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目次
目次
- 価格以外の理由が語られないのは、なぜか
- 違いがないのではなく、言葉がない
- 差別化の材料は、どこから見つけるのか
- 受注した顧客に聞く
- 見つけた要素を、どう言葉にするのか
- 条件で示す
- 差別化の要素は、いくつ持つのか
- 絞る理由
- 差が模倣された場合、どうするのか
- 模倣されやすい要素
- 訴求を切り替えるとき、何が必要になるのか
- 営業の説明を揃える
- 差別化の議論で、行き詰まるところ
- 独自の要素を探す
- 選ばれる理由づくりを、どう進めるか
- 聞き方を固定する
- よくある質問
- まとめ
理由が言葉になっていないからです。
提供している違いはあっても、顧客が社内で説明できる形になっていません。
価格以外の理由が語られないのは、なぜか
理由が言葉になっていないからです。
提供している違いはあっても、顧客が社内で説明できる形になっていません。
商談で価格の話ばかりになる。
この状態は、他に語れる材料がないことを示しています。
違いがないのではなく、言葉がない
実際には、対応の速さ、担当の質、運用の設計といった違いがあります。
しかしこれらは、提案の場で数値や条件として示されません。
示されなければ、顧客の社内では比較の材料になりません。
抽象的な言葉は比較できない
丁寧な対応、豊富な実績、高い品質。
これらの言葉は、どの会社も使います。
比較の軸として機能しません。
比較の材料になる言葉と、ならない言葉
| 表現 | 比較できるか | 改善の方向 |
|---|---|---|
| 丁寧な対応 | できない | 対応の時間や回数で示す |
| 豊富な実績 | できない | 業種別の件数で示す |
| 高い品質 | できない | 基準や条件で示す |
| 専門性が高い | できない | 担当の経験や資格で示す |
| 柔軟に対応 | できない | 対応できる範囲を示す |
顧客が社内で使える形にする
顧客は、社内の承認者に説明します。
そのとき使えるのは、条件や数字で示された違いです。
価格の議論を避ける話ではない
価格も比較の軸の一つです。問題は、他の軸が提示されていないために、価格だけで比べられることです。
差別化の材料は、どこから見つけるのか
受注した理由と、継続している理由から探します。
社内で考えた違いは、顧客が価値と感じているとは限りません。
差別化の材料は、内部の議論からは出てきません。
受注した顧客に聞く
なぜ自社を選んだのか。
比較した他社と、何が違ったのか。
この回答に、実際に効いている要素が含まれます。
継続している顧客に聞く
契約が続いている理由は、選んだ理由とは別の場合があります。
選ぶときには見えなかった価値が、使ってから分かることがあります。
材料を探す情報源
| 情報源 | 得られる内容 | 限界 |
|---|---|---|
| 受注した顧客への聞き取り | 選ばれた理由 | 後から作られた説明が混ざる |
| 継続している顧客への聞き取り | 使ってからの価値 | 選択時の理由とは別 |
| 失注した相手への聞き取り | 足りなかった要素 | 回答を得にくい |
| 解約した顧客への聞き取り | 失われた理由 | 回答を得にくい |
| 社内の議論 | 仮説 | 検証が必要 |
社内の議論は仮説にとどめる
社内で考えた違いは、顧客に確認するまで仮説です。
確認せずに訴求に使うと、伝わりません。
複数の顧客で共通する要素を探す
一人の顧客の回答は、その顧客固有の事情かもしれません。複数の顧客で共通する要素を、材料として採用します。
見つけた要素を、どう言葉にするのか
条件、数字、範囲のいずれかで示します。
形容詞で表現すると、他社と同じ言葉になります。
見つけた要素を、比較できる形に変換します。
条件で示す
どの条件のときに、何ができるのか。
対応できる範囲と、できない範囲を示します。
数字で示す
対応までの時間、担当の人数、実績の件数。
数字にすると、比較の材料になります。
範囲で示す
どこまでを含み、どこからは含まないのか。
範囲が明示されると、他社との違いが分かります。
言葉への変換の例
| 要素 | 形容詞での表現 | 比較できる表現 |
|---|---|---|
| 対応の速さ | 迅速な対応 | 問い合わせから返答までの時間 |
| 専門性 | 専門性が高い | 担当者の経験年数と担当分野 |
| 実績 | 豊富な実績 | 業種別の導入件数 |
| 対応範囲 | 柔軟に対応 | 対応できる条件の一覧 |
| 体制 | 万全の体制 | 担当の人数と役割 |
数字を出す場合の注意
出した数字は、達成できる水準にします。
達成できない数字を出すと、後で問題になります。
表示に関わる要件を確認する
効果や優位性の表示には、業種によって制約があります。要件は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
差別化の要素は、いくつ持つのか
二つか三つです。
それ以上並べると、どれも印象に残りません。
材料が見つかっても、全部を並べません。
絞る理由
提案の場で伝えられる情報の量には限りがあります。
多く並べると、どれも記憶に残りません。
選ぶ基準
顧客が価値を感じているか。
他社が同じことを言えないか。
自社が維持できるか。
この三つで選びます。
差別化の要素を選ぶ基準
| 基準 | 確認すること | 満たさない場合 |
|---|---|---|
| 顧客の価値 | 顧客が理由として挙げたか | 訴求しても伝わらない |
| 他社との差 | 他社が同じことを言えるか | 差別化にならない |
| 維持の可否 | 今後も維持できるか | 一時的な差にとどまる |
| 証明の可否 | 数字や条件で示せるか | 主張だけになる |
| 事業との整合 | 事業の方向と合うか | 後で矛盾が出る |
他社が同じことを言えるかを確認する
他社のサイトや資料を見て、同じ表現を使っていないか確認します。
使われていれば、差別化にはなりません。
維持できるかを確認する
一時的にしかできないことは、差別化の軸にしません。数年後も維持できるかを確認します。
差が模倣された場合、どうするのか
模倣されにくい要素に軸を移すか、水準で差を付けます。
模倣されること自体は、避けられません。
差別化の要素は、時間とともに模倣されます。
模倣されやすい要素
機能、価格体系、表現の仕方。
これらは比較的短期間で模倣されます。
模倣されにくい要素
蓄積した実績、組織の体制、顧客との関係。
これらは時間がかかるため、短期には模倣されません。
要素の性質と、模倣の速さを、項目ごとに見ていきます。
機能や仕様については、模倣の速さは速い、対処は次の要素を準備する。
価格の設定については、模倣の速さは速い、対処は他の軸を用意する。
表現や訴求については、模倣の速さは速い、対処は実体を伴わせる。
実績の蓄積については、模倣の速さは遅い、対処は継続して積む。
組織の体制については、模倣の速さは遅い、対処は維持に投資する。
顧客との関係については、模倣の速さは遅い、対処は接点を維持する。
次の軸を常に探す
現在の差別化の要素が模倣される前提で、次を探し続けます。
探し始めるのは、模倣されてからでは遅くなります。
水準で差を付ける
同じことをしていても、水準が違えば差になります。水準の差を、条件や数字で示します。
訴求を切り替えるとき、何が必要になるのか
社内の説明の統一と、既存の資料の更新です。
訴求だけを変えても、営業の説明が変わらなければ伝わりません。
差別化の軸を決めたら、社内に浸透させます。
営業の説明を揃える
営業ごとに違う説明をしていると、顧客側で一貫性が見えません。
何を、どう説明するかを揃えます。
資料を更新する
広告、サイト、提案書、事例。
すべての資料を更新しないと、古い訴求が残ります。
切り替えに必要な作業を、項目ごとに見ていきます。
広告の表現の更新については、対象は出稿中の広告、担当はマーケティング。
サイトの更新については、対象は主要なページ、担当はマーケティング。
提案書の更新については、対象は営業が使う資料、担当はマーケティングと営業。
営業の説明の統一については、対象は説明の内容、担当は営業責任者。
事例の見直しについては、対象は掲載中の事例、担当はマーケティング。
委託先への共有については、対象は代理店と制作先、担当はマーケティング。
切り替えの時期を決める
一斉に切り替えるか、段階的に移行するか。
中途半端に混在すると、どちらも伝わりません。
切り替え前の数字を残す
切り替えの効果を見るには、前の数字が必要です。切り替える前に、主要な数字を記録します。
差別化の議論で、行き詰まるところ
他社にない要素を探そうとすることです。
完全に独自の要素は多くの場合存在せず、組み合わせで差が出ます。
議論が進まない原因を整理します。
独自の要素を探す
他社が誰もやっていないことを探すと、見つかりません。
多くの市場では、提供している内容に大きな差はありません。
組み合わせで考える
一つひとつは他社もやっていることでも、組み合わせると差になります。
どの組み合わせが自社の強みかを考えます。
議論が行き詰まる場面と、進め方を、項目ごとに見ていきます。
独自の要素が見つからないについては、原因は完全な独自性を求めている、進め方は組み合わせで考える。
社内で意見が割れるについては、原因は顧客の声を確認していない、進め方は受注理由を聞く。
どれも他社が言っているについては、原因は表現の水準で比べている、進め方は条件と数字で示す。
全部を訴求したいについては、原因は絞る基準がない、進め方は三つの基準で選ぶ。
過去の訴求を変えられないについては、原因は変更の判断者がいない、進め方は事業責任者が決める。
価格を下げる方向に逃げない
差別化の材料が見つからないと、価格の議論に戻ります。
値引きは、差別化の代替にはなりません。
決めるのは事業の責任者
何を差別化の軸にするかは、事業の方向の判断です。マーケティングの担当が単独で決めるものではありません。
選ばれる理由づくりを、どう進めるか
受注した顧客への聞き取りからです。
社内の議論から始めると、仮説のまま訴求が決まります。
材料を集めてから、議論に入ります。
選ばれる理由を作る段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは直近の受注顧客に選んだ理由を聞く、期間の目安は4週間。
2については、やることは継続している顧客に続けている理由を聞く、期間の目安は3週間。
3については、やることは複数で共通する要素を抽出する、期間の目安は1週間。
4については、やることは他社が同じことを言っていないか確認する、期間の目安は2週間。
5については、やることは条件と数字で示せる形に変換する、期間の目安は3週間。
6については、やることは訴求を二つか三つに絞り、資料を更新する、期間の目安は4週間。
聞き方を固定する
なぜ当社を選んだか。
他に検討した会社と、何が違ったか。
決め手になったのは何か。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
受注20件のうち、価格が決め手と答えたのが4件、対応の速さが9件なら、後者が訴求の材料になります。
訴求の効き方を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
価格が決め手だった案件の割合については、見る頻度は四半期、使いどころは価格への依存度。
訴求した要素が理由に挙がった割合については、見る頻度は四半期、使いどころは訴求の浸透。
値引きの平均率については、見る頻度は四半期、使いどころは価格競争の状況。
商談から受注までの日数については、見る頻度は四半期、使いどころは説得の効率。
失注理由に価格が挙がる割合については、見る頻度は四半期、使いどころは比較の材料の不足。
価格が決め手の案件の割合を追う
この割合が下がっていれば、他の軸が機能しています。
下がらなければ、訴求が伝わっていません。
一年ごとに材料を見直す
市場も競合も変わります。
受注理由の聞き取りを継続し、材料を更新します。
価格以外で選ばれる理由の作り方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の受注理由を一緒に見てもらうところから始められます。訴求と提案の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
商談が価格の話ばかりになります
他に語れる材料が提示されていないためです。対応の速さや担当の質といった違いがあっても、条件や数字で示されなければ、顧客の社内では比較の材料になりません。丁寧な対応といった形容詞は、どの会社も使うため比較できません。
差別化の材料はどこから見つけますか
受注した顧客と、継続している顧客への聞き取りからです。社内で考えた違いは、顧客が価値と感じているとは限りません。複数の顧客で共通する要素だけを材料として採用します。
差別化の要素はいくつ持つべきですか
二つか三つです。それ以上並べると、どれも記憶に残りません。顧客が価値を感じているか、他社が同じことを言えないか、自社が維持できるかの三つで選びます。
差別化の要素が模倣されたらどうしますか
模倣されにくい要素に軸を移すか、水準で差を付けます。機能や価格体系、表現は短期間で模倣されますが、実績の蓄積や組織の体制、顧客との関係は時間がかかります。模倣される前提で、次の軸を常に探します。
他社にない要素が見つかりません
完全に独自の要素は多くの場合存在しません。一つひとつは他社もやっていることでも、組み合わせると差になります。材料が見つからないからといって価格の議論に戻ると、値引きが差別化の代替になってしまいます。
まとめ
- 理由が言葉になっていないからです。提供している違いはあっても、顧客が社内で説明できる形になっていません
- 受注した理由と、継続している理由から探します。社内で考えた違いは、顧客が価値と感じているとは限りません
- 条件、数字、範囲のいずれかで示します。形容詞で表現すると、他社と同じ言葉になります
- 二つか三つです。それ以上並べると、どれも印象に残りません
- 模倣されにくい要素に軸を移すか、水準で差を付けます。模倣されること自体は、避けられません
- 社内の説明の統一と、既存の資料の更新です。訴求だけを変えても、営業の説明が変わらなければ伝わりません
- 他社にない要素を探そうとすることです。完全に独自の要素は多くの場合存在せず、組み合わせで差が出ます
- 受注した顧客への聞き取りからです。社内の議論から始めると、仮説のまま訴求が決まります