
異常ではありません。
両者は違う定義で違う対象を数えているので、一致するほうが不自然です。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- 媒体の管理画面と自社の集計が一致しないのは、異常なのか
- 数える主体が違う
- 差の大きさは、どの程度なら許容するのか
- 過去の実績から幅を作る
- どちらの数字を、社内の正とするのか
- 事業の判断には自社の数字を使う
- 媒体の統合や仕様の変更が、差にどう効くのか
- 統合による変更
- 同意の取り方が、差にどう効くのか
- 自社側の記録が減る
- 差の説明を、社内でどう組み立てるのか
- 報告の形式に組み込む
- 差をめぐる議論で、時間を失いやすいところ
- 正誤の議論にしない
- 数字の食い違いへの備えを、どう整えるか
- 変更の履歴を一か所にまとめる
- よくある質問
- まとめ
異常ではありません。
両者は違う定義で違う対象を数えているので、一致するほうが不自然です。
媒体の管理画面と自社の集計が一致しないのは、異常なのか
異常ではありません。
両者は違う定義で違う対象を数えているので、一致するほうが不自然です。
広告の報告を受け取ると、媒体が申告した数字と、自社の集計の数字が並びます。
その二つが合わないという指摘は、毎月のように出ます。
この差は、設定の誤りではなく、数え方の違いから生まれます。
数える主体が違う
媒体は、自社の広告に接触した人の行動を数えています。
自社の計測は、サイトに来た人の行動を数えています。
出発点が違うので、同じ数にはなりません。
帰属の考え方が違う
媒体は、自社の広告に触れた成果を自社のものとして数えます。
複数の媒体に出稿していれば、同じ1件を複数の媒体が計上します。
自社の集計では、1件は1件です。
数字が違う理由の分類
| 差の原因 | 媒体側の考え方 | 自社側の考え方 |
|---|---|---|
| 数える主体 | 広告に接触した人 | サイトに来た人 |
| 帰属の期間 | 接触から一定期間内 | 最後の流入を基準にすることが多い |
| 複数媒体の重複 | それぞれが計上 | 1件として数える |
| 接触の種類 | 表示のみでも計上する場合がある | 流入がなければ数えない |
| 計測の欠損 | 媒体側で補完される場合がある | 欠損はそのまま残る |
差があること自体は問題ではない
問題になるのは、差の大きさが月によって変わるときです。安定した差なら、構造的な違いとして扱えます。急に差が広がったなら、何かが壊れています。
差の大きさは、どの程度なら許容するのか
自社で過去の実績から幅を決めます。
一般的な基準はないので、自社の数字の動きから範囲を作ります。
何パーセントまでなら正常か、という問いに一般的な答えはありません。
過去の実績から幅を作る
過去12か月について、媒体の数字と自社の数字の比率を並べます。
その比率がどの範囲で動いていたかが、自社の正常の範囲になります。
媒体ごとに幅が違う
媒体によって、帰属の期間や計上の条件が違います。
同じ許容幅をすべての媒体に当てると、判断を誤ります。
差の幅を管理する単位
| 管理の単位 | 比率を出す対象 | 確認の頻度 |
|---|---|---|
| 媒体ごと | 媒体の申告と自社の集計 | 月次 |
| キャンペーンの種類ごと | 検索と表示と動画で分ける | 月次 |
| デバイスごと | 端末の種類で分ける | 四半期 |
| 期間ごと | 月次の比率の推移 | 月次 |
| コンバージョンの種類ごと | 問い合わせと資料請求で分ける | 月次 |
幅を超えたときに何をするか
幅を超えたら、まず自社の計測を疑います。
媒体側の仕様変更の告知も確認します。
両方に問題がなければ、配信の構成が変わった可能性を見ます。
幅の記録を残す
正常の範囲を文書に残します。残さないと、担当が変わるたびに議論が最初からやり直しになります。
どちらの数字を、社内の正とするのか
自社の集計を正とします。
媒体の数字は媒体ごとの最適化に使い、事業の判断には使いません。
二つの数字がある以上、どちらを社内の正とするかを決める必要があります。
事業の判断には自社の数字を使う
複数の媒体の数字を足すと、重複した成果が含まれます。
その合計と実際の受注件数を比べると、合いません。
予算の配分や目標の達成の判断には、自社の集計を使います。
媒体の数字は媒体内の判断に使う
同じ媒体の中で、どの配信構成が良いかを比べるときは、媒体の数字が使えます。
条件が揃っているので、相対的な比較としては成立します。
数字の使い分け
| 判断の内容 | 使う数字 | 理由 |
|---|---|---|
| 全体の予算配分 | 自社の集計 | 重複を含まない |
| 目標の達成の評価 | 自社の集計 | 事業の記録と接続できる |
| 媒体間の比較 | 自社の集計 | 同じ定義で比べられる |
| 媒体内の構成の比較 | 媒体の数字 | 条件が揃っている |
| 入札の調整 | 媒体の数字 | 媒体の仕組みが使う数字 |
| 経営への報告 | 自社の集計 | 事業の数字と整合する |
代理店の報告の形式を揃える
代理店の報告が媒体の数字だけで構成されていると、合計が実態と合いません。
自社の集計と並べる形式を、契約の段階で決めます。
決めた方針を文書にする
どの数字を正とするかは、部門をまたぐ取り決めです。文書にしないと、会議のたびに議論が起きます。
媒体の統合や仕様の変更が、差にどう効くのか
帰属の条件が変われば、差の大きさも変わります。
仕様変更の告知を見落とすと、差の拡大を計測の故障と誤認します。
媒体側の変更は、予告されても見落とされます。
統合による変更
LINEヤフーは2025年9月25日に広告の統合を発表し、2026年4月1日にリリースしました。
基盤はYahoo!広告ディスプレイ広告で、LINE広告のみを利用していた企業はYahoo!の計測タグの新規設置が必須とされています。
この種の統合では、計測の仕組み自体が入れ替わります。
移行の前後で、数字の比較ができなくなる期間が生じます。
自動での移行
Googleは自動作成アセットとキャンペーンレベル部分一致について、2026年9月に自動アップグレードを行うとしています。
自動で変わる範囲は、自社が何もしなくても構成が変わります。
媒体側の変更と、差への影響
| 変更の種類 | 差への影響 | 確認すること |
|---|---|---|
| 計測の仕組みの入れ替え | 移行前後で比較不能 | 移行の期日と必要な作業 |
| 帰属の条件の変更 | 差の幅が変わる | 変更前の幅を記録しておく |
| 配信の自動アップグレード | 配信構成が変わる | 対象のキャンペーン |
| 新規作成の停止 | 既存の構成が残る | 代替の構成への移行時期 |
| 計上の条件の変更 | 数字の水準が変わる | 告知の内容 |
告知を追う担当を決める
媒体の告知を誰が確認するかを決めます。
代理店に任せている場合でも、自社に伝わる経路が要ります。
変更の履歴を記録する
いつ何が変わったかを記録しておくと、差の変化の原因が特定できます。
同意の取り方が、差にどう効くのか
記録できる範囲が変わるため、自社側の数字が減る方向に動きます。
媒体側は独自の補完を行うことがあり、差が広がります。
利用者の同意の状態によって、記録できる範囲が変わります。
自社側の記録が減る
同意が得られない場合、自社の計測に残らない行動が増えます。
媒体側では、別の仕組みで成果を推定していることがあります。
設定の判断が、数字の水準を決める
GA4では2026年6月15日より、広告データ共有の可否は同意モードのad_storageのみで決まる形になりました。
同意モードを実装していない場合、ad_storageは既定でgrantedとして扱われます。
この設定をどうするかは、計測の担当者が単独で決める事柄ではありません。
同意の設定に関わる判断を、項目ごとに見ていきます。
同意の取り方の方式については、判断する人は法務と事業責任者、影響は記録できる範囲。
同意モードの実装については、判断する人は事業責任者、影響は広告データ共有の可否。
取得したデータの利用範囲については、判断する人は法務、影響は活用できる施策。
保管と削除の方針については、判断する人は法務と情報システム、影響は保有期間。
委託先との取り決めについては、判断する人は法務と調達、影響は外部での扱い。
制度に関わる判断の進め方
取得と利用に関わる要件は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
業界に固有の規定がある場合は、業界団体の案内も併せて確認します。
設定を変えたら、比較の基準も変える
同意の取り方を変えると、前後の数字が比較できなくなります。変更の時期を記録し、その前後をまたぐ比較をしない運用にします。
差の説明を、社内でどう組み立てるのか
毎月同じ形式で、差の大きさと理由を並べます。
説明の形式を固定すると、差そのものが議論の的にならなくなります。
差を説明する場面は、毎月訪れます。
報告の形式に組み込む
媒体の数字、自社の数字、差の比率。
この三つを毎月同じ形で並べます。
差が正常の範囲内かどうかを、その場で示します。
説明の担当を決める
差の説明を誰がするかを決めます。
代理店が説明する場合でも、自社側で内容を理解している人が要ります。
差の説明に含める項目を、項目ごとに見ていきます。
媒体の申告値については、内容は媒体ごとの数字、頻度は月次。
自社の集計値については、内容は自社の定義での数字、頻度は月次。
差の比率については、内容は過去の幅との比較、頻度は月次。
幅を超えた場合の原因については、内容は調査の結果、頻度は該当時。
変更の履歴については、内容は媒体と自社の変更、頻度は該当時。
経営に説明するときの言い方
媒体の数字と自社の数字が違うことを、故障として説明しません。
数え方が違うこと、事業の判断には自社の数字を使うこと。
この二点を、毎回同じ言い方で伝えます。
差を埋めようとしない
二つの数字を一致させることは、目的になりません。差の大きさが安定しているかを見ます。
差をめぐる議論で、時間を失いやすいところ
どちらが正しいかを決めようとすることです。
どちらも、それぞれの定義では正しい数字です。
差の議論は、放置すると長引きます。
正誤の議論にしない
媒体の数字が水増しされている、という前提で議論が始まることがあります。
定義が違うだけで、誤りではありません。
この前提を共有しないと、毎回同じ議論に戻ります。
差を減らす作業に投資しすぎない
計測の精度を上げれば差は縮まりますが、ゼロにはなりません。
どこまで投資するかは、差が判断に与える影響の大きさで決めます。
差の扱いで時間を失う場面を、項目ごとに見ていきます。
正誤の議論については、起きることは結論が出ない、避け方は定義の違いとして共有する。
一致を目指す投資については、起きることは費用が青天井になる、避け方は差が判断に与える影響で決める。
毎月の原因調査については、起きることは担当の時間が消える、避け方は正常の幅を決めておく。
媒体ごとの個別対応については、起きることは管理が煩雑になる、避け方は媒体ごとに幅を設定する。
代理店への追及については、起きることは関係が悪化する、避け方は報告の形式を契約で決める。
代理店との関係に持ち込まない
差の存在を代理店の問題として扱うと、関係が悪くなります。Testifyが2026年5月に実施した調査では、マーケティング責任者の不満として成果不振の説明不足が53.1%を占めていました。説明を求めること自体は妥当ですが、差の構造は代理店が作ったものではありません。
数字の食い違いへの備えを、どう整えるか
過去12か月の比率を並べ、正常の幅を決めることからです。
幅が決まれば、毎月の議論は幅の内側か外側かの確認で済みます。
差そのものをなくすのではなく、扱い方を決めます。
食い違いへの備えを作る手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去12か月の媒体値と自社値の比率を媒体別に出す、期間の目安は2週間。
2については、やることは比率の変動範囲を媒体ごとに記録する、期間の目安は1週間。
3については、やることはどちらを社内の正とするかを決めて文書化する、期間の目安は2週間。
4については、やることは月次報告の形式に差の項目を組み込む、期間の目安は2週間。
5については、やることは媒体の告知を確認する担当を決める、期間の目安は1週間。
6については、やることは変更の履歴を残す記録の場所を決める、期間の目安は1週間。
変更の履歴を一か所にまとめる
自社のサイトの改修、計測の設定変更、媒体の仕様変更。
これらを同じ記録に集約しておくと、差の変化と照合できます。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
媒体の申告が月150件、自社の集計が120件なら、比率は0.8です。
この比率が0.75から0.85の間で動いていたなら、そこが正常の幅になります。
差の管理に使う数字を、項目ごとに見ていきます。
媒体値と自社値の比率については、見る頻度は毎月、使いどころは正常の幅の内側か。
比率の変動幅については、見る頻度は四半期、使いどころは幅の見直し。
幅を超えた月の件数については、見る頻度は半期、使いどころは計測の安定性。
媒体の仕様変更の件数については、見る頻度は四半期、使いどころは変更の追跡。
差の説明に要した時間については、見る頻度は四半期、使いどころは運用の負荷。
幅は半年ごとに見直す
配信の構成や媒体の仕様が変われば、正常の幅も変わります。
固定したまま使い続けると、正常な変化を異常と判定します。
新しい媒体は幅が決まるまで別扱いにする
出稿を始めたばかりの媒体は、比率の実績がありません。
数か月の実績がたまるまで、幅の判定の対象から外します。
媒体の数字と自社の数字の扱いで判断に迷う場合は、無料相談で現状の集計を一緒に見てもらうところから始められます。報告と測定の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
媒体の数字と自社の数字は、一致するはずのものですか
一致しません。媒体は広告に接触した人を数え、自社はサイトに来た人を数えています。複数媒体に出稿していれば、同じ1件を複数の媒体が計上します。差があること自体は問題ではなく、差の大きさが月によって急に変わるときが問題です。
どちらを社内の正とすればよいですか
予算配分や目標の評価といった事業の判断には、自社の集計を使います。媒体の数字は、同じ媒体の中で配信構成を比べるときに使います。どちらを正とするかは部門をまたぐ取り決めなので、文書にしておきます。
差は何パーセントまでなら正常ですか
一般的な基準はありません。過去12か月の比率を媒体ごとに並べ、その変動範囲を自社の正常の幅とします。媒体によって帰属の条件が違うため、同じ許容幅をすべての媒体に当てると判断を誤ります。
差が急に広がったときは何を疑いますか
まず自社の計測を疑い、次に媒体側の仕様変更の告知を確認します。両方に問題がなければ、配信の構成が変わった可能性を見ます。自社のサイト改修と計測設定の変更、媒体の変更を同じ記録にまとめておくと、原因の特定が早くなります。
差をなくすことはできますか
ゼロにはなりません。精度を上げれば縮まりますが、定義の違いは残ります。一致を目指すと費用が青天井になるので、差が判断に与える影響の大きさで投資の範囲を決めます。
まとめ
- 異常ではありません。両者は違う定義で違う対象を数えているので、一致するほうが不自然です
- 自社で過去の実績から幅を決めます。一般的な基準はないので、自社の数字の動きから範囲を作ります
- 自社の集計を正とします。媒体の数字は媒体ごとの最適化に使い、事業の判断には使いません
- 帰属の条件が変われば、差の大きさも変わります。仕様変更の告知を見落とすと、差の拡大を計測の故障と誤認します
- 記録できる範囲が変わるため、自社側の数字が減る方向に動きます。媒体側は独自の補完を行うことがあり、差が広がります
- 毎月同じ形式で、差の大きさと理由を並べます。説明の形式を固定すると、差そのものが議論の的にならなくなります
- どちらが正しいかを決めようとすることです。どちらも、それぞれの定義では正しい数字です
- 過去12か月の比率を並べ、正常の幅を決めることからです。幅が決まれば、毎月の議論は幅の内側か外側かの確認で済みます