
確認の工程が、制作の最後に置かれているからです。
企画の段階で条件を共有していないと、作ったものを作り直すことになります。
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目次
目次
- 規制への対応が、公開の直前に問題になるのはなぜか
- 最後に確認する構造
- どの領域に規制が関わるのか
- 表現に関わるもの
- 制度の変化に、どう備えるのか
- 変化を知る経路を作る
- 確認の工程を、どこまで作り込むのか
- 全部を同じ工程に通さない
- 委託先には、何を求めるのか
- 責任の所在を明確にする
- 対応が事業の利点になる場合はあるのか
- 対応の速さが差になる
- 規制対応の議論で、判断を誤りやすいところ
- 法務は可否を判断する
- 備えを整えるまでの段取り
- 手戻りの原因を分類する
- よくある質問
- まとめ
確認の工程が、制作の最後に置かれているからです。
企画の段階で条件を共有していないと、作ったものを作り直すことになります。
規制への対応が、公開の直前に問題になるのはなぜか
確認の工程が、制作の最後に置かれているからです。
企画の段階で条件を共有していないと、作ったものを作り直すことになります。
広告の表現や、情報の取り扱いに関する規制は、業種によって幅があります。
対応そのものが難しいというより、対応する時期が遅いことが問題になります。
最後に確認する構造
企画、制作、確認、公開。
この順序で、確認が最後に来ます。
そこで指摘が出ると、制作をやり直すことになります。
企画の段階で条件を渡す
何を言ってよくて、何を言ってはいけないか。
この条件を企画の段階で渡せば、作り直しが減ります。
確認の時期と、発生する手戻り
| 確認の時期 | 手戻りの大きさ | 公開までの期間 |
|---|---|---|
| 企画の段階 | 小さい | 短い |
| 構成の段階 | 中程度 | 中程度 |
| 制作の完成後 | 大きい | 長い |
| 公開の直前 | 最も大きい | 最も長い |
| 公開の後 | 対応の費用が発生 | 取り下げが必要な場合も |
規制の内容は変わる
一度確認した条件が、数年後も同じとは限りません。
条文名や改正の日付を自社の資料に書き込むと、古くなったことに気づけません。
自社の資料には日付を書かず、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してくださいという案内に揃えます。
業種によって対応の重さが違う
医療、金融、人材、不動産など、固有の規定がある業種では確認の工程が厚くなります。その分、公開までの期間を計画に織り込みます。
どの領域に規制が関わるのか
表現、情報の取り扱い、取引の条件の三つです。
それぞれ所管も担当部門も違うので、分けて管理します。
規制の話が混乱するのは、性質の違うものが一括りにされているためです。
表現に関わるもの
効果の言い方、比較の仕方、根拠の示し方。
業種ごとに固有の規定があります。
情報の取り扱いに関わるもの
顧客の情報の取得、利用、保管、第三者への提供。
業種を問わず関わります。
取引の条件に関わるもの
表示すべき事項、契約の条件、解約の扱い。
規制の領域と、社内の担当
| 領域 | 関わる内容 | 主な担当 |
|---|---|---|
| 表現 | 効果の言い方と根拠 | 法務と事業部門 |
| 情報の取り扱い | 取得と利用と保管 | 法務と情報システム |
| 取引の条件 | 表示事項と契約 | 法務と営業 |
| 業界固有の規定 | 業種ごとの規定 | 事業部門と業界団体への確認 |
| 海外への展開 | 地域ごとの制度 | 法務 |
領域ごとに担当を決める
一つの部門にすべてを任せると、確認が滞ります。
領域ごとに、確認できる担当を置きます。
業界団体の案内も確認する
法令だけでなく、業界団体の自主的な基準がある場合があります。自治体で運用が異なる制度は、自治体の窓口で確認してくださいと案内します。
制度の変化に、どう備えるのか
変化の予定を追う担当を決め、影響の範囲を事前に評価します。
施行の直前に知ると、対応の選択肢が減ります。
制度は変わります。
変化を知る経路を作る
所管の公式の情報、業界団体の案内、顧問の専門家。
どの経路で知るかを決めます。
影響の範囲を事前に評価する
変化の予定を知った時点で、自社の何に影響するかを評価します。
評価しておけば、施行までに準備ができます。
制度の変化に備える体制
| やること | 担当 | 頻度 |
|---|---|---|
| 公式の情報の確認 | 法務 | 定期 |
| 業界団体の案内の確認 | 事業部門 | 定期 |
| 影響の範囲の評価 | 法務と事業部門 | 変化の予定を知った時点 |
| 対応の計画の作成 | 事業部門 | 評価の後 |
| 委託先への連絡 | 調達と事業部門 | 対応の計画に沿って |
個人情報に関わる制度
2026年4月7日に、個人情報保護法の改正法案が閣議決定されました。
課徴金制度の新設などが含まれますが、施行日は確認できていません。
自社の資料には施行日を書き込まず、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してくださいという案内にします。
計測と広告の仕組みも影響を受ける
情報の取り扱いの制度は、計測や広告配信の仕組みにも関わります。GA4では2026年6月15日より、広告データ共有の可否が同意モードのad_storageのみで決まる形になりました。同意モードを実装していない場合、ad_storageは既定でgrantedとして扱われます。
確認の工程を、どこまで作り込むのか
影響の大きさで段階を分けます。
すべての制作物に同じ工程を通すと、公開の速度が落ちます。
確認の工程は、負荷と速度の兼ね合いになります。
全部を同じ工程に通さない
社内向けの資料と、広告の表現では、必要な確認の水準が違います。
一律にすると、確認する側の負荷が大きくなります。
段階を分ける
影響の大きいものだけを、厚い確認に通します。
制作物の区分と、確認の工程
| 区分 | 確認の工程 | 所要の目安 |
|---|---|---|
| 広告の表現 | 法務の確認を必須 | 数日 |
| 効果を述べる記事 | 事業部門と法務の確認 | 数日 |
| 一般的な説明の記事 | 事業部門の確認 | 1日 |
| 社内向けの資料 | 作成者の確認 | なし |
| 既存の表現の流用 | 事前承認済みとして扱う | なし |
事前に承認した表現の一覧を作る
よく使う表現を事前に確認し、一覧にします。
一覧にある表現は、都度の確認を省けます。
確認の依頼の様式を決める
何を確認してほしいのかが曖昧だと、確認に時間がかかります。依頼の様式を決めて、必要な情報を揃えます。
委託先には、何を求めるのか
確認の責任の範囲を契約で定めます。
委託先が作ったものでも、公開した時点で責任は自社に移ります。
制作や運用を委託している場合の取り決めです。
責任の所在を明確にする
委託先の確認だけに頼ると、自社での確認が抜けます。
公開の責任は自社にあるので、自社の確認の工程は残します。
業種の条件を伝える
委託先が自社の業種の規定を知っているとは限りません。
条件を文書にして渡します。
規制対応で委託先と定める事項を、項目ごとに見ていきます。
確認の責任の範囲については、内容は委託先がどこまで確認するか。
自社での確認の工程については、内容は自社が必ず確認する範囲。
業種の条件の共有については、内容は条件を記した文書の提供。
誤りが見つかった場合については、内容は修正の範囲と費用の扱い。
情報の取り扱いについては、内容は預けた情報の扱いと保管。
契約終了後の扱いについては、内容は情報の削除と成果物の権利。
代理店の活用の状況
Testifyが2026年5月に実施した調査では、9割超の企業が代理店を活用しており、全面委託が37.2%、併用が54.4%でした。
委託の割合が高いほど、責任の範囲を明確にする必要があります。
委託先での情報の取り扱い
顧客の情報を委託先が扱う場合、保管と削除の条件を契約に含めます。要件は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
対応が事業の利点になる場合はあるのか
あります。
確認の工程が速い会社は、変化が起きたときに先に動けます。
規制への対応は、負担としてだけ扱われがちです。
対応の速さが差になる
制度が変わったとき、対応に時間がかかる会社と、すぐ動ける会社が分かれます。
準備ができていれば、その期間に先行できます。
情報の出し手になれる
制度の変化は、顧客にとっても関心のある事柄です。
その変化が顧客の事業に何を意味するかを説明できれば、相談先として選ばれます。
対応の準備の度合いと、起きることを、項目ごとに見ていきます。
準備がないについては、変化が起きたときは対応に追われる、事業への影響は公開が止まる。
体制があるについては、変化が起きたときは計画どおり対応できる、事業への影響は影響が限定される。
事前に評価しているについては、変化が起きたときは施行前に対応が完了、事業への影響は通常どおり進む。
顧客に説明できるについては、変化が起きたときは相談を受ける側になる、事業への影響は接点が増える。
解説を出す場合の注意
制度の解説を自社が出す場合、解釈を断定しません。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してくださいという案内を併記します。
自治体で運用が異なる制度は、自治体の窓口で確認してくださいと併記します。
専門家の確認を経る
制度に関わる内容を公開する場合、専門家の確認を経ます。自社の解釈だけで公開すると、誤った情報を広めることになります。
規制対応の議論で、判断を誤りやすいところ
法務に任せきりにすることです。
法務は可否を判断できますが、どこまでやるかの事業判断はできません。
対応の範囲を決めるのは、事業の判断です。
法務は可否を判断する
この表現が使えるか、この取り扱いが許されるか。
これは法務の判断です。
事業はどこまでやるかを判断する
どの範囲まで確認の工程を厚くするか。
どこまでの費用をかけるか。
これは事業の判断です。
規制対応における判断の所在を、項目ごとに見ていきます。
表現の可否については、判断する人は法務、誤りやすい点は事業側が判断してしまう。
取り扱いの可否については、判断する人は法務、誤りやすい点は運用の担当が判断してしまう。
確認の工程の範囲については、判断する人は事業責任者、誤りやすい点は法務に任せきりになる。
対応にかける費用については、判断する人は事業責任者、誤りやすい点は費用の議論がされない。
公開の最終判断については、判断する人は事業責任者、誤りやすい点は担当者が判断してしまう。
過剰な自主規制を避ける
法務に任せきりにすると、安全側に寄った判断になります。
言えることまで言わない状態が続くと、事業の機会を失います。
確認の記録を残す
いつ、誰が、何を根拠に確認したか。記録があれば、後から問われたときに説明できます。
備えを整えるまでの段取り
現在の確認の工程と、そこで発生している手戻りを測ることからです。
手戻りの量が、投資の必要性を示します。
工程の見直しは、現状の把握から始めます。
規制対応の体制を作る順序を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは現在の確認の工程と担当を書き出す、期間の目安は2週間。
2については、やることは直近1年の手戻りの件数と原因を集計する、期間の目安は2週間。
3については、やることは制作物を影響の大きさで区分する、期間の目安は2週間。
4については、やることは区分ごとの確認の工程を決める、期間の目安は3週間。
5については、やることはよく使う表現の事前承認の一覧を作る、期間の目安は4週間。
6については、やることは委託先との取り決めを契約に反映する、期間の目安は4週間。
手戻りの原因を分類する
表現の問題か、事実の誤りか、条件の伝達不足か。
原因によって、対処が変わります。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
年間の制作物100件のうち、確認で差し戻されたのが30件で、うち20件が企画段階で条件を伝えていれば防げたものなら、工程の順序に問題があります。
対応の状況を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
確認で差し戻された件数については、見る頻度は毎月、使いどころは工程の妥当性。
差し戻しの原因の内訳については、見る頻度は四半期、使いどころは対処すべき場所。
確認に要した日数については、見る頻度は毎月、使いどころは工程の速さ。
事前承認の一覧の項目数については、見る頻度は半期、使いどころは都度確認の削減。
制度の変化の把握から対応までの日数については、見る頻度は発生時、使いどころは備えの状態。
事前承認の一覧を増やす
よく使う表現を一覧に足していくと、都度の確認が減ります。
一覧の項目数を追います。
一覧は定期的に見直す
制度が変われば、事前承認の内容も変わります。
半期ごとに、一覧の内容を確認します。
規制への備えをどこまで整えるかで判断に迷う場合は、無料相談で現状の確認の工程を一緒に見てもらうところから始められます。制作と公開の体制ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
規制への対応が、いつも公開の直前に問題になります
確認の工程が制作の最後に置かれているためです。何を言ってよくて何を言ってはいけないかという条件を、企画の段階で渡すと手戻りが減ります。直近1年の差し戻しの件数と原因を集計すると、工程のどこに問題があるかが分かります。
規制の内容を自社の資料に書いておいてよいですか
条文名や改正の日付を書き込むと、古くなったことに気づけません。掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してくださいという案内に揃えます。自治体で運用が異なる制度は、自治体の窓口で確認してくださいと併記します。
すべての制作物に同じ確認の工程を通すべきですか
一律にすると確認する側の負荷が大きくなり、公開の速度が落ちます。広告の表現と社内向けの資料では必要な水準が違います。よく使う表現は事前に確認して一覧にしておくと、都度の確認を省けます。
委託先に任せている場合、確認はどうなりますか
委託先が作ったものでも、公開した時点で責任は自社に移ります。委託先の確認だけに頼らず、自社の確認の工程は残します。委託先が自社の業種の規定を知っているとは限らないので、条件を文書にして渡します。
法務に任せておけばよいのではありませんか
法務は表現や取り扱いの可否を判断できますが、どこまで確認の工程を厚くするか、どこまで費用をかけるかは事業の判断です。任せきりにすると安全側に寄り、言えることまで言わない状態が続きます。
まとめ
- 確認の工程が、制作の最後に置かれているからです。企画の段階で条件を共有していないと、作ったものを作り直すことになります
- 表現、情報の取り扱い、取引の条件の三つです。それぞれ所管も担当部門も違うので、分けて管理します
- 変化の予定を追う担当を決め、影響の範囲を事前に評価します。施行の直前に知ると、対応の選択肢が減ります
- 影響の大きさで段階を分けます。すべての制作物に同じ工程を通すと、公開の速度が落ちます
- 確認の責任の範囲を契約で定めます。委託先が作ったものでも、公開した時点で責任は自社に移ります
- あります。確認の工程が速い会社は、変化が起きたときに先に動けます
- 法務に任せきりにすることです。法務は可否を判断できますが、どこまでやるかの事業判断はできません
- 現在の確認の工程と、そこで発生している手戻りを測ることからです。手戻りの量が、投資の必要性を示します