
入学までの期間が1年以上あり、途中の歩留まりが年度をまたぐからです。
年度内に確認できる数字が資料請求しかないため、そこに目標が集まります。
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目次
目次
- 専門学校のKPIが、資料請求の件数に偏ってしまうのはなぜか
- 年度をまたぐ数字をどう扱うか
- 逆算の起点は、どこに置くのか
- 併願と入学手続の率
- 年次の暦と、どう目標を割るのか
- 前年の同じ時期と比べる
- 保護者と高校の教員を、どの数字で見るのか
- 高校別の記録を持つ
- 募集のKPIをいくつに絞り、誰が持つのか
- 学科ごとに目標を分ける意味
- 資料請求が目標どおりなのに、出願が足りないときは何を見るのか
- 経路別に評価を分ける
- 外部に募集の設計を任せるとき、何を渡すのか
- 就職や資格の実績の扱い
- 専門学校のKPI設計は、どの順で進めるのか
- よくある質問
- まとめ
入学までの期間が1年以上あり、途中の歩留まりが年度をまたぐからです。
年度内に確認できる数字が資料請求しかないため、そこに目標が集まります。
専門学校のKPIが、資料請求の件数に偏ってしまうのはなぜか
入学までの期間が1年以上あり、途中の歩留まりが年度をまたぐからです。
年度内に確認できる数字が資料請求しかないため、そこに目標が集まります。
専門学校の募集は、年次の暦に完全に縛られています。
高校2年の終わりから接点が始まり、入学は1年以上先になります。
この構造では、年度内に完結する数字が限られます。
資料請求とオープンキャンパスの参加は年度内に出ますが、入学は次の年度です。
そのため、年度の目標は資料請求の件数に置かれがちです。
管理しやすく、広告費との対応もつけやすいためです。
件数に偏ると、進学ポータルからの一括請求が目標を押し上げます。
一括請求には、学校名を選んでいない請求が多く含まれます。
その結果、資料請求は目標どおりでも出願が足りない状態になります。
原因を遡ろうとしても、記録が学年ごとに分かれていて追えません。
もう1つの理由が、募集の単位が学科ごとに分かれていることです。
学校全体の件数では、どの学科が足りないかが分かりません。
年度をまたぐ数字をどう扱うか
入学は次の年度の数字です。
そのため、当年度の評価に使えないという扱いになりがちです。
扱えるようにするには、学年の入学年度で束ねて追う形に変えます。
高校2年の冬に接点を持った人が、どの年度に入学したかで集計します。
この束ね方にすると、施策と入学の関係が見えます。
年度の会計の区切りと、募集の区切りを分けて管理してください。
年度内に完結する数字が資料請求しかないため、目標がそこに偏ります。入学年度で束ねて追う集計に変えてください。
逆算の起点は、どこに置くのか
学科ごとの定員に置きます。
学校全体の入学者数から降ろすと、定員が埋まる学科と埋まらない学科の差が消えます。
逆算を学校全体で行うと、実務では使えません。
定員が学科ごとに決まっているためです。
ある学科が定員を超えて集まっても、他の学科の不足は埋められません。
合計の入学者数が目標に届いていても、経営の数字は合いません。
そのため、起点は学科ごとの定員に置きます。
定員から入学手続の率、出願からの合格の率、参加からの出願の率へと順に割り戻します。
この順で降ろすと、学科ごとに必要なオープンキャンパスの参加者数が出ます。
参加者数が出れば、必要な資料請求の件数も決まります。
学科ごとに率が違う点にも注意が要ります。
人気のある学科と、そうでない学科では、参加から出願への率が大きく変わります。
平均の率を全学科に当てると、不足する学科の見積もりが甘くなります。
率は学科ごとに、過去3年の実績から出してください。
専門学校で学科の定員から逆算する経路
| 段階 | 出す数字 | 割り算の中身 | 主に動かす部門 |
|---|---|---|---|
| 1 | 学科ごとの入学目標 | 定員と充足の方針 | 経営 |
| 2 | 必要な合格者数 | 入学目標 ÷ 入学手続率 | 入試の担当 |
| 3 | 必要な出願数 | 合格者数 ÷ 合格率 | 入試の担当 |
| 4 | 必要な参加者数 | 出願数 ÷ 参加からの出願率 | 広報・学科 |
| 5 | 必要な資料請求数 | 参加者数 ÷ 参加率 | 広報 |
併願と入学手続の率
合格した人がすべて入学するわけではありません。
併願している人は、他校の結果を見て判断します。
そのため、入学手続の率を学科ごとに持つ必要があります。
この率が読めていないと、合格者数の設計ができません。
率は、入試の方式によっても変わります。
早い時期の方式ほど、手続の率が高くなる傾向があります。
逆算の起点は学科ごとの定員です。率も学科ごとに過去3年から出し、学校全体の平均を当てないでください。
年次の暦と、どう目標を割るのか
月ごとに均等に割らず、接点の種類が切り替わる時期で区切ります。
オープンキャンパスの開催時期と出願の受付時期が、区切りの基準になります。
募集の年度は、月ごとに同じ活動をしているわけではありません。
時期によって、接点の種類も対象の学年も変わります。
春から夏は、オープンキャンパスの中心の時期です。
高校3年だけでなく、2年の参加も増えます。
秋は、出願の受付が始まる時期です。
参加していた人が、出願に進むかどうかを決めます。
冬から翌春は、後半の入試と入学手続の時期です。
併願先の結果が出そろい、手続の判断が進みます。
この3つの時期は、追うべき数字が違います。
均等に月次目標を割ると、時期に合わない数字を追うことになります。
区切りごとに見る数字を決めてください。
春夏は参加者数、秋は出願数、冬春は手続率が中心になります。
専門学校の年次の暦と追う数字の切り替わり
| 時期 | 中心になる接点 | 主に追う数字 | 関わる学年 |
|---|---|---|---|
| 春から初夏 | オープンキャンパスの開始 | 資料請求と参加予約 | 高校2年と3年 |
| 夏 | 参加の集中 | 参加者数と再参加の率 | 高校3年が中心 |
| 秋 | 出願の受付 | 出願数と学科別の充足 | 高校3年 |
| 冬 | 後半の入試 | 出願数と合格者数 | 高校3年と社会人 |
| 翌春 | 入学手続 | 手続率と辞退の理由 | 合格者 |
前年の同じ時期と比べる
進捗の判断は、前の月ではなく前年の同じ時期と比べます。
月ごとの活動が違うため、前月比には意味がありません。
比較のためには、前年の週単位の記録が要ります。
日付のずれを吸収するため、週の番号で並べてください。
3年ぶん並べると、年ごとの傾向と偶然の振れが分かれます。
1年だけの比較では、判断を誤ります。
目標は月ごとに均等に割らず、接点が切り替わる時期で区切ります。進捗は前年の同じ週と比べてください。
保護者と高校の教員を、どの数字で見るのか
直接の数字にはならないため、参加の同伴率と相談の経路で見ます。
本人の行動の裏にいる関与者を、指標として分けて持つ必要があります。
入学を決める過程には、本人以外の関与者がいます。
保護者と、高校の進路指導の教員です。
保護者は、学費の負担を判断します。
教員は、進路の選択肢として学校を提示します。
この2者は、資料請求や出願の記録には直接現れません。
現れないため、指標から抜け落ちます。
抜け落ちたままだと、参加者数が伸びているのに出願が伸びない理由が分かりません。
保護者の同意が取れていない場合が、その典型です。
保護者については、オープンキャンパスの同伴率で見ます。
同伴があった参加者と、なかった参加者で出願率を比べます。
教員については、高校ごとの出願数の推移で見ます。
特定の高校からの出願が増減していれば、教員側の評価が動いています。
高校別の記録を持つ
出願者の出身高校は、記録として残ります。
この記録を高校別に集計すると、接点の効果が見えます。
高校訪問や教員向けの説明会の効果は、この数字にしか出ません。
参加者数では測れない接点です。
高校別の3年分の推移を並べてください。
増えている高校と減っている高校で、打ち手が変わります。
保護者は参加の同伴率、高校の教員は高校別の出願数で見ます。どちらも本人の記録には現れないため、分けて持ってください。
募集のKPIをいくつに絞り、誰が持つのか
量と質と効率を1つずつ、3つに収めます。
質の指標は学科の教職員と共有で持たないと、参加の中身が改善しません。
募集の関係者は、広報、入試、学科の教職員に分かれます。
それぞれが見たい数字を持ち込むと、指標が増えます。
置くのは、量、質、効率の3つです。
量は参加者数、質は参加からの出願率、効率は出願1件あたりの獲得コストになります。
量を資料請求ではなく参加者数にする理由は、一括請求の影響を避けるためです。
参加は本人が時間を使う行動で、意思が伴います。
質の指標を広報だけに持たせると、対立が起きます。
参加からの出願は、当日の内容によって大きく変わるためです。
そのため、この指標は広報と学科の教職員が共有で持ちます。
両方が未達になる形にすると、当日の設計を一緒に見る動機が生まれます。
効率の指標には、学科ごとに上限を置いてください。
学費と在籍年数が学科で違えば、払える上限も違います。
学科ごとに目標を分ける意味
学校全体で目標を置くと、集まりやすい学科に活動が寄ります。
寄った結果、不足する学科の不足がさらに広がります。
学科ごとに目標を置くと、配分の議論ができます。
不足する学科に費用を寄せる判断が、数字に基づいて行えます。
ただし、学科の数が多い場合は群にまとめてください。
10を超える学科を個別に管理すると、運用が続きません。
KPIは参加者数、参加からの出願率、出願1件あたりの獲得コストの3つです。質の指標は学科の教職員と共有で持ってください。
資料請求が目標どおりなのに、出願が足りないときは何を見るのか
請求の経路と、参加への転換の2つを見ます。
一括請求の比率が上がっていると、件数は伸びても出願には届きません。
資料請求が目標に届いていても出願が足りない状態は、この事業で起こりやすい形です。
請求の中身が経路によって大きく違うためです。
最初に見るのは、経路別の請求件数です。
進学ポータルの一括請求と、自校サイトからの請求を分けます。
一括請求には、学校名を意識していない請求が含まれます。
複数校をまとめて選ぶ仕組みのため、比較の前段階にあたります。
次に見るのが、請求から参加への転換率です。
この率が経路で大きく違えば、請求の質の差が確認できます。
3つ目が、参加から出願への率です。
参加者数が同じでも、この率が落ちていれば当日の内容に原因があります。
この3つを分けずに「請求は出ているのに出願が足りない」と報告すると、打ち手が決まりません。
どこで落ちているかで、直す場所が広報にも学科にも分かれます。
専門学校で資料請求から出願までに落ちる場所
| 落ちる場所 | 見る数字 | 主な原因 | 打ち手の担当 |
|---|---|---|---|
| 請求の質 | 経路別の請求件数 | 一括請求の比率が上昇 | 広報 |
| 請求から参加 | 経路別の参加率 | 開催日程と案内の設計 | 広報 |
| 参加の当日 | 参加からの出願率 | 内容と学科の関わり方 | 学科と広報 |
| 保護者の同意 | 同伴あり参加の出願率 | 学費の説明の不足 | 広報と入試 |
| 出願から手続 | 入学手続率 | 併願先の結果と時期 | 入試 |
経路別に評価を分ける
一括請求を否定する必要はありません。
認知の入口としては機能しています。
ただし、評価する数字を分けてください。
一括請求は参加への転換率で、自校からの請求は出願率で評価します。
分けずに平均で見ていると、一括請求の比率の上昇が改善に見えます。
件数が伸びて獲得コストが下がるためです。
資料請求は経路別に分けて評価します。一括請求は参加への転換率、自校からの請求は出願率で見てください。
外部に募集の設計を任せるとき、何を渡すのか
学科ごとの定員と、過去3年の学科別の歩留まりです。
これがないと、外部は学校全体の資料請求の件数で最適化します。
募集の支援を外部に依頼する場面では、渡す情報の設計が成果を決めます。
渡すものがないと、外部は媒体で測れる数字だけを見ます。
媒体で見えるのは、資料請求と参加予約の件数です。
出願も入学も、媒体の外側で起きます。
渡すべきなのは、学科ごとの定員と充足の状況です。
どの学科が不足しているかが分かれば、配分の判断ができます。
次に、学科別の歩留まりです。
参加からの出願率と、出願からの入学手続率の2つを渡します。
3つ目が、出願1件に払える上限です。
学費と在籍年数から出した数字を、学科ごとに渡してください。
渡せない数字がある場合は、そのぶん外部に求める説明の範囲も狭まります。
歩留まりを共有していない相手に、入学への貢献の説明は求められません。
就職や資格の実績の扱い
募集の訴求では、就職や資格の実績に触れる場面があります。
どこまで書けるかは掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
確認の担当を学内に置き、外部の制作物も同じ流れを通してください。
流れが2つあると、判断が分かれます。
判断の記録を残すと、次の制作で同じ確認を繰り返さずに済みます。
年度をまたぐ募集では、この記録が特に効きます。
外部に渡すのは学科ごとの定員と充足、学科別の歩留まり、出願1件の上限です。渡さない数字があるなら、求める説明の範囲も狭めてください。
専門学校のKPI設計は、どの順で進めるのか
学科ごとの過去3年の歩留まりを出すところからです。
率が分からないと、参加者数も資料請求数も設計できません。
KPI設計の作業の大半は、指標を選ぶことではありません。
学科ごとの率を、過去の記録から集める作業です。
最初に集めるのは、学科別の資料請求、参加、出願、合格、入学の件数です。
3年ぶん並べると、率と年ごとの振れが分かります。
3年を単位にする理由は、単年では件数が少なく振れが大きいためです。
学科によっては、年間の入学者が数十人にとどまります。
専門学校のKPI設計の着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 学科別の請求から入学までの件数を3年ぶん出す | 広報・入試 | 2週間 |
| 2 | 学科ごとの各段階の率を計算する | 広報 | 1週間 |
| 3 | 学科ごとの定員から必要な参加者数まで逆算する | 広報・経営 | 1週間 |
| 4 | 資料請求を経路別に分けて集計する形を作る | 広報 | 1週間 |
| 5 | KPIを量と質と効率の3つに絞って合意する | 広報・入試・学科 | 2週間 |
| 6 | 時期ごとに見る数字を決めて記録する | 広報責任者 | 3日 |
数字は説明のための仮の値です。
ある学科の定員が80人で、入学手続率が70%なら必要な合格者は115人、合格率が90%なら出願は128件です。
参加からの出願率が25%なら必要な参加者は512人、参加率が20%なら資料請求は2,560件になります。
この経路を学科ごとに1枚にすると、予算の議論がその場で進みます。
逆算の結果、必要な参加者数が現状の枠を超えることもあります。
そのときは開催の回数か規模を増やすか、目標を見直すかの判断になります。
この判断は、前の年度の秋までに行ってください。
春のオープンキャンパスの設計に間に合わせる必要があります。
着手点は指標の選定ではなく、学科別の3年分の歩留まりの集計です。率が揃えば、逆算は数週間で終わります。
専門学校のKPIの置き方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を一緒に整理するところから始められます。
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よくある質問
資料請求の件数をKPIにしてよいですか
量の指標としては使えますが、経路別に分けてください。進学ポータルの一括請求には学校名を意識していない請求が含まれるため、件数が伸びても出願には届きません。量の指標はオープンキャンパスの参加者数に置くほうが、意思が伴います。
逆算はどこから始めますか
学科ごとの定員からです。学校全体の入学者数から降ろすと、定員が埋まる学科と埋まらない学科の差が消えます。率も学科ごとに過去3年の実績から出してください。単年では件数が少なく、振れが大きくなります。
年度をまたぐ数字はどう評価しますか
入学年度で束ねて追う集計に変えてください。高校2年の冬に接点を持った人がどの年度に入学したかで集計すると、施策と入学の関係が見えます。年度の会計の区切りと、募集の区切りは分けて管理します。
保護者や高校の教員の影響はどう測りますか
保護者はオープンキャンパスの同伴率で、高校の教員は高校別の出願数の推移で見ます。同伴があった参加者となかった参加者で出願率を比べると、学費の説明の不足が見えます。高校別の推移は3年分並べてください。
進捗は前月と比べてよいですか
月ごとの活動が違うため、前月比には意味がありません。前年の同じ週と比べてください。日付のずれを吸収するため週の番号で並べ、3年ぶん重ねると年ごとの傾向と偶然の振れが分かれます。
まとめ
- 入学までの期間が1年以上あり、途中の歩留まりが年度をまたぐからです。年度内に確認できる数字が資料請求しかないため、そこに目標が集まります
- 学科ごとの定員に置きます。学校全体の入学者数から降ろすと、定員が埋まる学科と埋まらない学科の差が消えます
- 月ごとに均等に割らず、接点の種類が切り替わる時期で区切ります。オープンキャンパスの開催時期と出願の受付時期が、区切りの基準になります
- 直接の数字にはならないため、参加の同伴率と相談の経路で見ます。本人の行動の裏にいる関与者を、指標として分けて持つ必要があります
- 量と質と効率を1つずつ、3つに収めます。質の指標は学科の教職員と共有で持たないと、参加の中身が改善しません
- 請求の経路と、参加への転換の2つを見ます。一括請求の比率が上がっていると、件数は伸びても出願には届きません
- 学科ごとの定員と、過去3年の学科別の歩留まりです。これがないと、外部は学校全体の資料請求の件数で最適化します
- 学科ごとの過去3年の歩留まりを出すところからです。率が分からないと、参加者数も資料請求数も設計できません