リノベーションのマーケと営業の連携|対立が起きる理由と解き方

物件の探索を誰が担うかが曖昧なまま、集客の件数だけが目標になっているからです。
工事の可否を判断できるのが設計だけという構造も、対立の原因になります。
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目次
目次
- リノベーションで、集客と設計と営業の三者に対立が生まれる構造
- 三者が見ている数字が違う
- 対立の中身を、どう仕分けるのか
- 仕分けの基準は、誰が動かせるか
- 三者が共有する数字を、どこに置くのか
- 相談の件数は共有指標にならない
- 物件を探す案件の所有権を、誰が持つのか
- 期間で所有権を切り替える
- 設計と現場を、議論にどう巻き込むか
- 条件つきで答える形を用意する
- 現場からの記録が戻らない状態を、どう変えるか
- 何のために入力するかを、入力する側の利益で説明する
- 評価の設計が、連携の成否を決めている
- 評価に、共有の数字を入れる
- リノベーションの三者の連携を立て直す手順
- 会議に出す数字の例
- よくある質問
- まとめ
物件の探索を誰が担うかが曖昧なまま、集客の件数だけが目標になっているからです。
工事の可否を判断できるのが設計だけという構造も、対立の原因になります。
リノベーションで、集客と設計と営業の三者に対立が生まれる構造
物件の探索を誰が担うかが曖昧なまま、集客の件数だけが目標になっているからです。
工事の可否を判断できるのが設計だけという構造も、対立の原因になります。
一般的な受注型の事業では、集客と営業の二者で議論が成立します。
物件の売買と工事がセットになる事業では、ここに設計と現場が入ります。
関与する役割が増えるほど、境界での押しつけ合いが起きます。
三者が見ている数字が違う
集客は相談の件数を見ています。
営業は成約の件数を見ています。
設計は同時に進行できる案件の数を見ています。
どれも正しいので、議論が平行線になります。
リノベーションで役割ごとに見ている数字が違う
| 役割 | 見ている数字 | 優先したいこと | 他から見た不満 |
|---|---|---|---|
| 集客 | 相談の件数と獲得費用 | 母数を増やす | 質の低い相談ばかり送ってくる |
| 営業 | 成約の件数と単価 | 確度の高い層に時間を使う | 来た相談を放置している |
| 設計 | 同時進行できる案件数 | 手戻りのない案件 | 受けられない案件を進めてしまう |
| 現場 | 工程と職人の手配 | 着工の時期の平準化 | 急な着工を入れられる |
物件の探索が、誰の仕事か決まっていない
探索は、集客の仕事にも営業の仕事にも見えます。
決めていないと、期間が長い案件が放置されます。
放置された案件は、他社で決まります。
対立の解き方は、数字の共有から始まる
見ている数字が違うことが原因なら、共有する数字を作れば緩みます。まず、どの数字を共有するかを決めます。
対立の中身を、どう仕分けるのか
質の問題、量の問題、体制の問題の3つに分けます。
混ぜて議論すると、どれも解決しません。
会議で出る不満は、たいてい混ざっています。
仕分けてから議論の順番を決めます。
仕分けの基準は、誰が動かせるか
質の問題は、集客の側が動かせます。
体制の問題は、経営が決めるものです。
混ぜたまま議論すると、動かせない話に時間を使います。
リノベーションで対立の中身を仕分ける
| 不満の内容 | 実際の問題 | 誰が動かすか |
|---|---|---|
| 相談の質が低い | 入口の訴求と判定の基準 | 集客と設計の合意で決める |
| 相談が放置されている | 対応の分担と時間の確保 | 営業の体制の問題 |
| 受けられない案件を進めてしまう | 工事の可否の判断の時期 | 設計と集客の取り決め |
| 着工の時期が偏る | 集客の時期の配分 | 集客と現場の計画 |
| 成約が伸びない | どの段階で落ちているか次第 | 段階ごとの通過率で特定する |
| 物件が見つからない | 探索の担当と体制 | 経営が決める |
順番は、動かせるものから
すぐに動かせる取り決めから手をつけます。
体制の変更は時間がかかるので、並行して進めます。
仕分けた結果を、文書で残す
口頭で仕分けると、次の会議で同じ議論が始まります。何をいつまでに誰が決めるかまで書きます。
三者が共有する数字を、どこに置くのか
現地の確認まで進んだ件数に置きます。
集客だけでも営業だけでも動かせない、境界の数字だからです。
共有する数字は、片方だけでは動かせない場所に置きます。
一方が動かせる数字にすると、押しつけ合いが続きます。
相談の件数は共有指標にならない
集客の側だけで動かせるからです。
共有にすると、件数を増やすことが答えになってしまいます。
リノベーションで共有する数字の候補
| 候補 | 集客が動かせるか | 営業が動かせるか | 共有指標に向くか |
|---|---|---|---|
| 相談の件数 | 動かせる | 動かせない | 向かない |
| 次の予定が決まった率 | 一部 | 動かせる | 向く |
| 現地の確認まで進んだ件数 | 一部 | 一部 | 最も向く |
| 概算まで進んだ件数 | 動かせない | 一部 | 設計との共有に向く |
| 工事の契約件数 | 動かせない | 動かせる | 向かない |
共有した数字には、両方の責任を置く
片方だけの評価に入れると、共有の意味がありません。
評価の仕組みにも反映させます。
設計との共有は、別の数字にする
設計と共有するのは、現地の確認から概算までの日数です。
ここが伸びると、顧客が離れます。
共有する数字は2つまでにする
多くすると、どれも見られなくなります。営業との共有が1つ、設計との共有が1つで足ります。
物件を探す案件の所有権を、誰が持つのか
探索の期間が半年を超える案件は、営業から離して集客の側で持ちます。
営業が抱えたまま動かない案件が、最も多く失われます。
探索の期間が長い案件は、営業の手元で止まります。
今月の数字にならないからです。
期間で所有権を切り替える
一定の期間動きがない案件は、自動で集客の側に戻す。
このルールを先に決めておくと、感情の問題になりません。
リノベーションで案件の所有権を切り替える基準
| 状態 | 所有する役割 | やること |
|---|---|---|
| 物件を契約済みまたは所有 | 営業 | 設計へつなぐ |
| 候補の物件があり動いている | 営業 | 申し込みまで進める |
| 探索中で三か月以内に動きがある | 営業 | 候補の提示を続ける |
| 探索中で三か月動きがない | 集客 | 自動の配信に載せる |
| 条件の見直しに応じた | 営業 | 再度の探索に入る |
| 一年以上動きがない | 集客 | 長期の配信の対象に移す |
戻す仕組みを、自動にする
人が判断して戻す形にすると、運用されません。
期間で自動的に切り替わる形にします。
戻した案件が復帰したときの扱いを決める
集客の側で育てた案件が動き出したとき、誰の成果にするか。
決めておかないと、戻す仕組みが使われなくなります。
所有権の移動を、顧客から見えないようにする
担当が変わったことが伝わると、不信につながります。連絡の窓口は変えずに、社内の扱いだけを変えます。
設計と現場を、議論にどう巻き込むか
工事の可否の判断を、早い段階で概算として出せる形を作ります。
現地を見ないと答えられないという立場のままだと、集客の側が判断できません。
設計と現場は、正確さを優先します。
集客と営業は、速さを優先します。
この対立は、条件つきの回答を用意すると緩みます。
条件つきで答える形を用意する
図面と築年数と管理の規約から、ここまでは言えるという範囲を決めます。
現地を見ないと言えない部分を明示して、それ以外は答えます。
リノベーションで工事の可否をどの段階で判断するかを、項目ごとに見ていきます。
図面と間取りの資料については、分かることは大きく変えられる範囲、現地の確認が要るかは要らない。
築年数と建物の構造については、分かることは想定される工事の範囲、現地の確認が要るかは要らない。
管理の規約については、分かることは工事の制限と手続き、現地の確認が要るかは要らない。
配管と設備の状態については、分かることは追加の工事の有無、現地の確認が要るかは要る。
下地と構造の実際の状態については、分かることは想定外の費用の可能性、現地の確認が要るかは要る。
設計の工数を、受注前と受注後で分ける
受注前にかける工数には上限を決めます。
上限を超える案件は、条件を満たしてから進めます。
設計が議論に入る会議を、月に一度作る
毎週の会議に設計を入れると、時間が取られます。
月に一度、案件の全体を見る会議に入ってもらいます。
現場の予定を、集客の側が見られるようにする
着工の枠がいつ空くかが見えると、集客の時期の判断ができます。見えないと、埋まっている時期に集客を厚くしてしまいます。
現場からの記録が戻らない状態を、どう変えるか
入力の項目を段階と日付と理由の3つに絞ります。
項目が多いほど、記録は埋まりません。
情報が戻らないのは、営業の怠慢ではありません。
入力の負担が、得られる利益を上回っているからです。
何のために入力するかを、入力する側の利益で説明する
集客の改善のために、では入力されません。
入力すると自分の案件の管理が楽になる形にします。
リノベーションで記録の入力を続けさせる設計を、項目ごとに見ていきます。
項目を3つに絞るについては、効果は入力の時間が短くなる、注意する点は分析に必要な最小限を見極める。
選択肢から選ぶ形にするについては、効果は迷う時間がなくなる、注意する点は選択肢の言葉を現場の言葉にする。
入力した内容が案件の管理画面に反映されるについては、効果は自分のために入力する形になる、注意する点は表示の設計が要る。
入力されていない案件を会議で扱わないについては、効果は入力の動機が生まれる、注意する点は運用を徹底する。
入力の結果を毎月共有するについては、効果は何のためかが分かる、注意する点は分析の結果を返す。
失注の理由を、選択肢にする
自由に書かせると、書かれません。
金額、物件、時期、他社、家族の判断。
この程度の選択肢で足ります。
入力の徹底より、項目の削減を先にする
督促を強めても、入力は増えません。
入力しなければ会議で扱わないという運用のほうが効きます。
返す情報を用意する
入力した結果、何が分かったかを毎月返します。返らないと、入力は形だけになります。
評価の設計が、連携の成否を決めている
集客が件数で、営業が成約件数で評価されている限り、対立は消えません。
共有する数字を、両方の評価に入れます。
連携の問題の多くは、評価の設計に原因があります。
仕組みを変えても、評価が変わらなければ行動は変わりません。
評価に、共有の数字を入れる
現地の確認まで進んだ件数を、集客と営業の両方の評価に入れます。
片方だけに入れると、押しつけ合いが残ります。
リノベーションで評価の設計を組み替えるを、項目ごとに見ていきます。
集客については、従来の評価は相談の件数と獲得費用、加える評価は現地の確認まで進んだ件数、狙いは質を自分の問題にする。
営業については、従来の評価は工事の契約件数、加える評価は次の予定が決まった率、狙いは初期の対応を自分の問題にする。
設計については、従来の評価は着工した案件の収まり、加える評価は概算までの日数、狙いは速さを自分の問題にする。
現場については、従来の評価は工期と原価、加える評価は着工の時期の平準化、狙いは集客の計画と連動させる。
評価の変更は、期の切り替えで行う
期中に評価を変えると、不信が生まれます。
期初に変更の内容と理由を説明します。
探索の期間が長い案件を、評価から外さない
長い案件を持つと評価が下がる形にすると、誰も持ちません。
期間の長い案件は、別の枠で評価します。
評価を変える前に、記録を整える
記録がないと、新しい評価の数字が出せません。記録の整備を先に済ませます。
リノベーションの三者の連携を立て直す手順
会議の議題を件数の報告から段階ごとの通過率に変えることから始めます。
議題が変われば、議論の対象が変わります。
仕組みを大きく変える前に、会議の中身を変えます。
最も早く効いて、最も費用がかかりません。
リノベーションの三者の連携を立て直す進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは会議の議題を件数から段階ごとの通過率に変える、期間の目安は2週間。
2については、やることは不満の中身を質と量と体制に仕分けて記録する、期間の目安は2週間。
3については、やることは共有する数字を営業と設計それぞれ1つずつ決める、期間の目安は3週間。
4については、やることは案件の所有権が期間で切り替わる仕組みを作る、期間の目安は4週間。
5については、やることは記録の入力の項目を3つに絞る、期間の目安は2週間。
6については、やることは期初に評価の設計を組み替える、期間の目安は期の切り替えに合わせる。
会議に出す数字の例
数字は説明のための仮の値です。
相談60件のうち次の予定が決まったのが24件で先月より6件減っているなら、初回の対応の設計を議題にします。
現地の確認から概算までの日数が伸びているなら、設計の工数の配分を議題にします。
見る数字を決める
リノベーションの連携の状態を点検する数字を、項目ごとに見ていきます。
現地の確認まで進んだ件数については、頻度は毎週、判断の目安は共有指標の進み方。
次の予定が決まった率については、頻度は毎週、判断の目安は初回の対応の質。
概算までの日数については、頻度は毎月、判断の目安は設計の工数の配分。
所有権が切り替わった案件の数については、頻度は毎月、判断の目安は放置されていた案件の量。
失注の理由の分布については、頻度は毎月、判断の目安はどの役割の課題か。
記録の入力の充足率については、頻度は毎月、判断の目安は分析ができる状態か。
会議を短くする
数字を並べる時間を減らし、議論の時間を増やします。
数字は事前に配り、会議では差分だけを扱います。
決まったことを、その場で文書にする
議事が残らないと、次の会議で同じ議論が始まります。
決定と担当と期限の3つだけを残します。
リノベーションで役割の間の押しつけ合いが解けない場合は、無料相談で現状の数字を一緒に整理するところから始められます。連携の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
リノベーションで集客と営業の対立はなぜ起きますか
見ている数字が違うためです。集客は相談の件数、営業は成約の件数、設計は同時進行できる案件数を見ています。物件の探索を誰が担うかが決まっていないことも、放置される案件を生む原因になります。
共有する指標はどこに置くべきですか
現地の確認まで進んだ件数です。集客だけでも営業だけでも動かせない境界の数字だからです。相談の件数は集客だけで動かせるため、共有指標にすると件数を増やすことが答えになってしまいます。
物件を探している案件は誰が持ちますか
三か月動きがなければ営業から集客の側に自動で戻す形にします。今月の数字にならない案件は営業の手元で止まるためです。復帰したときにどちらの成果にするかも先に決めてください。
営業が記録を入力してくれません
入力の項目を段階と日付と理由の3つに絞ってください。督促より、入力されていない案件を会議で扱わない運用のほうが効きます。入力の結果何が分かったかを毎月返すことも必要です。
設計が現地を見ないと判断できないと言います
図面と築年数と管理の規約から言える範囲と、現地を見ないと言えない部分を分けて、条件つきで答える形を用意してください。受注前にかける設計の工数には上限を決めておきます。
まとめ
- 物件の探索を誰が担うかが曖昧なまま、集客の件数だけが目標になっているからです。工事の可否を判断できるのが設計だけという構造も、対立の原因になります
- 質の問題、量の問題、体制の問題の3つに分けます。混ぜて議論すると、どれも解決しません
- 現地の確認まで進んだ件数に置きます。集客だけでも営業だけでも動かせない、境界の数字だからです
- 探索の期間が半年を超える案件は、営業から離して集客の側で持ちます。営業が抱えたまま動かない案件が、最も多く失われます
- 工事の可否の判断を、早い段階で概算として出せる形を作ります。現地を見ないと答えられないという立場のままだと、集客の側が判断できません
- 入力の項目を段階と日付と理由の3つに絞ります。項目が多いほど、記録は埋まりません
- 集客が件数で、営業が成約件数で評価されている限り、対立は消えません。共有する数字を、両方の評価に入れます
- 会議の議題を件数の報告から段階ごとの通過率に変えることから始めます。議題が変われば、議論の対象が変わります