
既存の学科で定員割れが続く局面か、教員と設備に余力が生まれた局面です。
どちらの局面かで、必要な学科の性質も募集の設計も変わります。
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目次
目次
- 専門学校が新しい学科を検討するのは、どういう局面か
- 定員割れかどうかの見極め
- 既存の資産で、どこまで対応できるのか
- 分野が違うと認知が足かせになる
- 新しい学科の募集は、いつから始めるのか
- 初年度の費用をどう見るか
- 高校への説明は、どう変えるのか
- 実績がない段階の説明
- 社会人や既卒の層を対象にする場合、何が変わるのか
- 既存の募集と分けて設計する
- 新学科の立ち上げの費用は、どこまで出すのか
- 撤退ではなく定員の見直しから
- 既存の学科との関係は、どう設計するのか
- 使い分けの基準を作る
- 専門学校の新学科は、どこから検討を始めるのか
- よくある質問
- まとめ
既存の学科で定員割れが続く局面か、教員と設備に余力が生まれた局面です。
どちらの局面かで、必要な学科の性質も募集の設計も変わります。
専門学校が新しい学科を検討するのは、どういう局面か
既存の学科で定員割れが続く局面か、教員と設備に余力が生まれた局面です。
どちらの局面かで、必要な学科の性質も募集の設計も変わります。
新学科の検討が始まる理由は、2つに分かれます。
既存の学科の充足の低下と、資源の余剰です。
既存の学科で定員割れが続くと、収入が構造的に落ちます。
募集の費用を増やしても、分野そのものへの関心が減っていれば戻りません。
この場合に必要なのは、新しい分野です。
既存の資源で対応できるかどうかが、次の論点になります。
もう1つが、教員と設備に余力が生まれる局面です。
定員を減らした学科の教員や、使用頻度の低い設備が該当します。
この場合に必要なのは、既存の資源を使う新しい募集の単位です。
分野を大きく変える必要はありません。
どちらの局面かを先に特定してください。
特定しないまま検討を始めると、両方に効かない学科が出てきます。
定員割れかどうかの見極め
単年の定員割れでは、構造の問題とは限りません。
募集の運営や、その年の競合の動きで変わることがあります。
見るのは、3年の推移です。
3年続けて充足が下がっていれば、構造の問題として扱います。
同時に、分野全体の志願の動きも確認してください。
分野が縮んでいるのか、自校だけが落ちているのかで打ち手が違います。
新学科の検討は、定員割れの継続か資源の余剰から始まります。どちらの局面かで、必要な学科の性質が変わります。
既存の資産で、どこまで対応できるのか
教員の専門、設備、実習の受け入れ先が使える範囲までです。
この3つから離れると、立ち上げの費用と期間が別事業と同じになります。
新しい学科を考えるとき、まず手持ちの資産を確認します。
資産とは、教員の専門、設備、実習の受け入れ先、そして校名の認知です。
教員の専門は、最も移しにくい資産です。
新しい分野を立ち上げるには、その分野の教員が必要になります。
設備は、分野によって流用できる範囲が違います。
汎用の設備が中心の学科は、隣接する分野へ広げやすくなります。
実習の受け入れ先は、卒業生の勤務先と重なります。
関係が続いていれば、新しい分野でも相談ができます。
校名の認知は、分野が近ければ引き継げます。
分野が大きく違う場合は、認知が誤解を生みます。
この4つから離れた学科は、立ち上げの費用が別事業と同じになります。
離れる場合は、別の予算と期間を切ってください。
専門学校の既存の資産と新学科の相性
| 資産 | 使える新学科 | 使えない新学科 | 流用の効果 |
|---|---|---|---|
| 教員の専門 | 隣接する分野 | 専門が離れた分野 | 採用の負担が小さい |
| 設備 | 同じ設備を使う分野 | 新しい設備が要る分野 | 初期の投資が小さい |
| 実習の受け入れ先 | 同じ業界に接する分野 | 別の業界の分野 | 受け入れの確保が早い |
| 校名の認知 | 既存の分野に近い | 対象が大きく違う | 募集の費用が下がる |
| 卒業生と高校の関係 | 同じ高校から集まる分野 | 別の層に向かう分野 | 初期の出願が読める |
分野が違うと認知が足かせになる
既存の校名を使うと、既存の分野への認知がそのまま働きます。
分野が違う学科では、この認知が誤解を生みます。
高校の進路指導でも、既存の分野の学校として扱われます。
扱われると、新しい学科が選択肢に入りません。
この場合は、学科の名称と説明を分けて設計してください。
校名は変えられなくても、伝え方は変えられます。
使える資産は教員の専門、設備、実習の受け入れ先、校名の認知の4つです。これらから離れる学科は、別の予算と期間を切ってください。
新しい学科の募集は、いつから始めるのか
入学の1年半以上前から始めます。
高校2年への接点がない状態で開設すると、初年度の充足が難しくなります。
新学科の募集は、既存の学科より早く始める必要があります。
認知がゼロの状態から始まるためです。
高校生の検討は、高校2年の後半から始まります。
この時期に名前が知られていないと、候補に入りません。
そのため、開設の1年半以上前から接点を作ってください。
設置の手続の進行と並行して、準備を進めます。
高校への説明も、早い時期から必要になります。
進路指導の教員が、新しい学科を知らなければ提示できません。
初年度の充足は、多くの場合で難しくなります。
2年目、3年目にかけて上がる前提で計画を組んでください。
初年度の目標を定員に置くと、募集の費用が過大になります。
段階的な充足を前提にした目標にしてください。
初年度の費用をどう見るか
初年度の募集では、1人あたりの費用が既存の学科より高くなります。
認知がなく、訴求も定まっていないためです。
この費用を既存の学科の平均に混ぜると、判断ができなくなります。
新学科の枠を別に切ってください。
枠には、期限と総額を決めます。
3年で既存の水準に近づくかを、判断の基準にします。
新学科の募集は開設の1年半以上前から始めます。初年度の目標を定員に置かず、段階的な充足を前提にしてください。
高校への説明は、どう変えるのか
学科の紹介ではなく、どんな生徒に向いているかの整理を渡します。
教員が生徒に提示できる形でなければ、新しい学科は選択肢に入りません。
新学科の情報を高校に届けるとき、学科の紹介を渡しても提示されません。
教員が必要としているのは、生徒に当てはめられる情報です。
渡すのは、どんな生徒に向いているかの整理です。
関心の方向、必要な学力の目安、未経験からの進み方が該当します。
次に、既存の学科との違いです。
同じ学校の中で、どう使い分けるかが分からないと提示できません。
3つ目が、卒業後の方向です。
実績がまだない学科では、断定を避けた説明が必要になります。
どこまで書けるかは掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
実績のない学科では、過程の説明が中心になります。
説明の機会は、教員向けの説明会が中心になります。
訪問だけでは、届く高校の数が限られます。
専門学校で新学科を高校に説明するときに渡すもの
| 渡すもの | 内容 | 使われる場面 | 作る主体 |
|---|---|---|---|
| 向いている生徒の整理 | 関心の方向と学力の目安 | 進路の面談 | 学科 |
| 既存の学科との違い | 使い分けの基準 | 校内での説明 | 学科と広報 |
| 学びの順序 | 1年目と2年目の内容 | 生徒への提示 | 学科 |
| 卒業後の方向 | 過程を中心にした説明 | 保護者への説明 | 学科と広報 |
| 体験の日程 | 参加できる日と内容 | 生徒への案内 | 広報 |
実績がない段階の説明
新しい学科には、卒業生の実績がありません。
実績を前提にした説明ができない状態です。
代わりに示せるのが、学ぶ内容と設備と教員の専門です。
いずれも開設の時点で確定しています。
実習の受け入れ先が決まっていれば、それも材料になります。
決まっていない段階では、断定を避けてください。
高校に渡すのは学科の紹介ではなく、どんな生徒に向いているかの整理です。実績がない段階では、学ぶ内容と設備と教員の専門を示します。
社会人や既卒の層を対象にする場合、何が変わるのか
検討の時期が年次の暦に縛られず、判断の材料も費用の回収が中心になります。
高校生向けの募集の設計を流用すると、どの段階も成立しません。
社会人や既卒の層は、高校生とは検討の仕方が違います。
年次の暦に縛られず、思い立った時期に検討を始めます。
そのため、募集の接点も年間を通じて必要になります。
オープンキャンパスの時期だけでは、届きません。
判断の材料も違います。
費用と期間に見合うかどうかが、中心の論点になります。
働きながら通えるかも、大きな論点です。
時間割と通学の負担が、判断を左右します。
利用できる制度がある場合は、対象になるかを本人が確認できる形で案内します。
制度の運用は変わるため、制度の窓口で確認してくださいと添えてください。
経路も違います。
高校の進路指導は使えず、検索と発信が中心になります。
既存の募集と分けて設計する
社会人向けの募集を高校生向けと同じ枠で扱うと、どちらも半端になります。
接点の時期も、伝える内容も違うためです。
分けるのは、目標、予算、接点の3つです。
運営の体制は共通でも構いません。
分けたうえで、それぞれの充足を別に管理してください。
合計で管理すると、どちらが不足しているか分かりません。
社会人や既卒の層は年次の暦に縛られません。目標と予算と接点を高校生向けと分けて設計してください。
新学科の立ち上げの費用は、どこまで出すのか
期限と総額を先に切り、既存の学科の上限とは別に管理します。
既存の平均に混ぜると、どこで止めるかの判断が誰にもできなくなります。
新学科の立ち上げでは、1人あたりの募集の費用が既存の上限を超えます。
認知がなく、訴求も定まっていないためです。
超えること自体は問題になりません。
問題になるのは、期限と総額を決めていないことです。
そのため、立ち上げの枠を別に切ってください。
開設の前年度から、総額と期限を決めます。
枠を切らずに全体の平均で管理すると、既存の学科の収入で新学科の不足を埋め続けます。
埋め続けている状態は、平均の数字には現れません。
期限は、3年が目安です。
1年では認知が育たず、判断の材料が揃いません。
撤退の基準も、始める前に書いてください。
学科の廃止は容易ではないため、基準の設定が特に重要になります。
専門学校で新学科の立ち上げに枠を切る
| 決めること | 内容 | 決めない場合に起きること | 見直す時期 |
|---|---|---|---|
| 総額 | 開設前年度から3年分 | 既存の収入で埋め続ける | 各年度の末 |
| 期限 | 3年 | いつまでも続く | 3年目の末 |
| 段階的な充足の目標 | 年ごとの充足率 | 初年度に費用が過大になる | 各年度の末 |
| 継続の基準 | 3年目の充足の水準 | 判断が感覚になる | 3年目の末 |
| 見直しの基準 | 定員の見直しか募集の見直しか | 対応が遅れる | 各年度の末 |
撤退ではなく定員の見直しから
学科の廃止は、在籍している学生がいるため容易ではありません。
そのため、判断の選択肢を廃止だけにしないでください。
先に検討するのは、定員の見直しです。
定員を実態に合わせると、募集の費用が下がります。
定員を下げた場合も、教員と設備の費用は残ります。
残る費用をどう回収するかを、同時に検討してください。
立ち上げの費用は期限と総額を切った別枠で管理します。判断の選択肢を廃止だけにせず、定員の見直しから検討してください。
既存の学科との関係は、どう設計するのか
学びの内容の重なりと、対象となる層の重なりを先に整理します。
重なりが大きいと、新学科が既存の学科から志願者を奪います。
新学科を作ると、既存の学科の志願者が移ることがあります。
学校全体で見ると、充足は変わりません。
そのため、重なりを先に整理してください。
整理するのは、学びの内容と対象となる層の2つです。
学びの内容が重なる場合、使い分けの基準を明示します。
基準がないと、高校の教員も生徒も選べません。
対象となる層が重なる場合は、募集の経路も重なります。
同じ経路で2つの学科を並べると、どちらも半端に伝わります。
重なりが大きい場合は、統合や定員の調整を先に検討してください。
新設が最善の選択とは限りません。
重なりが小さい場合は、経路も分けられます。
分けたうえで、それぞれの充足を管理します。
使い分けの基準を作る
学びの内容が近い学科がある場合、使い分けの基準を1枚にしてください。
どんな関心の生徒がどちらを選ぶかを示します。
この1枚は、高校の教員にも渡します。
教員が使い分けを説明できないと、どちらも提示されません。
基準は、関心の方向と卒業後の方向で作ります。
学ぶ科目の違いで作ると、高校生には判断できません。
新学科と既存の学科の重なりを先に整理してください。重なりが大きい場合は、新設より統合や定員の調整が先になります。
専門学校の新学科は、どこから検討を始めるのか
既存の学科の充足の推移と、教員と設備の余力を並べるところからです。
どちらの局面かが特定できると、必要な学科の性質が決まります。
検討の起点は、学科のアイデアではありません。
なぜ新しいものが必要かの特定です。
確認するのは、学科別の充足の3年の推移と、教員と設備の稼働です。
この2つを並べると、局面が分かります。
充足が3年続けて下がっていれば、構造の問題です。
教員と設備に余力があれば、既存の資源を使う設計が優先されます。
専門学校で新学科を検討する着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 学科別の充足を3年ぶん並べる | 広報・経営 | 1週間 |
| 2 | 教員の専門と設備の稼働を書き出す | 学科・経営 | 1か月 |
| 3 | 定員割れの継続か資源の余剰かを特定する | 経営 | 2週間 |
| 4 | 既存の学科との重なりを整理する | 学科・広報 | 1か月 |
| 5 | 開設の1年半以上前から接点を作る計画を立てる | 広報 | 1か月 |
| 6 | 期限と総額と段階的な充足の目標を決める | 経営 | 1か月 |
数字は説明のための仮の値です。
定員80人の学科が3年続けて充足6割であれば、年間で32人分の収入が不足しています。
在籍2年ぶんで計算すると、不足は64人分になります。
この金額と、新学科の立ち上げの費用を比べる形になります。
検討の期間は、着手から枠の決定までで4か月前後が目安です。
設置の手続を含めると、開設までにさらに時間がかかります。
中身から議論を始めると、局面と合わない学科が出てきます。
順番を守るほうが、結果的に早く進みます。
着手点は学科のアイデアではなく、充足の推移と資源の余力の確認です。局面が決まれば、使える資産と必要な設計が絞られます。
新学科の募集の立ち上げで判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
募集の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
新しい学科はどういうときに必要になりますか
既存の学科で定員割れが3年続く局面か、教員と設備に余力が生まれた局面です。前者には新しい分野が、後者には既存の資源を使う新しい募集の単位が要ります。どちらの局面かを先に特定してください。
新学科の募集はいつから始めますか
開設の1年半以上前からです。高校生の検討は高校2年の後半から始まるため、この時期に名前が知られていないと候補に入りません。高校の進路指導の教員への説明も、早い時期から必要になります。
初年度から定員を満たせますか
認知がゼロの状態から始まるため、多くの場合で難しくなります。初年度の目標を定員に置くと募集の費用が過大になります。3年で既存の水準に近づくことを前提に、段階的な充足の目標を置いてください。
社会人向けの学科は同じ設計でよいですか
検討の時期が年次の暦に縛られず、判断の材料も費用の回収が中心になります。接点も年間を通じて必要で、高校の進路指導は使えません。目標と予算と接点を高校生向けと分けて設計してください。
新学科が既存の学科から志願者を奪いませんか
学びの内容と対象となる層の重なりを先に整理してください。重なりが大きい場合は、新設より統合や定員の調整が先になります。重なりがある場合は、使い分けの基準を1枚にして高校の教員にも渡します。
まとめ
- 既存の学科で定員割れが続く局面か、教員と設備に余力が生まれた局面です。どちらの局面かで、必要な学科の性質も募集の設計も変わります
- 教員の専門、設備、実習の受け入れ先が使える範囲までです。この3つから離れると、立ち上げの費用と期間が別事業と同じになります
- 入学の1年半以上前から始めます。高校2年への接点がない状態で開設すると、初年度の充足が難しくなります
- 学科の紹介ではなく、どんな生徒に向いているかの整理を渡します。教員が生徒に提示できる形でなければ、新しい学科は選択肢に入りません
- 検討の時期が年次の暦に縛られず、判断の材料も費用の回収が中心になります。高校生向けの募集の設計を流用すると、どの段階も成立しません
- 期限と総額を先に切り、既存の学科の上限とは別に管理します。既存の平均に混ぜると、どこで止めるかの判断が誰にもできなくなります
- 学びの内容の重なりと、対象となる層の重なりを先に整理します。重なりが大きいと、新学科が既存の学科から志願者を奪います
- 既存の学科の充足の推移と、教員と設備の余力を並べるところからです。どちらの局面かが特定できると、必要な学科の性質が決まります