
道具の比較は進みますが、何を見るかが決まらないままだからです。
導入した後に、何を表示すればよいかの議論が始まります。
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目次
目次
- ツールの選定から入ると、なぜ失敗しやすいのか
- 導入後に始まる議論
- 導入の前に決めるべきことは何か
- 見る人を具体的に決める
- 定義を揃える作業に、どれだけかかるのか
- 同じ指標が違う数字になる
- どの規模の道具を選ぶのか
- 既存の道具で足りる場合
- 誰が画面を作り、誰が維持するのか
- 維持で発生する作業
- 導入の効果は、何で判断するのか
- 削減された工数で測る
- 導入の検討で、判断を誤りやすいところ
- 機能の多さで選ぶ
- 導入の検討を、どう組み立てるか
- 工数の記録を省略しない
- よくある質問
- まとめ
道具の比較は進みますが、何を見るかが決まらないままだからです。
導入した後に、何を表示すればよいかの議論が始まります。
ツールの選定から入ると、なぜ失敗しやすいのか
道具の比較は進みますが、何を見るかが決まらないままだからです。
導入した後に、何を表示すればよいかの議論が始まります。
分析や可視化の道具を入れる検討は、製品の比較から始まりがちです。
機能の一覧、費用、他社の導入実績。
この比較は進めやすいのですが、導入の後に問題が出ます。
導入後に始まる議論
何の数字を載せるのか。
誰が見るのか。
数字の定義はどれが正しいのか。
これらが決まっていないまま道具だけが入ると、使われない画面が量産されます。
費用は道具だけではない
製品の利用料に加えて、接続の構築、画面の設計、運用の工数がかかります。
利用料だけで判断すると、総額を見誤ります。
導入にかかる費用の内訳
| 費目 | 発生の時期 | 見落とされやすさ |
|---|---|---|
| 製品の利用料 | 継続 | 見落とされない |
| データの接続の構築 | 初期 | 見落とされやすい |
| 画面の設計と制作 | 初期 | 見落とされやすい |
| 定義を揃える作業 | 初期 | 最も見落とされる |
| 運用と更新の工数 | 継続 | 見落とされやすい |
| 利用者への説明 | 初期と随時 | 見落とされやすい |
決めるべきことは、道具の外にある
何を見るか、誰が見るか、数字の定義は何か。これらは道具を選ぶ前に決められることです。
導入の前に決めるべきことは何か
見る人、見る頻度、その数字で何を決めるかの三つです。
この三つが決まれば、必要な機能も自然に絞られます。
道具を選ぶ前に、使い方を決めます。
見る人を具体的に決める
経営層、事業責任者、運用の担当。
それぞれが見る画面は違います。
全員向けの画面を作ると、誰にも合いません。
見る頻度を決める
毎日見るのか、週次か、月次か。
頻度によって、更新の仕組みも変わります。
その数字で何を決めるかを書く
数字を見た後に、どんな判断をするのか。
判断が思いつかない数字は、画面に載せません。
導入前に決める三つのこと
| 決めること | 具体的に決める内容 | 決めないと起きること |
|---|---|---|
| 見る人 | 役職と部門を特定 | 誰にも合わない画面ができる |
| 見る頻度 | 日次か週次か月次か | 更新の仕組みが決まらない |
| 使う判断 | その数字で何を変えるか | 見るだけの画面になる |
| 数字の定義 | 各指標の計算方法 | 部門で数字が食い違う |
| 更新の責任 | 誰が維持するか | 放置される |
判断が思いつかない数字は載せない
見ていて安心する数字と、判断に使う数字は違います。載せる数字を絞るほど、使われる画面になります。
定義を揃える作業に、どれだけかかるのか
技術的な接続より時間がかかります。
関係する部門が多いほど、合意までの期間が延びます。
道具の導入で最も時間がかかるのは、技術の作業ではありません。
同じ指標が違う数字になる
コンバージョン数、受注件数、売上。
どれも部門によって計算方法が違うことがあります。
どちらが正しいかの議論になる
定義が違うことが分かると、どちらが正しいかの議論が始まります。
どちらも、その部門の目的では正しい定義です。
用途ごとに別の指標として持つ判断もあります。
定義でずれやすい指標
| 指標 | ずれる内容 | 決める人 |
|---|---|---|
| コンバージョン数 | 電話を含むか、重複をどう扱うか | 事業責任者 |
| 受注件数 | 契約日か検収日か | 営業と経理 |
| 売上 | 税込か税抜か、初年度か累計か | 経理 |
| 顧客数 | 企業単位か拠点単位か | 営業 |
| 広告費 | 媒体費のみか手数料を含むか | マーケティングと経理 |
決める場を作る
定義を決める会議を、導入の作業とは別に設けます。
技術の担当者だけでは決められません。
決めた定義を文書にする
画面に表示される数字が何を指すかを、画面の中に注記します。注記がないと、見る人が独自の解釈をします。
どの規模の道具を選ぶのか
利用者の人数と、扱うデータの量で決まります。
小規模で足りる場合に大きな仕組みを入れると、運用が回りません。
道具には、規模の異なる選択肢があります。
既存の道具で足りる場合
表計算の仕組みや、既存の分析ツールの標準機能で足りることがあります。
利用者が数人で、更新が月次なら、この範囲で済みます。
専用の道具が必要になる条件
利用者が多い、データの量が大きい、更新が日次。
この条件が重なると、専用の道具が必要になります。
規模と、適する選択肢
| 条件 | 適する形 | 運用の体制 |
|---|---|---|
| 利用者が数人で月次の更新 | 既存の道具 | 担当1人で足りる |
| 利用者が十数人で週次 | 既存の道具か簡易な製品 | 担当1人から2人 |
| 利用者が数十人で日次 | 専用の製品 | 専任が要る |
| 複数のデータ源を結合 | 専用の製品 | 技術の担当が要る |
| 社外にも共有する | 権限の管理が必要 | 管理の体制が要る |
運用できる体制から逆算する
道具の能力ではなく、自社で維持できる体制から選びます。
専任を置けないなら、専任が必要な道具は入れられません。
試せる条件で契約する
最初から長期の契約を結ばず、限定した範囲で試します。試した結果で、広げるか止めるかを決めます。
誰が画面を作り、誰が維持するのか
作るのは外部に任せられますが、維持は自社で行う必要があります。
維持の担当を決めずに導入すると、半年で内容が古くなります。
画面は作って終わりではありません。
維持で発生する作業
指標の追加と削除、定義の変更への対応、接続の障害への対処。
これらが継続的に発生します。
維持の担当を決める
誰が、どの頻度で、何を確認するか。
決めていないと、表示が誤っていても気づかれません。
導入後に発生する作業を、項目ごとに見ていきます。
表示の内容の確認については、頻度は週次、担当はマーケティング。
接続の状態の確認については、頻度は週次、担当は情報システム。
指標の追加と削除の対応については、頻度は随時、担当はマーケティング。
利用者からの問い合わせについては、頻度は随時、担当はマーケティング。
権限の管理については、頻度は随時、担当は情報システム。
使われていない画面の整理については、頻度は半期、担当はマーケティング。
外部に任せられる範囲
接続の構築と、画面の初期の制作は外部に任せられます。
何を表示するかの決定と、日々の維持は自社で行います。
作った人が異動したら
設定と構成を文書に残していないと、異動で維持できなくなります。引き継ぎの資料を、導入の作業に含めます。
導入の効果は、何で判断するのか
集計にかかっていた工数の削減と、判断の速さで判断します。
閲覧の回数を効果とすると、見ているだけの状態を評価することになります。
導入の効果を、何で測るかを先に決めます。
削減された工数で測る
導入前に、月次の報告作成に何時間かかっていたか。
導入後に何時間になったか。
この差が、最も分かりやすい効果になります。
判断の速さで測る
数字を見てから判断するまでの期間。
月次の報告を待たないと判断できなかったものが、週次でできるようになったか。
導入効果を確かめる観点を、項目ごとに見ていきます。
報告作成の工数については、導入前の測定は作業時間を記録する、導入後の比較は同じ作業の時間。
数字を得るまでの日数については、導入前の測定は依頼から入手までの日数、導入後の比較は画面で見られる時間。
判断までの期間については、導入前の測定は数字を見てから決めるまで、導入後の比較は同じ期間。
問い合わせの件数については、導入前の測定は数字を尋ねる件数、導入後の比較は減った件数。
手作業の集計の回数については、導入前の測定は月あたりの回数、導入後の比較は減った回数。
閲覧の回数で測らない
画面を見た回数は、判断に使われたことを意味しません。
見ているだけの状態も、回数としては計上されます。
効果が出なかった場合の判断
一定期間後に効果が確認できなければ、原因を確かめます。画面の内容が合っていないのか、そもそも判断の材料として不要だったのか。
導入の検討で、判断を誤りやすいところ
製品の機能の多さで選ぶことです。
使わない機能に費用を払い、運用が複雑になります。
比較検討の段階で起きやすい誤りを整理します。
機能の多さで選ぶ
機能の一覧を比べると、多いほうが優れて見えます。
実際に使うのは、そのうちの一部です。
他社の事例をそのまま当てる
他社が使っている道具が、自社に合うとは限りません。
利用者の人数、データの量、技術の体制が違います。
選定で起きやすい誤りを、項目ごとに見ていきます。
機能の多さで選ぶについては、起きることは使わない機能に費用を払う、対処は必要な機能を先に列挙する。
利用料だけで比較するについては、起きることは総額を見誤る、対処は構築と運用の費用を含める。
他社の事例で決めるについては、起きることは自社の条件と合わない、対処は自社の利用者数と体制で判断。
定義を後回しにするについては、起きることは導入後に数字が食い違う、対処は導入前に定義を揃える。
全社への展開を前提にするについては、起きることは合意に時間がかかる、対処は一部門で試す。
データの取り扱いの確認
顧客に関わるデータを扱う場合、保管の場所と管理の方法を確認します。
要件は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
導入を目的にしない
道具を入れること自体が目標になると、使われなくても成功として報告されます。効果の測り方を、導入の前に決めます。
導入の検討を、どう組み立てるか
いまの報告作成にかかっている工数を測ることからです。
その工数が、投資の上限を決めます。
製品の比較の前に、現状を測ります。
導入の検討を進める手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは月次の報告作成にかかる工数を記録する、期間の目安は4週間。
2については、やることは報告を見ている人と、使った判断を洗い出す、期間の目安は2週間。
3については、やることは見る人ごとに必要な指標を3つずつ決める、期間の目安は2週間。
4については、やることは指標の定義のずれを洗い出して揃える、期間の目安は4週間。
5については、やることは必要な機能を列挙して製品を比較する、期間の目安は3週間。
6については、やることは限定した範囲で試し、効果を確認する、期間の目安は8週間。
工数の記録を省略しない
現状の工数が分からないと、投資の上限が決まりません。
削減できる工数の金額が、費用の上限になります。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
月次の報告作成に40時間かかっていて、時間あたりの費用が5,000円なら、月20万円の作業をしていることになります。
導入の判断に使う数字を、項目ごとに見ていきます。
報告作成の工数については、見る頻度は毎月、使いどころは投資の上限。
数字を尋ねる問い合わせの件数については、見る頻度は毎月、使いどころは情報への需要。
定義が揃っていない指標の数については、見る頻度は導入前、使いどころは整備の作業量。
試行での利用者の数については、見る頻度は試行期間、使いどころは定着の見込み。
削減された工数については、見る頻度は導入後の毎月、使いどころは効果の確認。
試行の範囲を限定する
全社に一度に展開せず、一部門で試します。
その部門で使われなければ、全社でも使われません。
使われなかったときの撤退を決めておく
一定期間使われなければ、解約するという条件を先に決めます。
決めておかないと、使われないまま契約が続きます。
分析の道具を入れるかどうかで判断に迷う場合は、無料相談で現状の報告の作り方を一緒に見てもらうところから始められます。報告と測定の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
導入の前に何を決めておくべきですか
見る人、見る頻度、その数字で何を決めるかの三つです。この三つが決まれば必要な機能も絞られます。判断が思いつかない数字は画面に載せません。見ていて安心する数字と、判断に使う数字は違います。
費用は利用料だけで判断してよいですか
製品の利用料に加えて、データの接続の構築、画面の設計、定義を揃える作業、運用の工数がかかります。特に定義を揃える作業は最も見落とされますが、技術的な接続より時間がかかります。
定義を揃える作業にはどれくらいかかりますか
関係する部門の数によりますが、技術の作業より長くかかります。コンバージョン数や受注件数、売上の計算方法が部門で違うことがあります。どちらが正しいかの議論になった場合、用途ごとに別の指標として持つ判断もあります。
製品はどう選べばよいですか
機能の多さではなく、利用者の人数、データの量、自社で維持できる体制から選びます。専任を置けないなら、専任が必要な道具は入れられません。最初から長期契約を結ばず、限定した範囲で試せる条件にします。
導入の効果は何で測りますか
集計にかかっていた工数の削減と、判断までの期間の短縮で測ります。閲覧の回数を効果とすると、見ているだけの状態を評価することになります。導入前に現状の工数を記録しておかないと、比較ができません。
まとめ
- 道具の比較は進みますが、何を見るかが決まらないままだからです。導入した後に、何を表示すればよいかの議論が始まります
- 見る人、見る頻度、その数字で何を決めるかの三つです。この三つが決まれば、必要な機能も自然に絞られます
- 技術的な接続より時間がかかります。関係する部門が多いほど、合意までの期間が延びます
- 利用者の人数と、扱うデータの量で決まります。小規模で足りる場合に大きな仕組みを入れると、運用が回りません
- 作るのは外部に任せられますが、維持は自社で行う必要があります。維持の担当を決めずに導入すると、半年で内容が古くなります
- 集計にかかっていた工数の削減と、判断の速さで判断します。閲覧の回数を効果とすると、見ているだけの状態を評価することになります
- 製品の機能の多さで選ぶことです。使わない機能に費用を払い、運用が複雑になります
- いまの報告作成にかかっている工数を測ることからです。その工数が、投資の上限を決めます