
これまでの投資が無駄になるという感覚と、止めた後の代わりがないことの2つが理由です。
どちらも、判断の基準を決めていないことから生まれます。
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目次
目次
- オウンドメディアをやめる判断が、先送りされるのはなぜか
- 投じた額が判断を縛る
- 止めるべき状態と、立ち上げ途中の状態をどう見分けるのか
- 投下量が足りていない場合
- やめ方には、どの選択肢があるのか
- 新規の制作を止める
- 公開済みの記事を、どう扱うのか
- 記事を3つに分ける
- 人と予算を、どこに移すのか
- 予算の行き先を先に決める
- 撤退を、社内と社外にどう説明するのか
- 社内への説明
- やめた後に困ること
- 検討の材料が減る
- 撤退を決めてからの段取り
- 集計でわかること
- よくある質問
- まとめ
これまでの投資が無駄になるという感覚と、止めた後の代わりがないことの2つが理由です。
どちらも、判断の基準を決めていないことから生まれます。
オウンドメディアをやめる判断が、先送りされるのはなぜか
これまでの投資が無駄になるという感覚と、止めた後の代わりがないことの2つが理由です。
どちらも、判断の基準を決めていないことから生まれます。
成果が出ていないと分かっていても、止める判断は出にくくなります。
月々の支出が大きくないことも、先送りを助けます。
投じた額が判断を縛る
数年かけて積み上げた記事があると、止めることが損に感じられます。
すでに支出した額は、これからの判断とは関係がありません。
それでも、社内の説明では必ず持ち出されます。
代わりがないまま止められない
やめた後に、その分の獲得をどこで作るのか。
この答えがないと、効果の低い状態のまま続けることになります。
撤退の検討は、代替の検討とセットで行います。
先送りの理由と、対処
| 先送りの理由 | 起きていること | 対処 |
|---|---|---|
| これまでの投資が惜しい | 過去の支出を判断に含めている | 今後の費用と成果だけで判断する |
| 代わりの手段がない | 撤退後の計画がない | 代替の設計を同時に進める |
| 判断の基準がない | いつ止めるかが未定 | 開始時に基準を決めておく |
| 担当者の評価に関わる | 止めると失敗と見なされる | 判断と評価を分ける |
開始時に決めておくべきだったこと
何年後に、どの数字がどの水準に達していなければ見直すか。これを開始時に決めていれば、撤退の議論は自動的に始まります。決めていない場合は、いまの時点で基準を作ります。
止めるべき状態と、立ち上げ途中の状態をどう見分けるのか
成果が出ていないことより、伸びが止まっているかどうかで見分けます。
量が足りていないだけなら、止めるのは早すぎます。
成果が出ていないという事実だけでは、撤退の根拠になりません。
原因が投下量の不足なのか、方向の誤りなのかを分けます。
投下量が足りていない場合
狙った範囲をまだ埋めていない状態では、成果は出ません。
この段階での撤退は、投じた費用を回収せずに終えることになります。
範囲の充足率を確認してから判断します。
方向が合っていない場合
流入はあるが問い合わせにつながらない。
問い合わせはあるが商談にならない。
この状態が続いているなら、量を増やしても改善しません。
状態の見分け方
| 見えている状態 | 考えられる原因 | 判断 |
|---|---|---|
| 流入も問い合わせも少ない | 投下量の不足 | 継続して量を増やす |
| 流入はあるが問い合わせがない | 読者と事業のずれ | 方向の修正 |
| 問い合わせはあるが商談にならない | 題材の選定の誤り | 方向の修正 |
| 成果が出ていたが横ばい | 範囲を埋め終えた | 更新への切り替え |
| 成果が下がり続けている | 外部環境の変化 | 代替の検討と撤退の検討 |
外部環境の変化を分けて考える
検索からの流入は、生成AIの普及によって構造的に減っています。自社の運用が悪化していなくても、流入は下がります。流入ではなく、問い合わせと受注の推移で判断します。
やめ方には、どの選択肢があるのか
完全な終了、新規の制作の停止、他のサイトへの統合、外部への移管の4つです。
完全に終了する必要がある場面は、実際には多くありません。
撤退という言葉で議論すると、選択肢が2つに見えます。
中間の選択肢を並べると、判断が変わります。
新規の制作を止める
既存の記事は残したまま、新しい記事の制作だけを止めます。
月々の費用は大きく下がり、既存の記事からの流入は続きます。
最も選ばれやすい形です。
他のサイトへ統合する
記事を本体のサイトに移し、独立した運営をやめます。
管理の対象が1つに減り、運用の費用も下がります。
移行の作業に費用がかかるため、記事の本数によって判断が変わります。
撤退の形と、影響
| 撤退の形 | 月々の費用 | 既存の流入 | 必要な作業 |
|---|---|---|---|
| 新規の制作を停止 | 大きく下がる | 当面は維持 | なし |
| 更新のみ継続 | 中程度に下がる | 維持しやすい | 更新の体制 |
| 本体サイトへ統合 | 下がる | 移行の設計次第 | 移行の作業 |
| 外部へ移管または譲渡 | なくなる | 自社には残らない | 契約と引き継ぎ |
| 完全に終了 | なくなる | 失われる | 閉鎖の告知 |
選ぶ基準
既存の記事から問い合わせが出ているかどうかで、まず分かれます。出ているなら、記事を残す形を選びます。出ていないなら、統合か終了を検討します。
公開済みの記事を、どう扱うのか
問い合わせにつながっている記事だけを残し、それ以外は統合するか削除します。
全部を残すと、管理の費用だけが続きます。
記事の扱いは、撤退の実務で最も時間のかかる部分です。
記事を3つに分ける
成果が出ている記事、流入はあるが成果が出ていない記事、どちらもない記事。
この3つに分けると、扱いが決まります。
分類の作業には、記事1本あたり数分から十数分かかります。
削除の影響を確認する
記事を削除すると、そこからの流入が失われます。
他の記事からの参照や、外部からの参照がある場合、影響が広がります。
削除の前に、参照の状況を確認します。
記事の分類と、扱い
| 記事の状態 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 問い合わせにつながっている | 本体サイトに移す | 成果が続く |
| 流入はあるが成果がない | 統合するか残す | 費用がかからなければ残す |
| 流入も成果もない | 削除する | 管理の費用のみが残る |
| 内容が古く誤りがある | 削除する | 残すと不利益になる |
| 他社から参照されている | 残すか転送する | 影響が広がる |
誤った情報を残さない
内容が古くなった記事を放置すると、誤った情報を提供し続けることになります。撤退の際には、内容の正確さの確認も行います。規制のある分野の記述については、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
人と予算を、どこに移すのか
撤退で浮いた予算の行き先を、撤退の判断と同時に決めます。
決めずに止めると、予算が翌期に削られて総額が減ります。
撤退の議論では、止めることばかりが話題になります。
浮いた資源の使い道が、実際の成果を決めます。
予算の行き先を先に決める
同じ目的を別の手段で達成するなら、その手段に移します。
移す先が決まっていないと、単なる予算の削減として処理されます。
翌期の予算編成で、総額が減った状態から始まります。
人の配置
制作に関わっていた人員は、別の業務に移ります。
この移動が計画されていないと、撤退の判断が個人の処遇の問題になります。
判断が遅れる原因のひとつです。
資源の移し先の候補を、項目ごとに見ていきます。
広告への配分については、向く状況は短期の獲得が必要、注意する点は費用が継続的にかかる。
既存顧客への施策については、向く状況は既存の売上が大きい、注意する点は効果が出るまで時間がかかる。
営業資料と事例の制作については、向く状況は商談の数がある、注意する点は制作の体制は活かせる。
別の形のコンテンツについては、向く状況は読者はいるが形が合わない、注意する点は同じ失敗を繰り返す恐れ。
予算の返上については、向く状況は事業の縮小局面、注意する点は翌期の総額が減る。
同じ失敗を繰り返さないために
撤退の理由を記録します。記録がないと、数年後に同じ企画が同じ形で提案されます。何がうまくいかなかったかを、文書として残します。
撤退を、社内と社外にどう説明するのか
失敗としてではなく、投資の判断の結果として説明します。
判断の基準を示せば、次の投資の議論がしやすくなります。
説明の仕方が、次の投資判断に影響します。
社内への説明
投じた額と、得られた成果と、続けた場合の見込みを並べます。
この3つが揃っていれば、撤退は判断として受け止められます。
成果だけを示すと、失敗の報告になります。
読者と顧客への説明
記事を削除したり、サイトを閉じたりする場合、利用していた読者がいます。
告知の期間を設け、代わりの情報の場所を示します。
取引のある顧客が利用している場合は、個別に連絡します。
説明の相手と、伝える内容を、項目ごとに見ていきます。
経営層については、伝える内容は投下額と成果と今後の見込み、時期は判断の時点。
関わっていた社員については、伝える内容は理由と今後の担当、時期は判断の直後。
外注先については、伝える内容は契約の終了と引き継ぎ、時期は契約の条件に従う。
読者については、伝える内容は閉鎖の時期と代わりの場所、時期は1か月以上前。
取引のある顧客については、伝える内容は個別の連絡、時期は1か月以上前。
外注先との契約の確認
契約の解除に必要な予告の期間を確認します。制作物の権利と、データの引き渡しの条件も同時に確認します。この確認を怠ると、記事の移行ができなくなることがあります。
やめた後に困ること
検討の段階にいる相手に読ませる材料がなくなることです。
広告で獲得した相手を、検討に進める手段が減ります。
撤退の後に、何が欠けるのかを先に把握します。
検討の材料が減る
広告で接点を持った相手は、比較のために情報を探します。
自社に読ませる材料がないと、他社の情報だけで比較されます。
この影響は、広告の費用対効果として現れます。
指名での検索の受け皿
社名や商品名で検索した相手が見る先が減ります。
本体のサイトに十分な情報があるかを、撤退の前に確認します。
足りない場合は、移す記事を選ぶ基準に加えます。
撤退で失われるものと、代わりの手当てを、項目ごとに見ていきます。
検討段階の読み物については、影響は広告の効率が下がる、代わりの手当ては本体サイトに主要な記事を移す。
指名検索の受け皿については、影響は比較で不利になる、代わりの手当ては本体サイトの情報を充実させる。
営業が使う資料の素材については、影響は商談の材料が減る、代わりの手当ては事例と資料の制作に振り替える。
社内の制作の経験については、影響は次の施策で一から、代わりの手当ては記録と型を残す。
外部からの参照については、影響は到達の経路が減る、代わりの手当ては転送の設定を行う。
再開の可能性を残すかどうか
数年後に再開する可能性があるなら、記事と記録を保持します。完全に削除すると、再開時に一からの作業になります。保持の費用は小さいため、判断を保留する選択肢として使えます。
撤退を決めてからの段取り
記事の分類から始めます。
どの記事に成果があるかが分からない状態では、撤退の形も選べません。
撤退の実行には、想定より期間がかかります。
記事の本数が多いほど、分類と移行の作業が増えます。
撤退の実行手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは記事ごとの流入と問い合わせへの寄与を集計する、期間の目安は3週間。
2については、やることは記事を残す、移す、削除するの3つに分ける、期間の目安は4週間。
3については、やることは撤退の形を選び、浮いた予算の行き先を決める、期間の目安は2週間。
4については、やることは外注先との契約の終了条件を確認する、期間の目安は2週間。
5については、やることは記事の移行と転送の設定を行う、期間の目安は6週間。
6については、やることは読者と顧客への告知を行う、期間の目安は1か月以上前。
集計でわかること
記事ごとの寄与を集計すると、成果の大半が少数の記事から出ていることがあります。
その場合、撤退ではなく、その記事群に絞る選択肢が出てきます。
集計を飛ばして撤退を決めると、この選択肢を見落とします。
撤退後に見る数字を、項目ごとに見ていきます。
移した記事からの問い合わせ件数については、見る頻度は毎月、使い方は成果が維持されているか。
指名での検索からの流入については、見る頻度は毎月、使い方は受け皿が機能しているか。
広告経由の問い合わせの質については、見る頻度は四半期、使い方は検討の材料の不足の影響。
浮いた予算の移し先の成果については、見る頻度は四半期、使い方は資源の移動が正しかったか。
月々の運用の費用については、見る頻度は毎月、使い方は削減額の確認。
半年は影響を追う
撤退の影響は、すぐには出ません。
半年間は、移した記事の成果と広告の効率を追います。
影響が想定より大きい場合、一部を復活させる判断もあります。
記録を残す
何を理由に止めたか、どの記事を残したか、どこに資源を移したか。
これを文書に残します。
次に同じ種類の投資を検討するときの、最も有用な材料になります。
オウンドメディアを続けるかどうか判断がつかない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。コンテンツへの投資ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
成果が出ていなければ止めるべきですか
成果が出ていないことより、伸びが止まっているかどうかで見分けます。狙った範囲をまだ埋めていない段階なら投下量の不足であり、止めるのは早すぎます。
やめる方法は閉鎖しかありませんか
新規の制作の停止、更新のみの継続、本体サイトへの統合、外部への移管という選択肢があります。既存の記事から問い合わせが出ているなら、記事を残す形を選んでください。
公開済みの記事はどうすればいいですか
問い合わせにつながっている記事は本体サイトに移し、流入も成果もない記事は削除します。他社から参照されている記事は、削除の影響を確認してから判断してください。
撤退で浮いた予算はどうなりますか
行き先を撤退の判断と同時に決めてください。決めずに止めると単なる予算の削減として処理され、翌期の総額が減った状態から始まります。
やめた後に困ることはありますか
検討の段階にいる相手に読ませる材料がなくなり、広告で獲得した相手が他社の情報だけで比較されます。主要な記事を本体サイトに移し、指名での検索の受け皿を確保してください。
まとめ
- これまでの投資が無駄になるという感覚と、止めた後の代わりがないことの2つが理由です。どちらも、判断の基準を決めていないことから生まれます
- 成果が出ていないことより、伸びが止まっているかどうかで見分けます。量が足りていないだけなら、止めるのは早すぎます
- 完全な終了、新規の制作の停止、他のサイトへの統合、外部への移管の4つです。完全に終了する必要がある場面は、実際には多くありません
- 問い合わせにつながっている記事だけを残し、それ以外は統合するか削除します。全部を残すと、管理の費用だけが続きます
- 撤退で浮いた予算の行き先を、撤退の判断と同時に決めます。決めずに止めると、予算が翌期に削られて総額が減ります
- 失敗としてではなく、投資の判断の結果として説明します。判断の基準を示せば、次の投資の議論がしやすくなります
- 検討の段階にいる相手に読ませる材料がなくなることです。広告で獲得した相手を、検討に進める手段が減ります
- 記事の分類から始めます。どの記事に成果があるかが分からない状態では、撤退の形も選べません