
受講料が一回性で、原価が受講期間中に出ていく構造を予算に反映できていないからです。
入金の時点と費用の発生時点がずれるため、月次の広告費だけでは採算を説明できません。
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目次
目次
- プログラミングスクールの広告予算は、なぜ根拠のない前年比で決まるのか
- 回収期間を先に決める
- 受講生1人に払える上限は、どう計算するのか
- 上限を超えてよい場面を先に決める
- 受講開始月の波に、予算をどう寄せるのか
- 閑散期に何をするか
- 経営に予算を説明するとき、何を1枚に載せるのか
- 期中に増額を求めるときの材料
- 費用を絞る判断は、どの数字で行うのか
- 絞るときに残す配信
- 代理店の手数料や制作費は、どこに入れて計算するのか
- 成果報酬の経路が混ざるときの扱い
- 予算を外部に任せるとき、何を渡さないと組み立てられないのか
- 渡さないと決めた情報の扱い
- プログラミングスクールの予算設計は、どこから着手するのか
- 期中に見る数字を決めておく
- よくある質問
- まとめ
受講料が一回性で、原価が受講期間中に出ていく構造を予算に反映できていないからです。
入金の時点と費用の発生時点がずれるため、月次の広告費だけでは採算を説明できません。
プログラミングスクールの広告予算は、なぜ根拠のない前年比で決まるのか
受講料が一回性で、原価が受講期間中に出ていく構造を予算に反映できていないからです。
入金の時点と費用の発生時点がずれるため、月次の広告費だけでは採算を説明できません。
広告予算を決める会議で、最初に出てくるのは前年の実績です。
そこに事業計画の伸び率を掛けた数字が、たいてい次期の総額になります。
この事業の予算が組みにくいのは、収入と費用の時間軸が違うためです。
受講料は申込の前後にまとまって入り、メンターの人件費は受講期間を通して出ていきます。
そのため、広告費の上限を月次の売上で判断すると、季節の波に振り回されます。
判断の基準は、受講生1人から最終的に残る粗利と、その回収にかかる期間の2つになります。
この2つを置いてから、1人あたりに払える上限を出します。
上限が決まって初めて、必要な人数との掛け算で総額が出ます。
回収期間を先に決める
粗利をどこまで積むかで、払える上限は大きく変わります。
上位コースへの移行や法人研修への展開まで含めると、上限は膨らみます。
回収期間の目安は、受講期間と支払い方法から決まります。
受講期間が4か月で分割が中心なら、回収を12か月以内に収める設計が現実的な出発点になります。
予算の根拠は前年比ではなく、受講生1人あたりの粗利と回収期間です。この2つを決めてから、1人に払える上限と必要人数を掛けてください。
受講生1人に払える上限は、どう計算するのか
受講料から提供にかかる原価を引いた粗利に、回収期間の制約と残したい利益の割合を掛けます。
コースごとに粗利が違うため、平均ではなくコース別に出してください。
計算に必要なのは3つです。
受講生1人あたりの粗利、申込から受講開始までの歩留まり、そして残したい利益の割合です。
粗利は、受講料から提供にかかる原価を引いて出します。
メンターの人件費、キャリア支援の工数、教材と環境の費用がここに入ります。
このとき、離脱と返金を粗利に織り込んでください。
織り込まないと、申込段階の受講料をそのまま収入として計算することになります。
最後に、広告費を引いたあとに残したい利益の割合を置きます。
ここを6割に置けば、粗利の4割までを獲得に使ってよいという意味になります。
コースを1本にまとめて平均で計算すると、単価の幅が大きい事業では実在しない数字が出ます。
入門と長期の転職向けでは粗利が数倍違うため、必ず分けて計算してください。
プログラミングスクールで1人あたりの上限を出す計算の流れ
| 段階 | 入れる数字 | 注意する点 | 出てくるもの |
|---|---|---|---|
| 1 | コース別の受講料 | 割引と分割の手数料を反映する | 名目の単価 |
| 2 | 提供にかかる原価 | メンター工数と支援の人件費を含める | 1人あたり粗利 |
| 3 | 離脱と返金の率 | 直近12か月の実績から出す | 実質の粗利 |
| 4 | 申込から開始までの歩留まり | 支払い完了までを対象にする | 申込1件の価値 |
| 5 | 残したい利益の割合 | 回収期間の制約と合わせて置く | 申込1件に払える上限 |
数字は説明のための仮の値です。
受講料50万円、原価20万円なら粗利は30万円で、離脱と返金で1割落ちると実質27万円になります。
申込から開始までの歩留まりが85%なら申込1件の価値は約23万円です。
残したい利益を6割に置くと、申込1件に払える上限はおよそ9万円という計算になります。
上限を超えてよい場面を先に決める
新しいコースの立ち上げや、認知のない地域への展開では、初期の獲得コストが上限を超えます。
超えること自体は問題ではなく、期限と総額を決めていないことが問題になります。
そのため、上限を超えて投じる枠を別に切ってください。
期初に総額と期限を決め、その枠の中で試す形にします。
上限はコース別に、離脱と返金を織り込んだ粗利から出します。上限を超えて投じる分は、期限と総額を切った別枠で管理してください。
受講開始月の波に、予算をどう寄せるのか
需要が動く時期に費用を寄せ、閑散期は枠の残数を埋める配分に切り替えます。
均等配分にすると、繁忙期に枠が余り、閑散期に上限を超えた獲得を続けることになります。
この事業の需要は、年間で均等には動きません。
年度の切り替わり、賞与の時期、年明けに検討が増える動きが一般に見られます。
にもかかわらず予算を12等分すると、繁忙期に上限を残したまま終わり、閑散期に上限を超えて使う形になります。
年間の合計では同じでも、獲得できた人数は減ります。
配分の作り方は、まず月別の需要の形を過去2年の予約数から出すことです。
2年ぶんを重ねると、季節の形と成長の傾きを分けて見られます。
需要の形と枠の空きを重ねた上で、費用を置く月を決めてください。
両方が合う月が、最も効率の高い投下先になります。
閑散期に何をするか
閑散期に費用を絞ると、予約が途切れて枠が空きます。
枠が空くと、その期間のメンターの人件費が回収できません。
そのため閑散期は、件数ではなく枠の充足を目的に切り替えます。
開始月を指定した訴求や、開始時期の選べるコースへの誘導が使えます。
予算は需要の形と枠の空きを重ねて配分します。閑散期は件数ではなく枠の充足を目的に置き換え、評価の基準も分けてください。
経営に予算を説明するとき、何を1枚に載せるのか
申込1件に払える上限、必要な申込件数、その2つから出た総額の3つです。
総額だけを出すと、増額も減額も前年比の議論に戻ります。
予算の稟議が通らない理由の多くは、金額の大きさではありません。
その金額が何に基づいているかを、1枚で説明できていないことにあります。
載せるべきなのは、上限、件数、総額の3つです。
この3つが並ぶと、どこを動かせば総額が変わるかが読み手に分かります。
上限は、コース別の粗利と回収期間から出した数字です。
ここに前提として置いた離脱率と歩留まりを添えてください。
総額は、この2つの掛け算に、閑散期の枠充足ぶんを足した形になります。
足した分は、目的が違うことを明記して別行にします。
この形にしておくと、減額を求められたときの会話が変わります。
総額を削るのではなく、どの月のどの目的を削るかの議論になります。
プログラミングスクールの予算を経営に説明する1枚の構成
| 行 | 載せる内容 | 根拠として添えるもの | 削るときに動く場所 |
|---|---|---|---|
| 1 | コース別の申込1件の上限 | 粗利と回収期間、離脱率 | 利益率の設定 |
| 2 | 受講枠から出した必要申込件数 | 同時支援できる上限と受講期間 | 採用と体制 |
| 3 | 繁忙期に置く費用 | 過去2年の月別の予約数 | 投下時期 |
| 4 | 閑散期の枠充足に置く費用 | 月別の枠の空き | 充足の目標 |
| 5 | 試験的な枠 | 期限と総額、撤退の基準 | 枠そのもの |
期中に増額を求めるときの材料
期中の増額は、件数が伸びているときほど通ります。
枠に空きがあり、上限の内側で取れている状態を示せるためです。
そのため、月次の報告には枠の残数を必ず入れてください。
残数がないと、増額しても受け入れられないという反論が先に立ちます。
1枚に載せるのは上限と件数と総額の3つです。枠の残数を月次で示しておくと、期中の増額の判断が速くなります。
費用を絞る判断は、どの数字で行うのか
獲得コストが上限を超えたかどうかと、枠の残数の2つで判断します。
上限を超えていても枠が空いているなら、絞る前に訴求と入口の設計を見直してください。
費用を絞る判断が遅れるのは、見ている数字が1つしかないためです。
獲得コストだけを見ていると、上がった瞬間に絞る動きになります。
この事業では、枠が空いている状態で絞ると損失が出ます。
メンターの人件費は枠が埋まらなくても発生するためです。
そのため判断は、獲得コストと枠の残数の2軸で行います。
上限を超えていても枠が空いているなら、まず入口の設計を見直します。
上限を超えていて枠も埋まっているなら、絞る判断が正しくなります。
このときは絞ると同時に、翌月以降の枠の見通しを更新してください。
上限の内側で枠も空いているなら、増やす判断になります。
この状態を見逃すのが、年間で最も大きな機会損失になります。
プログラミングスクールで費用を増減する判断の組み合わせ
| 獲得コスト | 枠の残数 | とる判断 | 先に確認すること |
|---|---|---|---|
| 上限の内側 | 空きがある | 増やす | 開始希望月と枠の対応 |
| 上限の内側 | 埋まっている | 維持する | 翌月以降の枠の見通し |
| 上限を超えた | 空きがある | 入口を直す | 実施率と申込率 |
| 上限を超えた | 埋まっている | 絞る | 残す配信の線引き |
| 上限を大きく超えた | 空きがある | 配信対象を戻す | 直前に広げた設定 |
絞るときに残す配信
費用を絞るとき、最初に止められるのは広げていた配信です。
指名の検索と、再訪問への配信は残してください。
この2つは、すでに検討している人が通る経路です。
止めると、これまでの費用で作った関心がそのまま流出します。
絞った状態を数か月続けると、指名の検索そのものが細っていきます。
絞るのは短期の調整として扱い、期をまたぐ場合は認知側の費用を別に確保してください。
絞る判断は獲得コストと枠の残数の2軸で行います。枠が空いている状態で絞るのは、人件費の回収を落とす判断になります。
代理店の手数料や制作費は、どこに入れて計算するのか
獲得コストの計算に含めて、上限と比較してください。
媒体費だけで出した数字と手数料込みの数字では、2割前後の差が出ます。
獲得コストを報告する場面で、媒体費だけの数字が使われることがあります。
代理店のレポートは媒体費で出ることが多く、そのまま社内に流れるためです。
経営が見たいのは、広告に関わる支出の合計に対する効率です。
手数料、制作費、計測の環境にかかる費用を含めた数字でなければ、粗利との比較になりません。
対策は、社内で使う定義を1つに決めることです。
媒体費のみの数字は運用の比較に使い、判断には手数料込みの数字を使う形が分かりやすくなります。
制作費の扱いは、期間で按分するか発生月に載せるかで判断が変わります。
動画や撮影のように数か月使うものは按分し、月ごとに作り替えるものは発生月に載せます。
成果報酬の経路が混ざるときの扱い
比較メディアやアフィリエイトの経路を使っている場合、費用の発生の仕方が違います。
件数に連動するため、獲得コストは一定に見えます。
この経路の数字を運用型の配信と合算すると、全体の獲得コストが実態より安定して見えます。
配信側の悪化が、成果報酬側の件数で隠れる形です。
そのため、経路ごとに分けて獲得コストを出してください。
分けたうえで、それぞれの上限を別に置きます。
判断に使う獲得コストには手数料と制作費を含めます。成果報酬の経路は合算せず、経路ごとに上限を分けて置いてください。
予算を外部に任せるとき、何を渡さないと組み立てられないのか
コース別の粗利、回収期間、受講枠の残数の3つです。
これを渡さないと、外部は媒体で測れる申込数と獲得コストだけで配分を組むことになります。
予算の配分を代理店と一緒に組む場面は多くあります。
そのとき渡す情報が足りないと、配分の判断が媒体側の数字だけで行われます。
その状態で配分を最適化すると、いちばん安く申込が取れる経路に費用が寄ります。
安く取れる経路は、たいてい検討の浅い層です。
渡すべき情報は3つに絞れます。
コース別の粗利、回収期間の制約、そして受講枠の残数です。
粗利そのものを出しにくい場合は、申込1件に払える上限だけを渡す方法があります。
内訳を出さなくても、判断の基準は揃います。
枠の残数は、月次で更新して共有してください。
残数が共有されていないと、埋まっている月に費用が寄り続けます。
渡さないと決めた情報の扱い
社外に出せない数字がある場合は、そのぶん外部に求める説明の範囲も限定されます。
粗利を共有していない相手に、利益への貢献の説明を求めることはできません。
この線引きは、契約の前に決めてください。
運用が始まってから追加で渡すと、配分を組み直すことになります。
外部に渡すのはコース別の粗利か申込1件の上限、回収期間、枠の残数です。渡さない数字があるなら、求める説明の範囲も同じだけ狭めてください。
プログラミングスクールの予算設計は、どこから着手するのか
コース別の粗利を出すところからです。
粗利が分からないと上限が決まらず、上限が決まらないと総額の根拠も作れません。
予算設計の作業の大半は、金額を決めることではありません。
粗利と歩留まりと枠という3つの数字を、社内から集める作業になります。
最初に集めるのは、コース別の受講料と提供にかかる原価です。
原価にはメンターの工数と支援の人件費を含めます。
次に、直近12か月の離脱と返金の実績を出します。
これを織り込まないと、上限が実態より高く出ます。
プログラミングスクールの予算設計の着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | コース別の受講料と原価を出す | 経営・提供側 | 1週間 |
| 2 | 離脱と返金の率を出して粗利に織り込む | 経営・提供側 | 1週間 |
| 3 | 回収期間と残したい利益の割合を決める | 経営 | 3日 |
| 4 | 申込1件に払える上限をコース別に出す | マーケ・経営 | 3日 |
| 5 | 受講枠の月別の空きを出す | 提供側 | 1週間 |
| 6 | 需要の形と枠の空きから月別の配分を作る | マーケティング | 1週間 |
この6工程は、着手から合意までで6週間前後が目安になります。
期初に間に合わせるには、前の期の第3四半期のうちに1と2を終えておく必要があります。
作った配分は、月次で枠の残数と突き合わせて更新してください。
期初に作った配分をそのまま使い続けると、枠の変化に追随できません。
期中に見る数字を決めておく
予算を組んだあとに見る数字は、3つに絞れます。
手数料込みの獲得コスト、枠の残数、そして申込から開始までの歩留まりです。
この3つを月次で並べると、増額と減額の判断がその場でつきます。
上限の内側で枠が空いていれば増額、上限を超えて枠も埋まっていれば減額になります。
歩留まりは、配分を変えた月の翌々月あたりに変化が出ます。
配分の変更とセットで記録し、後から照らせるようにしてください。
着手点は金額ではなく、コース別の粗利の算出です。粗利と枠が揃えば、上限と配分は数週間で決まります。
プログラミングスクールの予算の決め方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
獲得の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
広告予算の総額はどう決めればいいですか
申込1件に払える上限と、受講枠から出した必要申込件数の掛け算で出します。前年比で決めると、未達のときに予算と単価と歩留まりのどれが原因かを切り分けられません。閑散期の枠充足にあてる費用は、目的が違うため別行で足してください。
申込1件に払える上限はどう計算しますか
受講料から提供にかかる原価を引いて粗利を出し、離脱と返金の率を織り込み、申込から開始までの歩留まりを掛け、最後に残したい利益の割合を引きます。コースごとに粗利が数倍違うため、平均ではなくコース別に出してください。
予算は毎月同じ額にすべきですか
均等配分にすると、繁忙期に枠が余り、閑散期に上限を超えた獲得を続けることになります。過去2年の月別の予約数から需要の形を出し、受講枠の月別の空きと重ねて配分してください。両方が合う月が最も効率の高い投下先になります。
代理店の手数料は獲得コストに含めますか
判断に使う数字には含めてください。媒体費だけの数字と手数料込みの数字では2割前後の差が出ます。媒体費のみの数字は運用の比較に使い、粗利と比べる判断には手数料と制作費を含めた数字を使う形が分かりやすくなります。
獲得コストが上限を超えたらすぐ絞るべきですか
枠の残数と合わせて判断してください。枠が空いている状態で絞ると、メンターの人件費が回収できなくなります。まず予約の実施率とカウンセリングからの申込率を見直し、配信を絞るのは最後にするほうが損失は小さくなります。
まとめ
- 受講料が一回性で、原価が受講期間中に出ていく構造を予算に反映できていないからです。入金の時点と費用の発生時点がずれるため、月次の広告費だけでは採算を説明できません
- 受講料から提供にかかる原価を引いた粗利に、回収期間の制約と残したい利益の割合を掛けます。コースごとに粗利が違うため、平均ではなくコース別に出してください
- 需要が動く時期に費用を寄せ、閑散期は枠の残数を埋める配分に切り替えます。均等配分にすると、繁忙期に枠が余り、閑散期に上限を超えた獲得を続けることになります
- 申込1件に払える上限、必要な申込件数、その2つから出た総額の3つです。総額だけを出すと、増額も減額も前年比の議論に戻ります
- 獲得コストが上限を超えたかどうかと、枠の残数の2つで判断します。上限を超えていても枠が空いているなら、絞る前に訴求と入口の設計を見直してください
- 獲得コストの計算に含めて、上限と比較してください。媒体費だけで出した数字と手数料込みの数字では、2割前後の差が出ます
- コース別の粗利、回収期間、受講枠の残数の3つです。これを渡さないと、外部は媒体で測れる申込数と獲得コストだけで配分を組むことになります
- コース別の粗利を出すところからです。粗利が分からないと上限が決まらず、上限が決まらないと総額の根拠も作れません