
作れる量と、売り切れる期限に上限があるからです。
獲得の目標は、供給の上限の内側でしか意味を持ちません。
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目次
目次
- 食品通販のKPIは、なぜ獲得の件数だけでは決められないのか
- 上限を先に数字にする
- 温度帯が違う商品を、同じKPIで束ねてよいのか
- 温度帯をまたぐ注文の扱い
- 贈答の注文と自家需要の注文を、同じ件数として数えてよいのか
- 贈答かどうかを見分ける
- 季節に山がある事業で、月次の目標値はどう置くのか
- 前年同月比を評価に使わない
- 期限が近い在庫を、KPIにどう組み込むのか
- 売り切りの対象を誰にするか
- 供給の上限に達したとき、広告はどう扱うのか
- 予約の受付に切り替える場合
- KPIを三つに絞るとき、食品通販では何を残すのか
- 落とした数字の扱い
- 食品通販のKPI設計は、何から手をつけるのか
- 製造の側と同じ数字を見る
- よくある質問
- まとめ
作れる量と、売り切れる期限に上限があるからです。
獲得の目標は、供給の上限の内側でしか意味を持ちません。
食品通販のKPIは、なぜ獲得の件数だけでは決められないのか
作れる量と、売り切れる期限に上限があるからです。
獲得の目標は、供給の上限の内側でしか意味を持ちません。
食品通販では、獲得の件数を増やせば売上が伸びるとは限りません。
作れる量に上限があるためです。
上限を超える注文が入ると、納期が延びるか欠品になります。
どちらも、その後の購入につながりません。
もう一つの制約が、賞味の期限です。
作ったものは、期限までに売り切る必要があります。
期限が近い在庫を抱えると、値引きで出すか廃棄になります。
どちらも粗利を削ります。
そのため、獲得の目標は供給の上限と期限の両方を前提に置きます。
前提を置かずに件数だけを目標にすると、欠品か廃棄のどちらかが起きます。
上限を先に数字にする
供給の上限は、製造の能力と原料の確保量から決まります。
この数字を、期初にマーケティングの側が持ちます。
持っていないと、獲得の目標が製造の計画とずれます。
ずれたまま走ると、繁忙期に欠品が起きます。
期限の制約も、同じ場で数字にします。
いつまでに何個を売り切る必要があるかを、品目ごとに出します。
食品通販の獲得の目標は、供給の上限と賞味の期限の内側でしか意味を持ちません。上限を先に数字にしてください。
温度帯が違う商品を、同じKPIで束ねてよいのか
束ねられません。
温度帯によって配送の費用も在庫の持ち方も違うため、採算が別になります。
食品通販では、商品によって配送の温度帯が違います。
常温、冷蔵、冷凍のそれぞれで、配送の費用が変わります。
費用が変わると、一件あたりに残る粗利も変わります。
同じ売上でも、温度帯によって採算が違います。
在庫の持ち方も違います。
冷凍は長く持てますが、保管の費用がかかります。
常温は保管の費用が小さい一方で、期限が短い商品もあります。
この違いが、売り切りの計画に効きます。
そのため、KPIは温度帯ごとに分けます。
束ねると、どの温度帯で採算が崩れているかが分かりません。
温度帯ごとの制約の違い
| 温度帯 | 配送の費用 | 在庫の持ち方 | 売り切りの制約 |
|---|---|---|---|
| 常温 | 低い | 保管が容易 | 期限が短い商品がある |
| 冷蔵 | 中程度 | 保管の期間が短い | 期限が最も厳しい |
| 冷凍 | 高い | 長く持てる | 保管の費用がかかる |
| 複数の温度帯を同梱 | 別々の配送になる | 注文の単位が分かれる | 送料の負担が重い |
| 温度帯をまたぐ注文 | 費用が読みにくい | 一件の粗利が変わる | 分けて集計する |
温度帯をまたぐ注文の扱い
一つの注文に複数の温度帯が混ざると、配送が分かれます。
配送が分かれると、送料の負担が重くなります。
この注文を通常の注文と同じに数えると、採算が実態より良く見えます。
分けて集計するか、送料の実額を引いた粗利で見ます。
まとめて届けられるかどうかは、商品の組み合わせで決まります。
組み合わせの案内を設計する場合、温度帯を揃える形にします。
KPIは温度帯ごとに分けます。温度帯をまたぐ注文は、送料の実額を引いた粗利で見てください。
贈答の注文と自家需要の注文を、同じ件数として数えてよいのか
数えられません。
後の購入につながる経路が違うため、同じ列に入れると質の判断ができません。
食品通販では、贈答の注文と自家需要の注文が混ざります。
どちらも、管理画面では一件として記録されます。
しかし、後の購入につながる経路が違います。
贈答は、贈った人の翌年の注文と、受け取った人の自家需要の二つに分かれます。
自家需要は、同じ人の再購入につながります。
経路が一つなので、追いやすくなります。
同じ件数として扱うと、月によって中身が変わります。
贈答の比率が上がった月は、件数が同じでも後の再購入が少なくなります。
そのため、二つは分けて数えます。
分けたうえで、それぞれの後の購入を別に追います。
贈答かどうかを見分ける
購入の時点で贈答かどうかを完全には判別できません。
包装の指定や、届け先が購入者と違うことが手がかりになります。
手がかりが取れない場合は、時期で推定します。
贈答が集中する時期の注文を、別の群として扱う形です。
推定であることを記録に残しておけば、後から精度を上げられます。
記録がないと、翌年に同じ推定をやり直すことになります。
贈答の注文と自家需要の注文は、別の件数として数えます。見分けられない場合は、時期で推定して記録に残してください。
季節に山がある事業で、月次の目標値はどう置くのか
年間の目標を月数で割らず、過去三年の月別構成比で割り付けます。
贈答の時期は、その中でさらに供給の上限で頭打ちになります。
食品通販の需要は、月によって大きく動きます。
贈答の時期に集中し、それ以外の月は落ちます。
年間目標を十二で割った月次目標を置くと、閑散期は常に未達になります。
未達が続くと、月次の会議で毎回同じ説明を繰り返すことになります。
割り付けの基準は、過去三年の月別構成比です。
三年分の平均を取ると、単年の特殊要因が薄まります。
ただし、贈答の時期は構成比だけでは決まりません。
供給の上限で頭打ちになるためです。
上限に達している月は、それ以上の目標を置いても意味がありません。
上限の内側で、どこまで取れるかを目標にします。
月次目標の置き方
| 月の性質 | 目標の置き方 | 注意するところ |
|---|---|---|
| 贈答の時期 | 供給の上限の内側で置く | 上限を超える目標は意味がない |
| 贈答の直前 | 受注の準備の期間 | 受注の件数で見る |
| 通常の月 | 月別構成比で割り付ける | 前年同月比では見ない |
| 閑散期 | 在庫の売り切りを優先 | 件数より粗利で見る |
| 期限が近い在庫がある月 | 売り切りの目標を別に置く | 廃棄を避ける |
前年同月比を評価に使わない
前年同月比は、時期の効果と施策の効果を分けられません。
前年に供給が足りなかった月は、翌年に同じ広告費でも数字が伸びます。
評価に使うなら、月別構成比に対する達成率のほうが実態に近くなります。
その月に本来取れるはずの割合を取れたかどうかを見る形です。
供給の上限に達した月は、達成率が上限で切れます。
切れたことを記録しておくと、翌年の計画で上限を上げる判断につながります。
月次目標は月別構成比で割り付け、贈答の時期は供給の上限の内側に置きます。前年同月比は、評価に使わないでください。
期限が近い在庫を、KPIにどう組み込むのか
売り切りの目標を、獲得の目標とは別に置きます。
同じ目標に混ぜると、値引きで件数を作る動きが正当化されます。
期限が近い在庫は、売り切る必要があります。
売り切らなければ、廃棄になります。
売り切りのために値引きをすると、件数は増えます。
この件数を通常の獲得と同じ列に入れると、採算が実態より良く見えます。
さらに、値引きで入った顧客は次に通常価格で買いにくくなります。
一度その価格で買えた商品は、通常の価格が高く感じられます。
そのため、売り切りの目標は獲得の目標とは別に置きます。
別に置くと、値引きの件数が獲得の成果に混ざりません。
売り切りの評価は、廃棄をどれだけ減らせたかで行います。
件数や売上では評価しません。
売り切りの対象を誰にするか
売り切りの案内は、既存の顧客に出すのが基本です。
新規に出すと、値引きで入った顧客が増えます。
既存の顧客であれば、通常価格での購入の実績があります。
値引きの案内を受けても、通常価格に戻る可能性が残ります。
案内の頻度は抑えます。
頻度が高いと、通常価格で買わなくなります。
期限が近い在庫の売り切りは、獲得とは別の目標に置きます。評価は、廃棄をどれだけ減らせたかで行ってください。
供給の上限に達したとき、広告はどう扱うのか
止めるのではなく、受注の時期をずらす案内に切り替えます。
止めると、その後の需要も同時に失います。
供給の上限に達すると、これ以上の注文は受けられません。
このとき、広告を止める判断が出ます。
しかし、止めるとその後の需要も同時に失います。
翌月以降に買う可能性のある人にも、届かなくなります。
そのため、止めるのではなく案内を切り替えます。
いまの注文は受けられないが、次の時期に届けられるという形です。
この切り替えには、次に受けられる時期の情報が要ります。
製造の計画が共有されていないと、案内が作れません。
切り替えができない場合は、配信を絞ります。
絞るだけであれば、需要のすべてを失うことは避けられます。
供給の上限に達したときの対応
| 対応 | その後への影響 | 必要なもの |
|---|---|---|
| 配信を止める | 需要も失う | なし |
| 受注の時期をずらす案内 | 需要を保てる | 次の製造の時期 |
| 予約の受付に切り替える | 需要を先に確保できる | 受注の仕組み |
| 配信を絞る | 一部を保てる | なし |
| 別の品目に誘導する | 在庫を動かせる | 代替の品目の在庫 |
予約の受付に切り替える場合
予約の受付に切り替えると、需要を先に確保できます。
一方で、届くまでの期間が長くなります。
期間が長いと、取り消しが増えます。
取り消しの率を見て、受付の期間の上限を決めます。
予約の件数は、通常の注文と分けて集計します。
混ぜると、その月の実績が実態と合わなくなります。
供給の上限に達したら、止めずに受注の時期をずらす案内に切り替えます。切り替えには、次の製造の時期の情報が要ります。
KPIを三つに絞るとき、食品通販では何を残すのか
供給の上限に対する充足率、初回からの再購入率、温度帯ごとの粗利率です。
件数そのものは、上限があるため単独では目標になりません。
KPIを三つに絞る場合、食品通販では置く数字が他の業種と違います。
件数そのものは、供給の上限があるため単独では目標になりません。
一つ目に置くのは、供給の上限に対する充足率です。
作れる量に対して、どこまで売れたかを表します。
二つ目は、初回からの再購入率です。
贈答と自家需要で分けて見ます。
三つ目は、温度帯ごとの粗利率です。
送料と保管の費用を引いた後の率で見ます。
この三つは互いに引っ張り合います。
充足率を上げようとすると値引きが増え、粗利率が下がります。
落とした数字の扱い
落とした数字は、しきい値付きの監視に回します。
廃棄の量、欠品の件数、取り消しの率などです。
しきい値は、前月比で何割動いたら報告するという形で決めます。
線を引かないと、全部の数字を眺めるだけの会議になります。
しきい値を超えた数字は、共有までで止めます。
打ち手の提示まで求めるのは、三つの指標だけにします。
置くのは、充足率と再購入率と温度帯ごとの粗利率です。件数は上限があるため、単独では目標になりません。
食品通販のKPI設計は、何から手をつけるのか
品目ごとの供給の上限と賞味の期限を、数字で揃えるところからです。
この二つがないと、獲得の目標に意味を持たせられません。
最初にやるのは、指標を選ぶことではありません。
品目ごとの供給の上限と、賞味の期限を数字で揃える作業です。
上限は、製造の能力と原料の確保量から出します。
期限は、製造から出荷までの日数と、出荷後に残る日数で見ます。
次に、温度帯ごとに送料と保管の費用を引いた粗利を出します。
引かないと、採算が実態より良く見えます。
そのあとで、贈答と自家需要を分けて集計する形に切り替えます。
分けないと、再購入率の変化の理由が分かりません。
最後に、充足率と再購入率と粗利率の三つを決めます。
決めたら、それ以外はしきい値付きの監視に回します。
食品通販のKPI設計に着手する順番
| 順番 | やること | 関わる部署 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 品目ごとの供給の上限を出す | 製造・調達 | 二週間 |
| 2 | 品目ごとの賞味の期限を整理する | 製造・品質 | 一週間 |
| 3 | 温度帯ごとに送料と保管を引いた粗利を出す | 経理・物流 | 二週間 |
| 4 | 贈答と自家需要を分けて集計する形にする | 情報システム | 三週間 |
| 5 | 充足率と再購入率と粗利率を決めて合意する | 責任者三者 | 二週間 |
| 6 | しきい値付きの監視の項目を決める | マーケの責任者 | 一週間 |
数字は説明のための仮の値です。
ある品目の供給の上限が月に五千個で、実際に売れたのが三千五百個だとします。
充足率は七割になります。
残る千五百個は、期限までに売り切る必要があります。
期限が近づいた時点で値引きを出すなら、その件数は売り切りの目標として別に数えます。
混ぜると、獲得の成果が実態より良く見えます。
製造の側と同じ数字を見る
供給の上限は、製造の側が持っています。
マーケティングの側が別の数字を持っていると、計画がずれます。
そのため、上限の数字は一つにします。
更新の担当と間隔も、同じ場で決めます。
更新がないと、期の途中で上限が変わったことに気づけません。
気づかないまま投下すると、欠品が起きます。
着手点は指標の選定ではなく、品目ごとの供給の上限と賞味の期限の数字化です。製造の側と同じ数字を見てください。
食品通販の指標の置き方で判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
供給と獲得の釣り合いごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
食品通販のKPIに獲得の件数を置いてはいけませんか
件数は供給の上限があるため、単独では目標になりません。上限を超える注文が入ると納期が延びるか欠品になり、どちらもその後の購入につながりません。上限に対する充足率として置くほうが、実態に合います。
温度帯ごとにKPIを分ける必要がありますか
分けてください。温度帯によって配送の費用も在庫の持ち方も違うため、同じ売上でも残る粗利が変わります。温度帯をまたぐ注文は配送が分かれて送料の負担が重くなるので、送料の実額を引いた粗利で見ます。
贈答の注文と自家需要の注文は同じ件数ですか
別の件数として数えてください。贈答は贈った人の翌年の注文と受け取った人の自家需要の二つに分かれ、自家需要は同じ人の再購入につながります。見分けられない場合は、時期で推定して記録に残します。
期限が近い在庫の売り切りはKPIに入れますか
獲得の目標とは別に置いてください。同じ目標に混ぜると、値引きで件数を作る動きが正当化されます。評価は件数や売上ではなく、廃棄をどれだけ減らせたかで行い、案内の対象は既存の顧客に限ります。
供給の上限に達したら広告を止めるべきですか
止めるとその後の需要も失います。いまの注文は受けられないが次の時期に届けられるという形に、案内を切り替えてください。切り替えには次の製造の時期の情報が要るため、製造の計画を共有しておく必要があります。
まとめ
- 作れる量と、売り切れる期限に上限があるからです。獲得の目標は、供給の上限の内側でしか意味を持ちません
- 束ねられません。温度帯によって配送の費用も在庫の持ち方も違うため、採算が別になります
- 数えられません。後の購入につながる経路が違うため、同じ列に入れると質の判断ができません
- 年間の目標を月数で割らず、過去三年の月別構成比で割り付けます。贈答の時期は、その中でさらに供給の上限で頭打ちになります
- 売り切りの目標を、獲得の目標とは別に置きます。同じ目標に混ぜると、値引きで件数を作る動きが正当化されます
- 止めるのではなく、受注の時期をずらす案内に切り替えます。止めると、その後の需要も同時に失います
- 供給の上限に対する充足率、初回からの再購入率、温度帯ごとの粗利率です。件数そのものは、上限があるため単独では目標になりません
- 品目ごとの供給の上限と賞味の期限を、数字で揃えるところからです。この二つがないと、獲得の目標に意味を持たせられません