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目次
目次
- プログラミングスクールのLTVは、なぜ受講料の1回分で止まるのか
- 1回で終わる前提が獲得の上限を下げる
- 修了後に、どんな収入の経路があるのか
- 修了直後の数週間で決まるもの
- 途中で離脱した人を、どう数えるのか
- 中断という扱いを用意する
- 紹介を、偶然から仕組みに変えるには何が要るのか
- 謝礼の設計で気をつけること
- 修了率を上げることは、収入にどう効くのか
- 獲得側が修了率に関われる範囲
- 修了生との接点を、どう維持するのか
- 法人としての再来に備える
- LTVから、獲得の上限をどう引き上げるのか
- 上限を上げたあとに確認すること
- プログラミングスクールのLTVの設計は、どこから着手するのか
- よくある質問
- まとめ
修了すると関係が終わる設計になっているからです。
修了後の接点が用意されていないため、次の取引も紹介も偶然に任されます。
プログラミングスクールのLTVは、なぜ受講料の1回分で止まるのか
修了すると関係が終わる設計になっているからです。
修了後の接点が用意されていないため、次の取引も紹介も偶然に任されます。
この事業の収入は、受講料の一括または分割で構成されます。
修了した時点で、契約上の関係は終わります。
終わったあとに接点がなければ、その人からの収入はそこで確定します。
継続課金の事業と違い、放っておくと1回で終わる構造です。
一方で、修了した人が持っているものは残ります。
学んだ内容への評価、支援した担当者との関係、周囲に話す機会です。
これらを収入に結びつける経路がないと、資産として使われません。
評価も関係も、数か月で薄れていきます。
もう1つの問題が、途中で離脱した人の扱いです。
修了しなかった人は、記録の上でも接点の上でも切れたままになります。
離脱の理由が時間の確保であれば、状況が変われば戻る可能性があります。
その可能性を残すかどうかは、離脱時の扱いで決まります。
1回で終わる前提が獲得の上限を下げる
LTVを受講料の1回分だけで見ると、払える獲得コストの上限が低く出ます。
上限が低いと、取れる経路が指名の検索と比較サイトに限られます。
限られた経路に集中すると、その経路の単価が上がります。
上がった単価を上限が受け止められず、件数が伸びません。
この循環から抜けるには、2回目以降の収入の経路を作るしかありません。
経路ができてから、上限を引き上げる順番になります。
この事業の収入は放っておくと1回で終わります。修了後の接点を設計しないかぎり、払える獲得コストの上限も上がりません。
修了後に、どんな収入の経路があるのか
上位のコース、単発の学び直し、法人としての再来、そして紹介の4つです。
どれも修了時点で何を渡したかで、その後の発生率が変わります。
修了後の収入は、大きく4つの経路に分かれます。
本人が再び受講する経路が2つ、他者を連れてくる経路が2つです。
1つ目が、上位のコースや別分野への追加受講です。
学んだ内容の延長にあるため、説明の手間が最も少なくなります。
2つ目が、単発の学び直しです。
技術の変化に合わせた短期の受講で、期間も金額も小さくなります。
3つ目が、勤務先を通じた再来です。
修了した人が社内の研修を検討する立場になったときに、選択肢に入ります。
4つ目が、紹介です。
同僚や知人を連れてくる経路で、獲得コストが最も低くなります。
このうち3つ目と4つ目は、発生までの期間が長くなります。
短期の数字では評価できないため、別の枠で測る必要があります。
プログラミングスクールで修了後に生まれる収入の経路
| 経路 | 発生までの期間 | 金額の大きさ | 発生率を左右するもの |
|---|---|---|---|
| 上位コースへの追加受講 | 修了直後から半年 | 受講料に近い | 修了時の到達感と次の提示 |
| 単発の学び直し | 半年から数年 | 小さい | 技術の変化への案内の有無 |
| 勤務先を通じた再来 | 数年 | 大きい | 修了生との継続した接点 |
| 紹介 | 修了直後から継続 | 受講料に近い | 修了時の満足と紹介の導線 |
| 発信を通じた認知 | 継続 | 直接は発生しない | 発信しやすい材料の提供 |
修了直後の数週間で決まるもの
4つの経路のうち、修了直後に動くのは追加受講と紹介です。
どちらも、到達感が最も高い時期に何を提示したかで決まります。
この時期を過ぎると、提示の効果は急速に落ちます。
数か月後に案内を送っても、反応は大きく下がります。
そのため、修了の面談や連絡の中に次の提示を組み込んでください。
別の施策として後から送る形では、時期を逃します。
修了後の経路は4つあり、発生までの期間が大きく違います。追加受講と紹介は修了直後の数週間で決まるため、修了時の運用に組み込んでください。
途中で離脱した人を、どう数えるのか
離脱の理由を分けて記録し、戻る可能性のある層を別に管理します。
すべてを失注として扱うと、再来の経路がそのまま消えます。
途中の離脱には、性質の違うものが混ざっています。
分けずに数えると、防げる離脱と防げない離脱が同じ扱いになります。
防げない離脱には、転居、転職、体調、家庭の事情が含まれます。
これらは提供の質とは無関係に起きます。
防げる離脱には、進度が合わない、想定と違った、支援が届かなかったが含まれます。
こちらは設計で減らせます。
この2つを分けると、離脱率の変化の意味が読めます。
防げない離脱の比率が一定なのに全体が上がっていれば、設計側の問題です。
さらに、戻る可能性で分けます。
時間の確保ができなかった人は、状況が変われば戻ります。
戻る可能性のある層には、接点を残してください。
接点がないと、状況が変わったときに他の選択肢が選ばれます。
中断という扱いを用意する
離脱を退会としてしか扱えないと、戻る経路が閉じます。
中断という状態を用意すると、再開の判断がしやすくなります。
中断の期間と、再開時の条件を先に決めてください。
決まっていないと、個別の交渉になり運用が続きません。
中断の記録は、離脱の記録とは別に持ちます。
混ぜると、離脱率の数字が実態からずれます。
離脱は防げるものと防げないもの、戻る可能性のあるものとないもので分けてください。中断という状態を用意すると、再来の経路が残ります。
紹介を、偶然から仕組みに変えるには何が要るのか
紹介が生まれる場面を特定して、その場面に導線を置きます。
制度を作るより、話題になる時期に材料を渡すほうが先です。
紹介は、この事業で最も獲得コストの低い経路です。
一方で、多くの組織では発生件数を記録していません。
記録がないと、どの場面で紹介が生まれているかが分かりません。
分からないまま制度だけを作っても、使われません。
最初にやるのは、既存の申込のうち紹介経由の件数を数えることです。
申込フォームに経路の項目があれば、すぐに出せます。
次に、紹介した人がいつの時点の修了生かを見ます。
修了直後に集中しているのか、期間が空いているのかで打ち手が変わります。
紹介が生まれる場面は、多くの場合、本人の変化が周囲に見えたときです。
転職や業務の変化が話題になった場面で、学んだ経緯を聞かれます。
その場面で渡せる材料があるかどうかが、紹介の発生率を決めます。
説明しやすい一言と、送れる先があれば十分です。
プログラミングスクールで紹介が生まれる場面と用意するもの
| 場面 | 起きる時期 | 用意するもの | 測る数字 |
|---|---|---|---|
| 本人の状況が周囲に伝わる | 修了後すぐから半年 | 説明しやすい一言と送り先 | 紹介経由の予約数 |
| 同僚が同じ課題を抱える | 修了後いつでも | 課題に合う案内の入口 | 経路別の申込率 |
| 勤務先で研修を検討する | 数年後 | 法人向けの相談窓口 | 法人からの問い合わせ数 |
| 学習の記録を発信する | 受講中から修了後 | 発信しやすい材料 | 発信からの流入数 |
| 受講中の同期どうし | 受講期間中 | 同期での交流の場 | 同期経由の紹介数 |
謝礼の設計で気をつけること
紹介の謝礼は、金額を上げても件数が比例しません。
紹介が生まれるのは金額ではなく、話題になる場面があるかどうかで決まるためです。
謝礼を高く設定すると、紹介の動機が金銭に寄ります。
金銭で動く紹介は、受講後の継続率が低くなる傾向があります。
謝礼は、手間への対価として控えめに設定してください。
そのぶん、紹介しやすい材料の用意に力を割きます。
紹介はまず件数を数え、生まれる場面を特定してください。謝礼の金額より、話題になる時期に渡す材料のほうが発生率を動かします。
修了率を上げることは、収入にどう効くのか
修了率は、返金の抑制と紹介の発生率の両方に効きます。
獲得を増やすより、修了率を数ポイント上げるほうが効率がよい局面があります。
修了率は、提供側の指標として扱われがちです。
実際には、収入の側に3つの経路で効きます。
1つ目が、返金と途中停止の抑制です。
分割の支払いが続くかどうかは、受講が続いているかに直結します。
2つ目が、追加受講の発生です。
修了した人からしか、次の受講は生まれません。
3つ目が、紹介と発信です。
途中で離れた人が、周囲に薦めることはほとんどありません。
この3つを合わせると、修了率の数ポイントは獲得の数十件に相当します。
数字は説明のための仮の値です。
年間600人の受講で修了率が70%から75%に上がると、修了者は30人増えます。
その30人から紹介が1割生まれるなら、3件の申込が獲得費用なしで発生する計算になります。
獲得側が修了率に関われる範囲
修了率は提供側だけの数字ではありません。
入ってくる人の状態が、修了率を大きく左右します。
確保できる時間の見立てが甘いまま申込を取ると、修了率は下がります。
この見立ては、面談と訴求の設計で変えられます。
そのため、修了率は獲得側にも返してください。
返す単位は申込の月ごとで、配信の変更と照らせる形にします。
修了率は返金の抑制、追加受講、紹介の3つに効きます。獲得側にも申込月ごとに返し、入ってくる人の状態との関係を見てください。
修了生との接点を、どう維持するのか
情報を送るのではなく、使える場を残す形にします。
配信だけの接点は、数か月で開かれなくなります。
修了後の接点として最初に思いつくのは、定期的な配信です。
ただし、受講が終わった相手への配信は開封率が急速に落ちます。
理由は、受け取る側に読む理由がないからです。
学習が終わっている状態では、情報そのものの価値が下がります。
続くのは、使える場が残っている形です。
質問できる場、同期と話せる場、教材を再度参照できる状態が該当します。
場を維持する費用は、運用の工夫で抑えられます。
新しい仕組みを作るより、受講中に使っていた場を残すほうが早くなります。
場が残っていると、技術の変化があったときに戻ってきます。
戻ってきたときに、単発の学び直しの提示ができます。
接点の効果は、開封率ではなく再訪問の数で測ってください。
配信を減らしても再訪問があれば、接点は機能しています。
法人としての再来に備える
修了生が数年後に研修の検討側に回ることがあります。
このとき、社名で問い合わせが入るため、修了生経由だと気づけません。
そのため、法人からの問い合わせに担当者の経歴を聞く項目を置いてください。
1項目を足すだけで、この経路の大きさが分かります。
経路の大きさが分かれば、修了生との接点への投資の判断ができます。
分からないままでは、費用の説明がつきません。
修了後の接点は配信ではなく、使える場を残す形にしてください。効果は開封率ではなく再訪問の数で測ります。
LTVから、獲得の上限をどう引き上げるのか
2回目以降の収入が実際に発生している比率だけを、上限の計算に足します。
見込みで足すと、回収が終わらないまま費用だけが増えます。
LTVを伸ばす取り組みは、上限の引き上げとセットで意味を持ちます。
伸びても上限を変えなければ、獲得できる件数は変わりません。
一方で、見込みの数字で上限を上げると資金繰りが先に詰まります。
2回目の収入が発生するのは、早くても半年から1年後だからです。
足してよいのは、実績として発生している比率です。
過去の修了生のうち、何割が追加受講に至ったかを集計します。
集計できていない場合は、上限を上げずに待ってください。
先に集計の仕組みを作るほうが、結果的に早く進みます。
上限に足す期間は、回収の制約と合わせます。
回収を12か月以内に収めるなら、12か月以内に発生した収入だけを足します。
紹介の分は、上限ではなく獲得コストの平均を下げる形で効きます。
上限に足すと二重に計算することになります。
プログラミングスクールでLTVを上限の計算に反映する手順
| 段階 | やること | 足してよい条件 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 修了生の追加受講の実績を集計する | 12か月以内の発生分のみ | 見込みは入れない |
| 2 | 中断からの再開の実績を集計する | 再開後の入金が確認できる分 | 申込段階では数えない |
| 3 | 法人経由の再来を識別する | 担当者の経歴の記録がある分 | 識別できない分は入れない |
| 4 | 紹介経由の申込を数える | 経路の記録がある分 | 上限ではなく平均の低下として扱う |
| 5 | 上限を再計算する | 回収期間の内側に収まる分 | コース別に分けて出す |
上限を上げたあとに確認すること
上限を上げると、取れる経路が広がります。
広がった経路の質は、既存の経路と違います。
そのため、上限を上げてから3か月は、初月の継続率を注視してください。
継続率が落ちていれば、広げた経路の質に問題があります。
落ちていなければ、上限の引き上げは正しく機能しています。
その状態で件数が伸びていれば、次の引き上げを検討できます。
上限に足してよいのは、回収期間の内側で実際に発生した収入だけです。紹介は上限ではなく、平均の獲得コストを下げる形で反映してください。
プログラミングスクールのLTVの設計は、どこから着手するのか
修了生のうち何割が再び取引しているかを数えるところからです。
この比率が分からないと、上限をいくら上げてよいかが決まりません。
LTVの設計は、施策から始めると空回りします。
いまどれだけ2回目の取引が起きているかを知らないためです。
最初にやるのは、過去の修了生を名簿として1つにまとめることです。
コース別、修了時期別に並べるだけで、追加受講の有無が見えます。
次に、申込フォームの経路の項目に紹介と再受講を加えます。
項目がなければ、経路の記録が永久に取れません。
プログラミングスクールのLTV設計の着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 修了生の名簿を1つにまとめる | 受講支援・マーケ | 2週間 |
| 2 | 追加受講と再開の実績を集計する | マーケティング | 1週間 |
| 3 | 申込の経路に紹介と再受講の項目を足す | マーケティング | 3日 |
| 4 | 離脱を理由別に分けて記録し始める | 受講支援 | 1週間 |
| 5 | 修了時に次の提示を組み込む | 受講支援・マーケ | 2週間 |
| 6 | 12か月以内の発生分で上限を再計算する | マーケ・経営 | 1週間 |
数字は説明のための仮の値です。
年間600人が修了し、12か月以内の追加受講が5%、紹介経由の申込が8%であれば、修了1人あたり0.05件の追加取引と0.08件の紹介が生まれています。
追加受講の粗利が30万円なら、修了1人あたり1万5千円が上限に足せる計算になります。
紹介の分は、上限ではなく全体の平均獲得コストの低下として扱います。
この計算を一度出すと、修了率への投資の判断ができます。
出していない状態では、修了率は提供側だけの話にとどまります。
集計は半年ごとに更新してください。
コース構成が変われば、追加受講の発生率も変わります。
着手点は施策ではなく、修了生の名簿と追加取引の集計です。この比率が出れば、上限をいくら上げられるかが自動的に決まります。
LTVと獲得の上限の設計で判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
修了後の接点ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
受講が1回で終わる事業でLTVを考える意味はありますか
あります。修了後には上位コースへの追加受講、単発の学び直し、勤務先を通じた再来、紹介の4つの経路があります。これらが実績として発生している比率を集計すると、申込1件に払える上限を根拠を持って引き上げられます。
紹介を増やすには謝礼を高くすべきですか
金額を上げても件数は比例しません。紹介は話題になる場面があるかどうかで決まるため、まず紹介経由の申込を数えて、どの時期の修了生から生まれているかを特定してください。謝礼は手間への対価として控えめにし、説明しやすい材料の用意に力を割きます。
途中で離脱した人はどう扱えばいいですか
離脱の理由を、防げるものと防げないもの、戻る可能性のあるものとないものに分けて記録してください。時間の確保ができなかった人は状況が変われば戻ります。中断という状態を用意し、期間と再開の条件を先に決めておくと再来の経路が残ります。
修了率は獲得の数字とどう関係しますか
返金と途中停止の抑制、追加受講の発生、紹介と発信の3つに効きます。入ってくる人の状態が修了率を左右するため、獲得側にも申込の月ごとに返してください。返さないと、配信の変更が修了率に与えた影響に気づけません。
LTVが伸びたら獲得の上限をすぐ上げてよいですか
実績として発生している比率だけを足してください。2回目の収入が発生するのは早くても半年から1年後のため、見込みで足すと回収が終わらないまま費用だけが増えます。上げたあとの3か月は初月の継続率を注視してください。
まとめ
- 修了すると関係が終わる設計になっているからです。修了後の接点が用意されていないため、次の取引も紹介も偶然に任されます
- 上位のコース、単発の学び直し、法人としての再来、そして紹介の4つです。どれも修了時点で何を渡したかで、その後の発生率が変わります
- 離脱の理由を分けて記録し、戻る可能性のある層を別に管理します。すべてを失注として扱うと、再来の経路がそのまま消えます
- 紹介が生まれる場面を特定して、その場面に導線を置きます。制度を作るより、話題になる時期に材料を渡すほうが先です
- 修了率は、返金の抑制と紹介の発生率の両方に効きます。獲得を増やすより、修了率を数ポイント上げるほうが効率がよい局面があります
- 情報を送るのではなく、使える場を残す形にします。配信だけの接点は、数か月で開かれなくなります
- 2回目以降の収入が実際に発生している比率だけを、上限の計算に足します。見込みで足すと、回収が終わらないまま費用だけが増えます
- 修了生のうち何割が再び取引しているかを数えるところからです。この比率が分からないと、上限をいくら上げてよいかが決まりません