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目次
目次
- 解約対策の一覧が、なぜ実行されないまま残るのか
- 一覧に並ぶが動かない打ち手
- 打ち手の順位を、実行できる部門から決める
- 実行の難易度で分ける
- 対応にかかる費用と、戻る金額をどう比べるのか
- 1件あたりで計算する
- 予兆のアラートを、誰がいつ見る運用にするのか
- 運用として決めること
- アラートが鳴った後の対応を、どこまで決めておくのか
- 対応の型を作る
- 部門をまたぐ原因は、誰が持つのか
- 責任の配分の考え方
- 解約対策の費用は、どの部門の予算から出すのか
- 費用の性質
- 責任と運用を決めるまでの進め方
- 見る数字を決める
- よくある質問
- まとめ
打ち手は出るのに、誰がやるかと費用をどこから出すかが決まらないからです。
順位を効果の大きさだけで付けると、実行できない打ち手が上位に並びます。
解約対策の一覧が、なぜ実行されないまま残るのか
打ち手は出るのに、誰がやるかと費用をどこから出すかが決まらないからです。
順位を効果の大きさだけで付けると、実行できない打ち手が上位に並びます。
解約を減らす取り組みは、打ち手を洗い出すところまでは進みます。
止まるのは、その先です。
一覧に並ぶが動かない打ち手
商材の改良、初期導入の支援の強化、サポートの体制の増強、定期的な訪問。
どれも効果はありますが、実行する部門と費用の出どころが決まっていません。
決まらないまま、次の期にまた同じ一覧が出てきます。
効果の大きさで並べると動かない
解約対策が実行されない理由
| 打ち手 | 実行を止める要因 | 決めるべきこと |
|---|---|---|
| 商材の改良 | 開発の優先順位に入らない | 誰が開発に要求を出すか |
| 初期導入の支援 | 営業と納品のどちらの仕事か曖昧 | 担当部門 |
| サポートの増員 | 費用の負担部門が決まらない | 予算の出どころ |
| 定期的な訪問 | 営業の時間が新規に取られる | 評価の指標 |
| 利用状況の把握 | 記録する仕組みがない | 仕組みの構築の担当 |
順位付けに入れるべき要素
効果の大きさに加えて、実行できる部門があるか、費用の出どころがあるか。
この2つを入れると、順位が実行可能な形に変わります。
実行できない打ち手は、別の枠に置く
実行できない打ち手を一覧から消す必要はありません。いま実行できるものと、条件が整えば実行できるものを分けます。後者には、何が整えば実行できるかを書きます。
打ち手の順位を、実行できる部門から決める
実行の主体が明確で、その部門の通常の業務の中でできるものを上位に置きます。
部門をまたぐ打ち手は、調整の時間の分だけ実行が遅れます。
解約対策の打ち手は、実行の難易度が大きく違います。
1つの部門で完結するものと、複数の部門の合意が要るものでは、着手までの期間が数か月変わります。
実行の難易度で分ける
打ち手と、実行にかかる調整
| 打ち手の種類 | 実行の主体 | 必要な調整 | 着手までの期間 |
|---|---|---|---|
| 連絡の頻度や内容の変更 | サポート | なし | 数週間 |
| 契約の条件や更新の案内 | 営業 | なし | 数週間 |
| 初期の導入支援の手順の整備 | 納品 | 部門内 | 1か月から2か月 |
| 獲得の対象の条件の見直し | マーケ | 営業との合意 | 2か月から3か月 |
| 商材そのものの改良 | 開発 | 複数部門と経営 | 半年以上 |
早く着手できるものを先に置く理由
解約対策は、効果が出るまでに時間がかかります。
着手が遅れるほど、結果が見えるのが遅くなります。
調整が不要な打ち手から始めると、最初の数か月で変化が確認できます。
調整が要る打ち手は、並行で進める
上位の打ち手を実行しながら、調整が要る打ち手の準備を進めます。
準備の期間を工程として計画に入れておくと、止まりません。
実行の主体が決まらない打ち手の扱い
どの部門の仕事か決まらない打ち手は、事業責任者が指名します。議論で決めようとすると、どの部門も引き受けません。
対応にかかる費用と、戻る金額をどう比べるのか
1件の解約を防ぐのにかかる費用と、その顧客から残りの期間に得られる粗利を比べます。
この計算をしないと、費用をかけすぎる打ち手が選ばれます。
解約を防ぐ取り組みには費用がかかります。
防いだ結果として得られるものと比べないと、採算が合いません。
1件あたりで計算する
解約対策の費用対効果の見方
| 出す数字 | 計算 | 使い方 |
|---|---|---|
| 防げた1件あたりの費用 | 打ち手の費用を防げた件数で割る | 上限の判断 |
| 残りの期間の粗利 | 平均取引額と残り期間と粗利率 | 得られる額 |
| 差 | 粗利と費用の差 | 実行すべきか |
| 対象の件数 | その打ち手が当たる顧客数 | 規模の判断 |
| 実行にかかる期間 | 着手から効果が出るまで | 順位の判断 |
防げたかどうかを、どう数えるか
解約を防げたかどうかは、正確には測れません。
打ち手を当てた顧客群と当てていない顧客群の解約率を比べるのが基本です。
比べられる形にできない場合は、打ち手の前後で比べます。
費用をかけすぎる典型
全顧客に均等に手厚い対応をすると、費用が大きくなります。
解約しない顧客にも同じ費用をかけることになるからです。
対象を絞ると、1件あたりの費用が下がります。
戻らない顧客に費用をかけない
すでに解約を決めている顧客への働きかけは、費用に対して戻りが小さくなります。費用をかけるのは、まだ判断していない段階の顧客です。
予兆のアラートを、誰がいつ見る運用にするのか
毎週決まった曜日に、決まった担当者が見る形にします。
誰かが気づいたら対応する形では、気づく人がいない週に止まります。
解約の予兆を示す指標を決めても、それを見る運用がなければ機能しません。
多くの組織で、指標は用意されたが誰も見ていない状態になっています。
運用として決めること
予兆の確認を運用にするために決めること
| 決めること | 内容 | 決めない場合 |
|---|---|---|
| 確認の頻度 | 週次か日次か | 見る人によって間隔が変わる |
| 確認する担当 | 部門と役割と個人 | 誰も見ない週が出る |
| 閾値 | どの水準で対応に入るか | 判断が人によって変わる |
| 対応の期限 | いつまでに接触するか | 対応が後回しになる |
| 記録の場所 | 対応した内容の記録先 | 同じ顧客に重複して連絡する |
頻度は指標ごとに変える
利用の停止のような即時性の高い指標は、日次で見ます。
問い合わせの件数の変化のような指標は、週次で足ります。
すべてを日次にすると、運用が続きません。
閾値を決めておく
利用が何割下がったら、問い合わせが何日途切れたら。
閾値を決めておくと、判断に時間がかかりません。
閾値は最初は粗くてよく、運用しながら調整します。
担当は個人名で決める
部門名で決めると、誰も見ません。
個人名で決め、その人が不在のときの代わりも決めます。
見るだけの会議にしない
アラートを確認する場を会議にすると、確認だけで終わります。確認と同時に、誰が対応するかをその場で決める形にします。
アラートが鳴った後の対応を、どこまで決めておくのか
誰が、いつまでに、何をするかまで決めておきます。
対応の内容を毎回考える形だと、対応が遅れます。
予兆を検知しても、対応が遅れれば意味がありません。
解約の判断は、予兆が出てから短い期間で進むことがあります。
対応の型を作る
予兆の種類と、対応の取り決めを、項目ごとに見ていきます。
利用が急に止まるについては、一次対応の担当はサポート、期限の目安は3営業日以内、対応の内容は状況の確認の連絡。
問い合わせの内容が不満に変わるについては、一次対応の担当はサポート責任者、期限の目安は翌営業日、対応の内容は内容の確認と上位への報告。
担当者が交代したについては、一次対応の担当は営業、期限の目安は2週間以内、対応の内容は新しい担当者への説明。
契約の更新時期が近いについては、一次対応の担当は営業、期限の目安は1か月前、対応の内容は更新の意向の確認。
競合の情報を求められたについては、一次対応の担当は営業責任者、期限の目安は翌営業日、対応の内容は状況の確認。
期限を決める意味
対応の期限を決めていないと、他の業務が優先されます。
期限を決め、超過した件数を記録すると、運用が回っているかが分かります。
対応の結果を記録する
接触した結果、どういう状況だったかを記録します。
予兆が出たが問題なかった場合も記録します。
この記録が、閾値を調整する材料になります。
上位に上げる条件を決める
一次対応で解決しない場合に、誰に上げるかを決めます。
上げる条件がないと、担当者が抱えたまま解約になります。
対応の負荷を見積もる
アラートの件数が多すぎると、対応しきれません。閾値を決めるときに、想定される件数と対応の工数を確認します。
部門をまたぐ原因は、誰が持つのか
原因の発生源ではなく、最も早く手を打てる部門が持ちます。
発生源の部門に押し付けると、対応が遅れます。
解約の原因は、1つの部門の中で完結しないことが多くあります。
獲得の段階で条件が合わない顧客を取っていた、納品の説明が不足していた、商材が期待に届かなかった。
これらは複数の部門にまたがります。
責任の配分の考え方
解約の原因と、持つべき部門を、項目ごとに見ていきます。
期待と実際のずれについては、発生源は獲得と営業、対応を持つ部門はマーケと営業、理由は訴求と提案の内容を直せる。
導入の初期でつまずくについては、発生源は納品、対応を持つ部門は納品、理由は手順を直せる。
使いこなせていないについては、発生源はサポート、対応を持つ部門はサポート、理由は利用状況を見ている。
商材が要求に届かないについては、発生源は開発、対応を持つ部門は事業責任者、理由は優先順位の判断が要る。
価格に見合わないと判断については、発生源は全体、対応を持つ部門は事業責任者、理由は価格と提供内容の判断。
発生源と対応者を分ける
原因が獲得の段階にあっても、いま解約しそうな顧客への対応はサポートが行います。
発生源の部門は、再発を防ぐ側を担当します。
この2つを分けないと、目の前の対応が止まります。
再発の防止を誰が追うのか
解約の理由の集計と、発生源の部門への共有を行う担当を決めます。
この役割がないと、個別の対応だけが続き、原因が減りません。
部門の目標に入れる
解約の削減を、関係する部門の目標に入れます。
入っていない部門は、協力はしても優先しません。
責任を1部門に集中させない
解約の責任をサポート部門だけに置くと、獲得の段階の問題が放置されます。原因の分類ごとに、持つ部門を分けます。
解約対策の費用は、どの部門の予算から出すのか
事業の予算から出すのが基本です。
部門の予算から出すと、その部門の費用対効果で評価されて止まります。
解約対策の費用の出どころは、取り組みの継続を左右します。
サポート部門の予算から出すと、サポートのコストとして削減の対象になります。
費用の性質
解約を防ぐ費用は、売上を維持するための費用です。
コスト部門の経費ではなく、獲得の費用と同じ性質を持ちます。
解約対策の費用の扱い方を、項目ごとに見ていきます。
サポート部門の経費については、評価の仕方はコストとして削減対象、起きやすいことは体制が増やせない。
獲得の予算から配分については、評価の仕方は獲得の効率で評価される、起きやすいことは新規が優先される。
事業の予算として計上については、評価の仕方は維持した売上で評価、起きやすいことは継続しやすい。
部門ごとに個別に負担については、評価の仕方は各部門の判断、起きやすいことは部門によって差が出る。
特別な予算として確保については、評価の仕方は期間限定、起きやすいことは継続しない。
新規獲得の費用と比べる
1件の解約を防ぐ費用と、1件を新規に獲得する費用を比べます。
防ぐほうが小さい場合、解約対策への配分を増やす根拠になります。
この比較を数字で出すと、予算の議論ができます。
経営への説明の組み立て
解約率が何ポイント下がると、年間の売上がいくら変わるか。
この計算を先に出します。
費用の議論は、その後に行います。
期をまたぐ費用の扱い
解約対策の効果は、翌期以降に出ることがあります。今期の費用と今期の効果だけで評価すると、実行されません。効果の計上の期間を、費用を承認する時点で合意します。
責任と運用を決めるまでの進め方
原因ごとの担当部門を決め、予兆の確認を運用に組み込み、費用の出どころを決めます。
打ち手の一覧を作る作業より、この3つが先です。
解約を減らす取り組みは、打ち手の巧拙より、運用として回るかどうかで結果が変わります。
運用を立ち上げるまでの作業を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは解約の原因を分類し対応の部門を決める、期間の目安は3週間、担当は事業責任者。
2については、やることは予兆の確認の頻度と担当を個人名で決める、期間の目安は2週間、担当は各部門の責任者。
3については、やることは閾値と対応の期限を決める、期間の目安は2週間、担当は事業責任者。
4については、やることは対応の記録の場所と形式を決める、期間の目安は1週間、担当はマーケの管理担当。
5については、やることは費用の出どころを事業の予算として確保する、期間の目安は1か月、担当は決裁者。
6については、やることは1件あたりの対応費用と得られる粗利を計算する、期間の目安は2週間、担当は経理とマーケ。
7については、やることは調整が不要な打ち手から着手する、期間の目安は1か月、担当は各部門。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
たとえば月の解約が10件、1件の残りの期間の粗利が180万円だとします。
対応の体制に月100万円かけて解約が7件に減れば、540万円の粗利が残る計算になります。
この形で示すと、費用の議論が進みます。
運用が機能しているかを確認する項目を、項目ごとに見ていきます。
予兆の確認を実施した週の割合については、確認の頻度は月次、見るところは運用が続いているか。
アラートに対する対応の実施率については、確認の頻度は月次、見るところは対応が漏れていないか。
対応の期限を超過した件数については、確認の頻度は月次、見るところは体制が足りているか。
対応した顧客の解約率については、確認の頻度は四半期、見るところは対応に効果があるか。
原因ごとの解約の件数については、確認の頻度は四半期、見るところは再発が減っているか。
1件を防ぐのにかかった費用については、確認の頻度は四半期、見るところは採算が合っているか。
部門ごとの対応の実施件数については、確認の頻度は月次、見るところは責任の配分が機能しているか。
最初の3か月は運用の確認に使う
立ち上げ直後は、解約率の変化より運用が回っているかを見ます。
確認が実施され、対応が期限内に行われているか。
ここが回っていなければ、効果の議論はできません。
閾値と期限を四半期ごとに見直す
アラートが多すぎて対応できていない、または少なすぎて手遅れになっている。
どちらの場合も閾値の調整が必要です。
四半期ごとに、対応の件数と結果を見て調整します。
解約対策の担当と費用の出どころが決まらない場合は、無料相談で現状の体制を整理するところから始められます。維持の仕組みごと組み直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
解約対策の打ち手は出るのですが、実行されません
効果の大きさだけで順位を付けると、実行する部門と費用の出どころが決まっていない打ち手が上位に来ます。実行の主体が明確で、その部門の通常業務の中でできるものを上位に置いてください。
予兆の指標を作りましたが、誰も見ていません
確認の頻度、担当を個人名で、閾値、対応の期限、記録の場所の5つを決めてください。誰かが気づいたら対応する形では、気づく人がいない週に止まります。担当の不在時の代わりも決めておいてください。
解約の原因が複数の部門にまたがります
発生源の部門と、対応を持つ部門を分けてください。いま解約しそうな顧客への対応は最も早く手を打てる部門が行い、発生源の部門は再発の防止を担当します。分けないと目の前の対応が止まります。
解約対策の費用は、どこから出すべきですか
事業の予算から出してください。サポート部門の経費にすると削減の対象になり、獲得の予算から配分すると新規が優先されます。1件を防ぐ費用と1件を新規獲得する費用を比べて、配分の根拠を作ってください。
対策を始めて3か月ですが、解約率が変わりません
最初の3か月は解約率ではなく、運用が回っているかを見てください。予兆の確認が毎週実施されているか、アラートへの対応が期限内に行われているか。ここが回っていなければ効果の議論はできません。
まとめ
- 打ち手は出るのに、誰がやるかと費用をどこから出すかが決まらないからです。順位を効果の大きさだけで付けると、実行できない打ち手が上位に並びます
- 実行の主体が明確で、その部門の通常の業務の中でできるものを上位に置きます。部門をまたぐ打ち手は、調整の時間の分だけ実行が遅れます
- 1件の解約を防ぐのにかかる費用と、その顧客から残りの期間に得られる粗利を比べます。この計算をしないと、費用をかけすぎる打ち手が選ばれます
- 毎週決まった曜日に、決まった担当者が見る形にします。誰かが気づいたら対応する形では、気づく人がいない週に止まります
- 誰が、いつまでに、何をするかまで決めておきます。対応の内容を毎回考える形だと、対応が遅れます
- 原因の発生源ではなく、最も早く手を打てる部門が持ちます。発生源の部門に押し付けると、対応が遅れます
- 事業の予算から出すのが基本です。部門の予算から出すと、その部門の費用対効果で評価されて止まります
- 原因ごとの担当部門を決め、予兆の確認を運用に組み込み、費用の出どころを決めます。打ち手の一覧を作る作業より、この3つが先です