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負けているのではなく、そもそも土俵に上がっていません。
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目次
目次
- 比較の場に呼ばれていない状態は、何が起きているのか
- 記録に残らない不在
- 候補に挙がるのは、どういう経路なのか
- 社内の誰かが知っている
- 探して見つかる経路は、どう変わっているのか
- 上位に出ても流入が伴わない
- 名前を覚えてもらうために、何と結びつけるのか
- 何の会社かが結びついているか
- どこに、いくら投資するのか
- 経路別の実績を出す
- 第三者からの推奨を、どう増やすのか
- 増える条件
- 候補に入るための取り組みで、誤りやすいところ
- 量を増やす方向に寄る
- 候補に入るための取り組みを、どう始めるか
- 聞く質問を固定する
- よくある質問
- まとめ
候補として名前が出ていないという状態です。
負けているのではなく、そもそも土俵に上がっていません。
比較の場に呼ばれていない状態は、何が起きているのか
候補として名前が出ていないという状態です。
負けているのではなく、そもそも土俵に上がっていません。
失注の分析をすると、比較した相手が見えてきます。
しかし本当に問題なのは、比較にすら呼ばれなかった案件です。
この案件は、自社の記録に残りません。
記録に残らない不在
顧客が3社を候補に挙げ、そこに自社が入らなかった。
このとき自社には何の接触もないので、案件の存在自体が見えません。
失注の分析では見つからない
失注の分析は、商談まで進んだ案件が対象です。
候補に入らなかった案件は、この分析の外にあります。
案件が自社に見えない段階
| 段階 | 自社に見えるか | 対処の余地 |
|---|---|---|
| 候補を挙げる | 見えない | 名前が挙がる状態を作る |
| 候補を絞る | 見えない | 選ばれる材料を置く |
| 問い合わせる | 見える | ここから対応できる |
| 商談する | 見える | 提案で勝負できる |
| 決定する | 見える | 条件で勝負できる |
認知と想起は別のもの
名前を知っているかどうかと、その場面で思い出されるかは別です。
知られていても、候補を考えるときに出てこなければ意味がありません。
第一想起とも別の話
最初に思い出されることと、候補に入ることは違います。ここで扱うのは、候補の3社や5社に入ることです。
候補に挙がるのは、どういう経路なのか
社内の誰かが知っている、探して見つかる、誰かに勧められるの三つです。
経路によって、打てる手が変わります。
顧客が候補を並べるとき、名前はどこから来るのか。
社内の誰かが知っている
担当者や上長が、過去に名前を見たことがある。
展示会、記事、広告、以前の商談。
探して見つかる
その場で調べて見つかる経路です。
検索、業界の比較の記事、生成AIの回答。
誰かに勧められる
同業の知人、取引先、外部の専門家。
この経路は、自社の制御が及びにくい範囲です。
候補に挙がる経路と、打てる手
| 経路 | 自社から働きかけられるか | 主な手段 |
|---|---|---|
| 社内の誰かの記憶 | できる | 継続的な露出 |
| その場で探して見つかる | できる | 検索と情報の整備 |
| 第三者からの推奨 | 間接的にできる | 実績と関係の構築 |
| 過去の接触の記録 | できる | 接点の維持 |
| 業界の比較の情報 | 部分的にできる | 情報の提供 |
どの経路が主かを確かめる
受注した顧客に、どうやって候補に入れたかを聞きます。
経路が分かれば、どこに投資すべきかが決まります。
経路は業種で違う
紹介が中心の業界と、検索が中心の業界があります。自社の業界の構造を確認します。
探して見つかる経路は、どう変わっているのか
検索の上位に出ることと、流入が得られることが一致しなくなっています。
候補に入るための情報の置き方も、それに合わせて変わります。
探して見つかる経路の構造が変化しています。
上位に出ても流入が伴わない
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される場面での検索1位のクリック率の下落率が、日本で2025年12月の38.0%から2026年6月の62.7%に拡大していました。
日本の予測クリック率24.1%に対し、実測は9.0%でした。
回答の中で名前が出るか
流入がなくても、回答の中で名前が挙がれば候補には入ります。
訪問数だけを追っていると、この経路が見えません。
探される経路の変化
| 以前 | 現在 | 対応 |
|---|---|---|
| 上位表示で流入を得る | 表示されても流入が減る | 流入以外の指標も見る |
| サイトで説明を読む | 回答で概要を得る | 要点が読み取れる形に |
| 比較記事を読む | 回答が候補を挙げる | 参照される情報を持つ |
| 社名で検索して確認 | 同じ | 自社の情報を整える |
参照される情報を持つ
一般的な説明は、どの会社も同じ内容になります。
自社しか持たない事例や知見が、参照される材料になります。
規模はまだ小さい
PLAN-Bマーケティングパートナーズが2025年2月から4月にGA4で調べた結果では、生成AI経由のセッションが83.0%のサイトで増加した一方、総流入の1%未満という水準でした。規模は小さいものの、増加の方向にあります。
名前を覚えてもらうために、何と結びつけるのか
会社名単体ではなく、課題や用途と結びつけます。
社名だけを覚えられても、その場面で思い出されません。
想起の対象は、名前だけではありません。
何の会社かが結びついているか
名前を知っていても、何をする会社か分からなければ、候補には挙がりません。
課題が発生したときに、その課題と結びついている必要があります。
結びつける先を一つに絞る
複数の事業を持つ会社では、何と結びつけるかの判断が要ります。
すべてを結びつけようとすると、どれとも結びつきません。
結びつける対象の選び方
| 結びつける先 | 向く場合 | 注意すること |
|---|---|---|
| 特定の課題 | 課題が明確な事業 | 他の事業が想起されない |
| 特定の業種 | 業種特化の事業 | 他業種から外れる |
| 特定の規模 | 規模で分かれる事業 | 他の規模から外れる |
| 特定の地域 | 地域に根差す事業 | 広域展開時に制約 |
| 提供する方式 | 方式が特徴的な場合 | 方式が一般化すると弱い |
絞ることの代償
一つに絞ると、他の場面では想起されません。
どの場面で候補に入りたいかを、先に決めます。
決めるのは事業の責任者
何と結びつけるかは、事業の方向の判断です。マーケティングの担当が単独で決めるものではありません。
どこに、いくら投資するのか
候補に入る経路のうち、受注につながっている経路に寄せます。
経路が分からないまま露出を増やすと、投資が分散します。
投資の配分は、経路の実績で決めます。
経路別の実績を出す
受注した顧客が、どの経路で候補に入ったか。
経路別に件数と受注額を出します。
効果が出るまでの期間が違う
継続的な露出は、効果が出るまでに時間がかかります。
検索での接点は、比較的短い期間で結果が出ます。
経路別の投資の性質を、項目ごとに見ていきます。
継続的な露出については、効果までの期間は長い、費用の性質は継続的に必要。
検索での接点については、効果までの期間は中程度、費用の性質は継続的に必要。
情報の整備については、効果までの期間は中程度、費用の性質は初期に集中。
第三者との関係については、効果までの期間は長い、費用の性質は人の時間が中心。
既存顧客からの紹介については、効果までの期間は中程度、費用の性質は関係の維持。
短期の経路だけに寄せない
効果が早く出る経路に全額を寄せると、長期の想起が積み上がりません。
一定の割合を、期間の長い投資に配分します。
期をまたぐ枠を持つ
効果が出るまでに時間がかかる投資は、期ごとに組み直すと積み上がりません。枠として持つかどうかを、期初に決めます。
第三者からの推奨を、どう増やすのか
実績と関係の積み上げによるもので、短期には増やせません。
依頼して増やす方法には、扱いに注意が要ります。
推奨は、自社の制御が及びにくい経路です。
増える条件
顧客が満足していること。
その顧客が、他社に話す機会を持っていること。
この二つが揃って初めて起きます。
依頼する場合の範囲
顧客に紹介を依頼すること自体は、通常の営業活動の範囲です。
ただし、対価を伴う推奨は、扱いに注意が要ります。
推奨を増やすための手段を、項目ごとに見ていきます。
顧客満足を高めるについては、効果は間接的だが確実、注意することは時間がかかる。
紹介を依頼するについては、効果は直接的、注意することは関係を損なわない範囲で。
事例の公開については、効果は間接的、注意することは掲載の許諾が要る。
業界の場での発信については、効果は中長期、注意することは継続が必要。
外部の専門家との関係については、効果は中長期、注意することは関係の構築に時間。
表示に関わる注意
推奨や評価の表示に関わる要件は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
対価を伴う場合の表示については、特に確認が必要です。
既存顧客との接点を維持する
紹介は、関係が続いている顧客から生まれます。接点が切れると、紹介も止まります。
候補に入るための取り組みで、誤りやすいところ
露出の量を増やせば候補に入ると考えることです。
量ではなく、課題と結びついているかが効きます。
取り組みの方向を誤りやすい点を整理します。
量を増やす方向に寄る
認知の指標を追うと、露出の量を増やす方向に進みます。
量が増えても、課題と結びついていなければ候補には挙がりません。
指名検索の増加を目標にする
指名検索は、すでに名前を知っている人の行動です。
候補に入る段階の指標としては、下流にあります。
取り組みで起きやすい誤りを、項目ごとに見ていきます。
露出の量を増やすについては、起きることは覚えられても結びつかない、対処は課題との結びつきを作る。
指名検索を目標にするについては、起きることは下流の指標を追う、対処は候補に挙がる経路を測る。
全事業を同時に訴求するについては、起きることはどれとも結びつかない、対処は結びつける先を絞る。
短期の指標だけを見るについては、起きることは長期の積み上げが止まる、対処は期をまたぐ枠を持つ。
他社の露出量に合わせるについては、起きることは費用が合わない、対処は自社の経路の実績で決める。
効果の測定が難しいことを前提にする
候補に入ったかどうかは、直接には測れません。
受注した顧客への聞き取りで、間接的に把握します。
一度で結果が出ない
想起は、繰り返しの接触で積み上がります。単発の施策で判断しないようにします。
候補に入るための取り組みを、どう始めるか
受注した顧客に、どうやって候補に入れたかを聞くことからです。
経路が分かれば、投資の配分が決まります。
施策の検討より先に、現状の経路を確かめます。
取り組みを立ち上げる段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは受注した顧客に候補に入れた経路を聞く、期間の目安は4週間。
2については、やることは経路別に件数と受注額を集計する、期間の目安は1週間。
3については、やることは自社が結びつくべき課題を一つ決める、期間の目安は3週間。
4については、やることは経路別の投資の配分を決める、期間の目安は2週間。
5については、やることは参照される情報の不足を洗い出す、期間の目安は2週間。
6については、やることは期をまたぐ投資の枠を期初に確保する、期間の目安は4週間。
聞く質問を固定する
どうやって当社を知ったか。
候補に挙げたとき、他に何社を並べたか。
なぜ候補に入れたか。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
受注30件のうち、紹介経由が18件、検索経由が8件なら、投資の配分は紹介の経路を維持する方向になります。
候補入りの状況を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
候補に入った経路の内訳については、見る頻度は四半期、使いどころは投資の配分。
比較された社数の平均については、見る頻度は四半期、使いどころは競争の状況。
問い合わせ時点での認知の有無については、見る頻度は毎月、使いどころは事前の接触の効果。
自社の課題との結びつきの状況については、見る頻度は半期、使いどころは訴求の浸透。
経路別の受注額については、見る頻度は四半期、使いどころは経路の価値。
比較された社数を記録する
候補が何社だったかを記録します。
社数が増えていれば、競争が強まっています。
問い合わせ時点の認知を聞く
問い合わせの時点で、すでに名前を知っていたか。
この記録があると、事前の接触の効果が分かります。
比較の候補に入れていない状態をどう変えるかで判断に迷う場合は、無料相談で現状の受注の経路を一緒に見てもらうところから始められます。接点の作り方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
比較の候補に入っていないことは、どう分かりますか
失注の分析では見つかりません。候補に入らなかった案件は自社に接触がないため、案件の存在自体が見えないからです。受注した顧客に、候補に挙げたとき他に何社を並べたかを聞くことで、間接的に把握します。
候補に挙がるのは、どういう経路ですか
社内の誰かが名前を知っている、その場で探して見つかる、第三者に勧められるの三つです。紹介が中心の業界と検索が中心の業界があるので、受注した顧客に聞いて自社の主な経路を確かめます。
検索で上位に出れば候補に入りますか
上位に出ることと流入が得られることが一致しなくなっています。AI Overviewsが表示される場面での検索1位のクリック率の下落率は、日本で2026年6月時点で62.7%に達していました。流入がなくても回答の中で名前が挙がれば候補には入るため、訪問数だけを追うとこの経路が見えません。
社名を覚えてもらえば候補に入りますか
名前だけを覚えられても、その場面では思い出されません。特定の課題や用途と結びついている必要があります。複数の事業を持つ場合、結びつける先を一つに絞る判断が要り、これは事業の方向の判断になります。
露出を増やせば候補に入りますか
量が増えても、課題と結びついていなければ候補には挙がりません。認知の指標を追うと露出を増やす方向に進みますが、効くのは結びつきのほうです。指名検索の増加は、すでに名前を知っている人の行動なので、下流の指標になります。
まとめ
- 候補として名前が出ていないという状態です。負けているのではなく、そもそも土俵に上がっていません
- 社内の誰かが知っている、探して見つかる、誰かに勧められるの三つです。経路によって、打てる手が変わります
- 検索の上位に出ることと、流入が得られることが一致しなくなっています。候補に入るための情報の置き方も、それに合わせて変わります
- 会社名単体ではなく、課題や用途と結びつけます。社名だけを覚えられても、その場面で思い出されません
- 候補に入る経路のうち、受注につながっている経路に寄せます。経路が分からないまま露出を増やすと、投資が分散します
- 実績と関係の積み上げによるもので、短期には増やせません。依頼して増やす方法には、扱いに注意が要ります
- 露出の量を増やせば候補に入ると考えることです。量ではなく、課題と結びついているかが効きます
- 受注した顧客に、どうやって候補に入れたかを聞くことからです。経路が分かれば、投資の配分が決まります