
問題がデータではなく、決裁の仕組みにあるからです。
数字を見る場と、決める場が分かれていると、数字は判断に届きません。
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目次
目次
- 数字が揃っていても、決め方が変わらないのはなぜか
- 数字が出る場と、決まる場が違う
- どこで止まっているのかを、どう確かめるのか
- 過去の決定を並べる
- 数字が信用されていない場合、何から手をつけるのか
- 部門で数字が違う状態
- 数字を判断に使う仕組みを、どう作るのか
- 稟議や提案の様式を変える
- 誰が旗を振るのか
- データの部門にはできない
- 経験に基づく判断を、否定する話なのか
- 数字で決められない領域がある
- 取り組みが空回りする原因
- 分析の能力だけを上げる
- 決め方を変える取り組みを、どう始めるか
- 記録の仕組みから始める場合
- よくある質問
- まとめ
問題がデータではなく、決裁の仕組みにあるからです。
数字を見る場と、決める場が分かれていると、数字は判断に届きません。
数字が揃っていても、決め方が変わらないのはなぜか
問題がデータではなく、決裁の仕組みにあるからです。
数字を見る場と、決める場が分かれていると、数字は判断に届きません。
分析の環境を整え、指標も揃えた。
それでも、会議での決め方が変わらない。
この状態は、多くの会社で起きています。
数字が出る場と、決まる場が違う
月次の報告で数字を共有する場がある。
予算を決める場は、別にある。
報告の内容が予算の場に持ち込まれない構造だと、数字は判断に届きません。
決裁の材料の様式が決まっている
稟議の様式に、数字を書く欄がない。
様式が古いまま使われていると、書く場所がありません。
数字が判断に届かない構造
| 構造 | 現れ方 | 対処 |
|---|---|---|
| 報告と決裁の場が別 | 数字が持ち込まれない | 決裁の材料に数字を必須にする |
| 様式に欄がない | 定性的な説明だけ | 様式を変える |
| 決裁の時期と報告の時期がずれる | 最新の数字がない | 時期を合わせる |
| 数字の説明ができる人がいない | 質問に答えられない | 説明の担当を決める |
| 過去の決定が記録されていない | 検証できない | 決定と根拠を残す |
数字に反する決定をした記録がない
数字を見たうえで、別の理由で決めることは正当です。
しかし、その理由が記録されていないと、後から検証できません。
問題の所在を確かめる
データが足りないのか、届いていないのか、届いても使われないのか。どこで止まっているかで、打つ手が変わります。
どこで止まっているのかを、どう確かめるのか
過去の決定を遡り、何を根拠に決めたかを調べます。
根拠が記録されていない決定が多ければ、記録の仕組みから作ります。
止まっている場所を特定しないと、対処が的外れになります。
過去の決定を並べる
直近1年の、予算や施策に関する決定を並べます。
それぞれ、何を根拠に決めたかを確認します。
根拠の種類を分類する
数字を根拠にしたもの。
経験や判断を根拠にしたもの。
外部からの要請によるもの。
根拠が記録されていないもの。
決定の根拠の分類
| 根拠の種類 | 望ましさ | 確認すること |
|---|---|---|
| 数字に基づく | 望ましい | 使った数字が正しかったか |
| 経験と判断 | 場合による | なぜ数字を使わなかったか |
| 外部からの要請 | やむを得ない | 要請の内容が記録されているか |
| 慣例 | 見直しの対象 | いつから続いているか |
| 記録なし | 問題 | 記録の仕組みを作る |
数字を使わなかった理由を聞く
数字があったのに使わなかった場合、理由があります。
数字を信用していない、数字が判断に合わない、数字の意味が分からない。
理由によって、対処が変わります。
信用されていない場合
過去に数字が間違っていた経験があると、信用が戻るまで時間がかかります。この場合は、数字の正確さを示すことから始めます。
数字が信用されていない場合、何から手をつけるのか
定義の統一と、社内の記録との突き合わせです。
数字が合わない状態が残っていると、どんな分析も信用されません。
信用の問題は、分析の精度ではなく基礎の部分にあります。
部門で数字が違う状態
同じ指標について、部門ごとに違う数字が出ている。
この状態があると、どちらの数字も信用されません。
過去に数字が訂正された経験
一度誤った数字で報告し、後から訂正した経験があると、次から疑われます。
訂正の履歴を残し、再発を防ぐ仕組みを示します。
信用を回復する手順
| やること | 期間の目安 | 効果 |
|---|---|---|
| 定義を揃えて文書にする | 4週間 | 部門間の食い違いが消える |
| 社内の記録と突き合わせる | 2週間 | 数字の正確さを示せる |
| 差の許容範囲を決める | 1週間 | 毎回の議論がなくなる |
| 誤りの発見の仕組みを作る | 4週間 | 再発を防ぐ |
| 訂正の手順を決める | 1週間 | 訂正時の混乱を防ぐ |
完璧を待たない
すべての数字が正確になるまで待つと、いつまでも始まりません。
主要な指標から順に、正確さを確認します。
差があることを先に説明する
媒体の数字と自社の数字が違うのは、定義の違いによるものです。この説明を先にしておくと、差が信用の問題になりません。
数字を判断に使う仕組みを、どう作るのか
決裁の材料に、数字の欄を必須で入れます。
書く場所があれば書かれ、書く場所がなければ書かれません。
仕組みを変えると、行動が変わります。
稟議や提案の様式を変える
予算の申請に、根拠となる数字の欄を作ります。
過去の実績、見込み、達成しなかった場合の影響。
数字がない場合の扱いを決める
数字が出せない案件もあります。
その場合、なぜ出せないかを書く欄を作ります。
決裁の材料に入れる項目
| 項目 | 内容 | 必須か |
|---|---|---|
| 投資の金額 | 初期と継続 | 必須 |
| 根拠となる過去の実績 | 類似の施策の結果 | 必須 |
| 達成の見込み | 前提条件を含む | 必須 |
| 未達の場合の影響 | 何を失うか | 必須 |
| 数字が出せない理由 | 該当する場合 | 該当時に必須 |
| 評価の時期と指標 | いつ何で判断するか | 必須 |
評価の時期を決裁時に決める
いつ、何の数字で評価するかを、決裁の時点で決めます。
決めておかないと、続けるか止めるかの判断ができません。
決定の記録を残す
何を根拠に、誰が、いつ決めたか。この記録があると、後から検証できます。
誰が旗を振るのか
経営か事業の責任者です。
データを扱う部門が旗を振っても、決裁の仕組みは変えられません。
決め方を変えるのは、組織の運営の変更です。
データの部門にはできない
分析の担当者が数字を出しても、決裁の様式は変えられません。
様式を変える権限は、組織の運営を決める側にあります。
経営が使い始めると、下に伝わる
経営が数字で質問するようになると、提案する側も数字を用意します。
上から変わるほうが、速く進みます。
役割ごとにできることを、項目ごとに見ていきます。
経営については、できることは決裁の様式を変える、できないことは日々の分析。
事業責任者については、できることは判断の基準を示す、できないことは決裁の様式の変更。
データの担当については、できることは数字を用意する、できないことは使われ方の変更。
マーケティング責任者については、できることは自部門の運用を変える、できないことは他部門への波及。
情報システムについては、できることは仕組みを整える、できないことは判断の変更。
一つの部門から始める
全社を一度に変えるのは難しいので、一つの部門で試します。
その部門で決め方が変わった実例が、他部門への説得の材料になります。
外部の支援でできること
分析の仕組みや、指標の設計は外部に委託できます。決裁の仕組みの変更は、自社の判断です。
経験に基づく判断を、否定する話なのか
否定しません。
数字で決められる範囲と、経験で決める範囲を分けるという話です。
すべてを数字で決めるという方針は、現実的ではありません。
数字で決められない領域がある
新しい市場への参入、前例のない施策、長期の投資。
これらは、参照できる過去の数字がありません。
数字で決められる領域を、数字で決める
既存の媒体の配分、継続中の施策の評価、定型の投資。
これらは数字で決められます。
ここを経験で決めていると、判断の質が安定しません。
領域ごとの判断の仕方を、項目ごとに見ていきます。
既存施策の継続については、判断の仕方は数字、記録することは使った指標と基準。
媒体の配分については、判断の仕方は数字、記録することは配分の根拠。
新規の媒体の試行については、判断の仕方は少額で試して数字を取る、記録することは試行の設計。
前例のない施策については、判断の仕方は経験と仮説、記録することは仮説と検証の方法。
長期の投資については、判断の仕方は経験と外部の情報、記録することは前提と見直しの時期。
経験で決めた場合も、記録する
なぜその判断をしたかを記録します。
記録があれば、後から検証できます。
検証の時期を決めておく
経験で決めた判断こそ、検証の時期を決めておきます。検証しないと、経験が更新されません。
取り組みが空回りする原因
道具と人員を増やして、決裁の仕組みを変えないことです。
分析の能力が上がっても、使う場がなければ結果は変わりません。
投資が結果につながらない構造を整理します。
分析の能力だけを上げる
分析の担当者を増やし、道具を導入する。
出てくる分析の量は増えますが、使われる量は増えません。
数字を出すことが目的になる
報告の充実が評価されると、数字を出すこと自体が目的になります。
使われたかどうかは、評価の対象になりません。
空回りする投資と、必要な対応を、項目ごとに見ていきます。
分析の道具の導入については、単独では効かない理由は使う場がない、併せて必要なことは決裁の様式の変更。
分析の担当者の増員については、単独では効かない理由は出力が増えるだけ、併せて必要なことは判断の基準の明示。
指標の整備については、単独では効かない理由は見る人がいない、併せて必要なことは報告先の判断との対応。
外部の分析の委託については、単独では効かない理由は社内で使われない、併せて必要なことは使い方の合意。
研修の実施については、単独では効かない理由は現場の仕組みが変わらない、併せて必要なことは運用の変更。
分析の量を成果にしない
作成した報告の本数や、分析の件数を成果指標にすると、使われない分析が増えます。
判断に使われた回数で見ます。
一度で変わらないことを前提にする
決め方の変更は、時間がかかります。半年や1年の単位で進める前提を、はじめに共有します。
決め方を変える取り組みを、どう始めるか
直近1年の決定を並べ、根拠を分類することからです。
記録がない決定が多ければ、記録から始めます。
仕組みを変える前に、現状を確かめます。
決め方を変える進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは直近1年の予算と施策の決定を一覧にする、期間の目安は2週間。
2については、やることはそれぞれの根拠を分類する、期間の目安は2週間。
3については、やることは数字を使わなかった理由を関係者に聞く、期間の目安は3週間。
4については、やることは決裁の様式に数字の欄を追加する、期間の目安は4週間。
5については、やることは評価の時期と指標を決裁時に決める運用にする、期間の目安は2週間。
6については、やることは一つの部門で試し、結果を確認する、期間の目安は12週間。
記録の仕組みから始める場合
決定の根拠が記録されていない場合、まず記録から始めます。
記録がたまらないと、検証ができません。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
年間の予算に関する決定が30件で、数字を根拠にしたものが8件なら、残り22件が経験か記録なしで決まっていたことになります。
決め方の変化を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
根拠に数字を含む決定の割合については、見る頻度は四半期、使いどころは仕組みの浸透。
評価の時期が決まっている案件の割合については、見る頻度は四半期、使いどころは検証の可能性。
検証が実施された案件の割合については、見る頻度は半期、使いどころは運用の定着。
分析が判断に使われた回数については、見る頻度は四半期、使いどころは分析の有効性。
数字の訂正が発生した回数については、見る頻度は四半期、使いどころは信用の状態。
検証の実施率を見る
決裁時に評価の時期を決めても、実際に検証されなければ意味がありません。
検証が行われた割合を追います。
止めた施策の数を見る
数字で判断する仕組みが働いていれば、止まる施策が出ます。
何も止まっていないなら、判断が機能していない可能性があります。
数字を判断に使う進め方で迷う場合は、無料相談で現状の決め方を一緒に見てもらうところから始められます。測定と報告の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
データは揃っているのに、決め方が変わりません
数字を見る場と決める場が分かれていると、数字は判断に届きません。稟議や提案の様式に数字を書く欄がなければ、書かれることもありません。まず直近1年の決定を並べ、何を根拠に決めたかを分類します。
数字が社内で信用されていません
定義の統一と、社内の記録との突き合わせから始めます。部門ごとに同じ指標で違う数字が出ている状態があると、どんな分析も信用されません。すべての数字が正確になるまで待たず、主要な指標から順に確認します。
経験に基づく判断は否定されるべきですか
否定する話ではありません。既存施策の継続や媒体の配分は数字で決められますが、前例のない施策や長期の投資には参照できる数字がありません。経験で決めた場合も理由を記録し、検証の時期を決めておきます。
誰が主導すればよいですか
経営か事業の責任者です。決裁の様式を変える権限は、組織の運営を決める側にあります。データを扱う部門が数字を出しても、使われ方は変えられません。まず一つの部門で試し、その実例を他部門への説得の材料にします。
分析の担当者を増やせば進みますか
分析の量は増えますが、使われる量は増えません。決裁の仕組みを変えずに分析の能力だけを上げると、出力が増えるだけになります。作成した報告の本数を成果指標にせず、判断に使われた回数で見ます。
まとめ
- 問題がデータではなく、決裁の仕組みにあるからです。数字を見る場と、決める場が分かれていると、数字は判断に届きません
- 過去の決定を遡り、何を根拠に決めたかを調べます。根拠が記録されていない決定が多ければ、記録の仕組みから作ります
- 定義の統一と、社内の記録との突き合わせです。数字が合わない状態が残っていると、どんな分析も信用されません
- 決裁の材料に、数字の欄を必須で入れます。書く場所があれば書かれ、書く場所がなければ書かれません
- 経営か事業の責任者です。データを扱う部門が旗を振っても、決裁の仕組みは変えられません
- 否定しません。数字で決められる範囲と、経験で決める範囲を分けるという話です
- 道具と人員を増やして、決裁の仕組みを変えないことです。分析の能力が上がっても、使う場がなければ結果は変わりません
- 直近1年の決定を並べ、根拠を分類することからです。記録がない決定が多ければ、記録から始めます