
順位から問い合わせまでの間に、3つの段階があるからです。
そのどこかが詰まっていれば、順位だけが上がります。
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目次
目次
- 順位が上がっても問い合わせが増えない状態は、なぜ起きるのか
- 3つの段階に分ける
- 順位と流入の間で、何が起きているのか
- 順位とクリックの関係が変わった
- 流入と問い合わせの間で、何が起きているのか
- 読者の段階と、用意する行動
- 狙ったキーワードに、そもそも需要があるのか
- 検索の目的を分ける
- 業種によって、影響の大きさが違う
- 分野による差
- 順位をKPIから外すかどうか
- 外す理由を説明できるようにする
- この状態で、やってはいけない対応
- 本数を増やす対応
- 流入と問い合わせの断絶を解くまで
- 順番を守る理由
- よくある質問
- まとめ
順位から問い合わせまでの間に、3つの段階があるからです。
そのどこかが詰まっていれば、順位だけが上がります。
順位が上がっても問い合わせが増えない状態は、なぜ起きるのか
順位から問い合わせまでの間に、3つの段階があるからです。
そのどこかが詰まっていれば、順位だけが上がります。
順位を上げる作業と、問い合わせを増やす作業は同じではありません。
つながっているように見えるだけで、間に複数の段階があります。
3つの段階に分ける
順位から流入への段階。
流入から関心への段階。
関心から問い合わせへの段階。
このどれが詰まっているかを特定しないまま対策を打つと、順位をさらに上げる作業が続きます。
順位の改善が、最も報告しやすい
順位は日々測れて、変化が分かりやすい数字です。
報告の場で扱いやすいため、目標として残り続けます。
問い合わせが増えていなくても、活動の成果として説明できてしまいます。
段階ごとに詰まる原因
| 段階 | 詰まったときの見え方 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 順位から流入 | 順位は高いが流入が少ない | 表示の形式の変化と需要の小ささ |
| 流入から関心 | 流入はあるが滞在が短い | 読者の想定とのずれ |
| 関心から問い合わせ | 読まれるが行動がない | 次の行動の設計の不足 |
| 問い合わせから商談 | 件数はあるが商談にならない | 狙った層のずれ |
切り分けを先に行う
対策を打つ前に、どの段階で落ちているかを数字で確認します。確認の作業は数日で済みます。飛ばすと、効かない対策に数か月を使うことになります。
順位と流入の間で、何が起きているのか
同じ順位でも、以前より流入が少なくなっています。
検索結果に生成AIの回答が表示されることで、順位とクリックの関係が変わりました。
順位が上がったのに流入が増えない場合、原因の一部は外部環境にあります。
順位とクリックの関係が変わった
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される情報収集型のキーワードで、検索1位のCTR下落率が日本では2025年12月の38.0%から2026年6月には62.7%になっていました。
米国では58.0%から68.8%です。
日本では、予測CTR24.1%に対して実測が9.0%という差も示されています。
同じ1位でも、以前の1位と流入の量が違います。
順位を維持する作業の成果が、流入として現れにくくなっています。
流入の内訳が変わる
PLAN-Bマーケティングパートナーズが2025年2月から4月にかけてGA4のデータを調べた結果では、83.0%のサイトで生成AI経由のセッションが増加していました。
ただし総流入に占める割合は1%未満です。
量としては、検索からの減少を埋めるには足りません。
順位と流入の関係の変化
| 要素 | 以前 | 現在 |
|---|---|---|
| 順位と流入の関係 | おおむね比例 | 表示形式によって変わる |
| 1位の価値 | 最も大きい | キーワードによって差が大きい |
| 情報収集型のキーワード | 流入が多い | 流入が減りやすい |
| 指名や固有の検索 | 流入が安定 | 比較的影響が小さい |
流入が減っても成果が維持される場合
流入が減っても、問い合わせの件数が変わらないことがあります。減ったのは、もともと問い合わせにつながらない層だった可能性があります。流入の減少そのものを問題にする前に、成果の推移を確認します。
流入と問い合わせの間で、何が起きているのか
読者の求めている段階と、記事が用意している次の行動が合っていません。
調べている段階の読者に、問い合わせを求めても動きません。
流入があるのに問い合わせがない場合、多くは段階のずれです。
読者の段階と、用意する行動
課題を調べている段階の読者に問い合わせを求めると、反応しません。
この段階では、資料や具体的な情報が次の行動になります。
段階に合った行動を用意していないと、読んで終わります。
行動の選択肢が1つしかない
問い合わせだけが用意されている記事では、その一歩が大きすぎます。
段階の異なる複数の選択肢を置くと、反応が分かれて記録されます。
記録が分かれれば、読者の段階が分かります。
読者の段階と、合う行動
| 読者の段階 | 記事の内容 | 合う次の行動 |
|---|---|---|
| 課題を調べ始めた | 課題の構造の説明 | 関連する情報への移動 |
| 手段を比較している | 手段ごとの違い | 資料の請求 |
| 候補を絞っている | 選定の基準と事例 | 相談の申し込み |
| 社内で説明する | 判断の材料 | 資料の請求と転送 |
| 発注先を探している | 条件と実績 | 問い合わせ |
記事の内容と、置く行動を対応させる
すべての記事に同じ行動を置くと、段階の合わない記事で反応がゼロになります。記事ごとに、読者の段階に合った行動を置きます。この作業だけで、反応が変わることがあります。
狙ったキーワードに、そもそも需要があるのか
検索の件数が多くても、事業につながる需要とは限りません。
調べる目的が情報の収集で終わる検索は、順位を上げても成果になりません。
題材の選定の段階で、成果の上限が決まっています。
検索の目的を分ける
意味を調べる検索、方法を調べる検索、発注先を探す検索。
この3つでは、成果につながる確率がまったく違います。
件数の大きい検索の多くは、最初の2つに属します。
件数が小さくても価値のある検索
発注や比較を目的とした検索は、件数が小さくなります。
件数で題材を選ぶと、この層が漏れます。
件数ではなく、検索の目的で選びます。
検索の目的と、成果への距離
| 検索の目的 | 件数 | 問い合わせへの距離 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 意味や定義を調べる | 多い | 遠い | 低い |
| 方法や手順を調べる | 多い | 中程度 | 中程度 |
| 手段を比較する | 中程度 | 近い | 高い |
| 発注先や費用を調べる | 少ない | 最も近い | 最も高い |
| 自社名や商品名 | 少ない | 最も近い | 受け皿を整える |
選定を見直す時期
すでに公開した記事の題材を、この観点で並べ直します。件数の大きい題材に偏っていれば、次に作る記事の方向を変えます。順位の改善より、題材の選定の見直しのほうが効くことがあります。
業種によって、影響の大きさが違う
生成AIの回答が表示されやすい分野と、そうでない分野があります。
自社の分野がどちらかによって、順位の意味が変わります。
検索結果の変化は、すべての分野で同じように起きているわけではありません。
分野による差
博報堂DYグループのONEが公表した2026年2月時点の分析では、AI Overviewsの表示率は保険、化粧品、クレジットカードで高く、通信、人材、ファッションでは低下していました。
表示率の高い分野では、順位を上げても流入が伸びにくくなります。
自社の分野がどちらに属するかで、投資の判断が変わります。
表示率が高い分野での対応
流入を目標から外し、指名での検索と、発注に近い検索に絞ります。
情報の収集を目的とした記事の本数を増やしても、流入が戻りません。
題材の選定を、成果に近い側に寄せます。
分野の状況と、方針の違いを、項目ごとに見ていきます。
生成AIの回答が出やすいについては、順位の意味は流入への影響が小さい、方針は成果に近い題材に絞る。
生成AIの回答が出にくいについては、順位の意味は従来に近い、方針はこれまでの方針を継続。
指名の検索が多いについては、順位の意味は大きい、方針は受け皿の整備を優先。
専門性が高く情報が少ないについては、順位の意味は大きい、方針は一次情報の提供に投資。
自社の状況を確かめる
主要なキーワードを実際に検索して、表示の形式を確認します。この確認は数時間でできます。外部の調査を参照する前に、自社の主要なキーワードで確かめます。
順位をKPIから外すかどうか
目標としては外し、モニタリングの数字として残します。
順位が事業の成果と結びつかなくなった以上、目標に置くと判断を誤ります。
順位を目標から外すことには、社内の抵抗があります。
これまで報告の中心にあった数字だからです。
外す理由を説明できるようにする
同じ順位でも流入が減っていること。
流入が減っても成果が維持される場合があること。
この2つを、自社の数字で示します。
代わりに何を目標にするか
記事経由の問い合わせ件数と、その先の商談件数を目標にします。
順位は、異常に気づくための数字として残します。
急な下落があれば、技術的な問題の可能性を確認できます。
指標の位置づけの変更を、項目ごとに見ていきます。
検索順位については、これまでは目標、これからはモニタリング。
検索からの流入数については、これまでは目標、これからはモニタリング。
記事経由の問い合わせ件数については、これまでは補助、これからは目標。
記事経由の商談件数については、これまでは見ていない、これからは目標。
読者の段階別の反応については、これまでは見ていない、これからは補助。
報告の形を変える
目標を変えたら、報告の形も変えます。順位の一覧を並べた報告を続けると、実質的に目標が変わりません。報告の1枚目に何を置くかが、現場の動きを決めます。
この状態で、やってはいけない対応
順位をさらに上げるために記事を増やすことです。
詰まりの場所が順位でないなら、本数を増やしても同じ結果になります。
問い合わせが増えないときに選ばれやすい対応には、効かないものがあります。
本数を増やす対応
記事を増やせばどこかで当たる、という考え方です。
段階のずれが原因の場合、増やした記事でも同じずれが起きます。
費用だけが増えます。
記事の見た目を変える
配置や装飾を変えても、読者の段階は変わりません。
効果が出るとすれば小さな改善で、詰まりの解消にはなりません。
よくある対応と、効く条件を、項目ごとに見ていきます。
記事の本数を増やすについては、効く条件は範囲が埋まっていない、効かない場合は段階のずれが原因のとき。
順位をさらに上げるについては、効く条件は流入が成果につながっている、効かない場合は流入が成果にならないとき。
記事の装飾を変えるについては、効く条件は大きな障害がある、効かない場合は段階のずれが原因のとき。
次の行動を段階に合わせるについては、効く条件は段階のずれがある、効かない場合は題材が事業と無関係なとき。
題材の選定を変えるについては、効く条件は成果から遠い題材に偏っている、効かない場合は選定が既に適切なとき。
切り分けの結果に応じて選ぶ
対応の選択は、切り分けの結果によって決まります。切り分けをせずに複数の対応を同時に行うと、何が効いたか分かりません。
流入と問い合わせの断絶を解くまで
どの段階で落ちているかを数字で特定することが最初です。
特定に必要な集計は、数日で終わります。
対策の前に、詰まりの場所を確定させます。
原因を切り分ける順路を、項目ごとに見ていきます。
1については、確認することは主要キーワードの表示形式を実際に検索して確認する、判断できることは順位と流入の関係の変化。
2については、確認することは順位別の流入数の推移を出す、判断できることは順位から流入の詰まり。
3については、確認することは記事別の流入と反応の件数を並べる、判断できることは流入から関心の詰まり。
4については、確認することは記事に置いている次の行動と読者の段階を照合する、判断できることは関心から行動の詰まり。
5については、確認することは問い合わせの内容と商談化率を確認する、判断できることは狙った層のずれ。
6については、確認することは題材の選定を検索の目的で分類する、判断できることは上限そのものの問題。
順番を守る理由
先の段階が詰まっていると、後の段階の数字が小さくなります。
順に確認しないと、詰まりの場所を取り違えます。
断絶の箇所を示す数字を、項目ごとに見ていきます。
順位別の流入数については、見る頻度は毎月、分かることは順位と流入の関係。
記事別の反応件数については、見る頻度は毎月、分かることは段階の合致。
問い合わせの内容の内訳については、見る頻度は毎月、分かることは狙った層に届いているか。
記事経由の商談化率については、見る頻度は四半期、分かることは題材の選定の妥当性。
検索の目的別の記事の構成比については、見る頻度は四半期、分かることは成果の上限。
目標を成果の側に移す
切り分けが終わったら、目標を順位から問い合わせと商談に移します。
順位はモニタリングの数字として残します。
この変更を期初に行うと、期中の議論が噛み合います。
題材の構成を変えるのは時間がかかる
検索の目的別に記事の構成比を変える作業は、数か月から1年かかります。
短期の対策と並行して、題材の選定の方針を変えます。
方針を変えないまま対策を続けると、同じ状態が翌年も続きます。
順位と問い合わせがつながらない原因が分からない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。題材の選定ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
順位が上がったのに流入が増えません
生成AIの回答が検索結果に表示されることで、順位とクリックの関係が変わっています。同じ1位でも以前と流入の量が違うため、順位の維持が流入として現れにくくなっています。
流入はあるのに問い合わせがありません
読者の段階と、記事が用意している次の行動が合っていない可能性があります。調べている段階の読者に問い合わせを求めても動かないため、記事ごとに段階に合った行動を置いてください。
記事を増やせば問い合わせも増えますか
詰まりの場所が順位や本数でない場合、増やした記事でも同じ結果になります。どの段階で落ちているかを先に数字で特定してください。
検索順位はKPIから外すべきですか
目標としては外し、異常に気づくためのモニタリングの数字として残してください。記事経由の問い合わせ件数と商談件数を目標に置き換えます。
自社の分野が影響を受けているか知る方法はありますか
主要なキーワードを実際に検索して、生成AIの回答が表示されるかを確認してください。分野によって表示率に差があるため、自社のキーワードで確かめるのが確実です。
まとめ
- 順位から問い合わせまでの間に、3つの段階があるからです。そのどこかが詰まっていれば、順位だけが上がります
- 同じ順位でも、以前より流入が少なくなっています。検索結果に生成AIの回答が表示されることで、順位とクリックの関係が変わりました
- 読者の求めている段階と、記事が用意している次の行動が合っていません。調べている段階の読者に、問い合わせを求めても動きません
- 検索の件数が多くても、事業につながる需要とは限りません。調べる目的が情報の収集で終わる検索は、順位を上げても成果になりません
- 生成AIの回答が表示されやすい分野と、そうでない分野があります。自社の分野がどちらかによって、順位の意味が変わります
- 目標としては外し、モニタリングの数字として残します。順位が事業の成果と結びつかなくなった以上、目標に置くと判断を誤ります
- 順位をさらに上げるために記事を増やすことです。詰まりの場所が順位でないなら、本数を増やしても同じ結果になります
- どの段階で落ちているかを数字で特定することが最初です。特定に必要な集計は、数日で終わります