
理由を聞くのが担当者本人で、その担当者の評価に関わるからです。
価格で負けたという報告が集まるのは、それが最も説明しやすい理由だからです。
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目次
目次
- 負けた理由が社内で分からないままになるのは、なぜか
- 聞く人と、責任を負う人が同じ
- 失注の理由を、誰からどう聞くのか
- 担当者以外が聞く
- 価格で負けたという報告を、どこまで信じるか
- 価格差と勝敗の関係を出す
- 比較の場に何が並べられているかを、どう把握するのか
- 相手の比較の形式を知る
- 提案の前に決まっている部分を、どう見るのか
- 候補に入った順番が効く
- 負ける理由の分類と、それぞれの対処
- 三つの段階に分ける
- 勝った案件も調べる理由
- 同じ条件が勝ちにも負けにもある
- 敗因の調査をどう立ち上げるか
- 記録の項目を先に決める
- よくある質問
- まとめ
理由を聞くのが担当者本人で、その担当者の評価に関わるからです。
価格で負けたという報告が集まるのは、それが最も説明しやすい理由だからです。
負けた理由が社内で分からないままになるのは、なぜか
理由を聞くのが担当者本人で、その担当者の評価に関わるからです。
価格で負けたという報告が集まるのは、それが最も説明しやすい理由だからです。
失注の理由は、どの会社でも記録されています。
その記録が実態と合っていないことが、問題の中心にあります。
聞く人と、責任を負う人が同じ
失注の理由は、担当した営業が相手に聞いて記録します。
その理由が自分の対応に関するものだった場合、正確に記録する動機がありません。
価格や時期のように、自分の責任にならない理由が選ばれます。
相手も本当の理由を言わない
断る側も、角の立たない理由を選びます。
価格が合わなかった、社内の事情で見送った、時期が合わなかった。
これらは、相手にとって最も言いやすい断り方です。
敗因が分からなくなる経路
| 段階 | 起きること | 記録される内容 |
|---|---|---|
| 断りの連絡 | 相手が言いやすい理由を選ぶ | 価格や時期 |
| 担当者の記録 | 自分の責任にならない理由を選ぶ | 価格や時期 |
| 社内の集計 | 同じ理由が積み上がる | 価格が最多になる |
| 対策の議論 | 価格の話になる | 値引きの検討が始まる |
| 翌期の方針 | 価格で戦う方向に寄る | 利益率が下がる |
記録された理由に沿って対策すると、外れる
価格が最多の理由として集計されると、対策は価格に向かいます。
実際の敗因が別のところにあれば、値引きをしても結果は変わりません。
利益だけが減ります。
仕組みの側で、聞く人を変える必要がある
担当者の努力では解決しません。誰が聞くか、いつ聞くか、何を聞くかを仕組みとして変えます。
失注の理由を、誰からどう聞くのか
担当した営業以外の人が、失注から数週間後に聞きます。
直後は相手が身構えているため、本当の理由が出にくくなります。
聞き方の設計で、得られる情報の質が変わります。
担当者以外が聞く
営業の担当者ではなく、マーケティングや別部門の人が聞きます。
相手にとって、評価に関わらない相手のほうが答えやすくなります。
時期をずらす
断りの連絡の直後は、これ以上交渉されたくないという気持ちが働きます。
数週間経ってから、今後のための確認として聞くほうが答えが得られます。
聞く相手と聞ける内容
| 聞く相手 | 聞ける内容 | 限界 |
|---|---|---|
| 決裁者 | 最終的に決めた基準 | 接点がないと聞けない |
| 実務の担当者 | 比較の過程と印象 | 決裁の理由は分からない |
| 紹介してくれた人 | 社内での議論の様子 | 限られた案件のみ |
| 失注後に転職した人 | 本音に近い内容 | 数が限られる |
| 選ばれた競合の顧客 | なぜその会社を選んだか | 接点を作るのが難しい |
聞く内容を、選択ではなく経緯にする
なぜ負けたかを直接聞くと、言いやすい答えが返ってきます。
どういう経緯で決めたかを順に聞くと、途中の判断が出てきます。
どの時点で候補が絞られたか、社内で誰が何を言ったか。
聞く案件を絞る
すべての失注を調べると、負担が大きくなります。
金額の大きい案件、競合が同じ案件、同じ業種の案件に絞ります。
聞けなかったことも記録する
連絡が取れなかった案件、答えてもらえなかった案件も記録します。聞けた案件だけを集計すると、偏りが生じます。
価格で負けたという報告を、どこまで信じるか
価格差の大きさと受注率の関係を確認します。
価格差が小さい案件でも負けているなら、価格は理由ではありません。
価格が理由だという報告の中身を分解します。
価格差と勝敗の関係を出す
競合の提示額が分かっている案件で、価格差と勝敗を並べます。
価格差が大きい案件だけを負けているなら、価格は本当の理由です。
価格差が小さい案件でも負けているなら、別の理由があります。
価格が理由になる場面は限られる
比較する内容が同じだと判断されたときにだけ、価格が決め手になります。
内容に差があると認識されていれば、価格差があっても選ばれます。
価格で負けたという報告は、内容の差が伝わらなかったという意味であることが多くあります。
価格で負けたという報告の内訳
| 実際に起きていたこと | 見分け方 | 対処 |
|---|---|---|
| 本当に価格が決め手 | 価格差が大きい案件だけ負けている | 原価か提供範囲を見直す |
| 内容の差が伝わっていない | 価格差が小さくても負けている | 説明の材料を変える |
| 比較の土俵が違った | 提案の範囲が競合と違う | 範囲の定義から揃える |
| 最初から本命が別にいた | 価格を聞かれただけ | 案件の選び方を変える |
| 決裁の基準を知らなかった | 決裁者と接点がない | 接点の作り方を変える |
相見積もりの当て馬になっている案件
既に本命が決まっていて、社内手続きのために見積もりが必要な案件があります。
この場合、何を提案しても結果は変わりません。
案件の初期に、本命がいるかどうかを確認する項目を入れます。
数字は説明のための仮の値です。価格差が5%以内の案件で受注率が30%、10%を超える案件で受注率が28%なら、価格は主な理由ではありません。
比較の場に何が並べられているかを、どう把握するのか
相手が社内で使った比較の資料を見せてもらいます。
自社が何と比べられたかが分かると、提案の前提が変わります。
提案は自社の形式で作られます。
相手は、それを自社の比較の形式に並べ直しています。
相手の比較の形式を知る
企業ごとに、購買の比較に使う項目が決まっていることがあります。
その項目に沿って情報が整理され、決裁の場に出ます。
自社の提案がその項目を埋めていなければ、空欄のまま比較されます。
受注した相手に見せてもらう
失注した相手からは見せてもらえません。
受注した相手に、社内でどう比較したかを聞きます。
同じ業種であれば、比較の形式は近いことが多くあります。
比較の場で並べられる項目
| 項目 | 自社が埋められているか | 埋まっていない場合 |
|---|---|---|
| 導入までの期間 | 提案書に記載があるか | 確認の往復が発生する |
| 運用にかかる人手 | 見積もりに含まれているか | 後から不利になる |
| 既存の仕組みとの接続 | 確認が済んでいるか | 不安として残る |
| 同業種での実績 | 件数を出せるか | 不確実さとして残る |
| 契約の条件 | 標準の条件を示せるか | 交渉の手間として見られる |
| 対応の体制 | 人数と時間を示せるか | 比較で見劣りする |
空欄が、負ける理由になる
提案の内容が優れていても、比較の表で空欄があると不利になります。
空欄は、確認の手間として担当者の負担になります。
負担のない候補が選ばれます。
比較の形式に合わせた資料を作る
相手の形式が分かったら、その項目を埋めた形の資料を用意します。提案書とは別に、比較の場にそのまま出せる形にします。
提案の前に決まっている部分を、どう見るのか
候補に入った時点での位置が、結果の大半を決めています。
提案の巧拙で逆転できる範囲は、想像より狭くなっています。
失注の分析は、提案の内容に集中しがちです。
提案より前の段階で決まっている部分を見ます。
候補に入った順番が効く
最初に相談した相手が、検討の基準を作ります。
後から候補に入った会社は、その基準に沿って評価されます。
基準を作った側が有利になります。
誰の紹介で入ったかが効く
紹介での案件と、問い合わせからの案件では、初期の信用が違います。
同じ提案でも、受け取られ方が変わります。
提案前に決まっている要素を、項目ごとに見ていきます。
候補に入った順番については、結果への影響は大きい、変えられるかは接点の作り方で変えられる。
紹介の有無については、結果への影響は大きい、変えられるかは紹介が出る仕組みで変えられる。
会社の認知の有無については、結果への影響は大きい、変えられるかは投資で変えられる。
決裁者との接点については、結果への影響は大きい、変えられるかは営業の進め方で変えられる。
過去の取引の記憶については、結果への影響は中くらい、変えられるかは時間がかかる。
業界内での評判については、結果への影響は中くらい、変えられるかは対応の積み重ねで変わる。
提案の改善では届かない範囲がある
提案の質を上げても、候補に入る順番や認知の有無は変わりません。
失注の分析で提案の話ばかりになる場合、より前の段階を見ていないことになります。
最初に相談される位置に立つ
最初に相談される会社になると、基準を作る側に回れます。この位置は、認知と評判への投資で作られます。
負ける理由の分類と、それぞれの対処
候補に入れなかったのか、比較で落ちたのか、決裁で通らなかったのか。
この三つで対処が違うため、分類せずに対策を打つと外れます。
負けた段階によって、変えるべき場所が変わります。
三つの段階に分ける
候補に入らなかった案件、比較の途中で落ちた案件、最後まで残って落ちた案件。
それぞれ、別の対処が要ります。
敗因の分類と対処を、項目ごとに見ていきます。
候補に入らないについては、原因の候補は認知の不足、対処する場所は認知への投資。
比較の初期で落ちるについては、原因の候補は実績や規模の不足、対処する場所は信用の材料。
比較の中盤で落ちるについては、原因の候補は内容の説明が伝わらない、対処する場所は比較の形式に合わせた資料。
最後まで残って落ちるについては、原因の候補は価格か決裁の基準、対処する場所は価格の設計か決裁者への接点。
決めずに終わるについては、原因の候補は相手の社内で優先度が下がる、対処する場所は検討を進める材料。
候補に入らなかった案件は記録に残らない
最も件数が多いのが、この段階です。
提案の機会がないため、失注として記録されません。
狙う範囲での問い合わせの数と、市場の案件数を比べると、規模が見えます。
決めずに終わる案件を失注として扱う
保留のまま終わった案件を、失注として集計していないことがあります。
この案件は、相手の社内で優先度が下がったものです。
件数が多い場合、検討を進めるための材料が足りていません。
分類ごとに対策の担当を決める
認知の不足はマーケティング、比較の資料は商品の側、決裁者への接点は営業。分類と担当を対応させておくと、対策が動きます。
勝った案件も調べる理由
負けた案件だけを見ると、原因を特定できません。
勝った案件と負けた案件で何が違ったかを比べて、初めて差が見えます。
失注の分析は、負けた案件だけを集めて行われることが多くあります。
比べる対象がないと、何が効いたかが分かりません。
同じ条件が勝ちにも負けにもある
価格が高かったという条件は、勝った案件にもあります。
負けた案件だけを見ると、その条件が原因に見えます。
両方を並べると、その条件が結果を分けていないことが分かります。
受注案件から分かることを、項目ごとに見ていきます。
候補に入った順番については、勝った案件での傾向は最初か二番目が多いか、使い方は接点の作り方を決める。
入り方については、勝った案件での傾向は紹介か問い合わせか、使い方はどちらを増やすか決める。
決裁者との接点の有無については、勝った案件での傾向は接点があったか、使い方は営業の進め方を決める。
提案までの期間については、勝った案件での傾向は短いか長いか、使い方は対応の速さの効き方を見る。
会社を知っていたかについては、勝った案件での傾向は知名度の影響、使い方は認知への投資の根拠。
価格の水準については、勝った案件での傾向は値引きの有無、使い方は価格の設計を見直す。
差が出る項目だけを追う
勝った案件と負けた案件で分布が違う項目を探します。
分布が同じ項目は、結果を分けていません。
差の出た項目だけに対策を集中させます。
件数が少ないうちは傾向として扱う
案件の数が少ない段階では、統計的な差は出ません。傾向として記録し、件数が溜まってから判断します。
敗因の調査をどう立ち上げるか
聞く人を担当者から切り離すことと、勝った案件も同じ項目で記録することの二つからです。
記録の項目を先に決めないと、後から比較できません。
調査の立ち上げは、聞き方の設計と記録の設計の二つで構成されます。
調査の立ち上げ手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは勝敗の両方で記録する項目を決める、期間の目安は2週間。
2については、やることは過去12か月の案件を新しい項目で整理する、期間の目安は4週間。
3については、やることは担当者以外が聞く体制を作る、期間の目安は2週間。
4については、やることは聞く案件の条件と聞く内容を決める、期間の目安は2週間。
5については、やることは受注した相手に比較の形式を聞く、期間の目安は4週間。
6については、やることは分類ごとの対策の担当を決める、期間の目安は2週間。
記録の項目を先に決める
案件ごとに何を残すかを決めてから、聞き取りを始めます。
項目が揃っていないと、集計の段階で比較ができません。
過去の案件も同じ項目で整理し直す
新しい項目で過去12か月を整理すると、最初の傾向が見えます。
ここを省くと、傾向が見えるまでに1年かかります。
敗因分析で追う数字を、項目ごとに見ていきます。
段階別の失注の件数については、見る頻度は毎月、見るところはどこで落ちているか。
価格差と勝敗の関係については、見る頻度は四半期、見るところは価格が理由かどうか。
候補に入った順番の分布については、見る頻度は四半期、見るところは接点の作り方が効いているか。
紹介の比率については、見る頻度は毎月、見るところは入り方が変わっているか。
決裁者との接点があった比率については、見る頻度は四半期、見るところは営業の進め方が変わったか。
保留のまま終わった件数については、見る頻度は毎月、見るところは検討を進められているか。
段階別の件数を毎月見る
どの段階で落ちているかの分布が変われば、対策が効いています。
全体の受注率だけを見ていると、どこが変わったか分かりません。
聞き取りの内容を要約せずに残す
集計の都合で分類だけを残すと、後から別の切り口で見られません。
相手の言葉をそのまま残しておきます。
結果を四半期ごとに共有する
営業とマーケティングの両方が同じ結果を見る場を作ります。
分類によって対策の担当が分かれるため、片方だけが見ている状態では対策が動きません。
比較検討でどこを落としているか分からない場合は、無料相談で現状を整理するところから始められます。集客の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
失注の理由は誰が聞けばよいですか
担当した営業以外の人です。担当者本人が聞くと、自分の責任にならない理由が記録されます。断りの連絡の直後ではなく、数週間後に今後のための確認として聞くほうが答えが得られます。
価格で負けたという報告が多いのですが
価格差と勝敗の関係を出してください。価格差が小さい案件でも負けているなら、価格は主な理由ではありません。多くの場合、内容の差が伝わっていないという意味です。
負けた案件だけを分析すれば足りますか
足りません。同じ条件が勝った案件にもあるため、比べる対象がないと何が結果を分けたか分かりません。勝った案件も同じ項目で記録し、分布が違う項目だけに対策を集中させてください。
候補にも入れてもらえない案件はどう把握しますか
失注として記録されないため、狙う範囲での問い合わせの数と市場の案件数を比べて規模を見ます。この段階での損失が最も大きく、対処する場所は認知への投資になります。
保留のまま終わった案件はどう扱いますか
失注として集計してください。相手の社内で優先度が下がった案件です。件数が多い場合は、相手が社内で検討を進めるための材料が足りていません。
まとめ
- 理由を聞くのが担当者本人で、その担当者の評価に関わるからです。価格で負けたという報告が集まるのは、それが最も説明しやすい理由だからです
- 担当した営業以外の人が、失注から数週間後に聞きます。直後は相手が身構えているため、本当の理由が出にくくなります
- 価格差の大きさと受注率の関係を確認します。価格差が小さい案件でも負けているなら、価格は理由ではありません
- 相手が社内で使った比較の資料を見せてもらいます。自社が何と比べられたかが分かると、提案の前提が変わります
- 候補に入った時点での位置が、結果の大半を決めています。提案の巧拙で逆転できる範囲は、想像より狭くなっています
- 候補に入れなかったのか、比較で落ちたのか、決裁で通らなかったのか。この三つで対処が違うため、分類せずに対策を打つと外れます
- 負けた案件だけを見ると、原因を特定できません。勝った案件と負けた案件で何が違ったかを比べて、初めて差が見えます
- 聞く人を担当者から切り離すことと、勝った案件も同じ項目で記録することの二つからです。記録の項目を先に決めないと、後から比較できません