
市場の大きさと、自社の認知の度合いが地域で違うからです。
同じ設計を全国に広げると、条件の悪い地域の分だけ平均が悪化します。
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目次
目次
- エリアを広げたときに獲得単価が合わなくなるのは、なぜか
- 対象企業の密度が違う
- エリアごとの市場の大きさを、どう見積もるのか
- 外部の統計から概算する
- エリアごとに、チャネルの構成はどう変わるのか
- 認知がない地域での順序
- 拠点を置くかどうかを、何で決めるのか
- 訪問の頻度が判断を分ける
- 予算をエリアにどう配分するのか
- 比例配分の問題
- 既存エリアと新規エリアの評価を、どう分けるのか
- 段階に応じた指標を置く
- エリア展開で見落としやすい費用
- 移動の時間を費用に含める
- 展開の順序を決める
- 接点のある地域から始める
- よくある質問
- まとめ
市場の大きさと、自社の認知の度合いが地域で違うからです。
同じ設計を全国に広げると、条件の悪い地域の分だけ平均が悪化します。
エリアを広げたときに獲得単価が合わなくなるのは、なぜか
市場の大きさと、自社の認知の度合いが地域で違うからです。
同じ設計を全国に広げると、条件の悪い地域の分だけ平均が悪化します。
本拠地で成立している獲得の形を、そのまま他の地域に広げる。
このときに単価が悪化します。
原因は運用の質ではなく、地域ごとの条件の差にあります。
対象企業の密度が違う
同じ業種でも、地域によって企業の数が大きく違います。
密度が低い地域では、同じ配信量でも届く対象が少なくなります。
単価は必然的に上がります。
この差を織り込まずに全国で同じ目標を置くと、地域の担当者は達成できません。
条件の差を先に把握します。
認知の度合いが違う
本拠地では社名が知られていても、離れた地域では知られていません。
同じ広告を見ても、反応が変わります。
認知の差は、広告の効率に直接効きます。
地域による条件の差
| 条件 | 本拠地 | 新しい地域 |
|---|---|---|
| 対象企業の密度 | 高い | 地域による |
| 社名の認知 | ある | ほぼない |
| 既存顧客からの紹介 | 生まれる | 生まれない |
| 競合の状況 | 把握している | 不明 |
| 対応の体制 | 整っている | 訪問に時間がかかる |
対応の体制が違う
訪問が必要な商材では、移動の時間が費用になります。本拠地なら1日に複数社を回れますが、遠方では1社で終わります。この差が、受注1件あたりの費用に現れます。
エリアごとの市場の大きさを、どう見積もるのか
公表されている事業所や人口の統計を使って、対象の規模を概算します。
自社の実績だけで判断すると、既に取れている地域が大きく見えます。
配分の前提として、各地域の市場の大きさを揃えて出します。
外部の統計から概算する
事業所の数、従業員の規模別の分布、人口。
公的な統計から、対象となる企業や人の数を概算できます。
自社の対象の条件に合わせて絞り込みます。
この概算があれば、各地域で取れる上限が見えます。
実績が上限に近い地域と、まだ余地のある地域が分かれます。
市場の大きさを見積もる手順
| 手順 | 使う情報 | 出る数字 |
|---|---|---|
| 1 | 自社の対象の条件を定義 | 業種と規模 |
| 2 | 地域別の事業所数を集める | 対象となる企業数 |
| 3 | 自社の受注実績を地域別に出す | 既に取れている数 |
| 4 | 上限に対する到達率を計算 | 余地の大きさ |
| 5 | 地域別の競合の状況を確認 | 取りやすさの差 |
到達率で比べる
受注件数の絶対数では、大きい地域が常に有利に見えます。
市場の大きさに対する到達率で比べます。
到達率が低い地域に、まだ余地があります。
統計の更新の時期を確認する
公的な統計は、調査の時期と公表の時期に開きがあります。最新のものを使い、調査の時期を記録しておきます。制度や区分が変わっている場合は、自治体の窓口で確認してください。
エリアごとに、チャネルの構成はどう変わるのか
認知のない地域では、獲得の前に認知の露出が必要になります。
本拠地と同じ構成を持ち込むと、検索の反応が出ません。
地域ごとに、効くチャネルの構成が変わります。
認知がない地域での順序
社名を知られていない地域では、検索される機会がありません。
検索の枠に出しても、比較の候補に入りにくくなります。
地域を絞った露出で、社名を知ってもらう段階が先に来ます。
地域の状態と、チャネルの構成
| 地域の状態 | 主力にするチャネル | 補助にするもの |
|---|---|---|
| 認知がある本拠地 | 検索と指名 | 紹介と既存顧客 |
| 認知が薄い地域 | 地域を絞った露出 | 検索は補助的に |
| 拠点がある地域 | 訪問と地域の催し | オンラインの獲得 |
| 拠点がない地域 | オンラインで完結する経路 | 遠隔での対応 |
| 競合が強い地域 | 差別化できる領域に絞る | 全面的な競合は避ける |
拠点の有無で選べる経路が変わる
拠点がない地域では、対面の経路が使えません。
オンラインで完結する商材でなければ、獲得しても対応できません。
チャネルの設計は、対応の体制と同時に決めます。
地域の催しや団体を使う
地域の業界団体や商工の組織があります。この経路は、広告では届かない層に届きます。費用も比較的小さく、認知のない地域での立ち上げに向きます。
拠点を置くかどうかを、何で決めるのか
その地域の市場の大きさと、対応に必要な訪問の頻度で決めます。
獲得できる見込みだけで置くと、固定費が回収できません。
拠点の設置は、最も重い投資になります。
訪問の頻度が判断を分ける
商談と導入後の対応で、どれだけ訪問が必要かを出します。
訪問が頻繁なら、拠点がないと対応できません。
オンラインで完結するなら、拠点は不要です。
拠点の設置を判断する項目
| 判断する項目 | 置く方向 | 置かない方向 |
|---|---|---|
| 訪問の必要性 | 商談と支援で頻繁に必要 | オンラインで完結 |
| 市場の大きさ | 固定費を回収できる規模 | 規模が小さい |
| 移動の時間 | 本拠地から半日以上 | 日帰りで対応可能 |
| 既存顧客の数 | 一定数が集中している | 分散している |
| 競合の状況 | 地域の企業が強い | 全国の企業と競合 |
固定費の回収期間を計算する
拠点の固定費は、賃料と人件費です。
その地域で見込める年間の粗利と比べます。
回収に何年かかるかを出してから判断します。
数字は説明のための仮の値です。
拠点の年間固定費が2,400万円で、その地域の年間粗利の見込みが1,000万円なら、2年半では回収できません。
市場の大きさから見て到達可能な粗利で計算します。
段階的な形を検討する
いきなり拠点を置く前に、担当者を置く、共有の場所を借りる、代理店と組む。段階的な形があります。実績が出てから拠点に移行する順序が、損失を小さくします。
予算をエリアにどう配分するのか
市場の大きさに比例させるのではなく、到達率の低い地域に厚くします。
比例配分は、既に取れている地域に厚く配る結果になります。
配分の方法で、成長の速度が変わります。
比例配分の問題
市場の大きさに比例して配分すると、大きい地域に多く配られます。
その地域は既に到達率が高いことが多く、追加の投資の効きが悪くなります。
到達率を見て配分します。
エリアへの配分の決め方を、項目ごとに見ていきます。
市場の大きさに比例については、特徴は大きい地域に厚い、向いている状況は全地域の到達率が同じ。
到達率の低さに厚くについては、特徴は余地のある地域に厚い、向いている状況は地域差が大きい。
実績に比例については、特徴は取れている地域に厚い、向いている状況は効率を最優先する場合。
一定額を均等にについては、特徴は小さい地域も維持できる、向いている状況は全国展開の初期。
重点地域に集中については、特徴は1地域に寄せる、向いている状況は立ち上げの段階。
立ち上げ期は集中させる
新しい地域を複数同時に始めると、どこも中途半端になります。
1地域に集中して、成立する形を作ります。
その形を次の地域に移します。
既存地域の維持分を確保する
新しい地域に予算を移すとき、既存地域を削りすぎることがあります。既存地域の獲得が落ちると、全体の数字が悪化します。維持に必要な水準を先に確保します。
既存エリアと新規エリアの評価を、どう分けるのか
同じ単価の目標を置かず、新規は立ち上げの段階で評価します。
混ぜて平均で見ると、新規の地域が常に足を引っ張る形になります。
評価を分けないと、新規の地域への投資が続きません。
段階に応じた指標を置く
立ち上げ期は、接点の件数と認知の指標で見ます。
獲得単価は、既存地域と同じ水準を求めません。
段階が進んでから、単価の目標に切り替えます。
地域の段階と評価の指標を、項目ごとに見ていきます。
参入の準備については、期間の目安は3か月、評価に使う数字は市場規模の概算と競合の把握。
立ち上げについては、期間の目安は6か月から12か月、評価に使う数字は接点の件数と地域の指名検索。
成長については、期間の目安は12か月から24か月、評価に使う数字は獲得件数と商談化率。
安定については、期間の目安は24か月以降、評価に使う数字は獲得単価と受注額。
見直しについては、期間の目安は随時、評価に使う数字は到達率と固定費の回収。
全社の平均で見ない
全地域を平均した獲得単価は、判断の材料になりません。
地域別に単価を出して、段階と並べて見ます。
この形にすると、どこに問題があるかが分かります。
撤退の条件を決めておく
新しい地域が立ち上がらない場合の条件を、開始時に決めます。何年で何が達成できなければ縮小するか。決めていないと、判断が先送りされ続けます。
エリア展開で見落としやすい費用
移動の時間と、地域ごとの対応の体制にかかる人件費です。
広告費だけを地域別に配分しても、実際の費用は把握できません。
費用の見積もりが甘いと、採算の判断を誤ります。
移動の時間を費用に含める
遠方への訪問は、移動に半日から1日かかります。
その時間の人件費と交通費が、受注1件あたりに乗ります。
本拠地の案件と同じ費用では計算できません。
地域展開で見落としやすい費目を、項目ごとに見ていきます。
移動の時間の人件費については、内容は訪問にかかる時間、見落とす理由は費用として計上されない。
交通費と宿泊費については、内容は遠方への訪問、見落とす理由は案件別に配賦されない。
地域向けの資料については、内容は地域名や事例の差し替え、見落とす理由は制作費に含めていない。
地域の催しへの参加については、内容は団体の会費や参加費、見落とす理由は少額で個別に処理される。
対応の遅れによる損失については、内容は距離による対応の遅れ、見落とす理由は数字にならない。
地域向けの資料の制作
その地域の事例がないと、説得力が下がります。
最初の数社の事例を作る費用を、立ち上げの投資に含めます。
これがないと、いつまでも本拠地の事例で説明することになります。
対応の遅れを織り込む
距離があると、問い合わせへの訪問が遅れます。その間に地域の競合が先に接触することがあります。この損失は数字になりませんが、受注率の差として現れます。
展開の順序を決める
市場の大きさと、既に接点がある地域を重ねて選びます。
既存顧客や問い合わせのある地域から始めると、立ち上がりが速くなります。
順序の決定が、展開の速度を決めます。
展開を進める段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは地域別の対象企業数を統計から概算する、期間の目安は3週間。
2については、やることは地域別の受注実績と到達率を出す、期間の目安は2週間。
3については、やることは問い合わせの発生地域を過去2年分集計する、期間の目安は2週間。
4については、やることは最初に広げる1地域を決める、期間の目安は2週間。
5については、やることはその地域の立ち上げ期の指標を決める、期間の目安は2週間。
6については、やることは拠点の要否を訪問の頻度から判定する、期間の目安は4週間。
接点のある地域から始める
既存顧客がいる地域、問い合わせが来ている地域。
ここには、既に何らかの接点があります。
まったく接点のない地域より、立ち上がりが速くなります。
地域別に見る数字を、項目ごとに見ていきます。
地域別の到達率については、見る頻度は半年、判断に使うところは余地の大きさ。
地域別の獲得単価については、見る頻度は毎月、判断に使うところは条件の差の把握。
地域別の指名検索については、見る頻度は毎月、判断に使うところは認知の広がり。
移動を含めた受注1件あたりの費用については、見る頻度は四半期、判断に使うところは採算の判定。
拠点の固定費の回収状況については、見る頻度は四半期、判断に使うところは拠点の要否。
移動を含めた費用で採算を見る
広告費だけの単価では、採算の判断ができません。
移動の時間と交通費を含めた、受注1件あたりの費用を出します。
この数字で、地域ごとの採算が見えます。
次の地域への展開は型を移す
1地域で成立した形を、次の地域に移します。
移すのは、チャネルの構成ではなく判定の手順です。
どの構成が効くかは、その地域で改めて確認します。
エリア展開時のチャネル設計に迷いがある場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。地域ごとの獲得の設計から見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
エリアを広げたら獲得単価が悪化しました
地域によって対象企業の密度と社名の認知が違うためです。本拠地と同じ設計を持ち込むと検索の反応が出ません。認知の薄い地域では、獲得の前に地域を絞った露出の段階が必要になります。
地域ごとの市場の大きさはどう見積もりますか
公表されている事業所数や人口の統計から、自社の対象の条件で絞り込んで概算します。受注件数の絶対数ではなく、市場の大きさに対する到達率で比べると、余地のある地域が分かります。
予算は市場の大きさに比例させるべきですか
比例配分にすると、既に到達率の高い地域に厚く配られて追加投資の効きが悪くなります。到達率の低い地域に厚くしてください。立ち上げ期は1地域に集中させるほうが早く成立します。
拠点を置くべきか判断できません
商談と導入後の対応でどれだけ訪問が必要かを出し、拠点の年間固定費とその地域で見込める年間粗利を比べてください。いきなり置く前に、担当者を置く、代理店と組むといった段階的な形もあります。
新規エリアの評価はどうすればいいですか
既存地域と同じ単価の目標を置かないでください。立ち上げ期は接点の件数と地域の指名検索で評価し、段階が進んでから単価の目標に切り替えます。あわせて撤退の条件を開始時に決めておきます。
まとめ
- 市場の大きさと、自社の認知の度合いが地域で違うからです。同じ設計を全国に広げると、条件の悪い地域の分だけ平均が悪化します
- 公表されている事業所や人口の統計を使って、対象の規模を概算します。自社の実績だけで判断すると、既に取れている地域が大きく見えます
- 認知のない地域では、獲得の前に認知の露出が必要になります。本拠地と同じ構成を持ち込むと、検索の反応が出ません
- その地域の市場の大きさと、対応に必要な訪問の頻度で決めます。獲得できる見込みだけで置くと、固定費が回収できません
- 市場の大きさに比例させるのではなく、到達率の低い地域に厚くします。比例配分は、既に取れている地域に厚く配る結果になります
- 同じ単価の目標を置かず、新規は立ち上げの段階で評価します。混ぜて平均で見ると、新規の地域が常に足を引っ張る形になります
- 移動の時間と、地域ごとの対応の体制にかかる人件費です。広告費だけを地域別に配分しても、実際の費用は把握できません
- 市場の大きさと、既に接点がある地域を重ねて選びます。既存顧客や問い合わせのある地域から始めると、立ち上がりが速くなります