
問い合わせ、見積もりと施工、引き渡し後の対応を、別々の部門が別々の道具で管理しているからです。
同じ家の記録が三か所にあると、次の相談が来たときに誰も過去を把握できません。
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目次
目次
- リフォームで、一軒の家の記録が三つに分かれてしまう理由
- 記録の単位が部門ごとに違う
- 記録をつなぐ範囲を、どこから決めるのか
- 最初の目的は再依頼の把握に置く
- 拠点や協力会社で、記録の形が違う問題
- 必須の項目を少なくする
- 建物の情報と、住んでいる人の情報をどう分けるか
- 建物に紐づく情報
- 工事が終わったあとの記録を、どこまで残すか
- 手直しの記録が再依頼の先行の数字になる
- 数年にわたって相談が続く案件を、どう管理するか
- 待つ案件に移す条件を決める
- 記録の仕組みが現場で使われなくなる理由
- 入力する人と、使う人が違う
- リフォームの顧客の記録を整える進め方
- 仮の数字で置いてみる
- よくある質問
- まとめ
問い合わせ、見積もりと施工、引き渡し後の対応を、別々の部門が別々の道具で管理しているからです。
同じ家の記録が三か所にあると、次の相談が来たときに誰も過去を把握できません。
リフォームで、一軒の家の記録が三つに分かれてしまう理由
問い合わせ、見積もりと施工、引き渡し後の対応を、別々の部門が別々の道具で管理しているからです。
同じ家の記録が三か所にあると、次の相談が来たときに誰も過去を把握できません。
リフォームの記録は、家という単位でつながっていないと意味がありません。
ところが実務では、部門ごとに管理の道具が分かれています。
記録の単位が部門ごとに違う
集客側は問い合わせの単位で持ち、工事側は工事の単位で持ち、アフターは建物の単位で持っています。
同じ家に三回工事をすると、集客側には三件の問い合わせ、工事側には三件の工事が並びます。
これを一軒として見る仕組みがないと、再依頼の割合が出せません。
連絡先の表記が揃わない
電話番号の書き方、住所の番地の表記、名前の姓だけか氏名かといった違いで、同じ家が別人として登録されます。
統合を試みたときに最初にぶつかるのがこの問題です。
建物の情報が見積もりの中にしか残らない
建てた時期、構造、過去に手を入れた場所。
これらは見積もりの書類の中に書かれていますが、検索できる形では残っていません。
次の相談が来たときに、書類を探すことになります。
記録が分かれる場所と、失われるもの
| 部門 | 管理している単位 | 使っている記録 | つながらないと失うもの |
|---|---|---|---|
| 集客と受付 | 問い合わせ | 問い合わせの記録 | 同じ家からの再相談かどうか |
| 営業 | 見積もりと契約 | 見積もりの書類 | 過去に出した提案の内容 |
| 工事部 | 工事の案件 | 工程の記録 | 過去にどこに手を入れたか |
| アフター | 建物 | 点検の記録 | 傷みの進み方 |
| 経理 | 入金 | 会計の記録 | 顧客ごとの累計の粗利 |
記録をつなぐ範囲を、どこから決めるのか
住所を鍵にして、問い合わせと工事の記録を結ぶところからです。
全部を一度に統合しようとすると、途中で止まります。
データの整備は、範囲を決めずに始めると終わりません。
何のために統合するのかを先に一つに絞ります。
最初の目的は再依頼の把握に置く
一軒の家から何年後にどの工事の相談が来たか。
これが分かるだけで、獲得の上限の議論ができるようになります。
最初の統合の目的を、これに絞ります。
鍵は住所にする
リフォームでは、人ではなく建物が単位になります。
住んでいる人が変わっても、建物の傷みは続きます。
住所を鍵にすると、記録が自然に建物の単位でまとまります。
表記を揃える仕組みを先に入れる
住所を鍵にするなら、表記の揺れを吸収する必要があります。
入力の時点で形を揃える仕組みを入れないと、後から手作業で直すことになります。
つなぐ範囲の決め方
| 段階 | つなぐもの | 得られること | 必要な期間 |
|---|---|---|---|
| 1 | 問い合わせと工事の記録 | 再依頼の把握 | 3か月 |
| 2 | 建物の情報を検索できる形にする | 過去の工事の把握 | 3か月 |
| 3 | アフターの記録を加える | 傷みの進み方の把握 | 半年 |
| 4 | 経路の記録を加える | 経路ごとの生涯の価値 | 半年 |
| 5 | 見積もりの内訳を加える | 提案の内容の蓄積 | 1年 |
拠点や協力会社で、記録の形が違う問題
本部が項目を決めて、拠点と協力会社に同じ形で出してもらいます。
形が揃っていない記録は、集めても集計できません。
拠点が複数ある会社や、協力会社に施工を任せている会社では、記録の形が現場ごとに違います。
これを後から揃えるのは、ほぼ不可能です。
必須の項目を少なくする
項目を多く決めると、現場で埋まりません。
建物の住所、建てた時期、工事の範囲、要した日数、受注の金額。
この五つを必須にして、残りは任意にします。
協力会社に出してもらう形を決める
施工を外部に任せている場合、工事の記録は協力会社の手元にあります。
どの項目をどの形式で出してもらうかを、契約の条件に入れます。
決めていないと、記録が社内に残りません。
入力の負担を減らす
現場の担当に入力させると、後回しになります。
すでに作っている書類から自動で取り込める部分は、入力させません。
新たに入力させる項目は、最小限にします。
記録の形を揃えるための決めごと
| 対象 | 決めること | 決める人 |
|---|---|---|
| 必須の項目 | 五つに絞る | 本部 |
| 入力の形式 | 選択肢か自由記述か | 本部 |
| 協力会社からの提出 | 項目と形式と時期 | 本部と工事部 |
| 入力する人 | 現場の担当か事務か | 工事部 |
| 既存の書類からの取り込み | どこまで自動化するか | 本部 |
建物の情報と、住んでいる人の情報をどう分けるか
建物に紐づく情報と、人に紐づく情報を別々に持ち、住所で結びます。
一緒にすると、住む人が変わったときに記録が使えなくなります。
リフォームの記録では、建物と人を分けて考える必要があります。
建物は長く残り、住む人は変わることがあります。
建物に紐づく情報
建てた時期、構造、面積、過去に手を入れた場所と時期。
これは住む人が変わっても引き継がれる情報です。
中古で購入した人からの相談でも、過去の工事の記録があれば提案が変わります。
人に紐づく情報
連絡先、家族の構成、資金の事情、過去のやり取りの内容。
これは人が変わればリセットされます。
建物の情報と混ぜて持つと、住む人が変わったときに扱いに困ります。
保管と扱いの範囲を決める
家族の事情や資金に関わる情報は、社内でも見られる範囲を限る必要があります。
どの情報を誰が見られるかを決めておきます。
扱いの基準は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
建物の情報と人の情報の分け方
| 情報 | 紐づく先 | 引き継がれるか | 扱いの注意 |
|---|---|---|---|
| 建てた時期と構造 | 建物 | 引き継がれる | 通常の扱い |
| 過去に手を入れた場所と時期 | 建物 | 引き継がれる | 通常の扱い |
| 連絡先 | 人 | 引き継がれない | 扱いの範囲を限る |
| 家族の構成 | 人 | 引き継がれない | 見られる範囲を限る |
| 資金の事情 | 人 | 引き継がれない | 見られる範囲を厳しく限る |
工事が終わったあとの記録を、どこまで残すか
手直しの発生と、点検の結果は必ず残します。
この二つが、次の相談が来るかどうかを左右するからです。
引き渡しで記録が止まる会社が多くあります。
しかし次の受注に最も効くのは、その後の記録です。
手直しの記録が再依頼の先行の数字になる
手直しが多く発生した案件からは、次の相談が来ません。
手直しの発生率を工事の群ごと、担当ごとに残すと、数年後の再依頼の見込みが読めます。
点検で見つかった傷みを残す
点検のときに見つかった、まだ工事が必要でない傷み。
これを記録しておくと、数年後に相談が出る場所が分かります。
次に連絡する時期と内容を決める材料になります。
断られた提案も残す
点検のときに提案して断られた工事は、時期が来れば相談になることがあります。
断られた理由と時期を残しておくと、次の接触の設計ができます。
工事のあとに残す記録を、項目ごとに見ていきます。手直しの発生と内容については、残す時期は発生の都度、使い道は品質の管理と再依頼の見込み。点検の実施と結果については、残す時期は点検の都度、使い道は次の相談の時期の推測。見つかった傷みの場所については、残す時期は点検の都度、使い道は次の提案の材料。提案して断られた内容と理由については、残す時期は提案の都度、使い道は次の接触の設計。顧客からの紹介の有無については、残す時期は発生の都度、使い道は紹介の経路の把握。
数年にわたって相談が続く案件を、どう管理するか
進行中の案件と、時期を待つ案件を別の場所に置きます。
同じ一覧に混ぜると、進行中の件数が実態より多く見えます。
リフォームの相談には、数年後に実現するものが混ざります。
これを進行中として持ち続けると、見込みの数字が使えなくなります。
待つ案件に移す条件を決める
最後の接触から何日経ったら移すのか。
時期が何か月先と言われたら移すのか。
この条件を決めておかないと、担当ごとに判断が変わります。
待つ案件への連絡の間隔を決める
移した案件を放置すると、他社に流れます。
半年ごとなのか、年に一度なのか。
建物の傷みが進む速さに合わせて決めます。
戻すときの判断を記録する
待つ案件から進行中に戻すときの理由を記録します。
何がきっかけで動いたかが分かると、連絡の内容を改善できます。
案件の状態の分け方を、項目ごとに見ていきます。進行中については、条件は提示済みで検討中、連絡の間隔は2週間以内、見る数字は滞留の日数。時期待ちについては、条件は時期が3か月以上先、連絡の間隔は3か月ごと、見る数字は戻ってきた件数。建物の状態待ちについては、条件は傷みが進むまで、連絡の間隔は半年ごと、見る数字は戻ってきた件数。既存の顧客については、条件は工事の完了後、連絡の間隔は工事の群に応じた時期、見る数字は再依頼の件数。対象外については、条件は商圏の外や対応外の工事、連絡の間隔はなし、見る数字はなし。
記録の仕組みが現場で使われなくなる理由
入力の手間が増えるのに、現場に返るものがないからです。
入力した情報が現場の役に立つ形で戻る設計が要ります。
記録の仕組みは、導入したあとに使われなくなることが最も多い投資です。
使われない原因は、道具の使いにくさより設計にあります。
入力する人と、使う人が違う
現場の担当が入力し、本部が集計に使う。
この形だと、入力する側に利益がありません。
現場が使える情報を返す設計を先に作ります。
過去の記録が現場で引ける状態にする
次の相談を受けたときに、過去の工事の内容がその場で分かる。
これが現場にとっての利益です。
検索できない形で溜めているだけでは、入力は続きません。
入力の項目を増やし続けない
分析のために項目を足していくと、入力の時間が延びます。
項目を足すときは、必ず何かを外します。
足す前に、いまの項目が実際に使われているかを確認します。
数字を月次で返す
集めた記録から出した数字を、月次で現場に返します。
自分の入力が何に使われているかが見えると、精度が上がります。
記録の仕組みが使われるための条件を、項目ごとに見ていきます。入力した人に返るについては、具体的にすることは過去の記録が現場で引ける、確認する方法は引いた回数。入力の時間が短いについては、具体的にすることは必須の項目を五つに抑える、確認する方法は入力に要する時間。入力の場所が業務のなかについては、具体的にすることは既存の書類から取り込む、確認する方法は別画面を開く回数。数字が返ってくるについては、具体的にすることは月次で集計を現場に共有する、確認する方法は共有の実施率。項目が増え続けないについては、具体的にすることは足すときに何かを外す、確認する方法は項目数の推移。
リフォームの顧客の記録を整える進め方
住所を鍵にして、問い合わせと工事の記録を結ぶところからです。
再依頼が見えるようになるまでを、最初の区切りにします。
記録の整備は、道具を選ぶことから始めません。
何を一軒としてまとめるかを決めるところから始めます。
リフォームの顧客の記録を整えるまでの段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは一軒の家をまとめる鍵を住所に決める、期間の目安は2週間。
2については、やることは必須の項目を五つに絞る、期間の目安は2週間。
3については、やることは入力の時点で表記を揃える仕組みを入れる、期間の目安は1か月。
4については、やることは問い合わせと工事の記録を結ぶ、期間の目安は3か月。
5については、やることは協力会社からの提出の形を契約に入れる、期間の目安は3か月。
6については、やることは手直しと点検の記録を加える、期間の目安は半年。
仮の数字で置いてみる
数字は説明のための仮の値です。
過去五年の工事が2,000件、うち同じ住所からの二回目以降が180件あったとします。
これが見えるまでは、再依頼の割合を9パーセントと言うこともできませんでした。
数字が出た時点で、獲得の上限の議論が始められます。
見る数字を決める
記録の仕組みが働いているかは、蓄積の量では分かりません。
使われているかで見ます。
記録の仕組みを運用しながら見る数字を、項目ごとに見ていきます。
必須の項目の入力率については、見る頻度は毎月、考え方は現場で埋まっているか。
過去の記録を引いた回数については、見る頻度は毎月、考え方は現場で使われているか。
同じ住所でまとまった件数については、見る頻度は四半期、考え方は統合が進んでいるか。
協力会社からの提出率については、見る頻度は四半期、考え方は外部からの記録が入っているか。
手直しと点検の記録の件数については、見る頻度は毎月、考え方は工事のあとが残っているか。
情報の扱いの範囲を文書にする
家族の事情や資金に関わる情報は、社内でも見られる範囲を限ります。
誰が何を見られるかを文書にして、定期的に見直します。
扱いの基準は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
一軒の家の記録がつながっていない場合は、無料相談で現状の記録の持ち方を一緒に見るところから始められます。記録の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
リフォームの顧客の記録は何を鍵にまとめますか
住所です。リフォームでは人ではなく建物が単位になり、住む人が変わっても傷みは続きます。住所を鍵にすると記録が建物の単位でまとまります。
統合はどこから始めればよいですか
問い合わせと工事の記録を結ぶところからです。再依頼が見えるようになるだけで獲得の上限の議論ができます。全部を一度に統合しようとすると途中で止まります。
必須の入力項目はいくつにすべきですか
五つ程度に絞ります。建物の住所、建てた時期、工事の範囲、要した日数、受注の金額です。項目を増やすと現場で埋まらなくなります。
工事が終わったあとの記録はどこまで残しますか
手直しの発生と点検の結果は必ず残します。手直しが多い案件からは次の相談が来ないため、再依頼の見込みを読む先行の数字になります。
仕組みを入れたのに現場で使われません
入力した人に返るものがないからです。次の相談を受けたときに過去の工事の内容がその場で引ける状態にし、集計した数字を月次で現場に返します。
まとめ
- 問い合わせ、見積もりと施工、引き渡し後の対応を、別々の部門が別々の道具で管理しているからです。同じ家の記録が三か所にあると、次の相談が来たときに誰も過去を把握できません
- 住所を鍵にして、問い合わせと工事の記録を結ぶところからです。全部を一度に統合しようとすると、途中で止まります
- 本部が項目を決めて、拠点と協力会社に同じ形で出してもらいます。形が揃っていない記録は、集めても集計できません
- 建物に紐づく情報と、人に紐づく情報を別々に持ち、住所で結びます。一緒にすると、住む人が変わったときに記録が使えなくなります
- 手直しの発生と、点検の結果は必ず残します。この二つが、次の相談が来るかどうかを左右するからです
- 進行中の案件と、時期を待つ案件を別の場所に置きます。同じ一覧に混ぜると、進行中の件数が実態より多く見えます
- 入力の手間が増えるのに、現場に返るものがないからです。入力した情報が現場の役に立つ形で戻る設計が要ります
- 住所を鍵にして、問い合わせと工事の記録を結ぶところからです。再依頼が見えるようになるまでを、最初の区切りにします