専門学校のマーケティング組織の作り方

募集の業務が年次の暦に集中し、その時期だけ全学の応援で回しているからです。
応援で回る限り、設計や検証を行う常設の機能が育ちません。
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目次
目次
- 専門学校の広報機能が、募集期の応援体制から抜けられないのはなぜか
- 応援体制で最初に失われるもの
- 全学に集める機能と、学科に残す機能をどう分けるのか
- 学科の当事者意識を保つ
- 常設の広報に、どんな役割が要るのか
- 募集期以外に何をするか
- 学科にどこまで裁量を残すのか
- 学科の要望をどう集約するか
- 教職員の異動が多い組織で、知見をどう残すのか
- 引き継ぎの単位を決める
- 外部との分担は、どこで線を引くのか
- 表現の確認を学内に残す
- 広報の組織を変えるとき、先に決めておくことは何か
- 変更を戻す基準を決める
- 専門学校の広報組織は、どこから作り始めるのか
- よくある質問
- まとめ
募集の業務が年次の暦に集中し、その時期だけ全学の応援で回しているからです。
応援で回る限り、設計や検証を行う常設の機能が育ちません。
専門学校の広報機能が、募集期の応援体制から抜けられないのはなぜか
募集の業務が年次の暦に集中し、その時期だけ全学の応援で回しているからです。
応援で回る限り、設計や検証を行う常設の機能が育ちません。
専門学校の募集は、年間を通じて均等には発生しません。
オープンキャンパスの時期と出願の時期に、業務が集中します。
この集中を、多くの学校は応援の体制で吸収しています。
事務や学科の教職員が、その時期だけ募集の業務に入る形です。
応援で回る体制には、利点もあります。
繁忙期の人手が確保でき、常設の人件費を抑えられます。
一方で、失われるものがあります。
設計と検証を続ける役割が、誰のものでもなくなります。
応援に入る人は、その時期の作業を担当します。
翌年度の設計や、前年度の検証は担当の範囲外です。
結果として、毎年同じ形で募集を行うことになります。
何が効いたかの記録が残らないため、改善の起点がありません。
応援体制で最初に失われるもの
最初に失われるのは、記録です。
当日の迷っている点や、経路別の数字が残りません。
次が、前年との比較です。
記録がないため、良くなったか悪くなったかが判断できません。
最後に、外部との対話の質が落ちます。
渡す情報が少ないため、外部からの提案も一般的なものになります。
応援の体制では、設計と検証を続ける役割が誰のものでもなくなります。常設の機能を作らないかぎり、毎年同じ形が繰り返されます。
全学に集める機能と、学科に残す機能をどう分けるのか
数字の設計と外部との窓口を全学に集め、当日の内容と学科の説明を学科に残します。
分ける基準は、学科の専門性が必要かどうかです。
機能を分ける基準は、担当者の人数ではありません。
学科の専門性が必要かどうかです。
専門性が必要なのは、当日の体験の内容と、学ぶ内容の説明です。
これらは学科の教職員でなければ作れません。
専門性が不要なのは、数字の設計、外部との窓口、資料の制作の進行です。
これらは全学に集めたほうが、質と効率の両方が上がります。
集めることで、学科ごとの比較ができるようになります。
比較ができると、配分の議論が数字に基づいて行えます。
一方で、集めすぎると学科の当事者意識が下がります。
募集は広報の仕事という認識になり、当日の対応が薄くなります。
そのため、学科には当日の設計と迷っている点の記録を必ず残してください。
この2つが学科にあると、当事者として関わる理由が残ります。
専門学校で全学に集める機能と学科に残す機能
| 機能 | 専門性の要否 | 置く場所 | 移すときの注意 |
|---|---|---|---|
| 学科別の目標と逆算 | 不要 | 全学 | 学科の合意が前提 |
| 外部との窓口と契約 | 不要 | 全学 | 学科の要望を集約 |
| 資料と制作の進行 | 不要 | 全学 | 内容の監修は学科 |
| 経路別の数字の集計 | 不要 | 全学 | 定義を3者で合意 |
| 当日の体験の内容 | 必要 | 学科 | 全学は枠と人数を管理 |
| 学ぶ内容の説明 | 必要 | 学科 | 表現の確認は全学 |
| 迷っている点の記録 | 必要 | 学科 | 形式は全学が指定 |
学科の当事者意識を保つ
機能を全学に集めると、学科の関心が下がることがあります。
下がると、当日の対応の質に出ます。
保つ方法は、学科別の数字を学科に返すことです。
自分の学科の充足と出願率が見えていれば、関心は続きます。
返す周期は月次で足ります。
募集の山の時期は隔週にすると、当日の設計の見直しが間に合います。
学科の専門性が必要な機能だけを学科に残し、それ以外は全学に集めます。学科別の数字を返すことで、当事者意識を保ってください。
常設の広報に、どんな役割が要るのか
数字を設計して検証する役割と、制作の進行を管理する役割の2つです。
どちらも募集期以外の時期に働く役割になります。
常設の機能として最初に必要なのは、数字の役割です。
学科別の歩留まりを集計し、逆算して目標を置く人です。
この役割がいないと、目標が前年比で決まります。
前年比の目標は、未達のときに使えません。
次に必要なのが、制作の進行を管理する役割です。
資料、サイト、広告の制作を、募集の暦に合わせて進めます。
この役割がいないと、制作が募集期の直前に集中します。
集中すると、表現の確認も含めて間に合いません。
3つ目が、外部との窓口です。
契約と評価を一元的に管理します。
この3つは、1人が兼ねることもできます。
人数より、募集期以外の時期に働く時間が確保されているかが重要になります。
募集期以外に何をするか
常設の広報が閑散期に行うのは、検証と設計です。
前年度の数字を集計し、翌年度の目標を置きます。
同時に、制作の前倒しを行います。
募集期に使う資料や広告を、閑散期に作り置く形です。
この2つを行う時間が確保されていないと、常設の意味がありません。
募集期の応援と同じ役割になります。
常設の役割は数字の設計と検証、制作の進行、外部の窓口の3つです。募集期以外に働く時間が確保されていることが条件になります。
学科にどこまで裁量を残すのか
当日の内容の設計と、学科ごとの説明の作り方に裁量を残します。
目標と予算の配分は全学で決め、その中で学科が運用する形にしてください。
裁量の範囲を決めないと、学科ごとに募集の形が分かれます。
分かれると、全学での比較ができなくなります。
一方で、裁量をすべて奪うと当事者意識が下がります。
当日の対応が形だけになり、出願率が落ちます。
分け方は、決めるものと運用するものです。
目標と予算の配分は全学で決めます。
当日の内容の設計と、学ぶ内容の説明の作り方は学科に残します。
専門性が必要な領域だからです。
同時に、記録の形式は全学が指定してください。
形式がばらばらだと、集計ができません。
内容は学科、形式は全学という分け方が、この事業では機能します。
逆にすると、内容が一般的になり学科の特徴が消えます。
専門学校で学科に残す裁量の範囲
| 領域 | 決める場所 | 運用する場所 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 学科別の目標 | 全学 | 学科が達成を負う | 学科の合意が前提 |
| 予算の配分 | 全学 | 学科が使途を提案 | 充足の進捗で見直す |
| 当日の体験の内容 | 学科 | 学科 | 枠と人数は全学が管理 |
| 学ぶ内容の説明 | 学科 | 学科 | 表現の確認は全学 |
| 記録の形式 | 全学 | 学科が入力 | 形式は統一する |
| 外部との調整 | 全学 | 全学 | 学科の要望を集約 |
学科の要望をどう集約するか
外部との調整を全学に集めると、学科の要望が届きにくくなります。
届かないと、制作物が学科の実態と合いません。
集約の場を、年に2回設けてください。
翌年度の設計の時期と、募集期の前が適した時期です。
この場で出た要望を記録し、反映の可否を返してください。
返さないと、要望が出なくなります。
目標と予算は全学で決め、当日の内容と説明は学科に残します。内容は学科、形式は全学という分け方が機能します。
教職員の異動が多い組織で、知見をどう残すのか
判断の記録を、年度と理由ごとに1か所に残します。
数字の記録だけでは、なぜその判断をしたかが残りません。
この事業では、担当者の異動が定期的に起きます。
異動のたびに、前年度の判断の経緯が失われます。
残すべきなのは、実績の数字だけではありません。
どの判断を、どんな理由で行ったかの記録です。
記録する対象は4つに絞れます。
定義の合意、学科別の上限、配分の変更、表現の可否の判断です。
この4つを1か所にまとめ、年度と理由を添えて残します。
場所を分けると、次の担当者がたどれません。
記録の形式は、文章で構いません。
整った資料にしようとすると、作る手間で続かなくなります。
更新の頻度は、判断が起きたときだけです。
年度の終わりにまとめて書くと、細部が失われます。
引き継ぎの単位を決める
担当が異動するとき、引き継ぐのは業務ではなく判断の前提です。
業務の手順は、年次の暦に沿えば覚えられます。
前提とは、学科別の上限をどう出したか、有効の定義を誰と合意したか、表現の可否をどう判断したかです。
この3つを渡せば、判断の再現ができます。
引き継ぎの資料は、この記録をそのまま使えます。
別に作ると、内容がずれます。
残すのは数字ではなく判断の記録です。定義の合意、学科別の上限、配分の変更、表現の可否の4つを1か所に集めてください。
外部との分担は、どこで線を引くのか
学科別の数字を使う判断を学内に残し、それ以外を外に出します。
分担の線は、契約の前に文書で決めてください。
外部との分担が曖昧だと、同じ作業を二重に行うことが起きます。
どちらも相手がやると思っている作業が残ることもあります。
線を引く基準は、学科別の数字を使うかどうかです。
定員、充足、学科別の歩留まりを使う判断は学内に残ります。
外に出せるのは、渡した前提の中で完結する作業です。
配信の設定、制作、集計の作業が該当します。
この線引きを契約の前に文書にしてください。
運用が始まってから決めると、途中で範囲が動きます。
文書には、外部に渡す情報も書きます。
渡す情報が決まっていないと、外部の判断が件数に寄ります。
分担は年度ごとに見直してください。
学内の人員が変われば、置ける機能も変わります。
表現の確認を学内に残す
募集の訴求には、進路や資格に関する記述が入ります。
どこまで書けるかは掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
確認の判断は、学内に置いてください。
外部に委ねると、学内の基準と合わない表現が出ます。
判断の記録を1か所に残すと、次の制作で同じ確認を繰り返さずに済みます。
年度ごとに作り直す資料では、この記録が特に効きます。
線引きの基準は学科別の数字を使うかどうかです。表現の確認の判断は、必ず学内に残してください。
広報の組織を変えるとき、先に決めておくことは何か
誰がどの数字を持つかと、変えたあと何で効果を測るかの2つです。
体制だけ変えて指標を変えないと、前と同じ会話が続きます。
組織の変更は、体制図を描き替えるだけでは終わりません。
持つ数字が変わらなければ、行動は変わらないからです。
先に決めるのは、各役割が持つ指標です。
広報、入試、学科がそれぞれ何を持つかを書き出します。
次に、共通で持つ指標を1つ決めます。
これがないと、役割を分けた瞬間に部署間の対立が起きます。
3つ目が、変更の効果を測る数字です。
組織を変えた効果は、出願件数だけでは見えません。
見るのは、設計に使えた時間、記録の残存率、判断までの日数です。
これらは数字にしにくいものの、変更の効果が最も早く出ます。
変更の時期は、募集の年度の切り替わりに合わせてください。
募集期に変えると、前後の比較ができなくなります。
専門学校で組織を変える前に決めること
| 決めること | 内容 | 決めない場合に起きること |
|---|---|---|
| 各役割が持つ指標 | 広報と入試と学科の分担 | 前と同じ会話が続く |
| 共通で持つ指標 | 学科別の出願件数 | 部署間の対立が起きる |
| 効果を測る数字 | 設計の時間と記録と判断の日数 | 効果の判断ができない |
| 変更の時期 | 募集の年度の切り替わり | 前後の比較ができない |
| 戻す基準 | 共通指標と参加率の推移 | 悪い状態が惰性で続く |
| 記録の場所 | 判断の記録の置き場 | 異動で経緯が失われる |
変更を戻す基準を決める
組織の変更がうまくいかないこともあります。
そのときに戻せるよう、判断の基準を先に決めてください。
基準にするのは、学科別の出願件数と参加率です。
前年度と比べて悪化していれば、体制に原因がある可能性があります。
年次の暦に縛られるため、判断は1年後になります。
判断の時期を決めておかないと、悪い状態が続きます。
体制を変える前に、各役割が持つ指標と共通指標を決めてください。効果は出願件数ではなく、設計に使えた時間と判断までの日数で測ります。
専門学校の広報組織は、どこから作り始めるのか
募集期以外に働く常設の役割を1つ置くところからです。
応援の体制のままでは、設計と検証を行う時間が生まれません。
組織づくりの最初の一歩は、体制図ではありません。
募集期以外の時期に、募集の設計を行う時間を確保することです。
確保されていない状態で役割を増やすと、増えた分だけ募集期の応援が増えます。
まず閑散期に働く役割を1つ置いてください。
その役割が行うのは、前年度の集計と翌年度の逆算です。
この2つができると、目標が前年比から離れます。
専門学校の広報組織を作る着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 募集期以外に働く常設の役割を1つ決める | 経営・広報 | 2週間 |
| 2 | 学科別の3年分の歩留まりを集計する | 常設の役割 | 2週間 |
| 3 | 全学に集める機能と学科に残す機能を仕分ける | 経営・広報・学科 | 2週間 |
| 4 | 各役割が持つ指標と共通指標を決める | 3者の責任者 | 2週間 |
| 5 | 判断の記録を残す場所と項目を決める | 広報責任者 | 3日 |
| 6 | 1年後に効果を判断する基準を決める | 経営・広報責任者 | 3日 |
数字は説明のための仮の値です。
募集期の3か月に、事務と教職員の応援が延べ600時間発生しているとします。
このうち設計と検証にあてられている時間がゼロであれば、常設の役割を置く根拠になります。
応援の時間を減らすのではなく、閑散期の設計の時間を作ることが目的です。
変更のあとに見る数字は、5つに絞れます。
設計と検証に使えた時間、判断までにかかった日数、判断の記録の件数、参加率、学科別の出願件数です。
この5つを年に2回の資料に固定すると、組織の議論が人数の話に戻りません。
戻るのは、効果を測る数字が用意されていないときです。
体制の見直しは年度ごとに行ってください。
異動で人員が変われば、置ける機能も変わります。
着手点は体制図ではなく、募集期以外に働く役割を1つ置くことです。時間が確保されてから、指標と分担の設計に進んでください。
広報組織の作り方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の体制を見てもらうところから始められます。
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よくある質問
募集期だけの応援体制では何が足りませんか
設計と検証を続ける役割が誰のものでもなくなります。応援に入る人はその時期の作業を担当し、翌年度の設計や前年度の検証は範囲外です。結果として記録が残らず、毎年同じ形で募集を繰り返すことになります。
全学と学科でどう機能を分けますか
学科の専門性が必要かどうかで分けてください。当日の体験の内容と学ぶ内容の説明は学科に残し、数字の設計、外部との窓口、制作の進行は全学に集めます。記録の形式は全学が指定し、内容は学科が作る分け方が機能します。
常設の広報にはどんな役割が必要ですか
数字を設計して検証する役割、制作の進行を管理する役割、外部との窓口の3つです。1人が兼ねても構いませんが、募集期以外の時期に働く時間が確保されていることが条件になります。確保されなければ応援と同じ役割になります。
異動が多い組織で知見をどう残しますか
判断の記録を1か所に残してください。残すのは定義の合意、学科別の上限、配分の変更、表現の可否の4つで、年度と理由を添えます。業務の手順は年次の暦に沿えば覚えられますが、判断の前提は渡さないと再現できません。
組織を変えた効果はどう測りますか
出願件数では見えません。設計と検証に使えた時間、判断までにかかった日数、判断の記録の件数を見てください。年次の暦に縛られるため判断は1年後になりますが、判断の時期を先に決めておかないと悪い状態が惰性で続きます。
まとめ
- 募集の業務が年次の暦に集中し、その時期だけ全学の応援で回しているからです。応援で回る限り、設計や検証を行う常設の機能が育ちません
- 数字の設計と外部との窓口を全学に集め、当日の内容と学科の説明を学科に残します。分ける基準は、学科の専門性が必要かどうかです
- 数字を設計して検証する役割と、制作の進行を管理する役割の2つです。どちらも募集期以外の時期に働く役割になります
- 当日の内容の設計と、学科ごとの説明の作り方に裁量を残します。目標と予算の配分は全学で決め、その中で学科が運用する形にしてください
- 判断の記録を、年度と理由ごとに1か所に残します。数字の記録だけでは、なぜその判断をしたかが残りません
- 学科別の数字を使う判断を学内に残し、それ以外を外に出します。分担の線は、契約の前に文書で決めてください
- 誰がどの数字を持つかと、変えたあと何で効果を測るかの2つです。体制だけ変えて指標を変えないと、前と同じ会話が続きます
- 募集期以外に働く常設の役割を1つ置くところからです。応援の体制のままでは、設計と検証を行う時間が生まれません