

内製と外注の線引きで判断に迷う場合は、無料相談で現状の体制を見てもらうところから始められます。運用の進め方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

社内に技術者がいるので、広告の運用も自社でできますか

計測の実装やデータの集計は自社で対応できます。一方で、訴求の設計や配分の判断は技術の知識とは別の技能です。まず計測と数字の管理を社内に持ち、運用の判断を段階的に移す形が現実的です。

技術者に兼任させてもいいですか

稼働が上がった時期に活動が止まります。大型の案件が始まったときや納期が迫ったときに確実に止まり、その期間の分だけ引き合いが細ります。専任か外部のほうが安定します。

内製の費用は、どう計算すればいいですか

手数料と人件費に加えて、技術者の機会費用を含めてください。受託の事業では社内の時間に請求できたはずの価値があります。採用と教育の期間、立ち上がりに成果が下がる分も計上します。

稼働が空いている時期に内製を始めてもいいですか

合理的な判断です。ただし稼働が戻ったときに止まることを前提に計画してください。継続的に時間を取る日々の運用や媒体の仕様への追随は、社内に置くと安定しません。

内製にした後、活動が止まってしまいました

担当が1人に固定されていることが原因です。変更の理由を数行で記録する形を作り、時間を稼働の計画に入れてください。分析や検証の設計だけ外部に残す方法もあります。

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お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

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まとめ

  • 技術の知識があるため、できそうに見えるからです。計測の実装やデータの扱いは確かに自社で対応できますが、運用の判断は別の技能です
  • 技術は正解が決まっており、運用は決まっていません。設定の方法は学べますが、何にいくら配分するかの判断は事業の理解から出てきます
  • 判断と実装は自社、制作と日々の調整は外という線が扱いやすい形です。開発会社は実装を持てるため、他の業種より社内側を広く取れます
  • 請求できる時間を減らすということです。社内の技術者が対応すると、その時間の分だけ売上の上限が下がります
  • 手数料と人件費に加えて、機会費用と教育の期間を含めます。受託の事業では、社内の時間に請求できたはずの価値があります
  • 技術者の兼任ではなく、専任か外部が現実的です。兼任にすると、稼働が上がった時期に活動が止まります
  • 担当が1人に固定されるからです。稼働の変動や異動で止まり、そのまま再開されないことがあります
  • 目的を1つ決め、第1段階の範囲と期間を区切るところからです。全体の計画を先に作ると、途中で止められなくなります