
接点から入学まで1年以上あり、費用の年度と収入の年度がずれるからです。
当年度の費用を当年度の入学者で説明しようとすると、根拠が作れません。
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目次
目次
- 専門学校の募集予算が、年度の会計と噛み合わないのはなぜか
- 会計の年度と募集の年度を分ける
- 1人の入学者に払える上限は、どう計算するのか
- 定員を超えられない制約
- 年次の暦に、予算をどう寄せるのか
- 閑散期に何をするか
- 学科ごとの配分は、何を基準に決めるのか
- 学科の担当者との合意
- 経営に募集予算を説明するとき、何を1枚に載せるのか
- 定員割れの損失を並べて示す
- 期中に費用を足すか止めるかは、どう判断するのか
- 週次で見る数字を決める
- 外部に募集予算の配分を任せるとき、何を渡すのか
- 更新の周期を決める
- 専門学校の予算設計は、どこから着手するのか
- よくある質問
- まとめ
接点から入学まで1年以上あり、費用の年度と収入の年度がずれるからです。
当年度の費用を当年度の入学者で説明しようとすると、根拠が作れません。
専門学校の募集予算が、年度の会計と噛み合わないのはなぜか
接点から入学まで1年以上あり、費用の年度と収入の年度がずれるからです。
当年度の費用を当年度の入学者で説明しようとすると、根拠が作れません。
募集の費用は、年度ごとに計上されます。
一方で、その費用が生んだ入学は翌年度の収入になります。
このずれを整理しないまま予算を組むと、説明が成立しません。
今年の費用は、今年入学した人を集めた費用ではないためです。
多くの学校では、この矛盾を前年比の増減で処理しています。
前年と同じ額に少し足すか引くかの判断です。
この方法は、未達のときに使えません。
足りないのが費用なのか、単価が上がったのか、歩留まりが落ちたのかを切り分けられません。
整理の方法は、費用を入学年度で束ねることです。
ある入学年度の学生を集めるためにかけた費用を、複数の年度にまたいで合算します。
合算した費用を、その学年の在籍期間の収入と比べます。
この比較ができると、予算の根拠が作れます。
会計の年度と募集の年度を分ける
会計の年度は変えられません。
変えるのは、募集の管理の単位です。
募集の資料では、入学年度で束ねた費用と入学者数を並べます。
会計の資料とは別に持つ形になります。
この2つを並べて経営に出すと、どちらの視点でも説明できます。
片方だけだと、必ずどこかで説明がつかなくなります。
費用の年度と収入の年度がずれるため、前年比でしか説明できなくなります。募集の管理は入学年度で束ねてください。
1人の入学者に払える上限は、どう計算するのか
在籍年数ぶんの学費から、教育にかかる原価と中退の率を引いて出します。
学科ごとに学費と在籍年数が違うため、学科別に計算してください。
上限の計算に必要なのは3つです。
在籍期間を通じた収入、教育にかかる原価、そして中退の率です。
収入は、入学金と授業料に加えて、在籍中に発生する費用も含みます。
実習にかかる費用や教材費が該当する場合があります。
原価には、教員の人件費、施設の維持、実習の設備が入ります。
学科によって、原価の重さが大きく変わります。
中退の率は、在籍期間の収入を直接減らします。
2年制の学科で1年目に中退すると、収入は半分になります。
この3つから出した粗利に、残したい利益の割合を掛けます。
残りが、1人の入学者に払える上限です。
学科をまとめて平均で計算すると、実在しない数字が出ます。
学費と原価の差が大きい学科がある場合は、必ず分けてください。
専門学校で入学者1人あたりの上限を出す流れ
| 段階 | 入れる数字 | 注意する点 | 出てくるもの |
|---|---|---|---|
| 1 | 在籍年数ぶんの学費 | 在籍中の実習費なども含める | 名目の収入 |
| 2 | 教育にかかる原価 | 学科ごとに大きく変わる | 1人あたり粗利 |
| 3 | 中退の率 | 学年ごとに分けて出す | 実質の粗利 |
| 4 | 入学手続の率 | 合格から手続までの歩留まり | 合格1件の価値 |
| 5 | 残したい利益の割合 | 学校の方針で置く | 入学1人に払える上限 |
数字は説明のための仮の値です。
2年制で学費の総額が200万円、原価が130万円なら粗利は70万円で、中退で1割落ちると実質63万円になります。
残したい利益を8割に置くと、入学1人に払える上限はおよそ12万6千円です。
出願からの入学手続率が70%なら、出願1件の上限はおよそ8万8千円になります。
定員を超えられない制約
この事業には、定員という明確な上限があります。
定員を超えて集めても、収入にはなりません。
そのため、費用は定員に達するまでしか意味を持ちません。
定員に達している学科への出稿は、止める判断になります。
一方で、定員に届いていない学科では、上限を超えても集める判断があります。
空いた定員は、繰り越せないためです。
上限は在籍年数ぶんの粗利から、中退の率を引いて学科別に出します。定員に達している学科への出稿は、収入につながりません。
年次の暦に、予算をどう寄せるのか
オープンキャンパスの開催時期と出願の受付時期に山を作ります。
均等に配分すると、参加を増やせる時期に費用が足りなくなります。
募集の需要は、年間で大きく偏ります。
オープンキャンパスの時期と、出願の受付の時期に集中します。
この時期に費用が足りないと、取れたはずの参加と出願を逃します。
逃した分は、他の時期では取り戻せません。
配分の作り方は、過去3年の月別の資料請求と参加予約から始めます。
3年ぶん重ねると、時期の形が見えます。
次に、開催の日程を重ねます。
開催の1週間から2週間前に、予約の山が来ます。
この山に合わせて費用を置いてください。
開催日そのものではなく、その前に置きます。
出願の受付が始まる時期にも、別の山を作ります。
この時期は、参加していた人の背中を押す配信が中心になります。
閑散期に何をするか
募集の閑散期は、次年度の準備の時期にあたります。
費用を絞る判断が出やすい時期です。
ただし、この時期に高校2年への接点を作ると、翌年の参加が増えます。
早い時期の接点は、翌年度の資料請求の質に効きます。
そのため、閑散期の費用は翌年度の投資として位置づけてください。
当年度の成果で評価すると、必ず削られます。
費用はオープンキャンパスの開催前と出願の受付開始に寄せます。閑散期の費用は、翌年度への投資として別に位置づけてください。
学科ごとの配分は、何を基準に決めるのか
定員の充足の見込みと、学科別の上限の2つで決めます。
すべての学科に同じ額を配ると、不足する学科の不足が広がります。
学科ごとの配分を均等にすると、集まりやすい学科がさらに集まります。
集まりにくい学科は、定員に届かないまま終わります。
配分の基準は2つです。
定員に対する現在の充足の見込みと、学科別に出した上限です。
充足の見込みは、前年の同じ時期の進捗と比べて出します。
遅れている学科に、費用を厚く置きます。
ただし、上限を超えてまで置くかは別の判断です。
学科別の上限を超える場合、その学科の採算が合いません。
判断の分かれ目は、定員に届かない場合の損失です。
定員に届かないと、教員の人件費と施設の費用が回収できません。
この損失が上限を超えた費用より大きければ、超えて集める判断になります。
その場合も、超過の額と期限を決めてください。
専門学校で学科ごとの配分を決める判断材料
| 判断材料 | 見る数字 | 厚く配る条件 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 定員の充足の見込み | 前年同時期比の進捗 | 遅れている | 回復の余地があるか |
| 学科別の上限 | 粗利から出した金額 | 上限に余裕がある | 学費と原価の差 |
| 参加からの出願率 | 学科別の3年平均 | 率が高い | 費用が効きやすい |
| 開催の枠 | 受け入れられる人数 | 枠に空きがある | 増やしても受けられるか |
| 不足時の損失 | 人件費と施設の固定費 | 損失が超過額を上回る | 期限と総額を決める |
学科の担当者との合意
配分を変えると、費用が減る学科の担当者から反発が出ます。
数字の根拠を示さないと、毎年同じ議論を繰り返します。
示すのは、充足の見込みと学科別の上限の2つです。
この2つを並べると、配分の理由が説明できます。
合意の記録を残してください。
翌年度の配分の議論で、前年の根拠を参照できます。
配分は定員の充足の見込みと学科別の上限で決めます。上限を超えて集める判断をする場合は、超過の額と期限を決めてください。
経営に募集予算を説明するとき、何を1枚に載せるのか
学科ごとの上限、必要な参加者数、そこから出た総額の3つです。
総額だけを出すと、増額も減額も前年比の議論に戻ります。
予算が通らない理由の多くは、金額の大きさではありません。
その金額が何に基づいているかを、1枚で説明できていないことです。
載せるのは、学科ごとの上限、必要な参加者数、総額の3つです。
この3つが並ぶと、どこを動かせば総額が変わるかが分かります。
上限は、在籍年数ぶんの粗利と中退の率から出した数字です。
前提として置いた率も添えてください。
必要な参加者数は、学科の定員から逆算した数字です。
定員を超える集客には意味がないため、上限として機能します。
総額は、この2つの掛け算に、翌年度への投資分を足した形になります。
足した分は、目的が違うことを明記して別行にします。
この形にしておくと、減額を求められたときの会話が変わります。
総額を削るのではなく、どの学科のどの時期を削るかの議論になります。
定員割れの損失を並べて示す
募集の費用を削る判断は、定員割れの損失と比べて行われるべきです。
比べる材料がないと、費用だけが議論の対象になります。
定員に届かなかった場合の収入の減少を、学科ごとに出してください。
在籍年数ぶんの収入で計算すると、単年の見かけより大きくなります。
この数字を並べると、募集の費用が投資として扱われます。
並べないと、削減の対象になります。
1枚に載せるのは学科ごとの上限、必要な参加者数、総額の3つです。定員割れの損失を在籍年数ぶんで示すと、費用が投資として扱われます。
期中に費用を足すか止めるかは、どう判断するのか
学科ごとの充足の進捗と、残っている接点の機会で判断します。
出願の受付が終わっている学科に費用を足しても、入学にはつながりません。
期中の判断は、時期によって取れる打ち手が変わります。
年次の暦に縛られるため、時期を過ぎると回復できません。
夏の時点で参加者数が遅れている場合、まだ回復の余地があります。
追加の開催や、後半の日程への誘導が使えます。
秋の時点で出願が遅れている場合、打てる手が限られます。
残っている入試の方式と、その受付の時期を確認してください。
冬以降は、後半の入試と社会人の層が対象になります。
この時期の費用は、対象が変わるため設計も変えます。
止める判断は、定員に達した学科から行います。
達した学科への出稿を続けても、収入になりません。
判断の周期は、月次では遅すぎます。
募集の山の時期は、週次で確認してください。
専門学校で期中に費用を動かす判断
| 時期 | 遅れている数字 | 取れる打ち手 | 効果が出るまで |
|---|---|---|---|
| 春から初夏 | 資料請求 | 一括請求以外の経路を厚く | 2週間から1か月 |
| 夏 | 参加予約 | 開催前の配信と追加の日程 | 1週間から2週間 |
| 初秋 | 参加からの出願 | 当日の内容と個別の相談 | 1か月 |
| 秋から冬 | 出願 | 残る方式の案内と併願の説明 | 2週間から1か月 |
| 冬から翌春 | 入学手続 | 合格者への連絡と学費の説明 | 1週間 |
週次で見る数字を決める
募集の山の時期は、週次の確認が要ります。
見る数字を3つに絞ってください。
学科別の参加予約数、前年の同じ週との比較、そして残る開催枠です。
この3つがあれば、その週の判断ができます。
週次で見る数字を増やすと、確認が業務を圧迫します。
残りは月次に回してください。
期中の判断は時期で取れる打ち手が変わります。募集の山の時期は週次で、学科別の参加予約と前年比と残る枠の3つを見てください。
外部に募集予算の配分を任せるとき、何を渡すのか
学科ごとの定員と充足の進捗、そして学科別の上限です。
これがないと、外部は資料請求が安く取れる学科に費用を寄せます。
外部に配分を任せる場合、渡す情報が判断の質を決めます。
渡さなければ、外部は媒体の数字で最適化します。
媒体の数字で最適化すると、資料請求が安く取れる学科に寄ります。
安く取れるのは、たいてい人気のある学科です。
人気のある学科は、費用をかけなくても定員に達します。
寄せた費用は、収入に変わりません。
渡すべきなのは、学科ごとの定員と現在の充足です。
これがあれば、どこに寄せるべきかが分かります。
次に、学科別の上限です。
学費と原価が違うため、払える額も学科で違います。
3つ目が、開催の枠です。
参加を増やしても受け入れられなければ、予約だけが積み上がります。
更新の周期を決める
充足の進捗は、時期によって速く動きます。
月次の共有では、判断が遅れます。
募集の山の時期は、週次で更新してください。
更新の形式を固定すると、作業は数十分で終わります。
形式が毎回変わると、外部側も蓄積して比較できません。
1つの表を毎週更新する形にしてください。
外部に渡すのは学科ごとの定員と充足の進捗、学科別の上限、開催の枠です。募集の山の時期は週次で更新してください。
専門学校の予算設計は、どこから着手するのか
学科ごとの在籍年数ぶんの粗利を出すところからです。
粗利が分からないと上限が決まらず、総額の根拠も作れません。
予算設計の作業の大半は、金額を決めることではありません。
学科ごとの収入と原価を、学内から集める作業です。
最初に集めるのは、学科別の学費の総額と教育にかかる原価です。
原価には教員の人件費と施設の維持が入ります。
次に、学年ごとの中退の率を出します。
在籍年数ぶんの収入を計算するために必要になります。
専門学校の予算設計の着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 学科別の学費の総額と原価を出す | 経営・学科 | 2週間 |
| 2 | 学年ごとの中退の率を出す | 学生支援・経営 | 1週間 |
| 3 | 残したい利益の割合を決める | 経営 | 3日 |
| 4 | 入学1人と出願1件の上限を学科別に出す | 広報・経営 | 1週間 |
| 5 | 過去3年の月別の請求と参加予約を並べる | 広報 | 1週間 |
| 6 | 開催の日程と重ねて月別の配分を作る | 広報 | 1週間 |
この6工程は、着手から合意までで7週間前後が目安になります。
翌年度の募集に間に合わせるには、当年度の秋までに1と2を終えてください。
作った配分は、募集の山の時期に週次で充足と突き合わせます。
期初に作った配分をそのまま使い続けると、学科ごとの差に追随できません。
数字は説明のための仮の値です。
入学1人の上限が12万6千円で定員80人の学科なら、その学科に置ける費用の総額はおよそ1,008万円です。
この金額を、参加予約の山の時期に合わせて配分します。
定員に達した時点で、その学科への出稿は止める判断になります。
見直しは年に一度で足りますが、中退の率だけは毎年更新してください。
率が動くと、上限が大きく変わります。
着手点は金額ではなく、学科別の在籍年数ぶんの粗利です。粗利と中退の率が揃えば、上限と配分は数週間で決まります。
募集予算の決め方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
募集の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
募集の予算はどう決めればいいですか
入学1人に払える上限と、学科の定員から逆算した必要な参加者数の掛け算で出します。前年比で決めると、未達のときに費用と単価と歩留まりのどれが原因かを切り分けられません。翌年度への投資分は、目的が違うため別行で足してください。
費用の年度と収入の年度がずれる問題はどう扱いますか
募集の管理を入学年度で束ねてください。ある入学年度の学生を集めるためにかけた費用を複数年度にまたいで合算し、その学年の在籍期間の収入と比べます。会計の年度の資料とは別に持つ形になります。
学科ごとの配分はどう決めますか
定員に対する充足の見込みと、学科別に出した上限の2つで決めます。均等に配ると集まりやすい学科がさらに集まり、不足する学科の不足が広がります。上限を超えて集める判断をする場合は、超過の額と期限を決めてください。
定員に達した学科の広告は止めるべきですか
止める判断になります。定員を超えて集めても収入にはなりません。一方で定員に届いていない学科では、空いた定員が繰り越せないため、上限を超えても集める判断があります。判断は募集の山の時期には週次で行ってください。
経営に予算を説明するとき何を示しますか
学科ごとの上限、必要な参加者数、そこから出た総額の3つです。加えて、定員に届かなかった場合の収入の減少を在籍年数ぶんで示してください。この数字を並べると、募集の費用が削減の対象ではなく投資として扱われます。
まとめ
- 接点から入学まで1年以上あり、費用の年度と収入の年度がずれるからです。当年度の費用を当年度の入学者で説明しようとすると、根拠が作れません
- 在籍年数ぶんの学費から、教育にかかる原価と中退の率を引いて出します。学科ごとに学費と在籍年数が違うため、学科別に計算してください
- オープンキャンパスの開催時期と出願の受付時期に山を作ります。均等に配分すると、参加を増やせる時期に費用が足りなくなります
- 定員の充足の見込みと、学科別の上限の2つで決めます。すべての学科に同じ額を配ると、不足する学科の不足が広がります
- 学科ごとの上限、必要な参加者数、そこから出た総額の3つです。総額だけを出すと、増額も減額も前年比の議論に戻ります
- 学科ごとの充足の進捗と、残っている接点の機会で判断します。出願の受付が終わっている学科に費用を足しても、入学にはつながりません
- 学科ごとの定員と充足の進捗、そして学科別の上限です。これがないと、外部は資料請求が安く取れる学科に費用を寄せます
- 学科ごとの在籍年数ぶんの粗利を出すところからです。粗利が分からないと上限が決まらず、総額の根拠も作れません