
データが分析のために作られていないからです。
業務のために作られた記録を、分析に使える形に直す作業が毎回発生します。
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目次
目次
- 分析を依頼しても、前処理で大半の時間が消えるのはなぜか
- 業務の記録は、業務の都合で作られている
- 整理の作業には、どんな種類があるのか
- 一度で済む作業
- どこまで整理するのが適切なのか
- 必要な問いを先に決める
- 整理の作業に、どれだけの投資をするのか
- 現状の工数を測る
- 整理の作業を、誰が担うのか
- 業務の知識が必要な部分
- 整理した状態を、どう維持するのか
- 入力の項目を選択肢にする
- 整理の取り組みで、止まりやすいところ
- 完璧を目指すと終わらない
- データの整理を、どう始めるか
- 乱れの状態を確認する
- よくある質問
- まとめ
データが分析のために作られていないからです。
業務のために作られた記録を、分析に使える形に直す作業が毎回発生します。
分析を依頼しても、前処理で大半の時間が消えるのはなぜか
データが分析のために作られていないからです。
業務のために作られた記録を、分析に使える形に直す作業が毎回発生します。
分析の依頼をすると、結果が出るまでに時間がかかります。
その内訳を聞くと、分析そのものより準備に時間が使われています。
業務の記録は、業務の都合で作られている
営業の管理システムは、案件を進めるために作られています。
入力の項目も、業務の進行に必要なものが優先されます。
分析に必要な項目が揃っているとは限りません。
同じ作業が毎回繰り返される
分析のたびに、同じ整理作業が発生します。
前回の作業の結果が残っていないと、次も同じ時間がかかります。
分析の前に発生する作業
| 作業 | 内容 | 毎回発生するか |
|---|---|---|
| 表記の統一 | 会社名や部署名の揺れを直す | する |
| 重複の除去 | 同じ対象の複数の記録をまとめる | する |
| 欠損の処理 | 空欄の扱いを決める | する |
| 期間の揃え | 集計の区切りを合わせる | する |
| 定義の確認 | 指標が何を指すか確かめる | する |
整理の作業は、分析の担当だけでは終わらない
表記の揺れを直すには、どれが正しいかを知る必要があります。
業務を知っている人に聞かないと、判断できません。
投資の対象になりにくい
整理の作業は、成果として見えにくいものです。予算の申請でも、後回しにされます。
整理の作業には、どんな種類があるのか
一度やれば済むものと、毎回発生するものがあります。
一度で済むものから手をつけると、以降の作業が軽くなります。
整理と言っても、性質の違う作業が含まれます。
一度で済む作業
指標の定義を決める。
表記の統一の規則を決める。
顧客の単位を決める。
これらは一度決めれば、以降は規則に従うだけです。
毎回発生する作業
新しく入力されたデータの表記を直す。
期間ごとに集計する。
これらは継続的に発生します。
整理の作業の性質
| 作業 | 一度で済むか | 対処 |
|---|---|---|
| 指標の定義の決定 | 一度 | 文書にして共有する |
| 表記の規則の決定 | 一度 | 入力の選択肢にする |
| 顧客の単位の決定 | 一度 | 文書にして共有する |
| 新規データの表記の修正 | 毎回 | 入力の段階で防ぐ |
| 欠損への対処 | 毎回 | 入力の必須項目を決める |
| 期間ごとの集計 | 毎回 | 自動化の対象 |
入力の段階で防げるものがある
自由記述を選択肢に変えれば、表記の揺れは発生しません。
後から直すより、入力の段階で防ぐほうが効率的です。
過去のデータをどこまで遡るか
過去のデータを整理するには、量に比例した工数がかかります。何年分が分析に必要かを決めて、範囲を限定します。
どこまで整理するのが適切なのか
答えたい問いに必要な範囲までです。
すべてのデータを整理しようとすると、終わらないまま担当者が変わります。
整理の範囲は、目的から逆算します。
必要な問いを先に決める
どの分析を行いたいのか。
その分析に必要なデータは何か。
この範囲だけを整理します。
使わないデータは整理しない
いつか使うかもしれないデータを整理するのは、費用の無駄になります。
使うことが決まってから整理します。
整理の範囲を決める基準
| 基準 | 整理する | 後回しにする |
|---|---|---|
| 分析に使う頻度 | 毎月使う | 年に数回 |
| 判断への影響 | 大きい | 小さい |
| データの量 | 扱える範囲 | 大量で工数が見合わない |
| 遡る期間 | 直近1年から2年 | それ以前 |
| 項目の重要性 | 主要な指標に関わる | 補助的 |
期間を限定する
直近1年から2年で足りることが多くあります。
それ以前のデータは、事業の条件が違っている場合もあります。
完了の条件を決める
どうなったら整理が終わりかを、先に決めます。決めないと、いつまでも続きます。
整理の作業に、どれだけの投資をするのか
分析のたびに発生している工数から逆算します。
毎回20時間かかっている作業が5時間になるなら、その差が投資の根拠になります。
整理への投資は、削減できる工数で判断します。
現状の工数を測る
分析の依頼から結果が出るまでの時間を記録します。
そのうち、整理に使われた時間を分けます。
削減できる幅を見積もる
定義を揃え、入力の規則を決めた場合、整理の時間がどれだけ減るか。
この見積もりが、投資の上限になります。
投資の判断に使う情報
| 情報 | 測り方 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 分析1件あたりの整理の工数 | 作業時間を記録 | 現状の把握 |
| 年間の分析の件数 | 依頼の件数を数える | 年間の総工数 |
| 時間あたりの費用 | 人件費から算出 | 金額への換算 |
| 整理後に見込まれる工数 | 試算 | 削減の幅 |
| 整理そのものにかかる工数 | 見積もり | 初期の投資 |
外部に委託する場合の費用
整理の作業を外部に委託することもできます。
ただし、業務を知らない人には判断できない部分が残ります。
削減だけでなく、できるようになることも見る
整理によって、これまでできなかった分析ができるようになる場合があります。その価値も、投資の根拠に含めます。
整理の作業を、誰が担うのか
業務を知る人と、データを扱う人の両方が必要です。
どちらか一方だけでは、判断できない部分が残ります。
整理には、二種類の知識が要ります。
業務の知識が必要な部分
この会社とこの会社は同じ企業か。
この案件は何件として数えるか。
これらは、業務を知らないと判断できません。
技術の知識が必要な部分
データの抽出、変換、結合。
これらは技術の担当が行います。
整理の作業の分担を、項目ごとに見ていきます。
同一性の判断については、業務の知識は必要、技術の知識は不要。
指標の定義の決定については、業務の知識は必要、技術の知識は不要。
表記の規則の決定については、業務の知識は必要、技術の知識は不要。
データの抽出については、業務の知識は不要、技術の知識は必要。
変換と結合については、業務の知識は不要、技術の知識は必要。
品質の確認については、業務の知識は必要、技術の知識は必要。
時間を確保する
業務の担当者は、通常の業務を持っています。
整理のための時間を確保しないと、進みません。
データの取り扱い
顧客に関わるデータを扱う場合、取り扱いの範囲を決めます。外部に委託する場合は、保管と削除の条件を契約に含めます。要件は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
整理した状態を、どう維持するのか
入力の段階で規則を守らせる仕組みにします。
後から直す運用にすると、整理の作業が永久に続きます。
一度整理しても、新しいデータが入れば再び乱れます。
入力の項目を選択肢にする
自由記述を減らし、選択肢にします。
選択肢にすれば、表記の揺れは発生しません。
必須の項目を決める
分析に必要な項目を、入力の必須にします。
必須にすると、入力の負担が増えるので、項目は絞ります。
維持のための仕組みを、項目ごとに見ていきます。
入力を選択肢にするについては、効果は表記の揺れを防ぐ、負担は選択肢の設計が必要。
必須項目を設定するについては、効果は欠損を防ぐ、負担は入力者の負担が増える。
入力の規則を文書にするについては、効果は新任者に伝わる、負担は文書の維持。
定期的な品質の確認については、効果は乱れに早く気づく、負担は確認の工数。
選択肢の定期的な見直しについては、効果は実態に合わせる、負担は見直しの工数。
選択肢を増やしすぎない
選択肢が多すぎると、入力者が適切なものを選べません。
その他が増えて、結局自由記述と同じになります。
品質を定期的に確認する
四半期に一度、入力の状態を確認します。確認しないと、乱れに気づきません。
整理の取り組みで、止まりやすいところ
完璧な状態を目指すことです。
100点の整理を目指すと終わらず、70点で使い始めるほうが結果が出ます。
整理の作業は、止まりやすい性質を持っています。
完璧を目指すと終わらない
すべてのデータを、すべての項目について整理する。
この目標を立てると、数年かかります。
その間、分析は始まりません。
途中で使い始める
主要な指標だけを整理して、分析を始めます。
使ってみて必要になった項目を、追加で整理します。
整理が止まる原因と、対処を、項目ごとに見ていきます。
完璧を目指すについては、現れ方は終わらない、対処は範囲を限定して使い始める。
目的が不明確については、現れ方は何を整理すべきか決まらない、対処は答えたい問いを先に決める。
業務側の時間が取れないについては、現れ方は判断が止まる、対処は時間を確保する合意を取る。
担当者の異動については、現れ方は作業が振り出しに戻る、対処は規則を文書に残す。
維持の仕組みがないについては、現れ方は再び乱れる、対処は入力の段階で防ぐ。
整理を目的にしない
整理された状態そのものに価値はありません。
その状態で何ができるようになるかが価値です。
途中経過を共有する
長期の作業なので、途中で何が改善したかを共有します。共有がないと、投資の継続が難しくなります。
データの整理を、どう始めるか
直近の分析で、整理にかかった時間を測ることからです。
その時間が、投資の必要性を示します。
整理の計画を立てる前に、現状を測ります。
整理を進める手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは直近の分析で整理にかかった工数を記録する、期間の目安は4週間。
2については、やることは答えたい問いを3つに絞る、期間の目安は1週間。
3については、やることはその問いに必要な項目を洗い出す、期間の目安は2週間。
4については、やることは項目ごとの乱れの状態を確認する、期間の目安は2週間。
5については、やることは定義と表記の規則を決めて文書にする、期間の目安は4週間。
6については、やることは入力の項目を選択肢に変える、期間の目安は4週間。
乱れの状態を確認する
同じ項目に何種類の表記があるか。
欠損がどれくらいあるか。
この確認で、作業量が見積もれます。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
分析1件あたり20時間かかり、そのうち15時間が整理なら、年間12件で180時間が整理に使われていることになります。
整理の進み方を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
分析1件あたりの整理の工数については、見る頻度は毎月、使いどころは削減の効果。
主要項目の欠損率については、見る頻度は四半期、使いどころは入力の状態。
表記の揺れの件数については、見る頻度は四半期、使いどころは規則の浸透。
自由記述の項目の数については、見る頻度は半期、使いどころは選択肢化の進み具合。
規則が文書化された項目の数については、見る頻度は半期、使いどころは維持の仕組み。
欠損率を追う
主要な項目の欠損率が下がっているかを見ます。
下がっていなければ、入力の仕組みが機能していません。
規則を新任者に伝える経路を作る
担当者が変わったときに、規則が伝わる経路を用意します。
口頭での引き継ぎでは、数年で失われます。
分析の前の整理にどこまで投資するかで迷う場合は、無料相談で現状の作業の手間を一緒に見てもらうところから始められます。測定と記録の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
データの整理は、どこまでやればよいですか
答えたい問いに必要な範囲までです。すべてのデータを整理しようとすると終わらず、その間は分析が始まりません。遡る期間も直近1年から2年で足りることが多く、どうなったら整理が終わりかを先に決めておきます。
整理への投資は、どう判断しますか
分析のたびに発生している工数から逆算します。分析1件あたりの整理の時間と、年間の分析件数を掛けて年間の総工数を出します。整理によってこれまでできなかった分析ができるようになる価値も、根拠に含めます。
整理は誰が担当すべきですか
業務を知る人と、データを扱う人の両方が必要です。同じ企業かどうかの判断や、指標の定義は業務を知らないと決められません。業務側の担当者が整理のための時間を確保できないと、作業は止まります。
整理してもすぐに乱れてしまいます
後から直す運用では、整理の作業が永久に続きます。自由記述の項目を選択肢に変え、分析に必要な項目を入力の必須にします。選択肢を増やしすぎると、その他が増えて結局自由記述と同じになります。
どこから始めればよいですか
直近の分析で整理にかかった工数を記録することからです。そのうえで答えたい問いを3つに絞り、必要な項目だけの乱れの状態を確認します。完璧な状態を目指さず、主要な指標だけ整えて分析を始めるほうが結果が出ます。
まとめ
- データが分析のために作られていないからです。業務のために作られた記録を、分析に使える形に直す作業が毎回発生します
- 一度やれば済むものと、毎回発生するものがあります。一度で済むものから手をつけると、以降の作業が軽くなります
- 答えたい問いに必要な範囲までです。すべてのデータを整理しようとすると、終わらないまま担当者が変わります
- 分析のたびに発生している工数から逆算します。毎回20時間かかっている作業が5時間になるなら、その差が投資の根拠になります
- 業務を知る人と、データを扱う人の両方が必要です。どちらか一方だけでは、判断できない部分が残ります
- 入力の段階で規則を守らせる仕組みにします。後から直す運用にすると、整理の作業が永久に続きます
- 完璧な状態を目指すことです。100点の整理を目指すと終わらず、70点で使い始めるほうが結果が出ます
- 直近の分析で、整理にかかった時間を測ることからです。その時間が、投資の必要性を示します