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目次
目次
- 増やすか深めるかで結論が出ないのは、なぜか
- 伸びしろの測り方が決まっていない
- 既存のチャネルに伸びしろがあるかを、どう判定するのか
- 段階的に増やして記録する
- 深める投資には、どんな種類があるのか
- 三つの方向がある
- 増やす判断に入ってよい条件は、何か
- 三つの条件を確認する
- 増やしたときに発生する費用は、何か
- 学習の期間の費用
- 組織の人数が、選択をどう縛るのか
- 一人が管理できる数には上限がある
- この判断で起きやすい誤り
- 役割の重複を確認しない
- 判断の物差しを作る順序
- 増額の実験は期初に計画する
- よくある質問
- まとめ
既存のチャネルにどれだけ伸びしろが残っているかを測っていないからです。
伸びしろが分からないと、追加の投資先を比べられません。
増やすか深めるかで結論が出ないのは、なぜか
既存のチャネルにどれだけ伸びしろが残っているかを測っていないからです。
伸びしろが分からないと、追加の投資先を比べられません。
チャネルを増やすべきか、今あるものを深めるべきか。
この議論は、根拠のない主張のぶつけ合いになりがちです。
判断に必要な数字が、そもそも出ていません。
伸びしろの測り方が決まっていない
既存のチャネルに予算を追加したとき、獲得がどれだけ増えるか。
この関係が分かっていれば、比較ができます。
多くの場合、過去に試した記録がありません。
増額したときの成果の変化を記録していないと、伸びしろは推定できません。
結果として、増やすべきという主張も、深めるべきという主張も、根拠を持ちません。
費用の比較が総額だけになる
新しいチャネルを増やすと、出稿の費用以外に運用の費用がかかります。
学習の期間、担当者の時間、管理の手間。
これらを含めずに総額だけで比べると、増やす選択が安く見えます。
判断が停滞する理由
| 理由 | 不足している情報 | 結果 |
|---|---|---|
| 伸びしろが不明 | 増額時の単価の変化 | 比較ができない |
| 追加費用が見えない | 運用と管理の手間 | 増やす選択が安く見える |
| 役割の重複が未確認 | チャネルごとの役割 | 同じ役割を二重に持つ |
| 人の余力が未確認 | 担当者の稼働状況 | 増やしても回らない |
| 判定の期間が未定 | いつ結論を出すか | 議論が続く |
人の余力を確認していない
チャネルを増やすと、管理する対象が増えます。担当者の稼働に余力がなければ、増やしても運用が薄くなります。既存のチャネルの管理も同時に薄くなります。
既存のチャネルに伸びしろがあるかを、どう判定するのか
予算を段階的に増やして、単価の変化を記録します。
増額しても単価が変わらないなら、まだ余地があります。
伸びしろの判定は、実験で行います。
推測では判断できません。
段階的に増やして記録する
既存のチャネルの予算を、2割ずつ増やします。
各段階で、獲得件数と単価を記録します。
単価が急に上がり始める地点が、そのチャネルの上限に近い場所です。
この実験には、各段階で数週間から数か月かかります。
期初に計画に組み込んでおく必要があります。
増額時の反応と、その読み方
| 増額時の反応 | 示していること | 次の判断 |
|---|---|---|
| 件数が比例して増える | 余地が大きい | 深める投資を続ける |
| 件数は増えるが単価が上昇 | 余地が縮小中 | 上昇の幅で判断 |
| 件数がほぼ増えない | 上限に達している | 増やす検討へ |
| 件数は増えるが質が低下 | 対象が広がりすぎ | 絞って別チャネルへ |
| 変化が読めない | 期間が短すぎる | 期間を延ばして再測定 |
質の低下も同時に見る
件数が増えても、商談化率が下がっていることがあります。
対象を広げた結果、関心の薄い層が増えているためです。
件数と質を並べて見ないと、伸びしろを過大に評価します。
季節の影響を取り除く
増額の実験は、事業の繁忙期を避けて行います。季節による変動と、増額の効果が混ざると読めません。比較の対象として、増額していない期間の数字も並べます。
深める投資には、どんな種類があるのか
出稿額を増やすこと以外に、素材の改善と受け皿の改善があります。
出稿額だけを増やすと、上限に早く到達します。
深めるという言葉を、出稿額の増額だけで捉えると選択肢が狭くなります。
三つの方向がある
出稿の量を増やす。
届ける内容の質を上げる。
届いた後の受け皿を改善する。
この三つは、それぞれ効き方が違います。
上限に近づいているチャネルでは、後の二つのほうが効果が出ます。
深める投資の種類
| 種類 | 具体的な内容 | 効きやすい状況 |
|---|---|---|
| 出稿額の増額 | 配信の量を増やす | まだ余地がある |
| 素材の改善 | 訴求の内容を変える | 反応率が頭打ち |
| 受け皿の改善 | 着地するページの見直し | 遷移後の離脱が多い |
| 対象の再設計 | 届ける相手の条件を変更 | 質が低下している |
| 計測の改善 | 記録できる範囲を広げる | 判断材料が足りない |
受け皿の改善は費用対効果が高い
同じ量が届いていても、受け皿の改善で成果が変わります。
出稿額を増やさずに件数が増えるため、単価が下がります。
上限に近いチャネルでは、まずここを見ます。
計測の改善も投資のうち
どのチャネルがどれだけ貢献しているかが分からない状態では、配分の判断ができません。記録できる範囲を広げることも、深める投資に含まれます。この投資は成果として見えにくいため、意識的に配分します。
増やす判断に入ってよい条件は、何か
既存のチャネルが上限に近く、深める投資も一巡していることです。
この二つが揃う前に増やすと、どちらも中途半端になります。
増やす判断には、前提となる条件があります。
三つの条件を確認する
既存のチャネルで増額しても件数が伸びない。
素材と受け皿の改善を一巡させた。
新しいチャネルを管理する人の余力がある。
この三つが揃ってから、増やす検討に入ります。
増やす判断の前提
| 条件 | 確認の方法 | 満たさない場合 |
|---|---|---|
| 既存の上限 | 増額時の単価の変化 | 深める投資を続ける |
| 改善の一巡 | 素材と受け皿の見直し履歴 | 改善を先に行う |
| 人の余力 | 担当者の稼働の状況 | 人を確保してから |
| 予算の確保 | 検証用の枠の有無 | 枠を作ってから |
| 判定の合意 | いつ何で判断するか | 基準を決めてから |
役割の重複を避ける
新しいチャネルが、既存のチャネルと同じ役割を持つことがあります。
この場合、既存の獲得を分け合うだけで総量は増えません。
増やす前に、どの役割を埋めるためかを決めます。
検証の枠から始める
新しいチャネルは、主力の予算から出しません。検証用に確保した枠から出します。単価が成立することを確認してから、配分を移します。
増やしたときに発生する費用は、何か
出稿の費用のほかに、学習の期間と管理の時間がかかります。
この二つを見積もらずに増やすと、既存のチャネルの管理が薄くなります。
新しいチャネルの費用は、出稿額だけではありません。
学習の期間の費用
新しいチャネルでは、最初の数か月は単価が高くなります。
どの対象にどの素材が効くかが分からないためです。
この期間の費用は、実質的な立ち上げの投資です。
増やしたときの費用の内訳を、項目ごとに見ていきます。
出稿の費用については、性質は変動費、見積もりの目安は検証に必要な最低額。
学習期間の超過分については、性質は一時的な費用、見積もりの目安は最初の3か月の単価の差。
素材の制作については、性質は固定費、見積もりの目安はそのチャネル向けの形式。
担当者の時間については、性質は人件費、見積もりの目安は月あたりの管理の時間。
管理の手間の増加については、性質は人件費、見積もりの目安は既存の管理にも影響。
管理の時間が既存にも影響する
担当者の時間は有限です。
新しいチャネルに時間を使うと、既存の管理に使う時間が減ります。
既存の成果が下がることを、費用として見込みます。
撤退する場合の費用も見る
うまくいかなかった場合、停止までに使った費用が損失になります。検証の枠の上限を決めておけば、この損失の上限も決まります。上限を決めずに始めると、判断が遅れて損失が膨らみます。
組織の人数が、選択をどう縛るのか
管理できるチャネルの数は、担当者の人数でほぼ決まります。
人数を超えて増やすと、全てのチャネルの管理が薄くなります。
チャネルの数は、予算ではなく人で制約されます。
一人が管理できる数には上限がある
チャネルごとに、仕様の変化を追い、数字を見て、素材を入れ替える作業が要ります。
一人が深く管理できる数には限りがあります。
これを超えると、どのチャネルも設定したまま放置されます。
人数と管理の範囲を、項目ごとに見ていきます。
専任が1名については、深く管理できる数は2つから3つ、増やす場合の対応は人を増やすか委託。
専任が2名から3名については、深く管理できる数は4つから6つ、増やす場合の対応は役割を分担。
専任が4名以上については、深く管理できる数は6つ以上、増やす場合の対応はチャネル別に担当。
兼任のみについては、深く管理できる数は1つから2つ、増やす場合の対応は主力に集中。
外部に委託については、深く管理できる数は委託先の体制による、増やす場合の対応は報告の頻度で確認。
委託で数を増やす場合
外部に委託すれば、管理できる数は増やせます。
ただし、判断を自社で行う体制は必要です。
報告を受けて判断する時間も、担当者の稼働に含めます。
人を増やす判断との順序
チャネルを増やす前に、人を確保します。増やしてから人が足りないことに気づくと、既存の管理も崩れます。採用と育成の期間を、計画に含めます。
この判断で起きやすい誤り
新しいチャネルを増やせば総量が増えると考えることです。
役割が重なっていれば、既存の獲得を分け合うだけになります。
判断を誤る型には、いくつかのものがあります。
役割の重複を確認しない
新しいチャネルが、既存と同じ層に同じ訴求で届いている場合。
総量は増えず、費用だけが増えます。
どの層を新たに取るのかを、事前に決めます。
起きやすい誤りと、先に確認することを、項目ごとに見ていきます。
役割の重複を見ないについては、起きることは獲得を分け合うだけ、先に確認することは新たに取る層の特定。
深める余地を残したまま増やすについては、起きることは単価の安い機会を逃す、先に確認することは増額時の単価の変化。
人の余力を確認しないについては、起きることは全ての管理が薄くなる、先に確認することは担当者の稼働。
主力の予算から出すについては、起きることは失敗時に戻せない、先に確認することは検証枠の確保。
判定の期間を決めないについては、起きることは成果が出ないまま続く、先に確認することは判定の時期と基準。
増やしたチャネルを減らせない
一度始めたチャネルは、止める判断がされにくくなります。
始めるときに、止める条件を決めておきます。
条件を満たさない場合は、素材や対象を変えて再検証するか、停止します。
外部に任せる場合の確認事項
新しいチャネルの立ち上げを代理店に任せる場合があります。提案されるチャネルが、その代理店の得意な範囲に限られることがあります。既存のチャネルの伸びしろを先に評価してもらえるかを確認してください。
判断の物差しを作る順序
既存のチャネルで増額の実験をすることから始めます。
伸びしろが分かって初めて、増やす選択と比較できます。
判断の材料を作る作業が、議論そのものより時間がかかります。
物差しを作る段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることはチャネルごとの現在の単価と件数を揃える、期間の目安は2週間。
2については、やることは主力チャネルの予算を2割増やして記録、期間の目安は8週間。
3については、やることはさらに2割増やして単価の変化を見る、期間の目安は8週間。
4については、やることは素材と受け皿の改善の履歴を棚卸しする、期間の目安は3週間。
5については、やることは担当者の稼働と管理できる数を確認する、期間の目安は2週間。
6については、やることは検証枠の上限と判定の基準を決める、期間の目安は2週間。
増額の実験は期初に計画する
実験には数か月かかります。
期の途中で思い立っても、判断に間に合いません。
年間の計画に、実験の期間を組み込んでおきます。
増やすか深めるかを裏づける数字を、項目ごとに見ていきます。
チャネル別の獲得単価については、見る頻度は毎月、判断に使うところは効率の比較。
増額時の単価の変化については、見る頻度は実験ごと、判断に使うところは伸びしろの判定。
チャネル別の商談化率については、見る頻度は四半期、判断に使うところは質の比較。
担当者あたりの管理チャネル数については、見る頻度は四半期、判断に使うところは体制の限界。
検証枠の消化と成果については、見る頻度は四半期、判断に使うところは新規の可否。
質の数字を単価と並べる
単価だけで比べると、質の低いチャネルが良く見えます。
商談化率を並べて、商談1件あたりの費用で比較します。
この形にすると、判断が変わることがあります。
実験の記録を残す
増額の実験の結果は、翌期以降も使えます。
どの水準で単価が上がり始めたかを記録します。
記録がないと、毎年同じ実験を繰り返すことになります。
チャネルを増やすか深めるかの判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。獲得の構成ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
既存のチャネルに伸びしろがあるか分かりません
予算を2割ずつ段階的に増やして、各段階の獲得件数と単価を記録してください。単価が急に上がり始める地点が上限に近い場所です。件数と同時に商談化率も見て、質の低下がないか確認します。
新しいチャネルを増やす条件は何ですか
既存のチャネルで増額しても件数が伸びず、素材と受け皿の改善を一巡させ、新しいチャネルを管理する人の余力があることです。この三つが揃う前に増やすと、どちらも中途半端になります。
チャネルはいくつまで持てますか
予算ではなく担当者の人数で決まります。専任1名なら2つから3つ、兼任のみなら1つから2つが目安です。これを超えると全てのチャネルが設定したまま放置されます。
深めるというのは出稿額を増やすことですか
それだけではありません。届ける内容の質を上げること、着地するページなど受け皿を改善することも含まれます。上限に近いチャネルでは、出稿額を増やすより後の二つのほうが効果が出ます。
増やしたのに総量が増えませんでした
新しいチャネルが既存と同じ層に同じ訴求で届いている可能性があります。役割が重なっていれば獲得を分け合うだけになります。増やす前に、どの層を新たに取るのかを決めてください。
まとめ
- 既存のチャネルにどれだけ伸びしろが残っているかを測っていないからです。伸びしろが分からないと、追加の投資先を比べられません
- 予算を段階的に増やして、単価の変化を記録します。増額しても単価が変わらないなら、まだ余地があります
- 出稿額を増やすこと以外に、素材の改善と受け皿の改善があります。出稿額だけを増やすと、上限に早く到達します
- 既存のチャネルが上限に近く、深める投資も一巡していることです。この二つが揃う前に増やすと、どちらも中途半端になります
- 出稿の費用のほかに、学習の期間と管理の時間がかかります。この二つを見積もらずに増やすと、既存のチャネルの管理が薄くなります
- 管理できるチャネルの数は、担当者の人数でほぼ決まります。人数を超えて増やすと、全てのチャネルの管理が薄くなります
- 新しいチャネルを増やせば総量が増えると考えることです。役割が重なっていれば、既存の獲得を分け合うだけになります
- 既存のチャネルで増額の実験をすることから始めます。伸びしろが分かって初めて、増やす選択と比較できます