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目次
目次
- 技術の情報発信で来ていた流入は、どう変わったのか
- 流入の質を先に確認する
- 要約されても残る情報は、どういうものか
- 残る情報の性質
- 発注を検討する側が見る場所は、どこに移ったのか
- 候補が絞られる場所
- 何をどこまで公開するかの線引きを、どう決めるのか
- 公開しないことで起きる不利
- 費用の目安を出すかどうかを、どう判断するのか
- 規模による違い
- 技術者の発信を、どう位置づけ直すのか
- 軸の移し方
- 投資しても戻りが薄いのは、どういう取り組みか
- 効きにくい取り組み
- 情報の置き方を、どこから直すのか
- 見る数字を決める
- よくある質問
- まとめ
使い方を調べる段階の流入が減っています。
手順や設定の説明は要約で完結するため、記事まで到達しなくなりました。
技術の情報発信で来ていた流入は、どう変わったのか
使い方を調べる段階の流入が減っています。
手順や設定の説明は要約で完結するため、記事まで到達しなくなりました。
システム開発会社の情報発信は、技術の解説が中心になっていることが多くあります。
実装の手順、エラーの対処、設定の方法。
これらは、検索の結果で要約されると読まれなくなります。
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される情報収集型の検索で、日本の検索1位のCTR下落率が2025年12月の38.0%から2026年6月の62.7%に拡大していました。
日本は予測CTR24.1%に対し実測9.0%と報告されています。
流入の質を先に確認する
技術の解説に来ていた流入が、そもそも引き合いにつながっていたかを確認します。
多くの場合、読んでいるのは同業の技術者です。
流入が減っても、引き合いに影響がないことがあります。
発信の種類と、引き合いへのつながり方
| 発信の種類 | 主な読み手 | 引き合いへのつながり |
|---|---|---|
| 実装の手順の解説 | 同業の技術者 | つながりにくい |
| エラーの対処 | 同業の技術者 | つながりにくい |
| 業務の課題と解決の考え方 | 発注を検討する側 | つながる |
| 導入の進め方と期間 | 発注を検討する側 | つながる |
| 費用の考え方 | 発注を検討する側 | つながる |
| 選定の観点 | 発注を検討する側 | つながる |
採用への効果は別に評価する
技術の解説は、引き合いより採用に効いていることがあります。
受託の事業では、採用が受注の上限を決めます。
引き合いの観点だけで評価を決めないようにします。
発信の目的を分けて置く
引き合いを目的とする発信と、採用を目的とする発信は、書く内容も読み手も違います。目的を分けて、それぞれの成果を別に見ます。
要約されても残る情報は、どういうものか
判断に関わる情報です。
一般的な手順は要約で足りますが、条件や前提に依存する判断は公式の情報が参照されます。
要約で完結する情報と、そうでない情報があります。
この線引きを把握すると、何を書くべきかが決まります。
残る情報の性質
要約で完結する情報と、参照が続く情報
| 情報の種類 | 要約で完結するか | 理由 |
|---|---|---|
| 一般的な実装の手順 | 完結する | どこでも同じ内容 |
| 用語の説明 | 完結する | 定義が共通 |
| 自社の対応できる範囲 | 完結しない | 各社で違う |
| 費用の考え方 | 完結しない | 各社で違う |
| 過去の案件の進め方 | 完結しない | 固有の内容 |
| 条件による判断の分かれ方 | 完結しにくい | 前提に依存する |
固有の情報を増やす
自社でしか書けない内容が、参照される情報になります。
どういう案件をどう進めたか。
どういう条件でどう判断したか。
この粒度の内容は、要約に置き換えられません。
複数の情報源で一致させる
要約で採用されやすいのは、複数の情報源で一致している内容です。
自社サイトと、外部の掲載と、過去の資料の記載を揃えます。
古い情報が残っていると、それが引用されます。
一般的な解説を捨てる必要はない
一般的な内容も、自社の判断や前提を添えれば固有の情報になります。手順だけを書くのではなく、どういう場合にこの方法を選ぶかを書きます。
発注を検討する側が見る場所は、どこに移ったのか
自社サイトの手前にある情報に移っています。
会社を選ぶ段階では、第三者の情報と要約された回答で候補が絞られています。
開発を依頼する会社を探す行為には、いくつかの段階があります。
自社サイトが見られるのは、候補に入った後です。
候補が絞られる場所
開発会社が選別される場所と、効く材料
| 場所 | 何が見られるか | 手を入れられる範囲 |
|---|---|---|
| 発注者向けの媒体 | 掲載された情報と実績 | 掲載内容の正確さ |
| 比較や紹介の記事 | 取り上げられているか | 情報提供と関係づくり |
| 要約された回答 | 公開情報の整合性 | 公式情報の整備 |
| 社名での検索 | 公式サイトと第三者の記載 | 両方の整合 |
| 紹介や口コミ | 過去の取引の評価 | 日々の対応 |
紹介の後にも調べられる
紹介を受けた相手でも、その後に社名で検索されます。
そこで情報が薄いと、紹介の効果が弱まります。
紹介からの相談が多い会社ほど、公式の情報の整備が効きます。
過去の情報が残っていないか確認する
古い実績のページ、過去に出した資料、更新の止まった技術の記事。
これらが残っていると、現在の状態と違う印象を与えます。
社名で検索したときに出てくるものを、一度すべて確認します。
採用の情報も同じ場所で見られる
発注を検討する側は、その会社の体制や人員も気にします。採用のページの情報が古いと、体制の不安につながります。
何をどこまで公開するかの線引きを、どう決めるのか
対応できないことまで公開します。
書かれていないと、要約の段階で実態と違う形で扱われます。
公開の範囲を広げることには、抵抗が伴います。
競合に見られる、営業の機会が減るという懸念があります。
公開しないことで起きる不利
情報が足りないと、その項目は他の情報源から埋められます。
推測や、古い情報が使われます。
訂正の機会もないまま、その内容が広がります。
受託で公開を渋ったときに起きること
| 項目 | 公開した場合 | 公開しない場合 |
|---|---|---|
| 対応できる技術と領域 | 条件の合う相談が来る | 対象外の相談に工数を使う |
| 対応できない範囲 | 向かない相談が減る | 提案の段階で判明して失注 |
| 費用の考え方 | 予算の合う相談が来る | 予算が合わず後から判明 |
| 進め方と期間の目安 | 検討の計画が立つ | 想定と違い不満になる |
| 体制と人員の規模 | 規模の合う相談が来る | 対応できない案件が来る |
対応できない範囲を書く効果
向かない相談が減ります。
短期の引き合いの件数は減りますが、提案の工数が減り、受注率が上がります。
受託の事業では、提案の工数が請求できない費用になるため、この効果が大きくなります。
公開の粒度を決める
すべての条件を出す必要はありません。
相手が判断に使う粒度まで、と決めます。
更新の頻度を決めてから公開する
公開した情報が古いままだと、それが引用され続けます。更新の担当と頻度を決めてから公開します。
費用の目安を出すかどうかを、どう判断するのか
対象とする案件の規模で決まります。
小規模の案件が中心なら目安の効果が大きく、大規模の案件中心なら考え方の提示になります。
費用の公開は、受託の開発で判断が分かれる論点です。
案件の規模によって、適切な形が変わります。
規模による違い
案件の規模と、費用の出し方を、項目ごとに見ていきます。
小規模の改修については、費用の出し方は金額の幅を明示、理由は自分で判断して相談する。
中規模の開発については、費用の出し方は過去の類似案件の幅、理由は概算が必要になる。
大規模の開発については、費用の出し方は金額を決める要素の説明、理由は構成で大きく変わる。
継続的な体制については、費用の出し方は月あたりの体制の費用、理由は期間で変わる。
金額を出さない場合でも、考え方は出す
工数で決まるのか、機能の数で決まるのか、期間で決まるのか。
この構造だけでも公開すると、相手が概算を立てられます。
一切出さない状態だと、比較の候補から外れることがあります。
公開したときの副作用
競合が金額を合わせてきます。
ただし、非公開にしていても相見積もりの場では開示されます。
非公開が守っているのは、検討の初期だけです。
失注の理由から判断する
金額が理由の失注が多いか、金額が分からず相談に至っていないか。後者であれば、公開の効果が大きくなります。
技術者の発信を、どう位置づけ直すのか
引き合いのためではなく、判断の材料を示す発信に移します。
手順の解説から、どう判断したかの記録に軸を移します。
技術の発信を止める必要はありません。
書く内容の軸を移します。
軸の移し方
発信の内容の移し方を、項目ごとに見ていきます。
実装の手順については、移した後の内容はその方法を選んだ理由と条件。
使った技術の紹介については、移した後の内容はその技術を選ばなかった場合の比較。
エラーの対処については、移した後の内容は同じ問題が起きない設計の考え方。
機能の説明については、移した後の内容はその機能が必要になる業務の状況。
成果物の紹介については、移した後の内容は要件の決め方と合意の進め方。
判断の記録は、要約に置き換わりにくい
どういう条件で、何を優先して、どう決めたか。
この内容は、一般的な情報には存在しません。
発注を検討する側にとって、その会社の考え方が分かる材料になります。
書く時間を稼働の計画に入れる
余った時間で書く形にすると、稼働が上がった時期に止まります。
月に数時間を、請求できない時間として計画に入れます。
採用向けの発信は残す
技術の解説は、採用の面で効いていることがあります。引き合いの観点で評価して止めると、採用が難しくなることがあります。目的ごとに分けて評価します。
投資しても戻りが薄いのは、どういう取り組みか
本数を増やす作業と、特定の書式に合わせる作業です。
参照されるのは内容の固有性であって、形式ではありません。
新しい領域では、形から入る施策が出回ります。
戻りの薄いものを整理しておくと、投資の無駄が減ります。
効きにくい取り組み
取り組みと、戻りが薄い理由を、項目ごとに見ていきます。
一般的な技術記事の量産については、戻りが薄い理由は要約で完結する内容が大半。
特定の書式への機械的な対応については、戻りが薄い理由は形式より内容の固有性が参照される。
キーワードの詰め込みについては、戻りが薄い理由は要約の対象にならない。
自社に都合のよい主張のみについては、戻りが薄い理由は他の情報源と一致せず採用されない。
更新せず公開を続けるについては、戻りが薄い理由は古い情報が引用され続ける。
戻りが見込める取り組み
対応できる範囲と対応できない範囲を明記すること。
過去の案件の進め方を、固有の内容として公開すること。
外部の掲載情報と自社サイトの記載を揃えること。
どれも、情報の固有性と整合性を上げる方向です。
実施状況には業種で差がある
PRIZMAが2025年12月11日から17日に行った調査では、生成AIに向けた最適化の実施済みは7.82%、外部ベンダーの検討が12.64%、情報収集段階が15.06%でした。
同じ調査で、SaaSが最も進んでおり、製造や小売は遅れていると報告されています。
環境は動き続けている
博報堂DYグループONEの2026年2月時点の集計では、日本のAIチャットボット市場でChatGPTが約67%、前月比で2.76ポイントの減少でした。
AI検索エンジンの利用は2024年4月比で大幅増ですが、2026年1月比では3.2%の減少です。
1つの経路に合わせ込むと、動いたときに対応できません。
情報の置き方を、どこから直すのか
社名で検索したときに出てくるものを、すべて確認するところからです。
古い情報が残っていると、それが判断に使われます。
情報の設計は、新しく作る作業ではなく、揃える作業から始まります。
情報の置き方を直す手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは社名での検索結果に出るものを一覧にする、期間の目安は1週間。
2については、やることは自社サイトの対応範囲と実績の記載を照合する、期間の目安は2週間。
3については、やることは外部の掲載情報との差分を出す、期間の目安は2週間。
4については、やることは対応できない範囲を明文化する、期間の目安は2週間。
5については、やることは費用の出し方を案件の規模に合わせて決める、期間の目安は2週間。
6については、やることは発信の内容の軸と、更新の経路を決める、期間の目安は2週間。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
対象外の相談が月に10件あり、初回の対応に1件2時間を使っているとします。
対応できない範囲を明示して半減すれば、月に10時間の工数が戻ります。
情報の整備の効果は、件数の増加より工数と受注率の側に出ます。
情報の状態を確かめる数字を、項目ごとに見ていきます。
公開情報と実態の差分の件数については、見る頻度は四半期、何を確かめるかはずれが溜まっていないか。
対象外による断りの件数については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは向かない相談が減っているか。
面談から提案に進んだ比率については、見る頻度は毎月、何を確かめるかは条件の合う相談が来ているか。
公開から1年以上経った記事の比率については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは古い情報が残っていないか。
社名での検索の流入については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは指名が広がっているか。
AI経由の流入と相談件数については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは参考値としての推移。
影響の大きい3つから始める
対応できる範囲、費用の考え方、進め方と期間。
この3つから照合すると、影響の大きい部分が先に直ります。
過去の資料も対象に含める
営業が使う資料や、展示会で配った資料が公開されたまま残っていることがあります。
古い金額や体制が載っていると、それが参照されます。
公開情報の整理でどこから手をつけるか迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。情報の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
技術の記事は書き続けるべきですか
目的を分けて評価してください。実装の手順の解説は要約で完結しやすく引き合いにはつながりにくい一方、採用には効いていることがあります。引き合いを目的とするなら、判断の理由や条件を書く内容に軸を移してください。
要約されても残る情報とは、どういうものですか
自社でしか書けない固有の情報です。対応できる範囲、費用の考え方、過去の案件をどう進めたか、どういう条件で何を優先したか。一般的な手順や用語の説明は要約で完結します。
対応できないことを公開すると、相談が減りませんか
向かない相談は減ります。受託の事業では提案の工数が請求できない費用になるため、対象外の相談が減る効果は大きくなります。件数ではなく、提案に進んだ比率と受注率で評価してください。
費用の目安は公開すべきですか
案件の規模で変わります。小規模の改修が中心なら金額の幅を、大規模の開発中心なら金額を決める要素の説明で構いません。一切出さないと、比較の候補から外れることがあります。
紹介からの相談が中心でも、情報の整備は必要ですか
必要です。紹介を受けた相手も、その後に社名で検索します。そこで情報が薄かったり古かったりすると、紹介の効果が弱まります。社名で検索したときに出てくるものを一度すべて確認してください。
まとめ
- 使い方を調べる段階の流入が減っています。手順や設定の説明は要約で完結するため、記事まで到達しなくなりました
- 判断に関わる情報です。一般的な手順は要約で足りますが、条件や前提に依存する判断は公式の情報が参照されます
- 自社サイトの手前にある情報に移っています。会社を選ぶ段階では、第三者の情報と要約された回答で候補が絞られています
- 対応できないことまで公開します。書かれていないと、要約の段階で実態と違う形で扱われます
- 対象とする案件の規模で決まります。小規模の案件が中心なら目安の効果が大きく、大規模の案件中心なら考え方の提示になります
- 引き合いのためではなく、判断の材料を示す発信に移します。手順の解説から、どう判断したかの記録に軸を移します
- 本数を増やす作業と、特定の書式に合わせる作業です。参照されるのは内容の固有性であって、形式ではありません
- 社名で検索したときに出てくるものを、すべて確認するところからです。古い情報が残っていると、それが判断に使われます