
同じ工事を三社が見積もると、比べられる項目が金額しか残らないからです。
比較の土俵を先に作らない限り、この構図は変わりません。
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目次
目次
- リフォームの提案が、最後は金額の比較になってしまう理由
- 工事の中身が同じに見える
- 同じ地域のリフォーム会社と、どこで差がつくのか
- 決めるまでの過程で差がつく
- 比較の土俵を、自社で作るという考え方
- 見積もりの読み方を渡す
- 表現に制約があるなかで、何を出せるのか
- 実際に行った工事の記録は強い
- 何を扱わないかを決めることが、差になる
- 工事の種類で絞る
- 決めた顧客に、選んだ理由を聞く
- 聞く時期は工事の完了直後にする
- 比較の相手が大手か地場かで、戦い方が変わる
- 大手と比べられている場合
- リフォームの差別化を作り直す進め方
- 仮の数字で置いてみる
- よくある質問
- まとめ
同じ工事を三社が見積もると、比べられる項目が金額しか残らないからです。
比較の土俵を先に作らない限り、この構図は変わりません。
リフォームの提案が、最後は金額の比較になってしまう理由
同じ工事を三社が見積もると、比べられる項目が金額しか残らないからです。
比較の土俵を先に作らない限り、この構図は変わりません。
リフォームの受注は、ほとんどの場合で複数社の見積もりが並んだ先にあります。
その場で何が比べられるかは、見積もりを出す側の設計で決まります。
工事の中身が同じに見える
設備の入れ替えのように、使う製品が決まっている工事では、違いを出す余地が小さく見えます。
その状態で三社の見積もりが並ぶと、金額だけが目に入ります。
相談者が比べ方を知らない
多くの人にとって、リフォームは何度も経験することではありません。
何を比べればよいかが分からないため、分かる項目で比べます。
それが金額と工期です。
工事の種類によって差の出る場所が違う
設備の入れ替えで差が出る場所と、住まい全体の改修で差が出る場所は違います。
全社で一つの差別化を掲げると、どちらの現場でも使えないものになります。
工事の種類ごとに差が出る場所
| 工事の種類 | 差が出やすい場所 | 差が出にくい場所 |
|---|---|---|
| 設備の入れ替え | 工期と段取りと後の対応 | 製品そのもの |
| 水まわりの改修 | 見えない部分の処理 | 設備の型 |
| 内装の改修 | 仕上がりの提案と素材の選択 | 工事の手順 |
| 外まわりの工事 | 下地の処理と工程の管理 | 使う材料 |
| 住まい全体の改修 | 生活の動線の設計と住みながらの配慮 | 工事の範囲 |
同じ地域のリフォーム会社と、どこで差がつくのか
工事そのものではなく、決めるまでの過程と、終わったあとの対応で差がつきます。
比較の場で伝えられるのは、この二つです。
地域の同業と技術で大きな差をつけることは難しくなっています。
差がつくのは、工事の前後にある部分です。
決めるまでの過程で差がつく
現地調査でどこまで見たか、見積もりの内訳がどこまで分かるか、追加が出る可能性を先に伝えたか。
この差は、相談者がその場で比べられます。
終わったあとの対応で差がつく
手直しへの対応の期限、点検の時期、連絡の窓口。
これは工事の前には見えませんが、約束として伝えられます。
書面で示すと、比較の材料になります。
住みながらの工事への配慮で差がつく
リフォームは、多くの場合で住んでいる家で行います。
どの部屋がいつ使えなくなるか、どこまで養生するか、片付けはどうするか。
ここへの配慮は、住む人にとって金額と同じ重さを持つことがあります。
差が伝わる場面と、伝える方法
| 場面 | 差をつける内容 | 伝える方法 |
|---|---|---|
| 現地調査 | 見る範囲と所要の時間 | その場で何を見たかを説明する |
| 見積もりの提示 | 内訳の粒度と範囲の違う案 | 書面で並べる |
| 工事中の配慮 | 養生と使えない期間の説明 | 工程の書面で示す |
| 追加が出たとき | 扱いの取り決め | 契約の前に書面で示す |
| 工事のあと | 手直しの期限と点検の時期 | 書面で約束する |
比較の土俵を、自社で作るという考え方
相談者に比べ方を先に渡します。
何を比べるべきかを自社が定義すると、金額だけの比較から外れます。
比較を避けることはできません。
比較の項目を作る側に回ることはできます。
見積もりの読み方を渡す
総額だけでは分からないことを、先に伝えます。
含まれている範囲、追加が出る可能性、下地や見えない部分の処理。
これを比較の観点として渡すと、他社の見積もりにも同じ目で当たります。
範囲の違う案を並べる
必要最小限、標準、まとめて行う案の三つを出します。
比較の対象が他社ではなく、自社の三案の中に移ります。
安さを否定しない形で伝える
他社が安い理由を否定的に言うと、信用を失います。
何が含まれていて何が含まれていないかを並べる形にします。
判断は相談者に渡します。
渡す比較の観点
| 観点 | 伝えること | 確認してもらうこと |
|---|---|---|
| 工事の範囲 | どこまでが金額に含まれるか | 他社の見積もりの範囲 |
| 見えない部分の処理 | 下地や配管をどう扱うか | 記載があるか |
| 追加が出る条件 | どんなときに追加になるか | 扱いが決まっているか |
| 工期と生活への影響 | 使えない期間と養生 | 説明があるか |
| 終わったあとの対応 | 手直しの期限と点検 | 書面になっているか |
表現に制約があるなかで、何を出せるのか
効果を言い切る表現は使えませんが、自社が実際に行った工事の記録は出せます。
制約は、材料を事実に寄せる方向に働きます。
建物の性能や設備の効果に関わる表現には、注意が要る領域があります。
書けないことを数えるより、書けるものを整える方が実務的です。
実際に行った工事の記録は強い
自社が手を入れた現場の記録は、事実として残せます。
建物の種類、建てた時期、工事の範囲、要した日数を添えると、読む人が自宅と比べられます。
効果を言い切らなくても、材料として十分に働きます。
条件を明示すると使える表現が増える
どんな建物で、どんな条件のときにどうなったか。
条件を添えると、言い切らずに伝えられます。
条件を省くほど、表現の制約に触れやすくなります。
判断の基準を社内に持つ
何がどこまで言えるかを毎回考えていては回りません。
過去に確認した内容を残し、判断の基準を作ります。
基準の内容は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
制度に頼った訴求は差別化にならない
制度が使えることは、どの会社も同じように言えます。
差別化の軸にはなりません。
制度の内容は自治体の窓口で確認してもらう形にします。
出せる材料と、出し方
| 材料 | 出し方 | 添える条件 |
|---|---|---|
| 施工の記録 | 工事の前後を同じ位置から見せる | 建物の種類と建てた時期と範囲 |
| 工期の実績 | 実際に要した日数を出す | 工事の範囲と建物の条件 |
| 追加の発生 | どんなときに出たかを出す | 件数ではなく条件で |
| 手直しへの対応 | 期限と手順を書面で示す | 対象の範囲 |
| 点検の実施 | 時期と内容を示す | いつまで行うか |
何を扱わないかを決めることが、差になる
扱う工事を絞るか、扱う建物を絞るかで、提案の精度が上がります。
すべての工事をすべての建物に対応すると、どの相談でも横並びになります。
差別化は、何かをやらないと決めることから始まります。
全部に対応する会社は、どの相談でも他社と同じ位置に置かれます。
工事の種類で絞る
特定の工事に集中すると、段取りも見積もりの精度も上がります。
現地調査の時間が短くなり、追加の発生も減ります。
そのかわり、件数の変動の影響を受けやすくなります。
建物の条件で絞る
建てた時期や構造で絞ると、想定できる傷みが揃います。
提案の型が作れるため、精度が上がります。
同じ年代の住宅が並ぶ地域では、この絞り方が効きます。
住む人の状況で絞る
住みながら工事をする人、家族構成が変わる時期の人、親の住まいを考える人。
状況で絞ると、工事の内容ではなく困りごとで話ができます。
絞った結果を社内で揃える
絞り方を決めても、営業が全部の相談を受けていると意味がありません。
断る基準と、絞った領域への集中を社内で揃えます。
絞り方と、得られるものを、項目ごとに見ていきます。工事の種類で絞るについては、得られるものは段取りと見積もりの精度、失うものは件数の安定。建物の条件で絞るについては、得られるものは傷みの想定と提案の型、失うものは商圏の広さ。住む人の状況で絞るについては、得られるものは困りごとでの会話、失うものは工事の種類の幅。地域で絞るについては、得られるものは移動の効率と地域での名前、失うものは件数の上限。絞らないについては、得られるものは件数の安定、失うものは比較で横並びになる。
決めた顧客に、選んだ理由を聞く
自社が思っている強みと、選ばれた理由は一致しないことが多くあります。
聞かないと、差別化が思い込みのまま固まります。
差別化の議論は、社内の推測で進めると外れます。
実際に決めた人に聞くのが最も早い方法です。
聞く時期は工事の完了直後にする
契約の直後は、まだ工事への不安が残っています。
完了の直後なら、決めた理由と結果の両方を聞けます。
聞く相手を選ばない
うまくいった案件だけに聞くと、偏ります。
手直しが出た案件にも同じことを聞きます。
断られた相談にも聞く
決まらなかった理由は、決めた理由より役に立つことがあります。
聞ける関係を作っておくと、提案の弱い部分が見えます。
集めた回答を訴求に反映する
集めるだけで反映しないと、次から答えてもらえません。
四半期ごとに集計して、訴求の内容を見直します。
選ばれた理由を集める設計を、項目ごとに見ていきます。契約した顧客については、聞く時期は工事の完了直後、聞き方は決め手になった項目、使い道は訴求の見直し。断られた相談については、聞く時期は断られた直後、聞き方は決まった会社との違い、使い道は提案の見直し。再び依頼した顧客については、聞く時期は二回目の完了時、聞き方は続けて頼んだ理由、使い道は接点の設計。紹介した顧客については、聞く時期は紹介の発生後、聞き方は誰に何を伝えたか、使い道は紹介の設計。手直しが出た案件については、聞く時期は対応の完了後、聞き方は対応への評価、使い道は品質の管理。
比較の相手が大手か地場かで、戦い方が変わる
大手には対応の速さと融通で、地域の同業には記録と体制の見える化で差をつけます。
同じ戦い方を両方に使うことはできません。
比較の相手によって、自社の見え方が変わります。
誰と比べられているかを把握してから、伝える内容を決めます。
大手と比べられている場合
手続きの多さ、担当の変更、細かい要望への対応。
ここが大手の弱い部分になることがあります。
決める人がすぐに動ける体制を示します。
地域の同業と比べられている場合
規模が近いと、体制や記録の差が見えにくくなります。
工程の管理、追加の扱い、終わったあとの対応を書面にして示します。
書面にできる会社は多くありません。
訪問して営業する会社と比べられている場合
その場で契約を迫る形と比べられることがあります。
急がせない姿勢そのものが差になります。
考える時間を明示的に渡すと、比較の土俵が変わります。
比較の相手ごとの伝え方を、項目ごとに見ていきます。大手については、相手の強みは信用と保証の仕組み、自社が示すことは決める人が近く融通が利く。地域の同業については、相手の強みは価格と近さ、自社が示すことは工程と記録を書面で示す。訪問して営業する会社については、相手の強みはその場での決断、自社が示すことは急がせず考える時間を渡す。一括で見積もる窓口の他社については、相手の強みは価格の横並び、自社が示すことは範囲の違う案と比較の観点。専門に特化した会社については、相手の強みはその工事の深さ、自社が示すことは複数の工事をまとめられる。
リフォームの差別化を作り直す進め方
決めた顧客と断られた相談の両方に、理由を聞くところからです。
自社の強みの推測から始めると、外れたまま固まります。
差別化の作業は、新しい打ち出しを考えることではありません。
すでに選ばれている理由を見つけて、伝わる形に整える作業です。
リフォームの差別化を作り直すまでの段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは決めた顧客と断られた相談に理由を聞く、期間の目安は2か月。
2については、やることは工事の種類ごとに差が出た場所を並べる、期間の目安は2週間。
3については、やることは絞る対象を工事か建物か状況かで決める、期間の目安は1か月。
4については、やることは比較の観点を書面にして渡す形を作る、期間の目安は1か月。
5については、やることは工事のあとの対応を書面で約束する形にする、期間の目安は1か月。
6については、やることは断る基準を社内で揃える、期間の目安は2週間。
仮の数字で置いてみる
数字は説明のための仮の値です。
見積もりを出した案件が月100件、受注が30件だとします。
比較の観点を渡す形にして受注が33件になれば、同じ集客の費用で受注が1割増えます。
獲得の費用を下げるより、この差のほうが動かしやすいことがあります。
見る数字を決める
差別化が効いているかは、受注率だけでは分かりません。
値引きの幅と、決め手の内容の両方で見ます。
差別化の効き方を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
見積もり提出後の受注率については、見る頻度は毎月、考え方は比較のなかで選ばれているか。
提示額と契約額の差については、見る頻度は毎月、考え方は値引きで取っていないか。
決め手として挙がった項目については、見る頻度は四半期、考え方は伝えたい内容と一致しているか。
断られた理由の内訳については、見る頻度は四半期、考え方は弱い部分がどこか。
絞った領域の受注の比率については、見る頻度は四半期、考え方は狙いどおりに寄っているか。
打ち出しを変えたら社内に揃える
訴求を変えても、現地調査と提示の場で同じことが伝わらなければ意味がありません。
何を伝えるかを営業と共有し、書面の形を揃えます。
比較のなかで何を伝えればよいか分からない場合は、無料相談で選ばれた理由を一緒に整理するところから始められます。訴求の作り方から見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
リフォームで価格以外の比較軸はどう作りますか
相談者に比べ方を先に渡します。工事の範囲、見えない部分の処理、追加が出る条件、工事のあとの対応という観点を渡すと、他社の見積もりにも同じ目が向きます。
全社で一つの差別化を掲げてよいですか
工事の種類によって差が出る場所が違うため、一つにすると現場で使えません。設備の入れ替えで差が出る場所と、住まい全体の改修で差が出る場所は別です。
効果を言い切れないなかで何を出せますか
自社が実際に行った工事の記録です。建物の種類、建てた時期、工事の範囲、要した日数を添えると、読む人が自宅と比べられます。条件を添えると言い切らずに伝えられます。
差別化のために何かを絞るべきですか
工事の種類、建物の条件、住む人の状況のいずれかで絞ると提案の精度が上がります。すべてに対応する会社は、どの相談でも他社と横並びの位置に置かれます。
自社の強みが正しいかどうかどう確かめますか
決めた顧客と断られた相談の両方に理由を聞きます。自社が思っている強みと選ばれた理由は一致しないことが多く、聞かないと思い込みのまま固まります。
まとめ
- 同じ工事を三社が見積もると、比べられる項目が金額しか残らないからです。比較の土俵を先に作らない限り、この構図は変わりません
- 工事そのものではなく、決めるまでの過程と、終わったあとの対応で差がつきます。比較の場で伝えられるのは、この二つです
- 相談者に比べ方を先に渡します。何を比べるべきかを自社が定義すると、金額だけの比較から外れます
- 効果を言い切る表現は使えませんが、自社が実際に行った工事の記録は出せます。制約は、材料を事実に寄せる方向に働きます
- 扱う工事を絞るか、扱う建物を絞るかで、提案の精度が上がります。すべての工事をすべての建物に対応すると、どの相談でも横並びになります
- 自社が思っている強みと、選ばれた理由は一致しないことが多くあります。聞かないと、差別化が思い込みのまま固まります
- 大手には対応の速さと融通で、地域の同業には記録と体制の見える化で差をつけます。同じ戦い方を両方に使うことはできません
- 決めた顧客と断られた相談の両方に、理由を聞くところからです。自社の強みの推測から始めると、外れたまま固まります