
成果の一部だけが記録され、残りが評価の外に置かれるからです。
記録された成果だけで配分を決めると、記録されない側の貢献が削られます。
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目次
目次
- オンラインで完結しない事業で、広告の評価が歪むのはなぜか
- 途中の成果で評価すると、何が起きるか
- つなぐ価値が高いのは、どの部分か
- 受注率の差を先に確かめる
- どこまでつなぐかの水準を、どう決めるのか
- 商談までつなぐ
- つなぐと決めたとき、誰の作業が増えるのか
- 入力の負担を見積もる
- 店舗や電話が絡む場合、何が追加で要るのか
- 識別の手段を決める
- つないだ情報を、どの判断に使うのか
- 経路別の配分に使う
- オフラインをつなぐ取り組みで、過剰になりやすいところ
- 完全性を目指すと費用が合わない
- オフラインの成果をつなぐ検討を、どこから始めるか
- 手作業の段階で判断が出ることがある
- よくある質問
- まとめ
成果の一部だけが記録され、残りが評価の外に置かれるからです。
記録された成果だけで配分を決めると、記録されない側の貢献が削られます。
オンラインで完結しない事業で、広告の評価が歪むのはなぜか
成果の一部だけが記録され、残りが評価の外に置かれるからです。
記録された成果だけで配分を決めると、記録されない側の貢献が削られます。
最終的な成果が、オンライン上で発生しない事業があります。
商談を経て受注する法人向けの事業、店舗で契約する事業、電話や訪問で決まる事業。
この場合、広告の評価は問い合わせや資料請求までで止まります。
途中の成果で評価すると、何が起きるか
問い合わせの件数で広告を評価すると、件数が取りやすい配信が良く見えます。
その問い合わせが受注につながっているかは、評価に入っていません。
件数は多いが受注しない経路と、件数は少ないが受注する経路が、同じように扱われます。
配分が、件数の取りやすさに寄る
評価の指標が件数なら、配分は件数の多い側に寄ります。
この配分を続けると、売上は伸びないのに問い合わせだけが増えます。
記録される範囲と、評価の歪み
| 事業の形 | 記録される成果 | 記録されない成果 |
|---|---|---|
| 法人向けの商談型 | 問い合わせと資料請求 | 商談の進行と受注 |
| 店舗での契約 | 来店の予約 | 来店と契約 |
| 電話での申込 | 電話の発信 | 通話の内容と成約 |
| 訪問での契約 | 訪問の依頼 | 訪問の結果 |
| 代理店経由の販売 | 問い合わせ | 販売店での成約 |
つなぐ作業には費用がかかる
オフラインの成果を記録に戻す作業には、仕組みと運用の費用がかかります。だから、どこまでつなぐかは投資の判断になります。
つなぐ価値が高いのは、どの部分か
経路によって受注率が大きく違う部分です。
どの経路も受注率が同じなら、つないでも配分は変わりません。
すべての成果をつなぐ必要はありません。
つないだ結果、配分が変わる部分だけに投資します。
受注率の差を先に確かめる
営業の記録から、流入経路別の受注率を手作業で出します。
経路によって差がなければ、つなぐ仕組みへの投資は後回しにできます。
差が大きい場合
経路によって受注率が2倍違うなら、件数での評価は誤った配分を生んでいます。
この場合は、つなぐ投資の効果が大きくなります。
つなぐ優先度の判断
| 確認すること | 差が小さい場合 | 差が大きい場合 |
|---|---|---|
| 経路別の受注率 | つなぐ優先度は低い | つなぐ優先度は高い |
| 経路別の受注単価 | 件数での評価で足りる | 金額での評価が要る |
| 経路別の商談化率 | 中間の指標で足りる | 商談までつなぐ価値がある |
| 経路別の継続期間 | 初回の受注で足りる | 継続まで見る価値がある |
| 経路ごとの件数の規模 | 小さい経路は後回し | 規模の大きい経路から |
手作業でまず確かめる
仕組みを作る前に、数十件の案件を手で辿って受注率を出します。
この作業で、投資の必要性が判断できます。
差がない場合の判断
経路による差がないなら、つなぐ仕組みへの投資は見送れます。見送る判断も、記録に残します。
どこまでつなぐかの水準を、どう決めるのか
商談までか、受注までか、継続までかの三段階で考えます。
段階が深くなるほど費用がかかり、判断に使えるまでの期間も延びます。
つなぐ深さには段階があります。
商談までつなぐ
問い合わせが商談になったかを記録に戻します。
比較的短い期間で結果が出るので、運用の負荷が小さくなります。
受注までつなぐ
受注したかどうかを記録に戻します。
検討期間が長い事業では、結果が出るまでに数か月かかります。
継続までつなぐ
契約が継続したか、追加の取引があったかまで戻します。
最も価値の高い情報ですが、判断に使えるまでに1年以上かかります。
つなぐ深さと、必要な条件
| 深さ | 戻す情報 | 判断に使えるまで |
|---|---|---|
| 商談まで | 商談化したか | 数週間 |
| 受注まで | 受注したか | 数か月 |
| 受注金額まで | 金額の情報 | 数か月 |
| 継続まで | 継続と追加の取引 | 1年以上 |
| 利益まで | 収益性の情報 | 1年以上 |
検討期間の長さで決める
検討期間が長い事業では、受注までつないでも、その情報が使えるようになるのは数か月後です。
それでも、期をまたいだ配分の判断には使えます。
途中で止める判断
すべてを継続までつなぐ必要はありません。規模の大きい経路だけ深くつなぎ、小さい経路は商談までで止める形が取れます。
つなぐと決めたとき、誰の作業が増えるのか
営業側の記録の入力が増えます。
この負担を織り込まずに始めると、記録が入らず仕組みが動きません。
オフラインの成果を戻すには、営業側の記録が要ります。
入力の負担を見積もる
案件ごとに、どの項目を入力してもらうか。
項目が多いほど、入力されなくなります。
入力の動機を作る
営業にとって、入力は自分の成果にならない作業です。
入力した結果がどう使われるかを説明し、営業側にも返る情報を用意します。
営業側に求める記録と、負担
| 記録する項目 | 入力の手間 | 代替できるか |
|---|---|---|
| 流入の経路 | システムで自動化できる場合がある | 自動化を優先する |
| 商談化したか | 小さい | 既存の項目で代替できることがある |
| 受注したか | 小さい | 既存の記録から取れる |
| 受注金額 | 小さい | 既存の記録から取れる |
| 失注の理由 | 大きい | 選択肢にして簡略化する |
自動で取れる部分を先に自動化する
流入経路の記録は、問い合わせの時点で自動的に付与できる場合があります。
営業に手入力させる項目を減らすほど、記録が続きます。
営業の評価と結びつけない
記録の入力率を営業の評価に入れると、形式的な入力が増えます。数字の質が落ちます。
店舗や電話が絡む場合、何が追加で要るのか
オンラインとオフラインの接点を結びつける識別の手段が要ります。
識別の手段を決めるのは、計測の担当ではなく事業の責任者です。
来店や電話が成果の中心にある事業では、追加の設計が必要になります。
識別の手段を決める
来店時に何を持参してもらうか、電話で何を聞くか。
この設計は、顧客の体験に影響します。
顧客の手間を増やさない範囲で決める
識別のために顧客に手間をかけさせると、来店や通話そのものが減ります。
計測のために成果を減らすのは、本末転倒になります。
オフラインの接点をつなぐ手段を、項目ごとに見ていきます。
来店については、つなぐ手段の例は予約の識別情報、顧客の手間は予約時に完結する。
電話については、つなぐ手段の例は受付時の聞き取り、顧客の手間は通話が少し長くなる。
訪問については、つなぐ手段の例は問い合わせ時の情報、顧客の手間は手間はない。
店舗での契約については、つなぐ手段の例は申込時の記入、顧客の手間は記入が増える。
イベントについては、つなぐ手段の例は受付時の情報、顧客の手間は受付が少し長くなる。
取得する情報の扱いを決める
来店や通話の記録には、個人に関する情報が含まれます。
取得の目的、保管の期間、利用の範囲を先に決めます。
要件は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
完全な把握を目指さない
すべての来店や通話を識別するのは現実的ではありません。一部を識別して、そこから全体を推定する形で足りる場合があります。
つないだ情報を、どの判断に使うのか
経路別の予算配分と、目標の設定に使います。
個別の案件の評価には使いません。
つないだ情報の使い道を、先に決めておきます。
経路別の配分に使う
経路ごとの受注率と受注単価が分かれば、件数ではなく金額で配分を判断できます。
これが、つなぐことの主な目的になります。
目標の設定に使う
経路別の受注率が分かれば、必要な問い合わせ件数を逆算できます。
経路ごとに違う目標を置けるようになります。
つないだ情報の使い道を、項目ごとに見ていきます。
経路別の予算配分については、使う情報は経路別の受注率と単価、判断する人はマーケティング責任者。
目標の設定については、使う情報は経路別の転換率、判断する人はマーケティング責任者。
媒体の取捨については、使う情報は経路別の受注金額、判断する人はマーケティング責任者。
訴求の見直しについては、使う情報は受注した層の特徴、判断する人はマーケティング担当。
営業の配分については、使う情報は経路別の案件の質、判断する人は営業責任者。
個別の案件の評価に使わない
特定の案件がどの経路から来たかを、営業の評価に使うと、記録が歪みます。
集計としてのみ使う方針を共有します。
配信の自動化に使う場合
媒体側の自動化の仕組みに、オフラインの成果を戻す形もあります。その場合は、戻す成果の定義を固定します。定義が期中に変わると、配信の挙動が変わります。
オフラインをつなぐ取り組みで、過剰になりやすいところ
全案件の完全な追跡を目指すことです。
一部の追跡で配分の判断ができるなら、そこで止めます。
つなぐ作業は、際限なく精緻にできます。
完全性を目指すと費用が合わない
全案件の全経路を追跡する仕組みは、構築も運用も高くつきます。
一方で、配分の判断に必要な精度は、それほど高くありません。
一部の追跡で足りる場合
規模の大きい経路だけを追跡し、残りは推定で扱う。
この形で、配分の判断はできます。
過剰になりやすい設計と、代替を、項目ごとに見ていきます。
全案件の完全な追跡については、代替は規模の大きい経路のみ、判断の違いはほぼ変わらない。
継続まで全件つなぐについては、代替は主要な経路のみ継続まで、判断の違いはほぼ変わらない。
リアルタイムの反映については、代替は月次の反映、判断の違いは配分の判断には十分。
個別案件の経路の特定については、代替は集計としての把握、判断の違いは評価には集計で足りる。
すべての接点の記録については、代替は成果に近い接点のみ、判断の違いは判断には十分。
仕組みの導入を、目的と切り離さない
つなぐための仕組みの検討が先行すると、何のためにつなぐのかが曖昧になります。
配分のどの判断を変えたいのかを、先に書きます。
外部への委託の範囲
仕組みの構築は外部に委託できます。何をどこまでつなぐかの判断は、自社で決めます。
オフラインの成果をつなぐ検討を、どこから始めるか
数十件の案件を手作業で辿ることからです。
経路によって受注率が違うかどうかが、投資の要否を決めます。
仕組みの検討より先に、差があるかを確かめます。
つなぐ範囲を決める進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは直近の受注案件50件の流入経路を手で辿る、期間の目安は3週間。
2については、やることは同じ期間の問い合わせ件数と突き合わせる、期間の目安は1週間。
3については、やることは経路別の受注率と受注単価を出す、期間の目安は1週間。
4については、やることは差が大きい経路を特定する、期間の目安は1週間。
5については、やることはどの深さまでつなぐかを決める、期間の目安は2週間。
6については、やることは営業側の入力項目を決め、運用を試す、期間の目安は4週間。
手作業の段階で判断が出ることがある
50件を辿った結果、経路による差がほとんどない場合があります。
その場合、仕組みへの投資は見送れます。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
問い合わせ100件のうち、A経路が60件で受注8件、B経路が40件で受注12件なら、件数で配分を決めていた判断が誤っていたことになります。
つなぐ運用を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
経路が記録された案件の割合については、見る頻度は毎月、使いどころは運用の定着。
経路別の受注率については、見る頻度は四半期、使いどころは配分の判断。
経路別の受注単価については、見る頻度は四半期、使いどころは金額での評価。
記録の入力にかかる時間については、見る頻度は半期、使いどころは営業側の負担。
つなぐ仕組みの運用費用については、見る頻度は半期、使いどころは投資の妥当性。
入力率が下がったら、項目を減らす
記録の入力率は、時間とともに下がります。
下がったときは、項目が多すぎる可能性を先に疑います。
経路の分類を細かくしすぎない
経路を細かく分けると、一つあたりの件数が減り、受注率が振れます。
配分の判断に使える粒度まで、まとめます。
オフラインの成果をどこまでつなぐかで判断に迷う場合は、無料相談で現状の案件の流れを一緒に見てもらうところから始められます。評価の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
オフラインの成果は、必ずつないだほうがよいですか
経路によって受注率が違う場合に価値があります。どの経路も受注率が同じなら、つないでも配分は変わりません。仕組みを作る前に、数十件の案件を手作業で辿って差の有無を確かめます。
どこまでつなげばよいですか
商談まで、受注まで、継続までの三段階で考えます。深くなるほど費用がかかり、判断に使えるまでの期間も延びます。規模の大きい経路だけ深くつなぎ、小さい経路は商談までで止める形も取れます。
営業に入力してもらう項目は、どう決めますか
自動で取れる部分を先に自動化し、手入力の項目を最小限にします。流入経路は問い合わせの時点で自動付与できる場合があります。入力率を営業の評価に入れると、形式的な入力が増えて数字の質が落ちます。
来店や電話の計測で気をつけることはありますか
識別のために顧客の手間を増やすと、来店や通話そのものが減ります。計測のために成果を減らさない範囲で手段を決めます。取得する情報の目的、保管期間、利用範囲は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
つないだ情報は何に使いますか
経路別の予算配分と、目標の設定に使います。個別の案件がどの経路から来たかを営業の評価に使うと、記録が歪みます。集計としてのみ使う方針を、先に社内で共有しておきます。
まとめ
- 成果の一部だけが記録され、残りが評価の外に置かれるからです。記録された成果だけで配分を決めると、記録されない側の貢献が削られます
- 経路によって受注率が大きく違う部分です。どの経路も受注率が同じなら、つないでも配分は変わりません
- 商談までか、受注までか、継続までかの三段階で考えます。段階が深くなるほど費用がかかり、判断に使えるまでの期間も延びます
- 営業側の記録の入力が増えます。この負担を織り込まずに始めると、記録が入らず仕組みが動きません
- オンラインとオフラインの接点を結びつける識別の手段が要ります。識別の手段を決めるのは、計測の担当ではなく事業の責任者です
- 経路別の予算配分と、目標の設定に使います。個別の案件の評価には使いません
- 全案件の完全な追跡を目指すことです。一部の追跡で配分の判断ができるなら、そこで止めます
- 数十件の案件を手作業で辿ることからです。経路によって受注率が違うかどうかが、投資の要否を決めます