
それぞれの部門が、自分の側の成果だけを持っているからです。
同じ受注に両方が関わっていても、記録の上では片方の功績になります。
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目次
目次
- 二つの配分の議論が、部門の対立になるのはなぜか
- 記録の形が違う
- 二つは、何が構造的に違うのか
- 必要を作るか、捕まえるか
- 今の配分を、どう把握するのか
- 初回接触で分類する
- 配分を決める基準は、何か
- 広告の伸びしろを確認する
- 事業の成熟に応じて、比率はどう動くのか
- 認知が低い段階
- 二つをつなぐと、何が変わるのか
- 反応があったが問い合わせに至らない層
- 配分の議論で、何を見落とすのか
- 速度の差を織り込む
- 配分を決め直す順番
- 重複の解消を先に行う
- よくある質問
- まとめ
それぞれの部門が、自分の側の成果だけを持っているからです。
同じ受注に両方が関わっていても、記録の上では片方の功績になります。
二つの配分の議論が、部門の対立になるのはなぜか
それぞれの部門が、自分の側の成果だけを持っているからです。
同じ受注に両方が関わっていても、記録の上では片方の功績になります。
能動的に接触して案件を作る動きと、問い合わせを受けて対応する動き。
この二つの配分は、毎期の議論になります。
数字を出し合っても決着しないのは、前提が揃っていないためです。
記録の形が違う
能動的な接触は、架電数や訪問数として記録されます。
問い合わせからの獲得は、件数と単価として記録されます。
単位が違うので、並べても比較になりません。
同じ企業に両方が接触していることもあります。
このとき、どちらの成果とするかの基準がありません。
基準がないまま集計すると、両方が自分の成果として数えます。
費用の性質が違う
能動的な接触の費用は、ほぼ人件費です。
問い合わせからの獲得の費用は、広告費と制作費が中心です。
人件費は固定的で、広告費は変動的です。
この違いにより、削減の議論のときに扱いが変わります。
広告費は削りやすく、人件費は削りにくくなります。
二つの動きの記録と費用の違い
| 観点 | 能動的な接触 | 問い合わせからの獲得 |
|---|---|---|
| 主な費用 | 人件費 | 広告費と制作費 |
| 費用の性質 | 固定的 | 変動的 |
| 記録される数字 | 架電数や訪問数 | 件数と単価 |
| 増やすときの制約 | 人の採用と育成 | 予算の確保 |
| 成果までの時間 | 接触から数週間 | 問い合わせから即時 |
対象が重なっている
どちらも同じ市場の同じ企業を対象にしています。重なりを把握していないと、同じ相手に別々に接触することになります。相手から見れば、一つの会社から二重に連絡が来ている状態です。
二つは、何が構造的に違うのか
相手の検討の段階が違います。
能動的な接触は必要を作る動きで、問い合わせへの対応は必要を捕まえる動きです。
役割の違いを理解すると、配分の議論が噛み合うようになります。
必要を作るか、捕まえるか
問い合わせをしてくる相手は、既に課題を認識しています。
自社を探し当てて連絡してきています。
この層の規模は、市場の中で限られます。
能動的に接触する相手は、まだ課題を認識していないことがあります。
接触によって課題に気づかせる過程が必要です。
そのぶん時間がかかり、成功率も下がります。
相手の状態と必要な動き
| 相手の状態 | 該当する動き | 必要な時間 |
|---|---|---|
| 課題を認識し探している | 問い合わせへの対応 | 短い |
| 課題は認識しているが探していない | 能動的な接触 | 中程度 |
| 課題を認識していない | 能動的な接触 | 長い |
| 他社を利用中 | 更新時期を狙った接触 | 時期に依存 |
| 検討を中止した | 再接触 | 状況の変化次第 |
上限の場所が違う
問い合わせからの獲得は、市場で探している人の数が上限です。
広告費を増やしても、その人数以上には増えません。
能動的な接触は、接触できる人数が上限です。
人を増やせば上限も上がります。
成長の速度が違う
広告の出稿は、翌日から増やせます。能動的な接触は、人の採用と育成に数か月かかります。急に増やしたい局面では、この速度の差が効きます。
今の配分を、どう把握するのか
受注案件の初回接触が、どちらから始まったかを分類します。
費用の配分と、成果の配分を並べて初めて現状が見えます。
配分の議論は、現状の把握から始めます。
初回接触で分類する
受注した案件について、最初の接触がどちらだったかを記録します。
途中で両方が関わった案件も、起点は一つです。
この分類ができれば、成果の配分が出ます。
現状の把握に必要な数字
| 出す数字 | 出し方 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 成果の配分 | 受注を初回接触で分類 | どちらが多いか |
| 費用の配分 | 人件費と広告費を集計 | 投資の偏り |
| 受注単価の差 | それぞれの平均受注額 | 質の違い |
| 受注までの期間 | 初回接触から受注まで | 回転の速さ |
| 重複の件数 | 両方が接触した企業の数 | 無駄の把握 |
費用に人件費を含める
能動的な接触の費用は、人件費です。
これを計上しないと、費用がゼロの施策として扱われます。
関与する人の時間を、費用として計算します。
重複の件数を必ず出す
両方が同じ企業に接触している件数を出します。この数字が大きければ、対象の分け方に問題があります。重複の解消は、配分の議論より先に行う作業です。
配分を決める基準は、何か
市場で探している人の数が、上限に近いかどうかで決めます。
広告を増やしても獲得が伸びない状態なら、能動的な接触に寄せます。
配分の基準を、市場の状態から導きます。
広告の伸びしろを確認する
広告の出稿を増やしたときに、獲得件数が比例して増えるか。
単価が急に上がるなら、探している人の数に近づいています。
この状態が、配分を変える合図になります。
配分を判断する状態
| 観察される状態 | 示していること | 配分の方向 |
|---|---|---|
| 出稿を増やすと件数も比例 | まだ余地がある | 問い合わせ側に寄せる |
| 出稿を増やすと単価が急上昇 | 上限に近い | 能動的な接触へ |
| 問い合わせの質が下がっている | 対象を広げすぎ | 絞って能動側を増やす |
| 能動的な接触の成功率が低い | 対象の選定に問題 | 対象の見直しが先 |
| 両方とも伸びている | 市場が拡大中 | 両方を増やす |
対象の規模を確認する
自社の対象となる企業の総数を把握します。
その数が少ない市場では、能動的な接触のほうが効率的です。
全社に接触することが現実的な規模であれば、広告に頼る必要が薄くなります。
単価と受注額で判断する
受注1件あたりの費用を、両方で出します。受注額の平均も並べます。単価が低くても受注額が小さければ、粗利では劣ることがあります。
事業の成熟に応じて、比率はどう動くのか
市場での認知が低い段階ほど、能動的な接触の比率が高くなります。
認知が広がるにつれて、問い合わせからの獲得に移っていきます。
配分は固定ではなく、事業の段階で移ります。
認知が低い段階
社名を知られていなければ、検索されません。
広告を出しても、比較の候補に入りにくくなります。
この段階では、能動的な接触が主力になります。
認知が広がった段階
指名での検索が増え、問い合わせが安定して入るようになります。
能動的な接触の比率を下げて、広告に移します。
ただし、完全にゼロにはしません。
段階ごとの配分の傾向を、項目ごとに見ていきます。
市場に参入した直後については、能動的な接触は主力、問い合わせからの獲得はほぼ機能しない。
認知が広がり始めたについては、能動的な接触は主力、問い合わせからの獲得は補助。
認知が一定に達したについては、能動的な接触は大口や新領域に集中、問い合わせからの獲得は主力。
市場が成熟したについては、能動的な接触は既存顧客の深耕、問い合わせからの獲得は単価が上昇。
新しい領域に広げるについては、能動的な接触は再び主力になる、問い合わせからの獲得は後から追随。
新しい領域では戻る
既存の市場で問い合わせが安定していても、新しい業種や地域に広げるときは認知がゼロです。
その領域では、能動的な接触から始めます。
全社の配分と、領域ごとの配分を分けて考えます。
段階の判定を数字で行う
指名での検索件数、問い合わせに占める指名の比率。これらの数字で、認知の段階を判定します。感覚で判定すると、配分の変更が遅れます。
二つをつなぐと、何が変わるのか
問い合わせに至らなかった接点を、能動的な接触の対象にできます。
つないでいない状態では、この層がどちらからも漏れます。
配分の議論の前に、つなぐことで得られる部分があります。
反応があったが問い合わせに至らない層
資料を読んだ、配信を開封した、サイトを何度も訪れた。
この層は、問い合わせには至っていません。
能動的な接触の対象として渡せば、成功率が上がります。
無差別に接触するより、反応のある相手への接触のほうが効率が良くなります。
この受け渡しの設計が、両方の成果を上げます。
つなぐ経路と、その効果を、項目ごとに見ていきます。
資料を読んだ相手については、渡す先は能動的な接触、期待できることは接触の成功率の向上。
配信に反応した相手については、渡す先は能動的な接触、期待できることは話の切り口が明確。
接触したが時期が先の相手については、渡す先は配信の対象、期待できることは時期が来たときの想起。
失注した相手については、渡す先は配信の対象、期待できることは状況変化時の再接触。
能動的な接触で得た情報については、渡す先は広告の対象の設計、期待できることは訴求の精度向上。
逆方向もつなぐ
能動的な接触で得た情報は、広告の設計に使えます。
どの業種のどの役職が反応したか。
この情報が、広告の対象の設計を改善します。
渡す基準を決めておく
どの反応があったら渡すのかを、数値で決めます。基準がないと、渡す側と受ける側で期待がずれます。受けた側の結果を戻す仕組みも、同時に決めます。
配分の議論で、何を見落とすのか
人を増やす判断と、広告を増やす判断の速度の差です。
能動的な接触を増やすには数か月かかり、期中では間に合いません。
配分の変更には、実行の制約があります。
速度の差を織り込む
期の途中で広告を増やすことはできます。
人を増やして育てるには、数か月から1年かかります。
能動的な接触に寄せる判断は、期初の前から準備が要ります。
見落としやすい点と、実際の制約を、項目ごとに見ていきます。
配分は期中に変えられるについては、実際の制約は人を増やすには数か月かかる。
人件費は費用に入らないについては、実際の制約は最大の費用項目になる。
どちらか一方に寄せるべきについては、実際の制約は役割が違うので両方必要。
成果は片方の功績については、実際の制約は同じ案件に両方が関わる。
広告を止めれば人件費に回せるについては、実際の制約は採用と育成の期間が空く。
どちらかに寄せる議論にしない
役割が違う以上、どちらかをゼロにする判断は成立しません。
比率の調整として扱います。
ゼロにする議論は、部門の存続の話になり、合理的な結論が出ません。
外部に任せる場合の確認事項
能動的な接触を外部に委託する選択があります。接触件数だけを成果指標にすると、質の低い接触が増えます。商談の設定件数を指標にできるか、接触した相手の情報が自社に残るかを確認してください。
配分を決め直す順番
受注案件の初回接触を分類することから始めます。
成果の配分と費用の配分が揃って初めて、議論の土台ができます。
議論を始める前の準備に、時間をかけます。
配分を決め直す段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去12か月の受注を初回接触で分類する、期間の目安は3週間。
2については、やることは人件費を含めて費用の配分を出す、期間の目安は2週間。
3については、やることは両方が接触している企業の重複を出す、期間の目安は2週間。
4については、やることは広告の出稿を増やしたときの単価の変化を確認、期間の目安は4週間。
5については、やることは反応のある相手を渡す基準を決める、期間の目安は3週間。
6については、やることは翌期の配分案を作って合意する、期間の目安は3週間。
重複の解消を先に行う
同じ企業への二重の接触を先に止めます。
配分を変える前に、無駄を取り除きます。
対象の分け方の基準を決めることが、この作業になります。
配分を管理する数字を、項目ごとに見ていきます。
初回接触別の受注件数については、見る頻度は四半期、判断に使うところは成果の配分。
初回接触別の受注単価については、見る頻度は四半期、判断に使うところは質の違い。
受注1件あたりの費用については、見る頻度は四半期、判断に使うところは効率の比較。
重複接触の件数については、見る頻度は毎月、判断に使うところは対象の分け方。
渡した相手の商談化率については、見る頻度は四半期、判断に使うところは連携の機能。
渡した相手の結果を追う
反応のある相手を能動的な接触に渡したとき、その結果を記録します。
無差別の接触と比べて成功率が高くなっているかを確認します。
差が出ていれば、渡す基準は機能しています。
配分の変更は期初に合わせる
人の配置と採用の計画に連動するため、期中の大きな変更は難しくなります。
翌期の配分は、期の半ばまでに決めます。
決定の時期を、年間の計画に組み込んでおきます。
アウトバウンドとインバウンドの配分に迷いがある場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。獲得の構成ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
どちらに予算を寄せるべきですか
広告の出稿を増やしたときに獲得件数が比例して増えるかを確認してください。単価が急に上がるなら市場で探している人の数の上限に近づいています。その状態なら能動的な接触に寄せます。
二つの成果をどう比較すればいいですか
受注案件の初回接触がどちらから始まったかで分類します。費用の側は人件費を含めて集計し、受注1件あたりの費用と受注単価を並べると比較の土台ができます。
同じ企業に両方から連絡してしまいます
対象の分け方の基準が決まっていません。両方が接触している企業の重複件数を出し、配分の議論より先に解消してください。相手から見れば一つの会社から二重に連絡が来ている状態です。
事業の段階で配分は変わりますか
変わります。市場での認知が低い段階ほど能動的な接触の比率が高く、認知が広がるにつれて問い合わせからの獲得に移ります。新しい業種や地域に広げるときは、その領域で再び能動側に戻ります。
期中に配分を変えられますか
広告は期中に増やせますが、人を増やして育てるには数か月から1年かかります。能動的な接触に寄せる判断は、期初の前から準備が必要です。翌期の配分は期の半ばまでに決めてください。
まとめ
- それぞれの部門が、自分の側の成果だけを持っているからです。同じ受注に両方が関わっていても、記録の上では片方の功績になります
- 相手の検討の段階が違います。能動的な接触は必要を作る動きで、問い合わせへの対応は必要を捕まえる動きです
- 受注案件の初回接触が、どちらから始まったかを分類します。費用の配分と、成果の配分を並べて初めて現状が見えます
- 市場で探している人の数が、上限に近いかどうかで決めます。広告を増やしても獲得が伸びない状態なら、能動的な接触に寄せます
- 市場での認知が低い段階ほど、能動的な接触の比率が高くなります。認知が広がるにつれて、問い合わせからの獲得に移っていきます
- 問い合わせに至らなかった接点を、能動的な接触の対象にできます。つないでいない状態では、この層がどちらからも漏れます
- 人を増やす判断と、広告を増やす判断の速度の差です。能動的な接触を増やすには数か月かかり、期中では間に合いません
- 受注案件の初回接触を分類することから始めます。成果の配分と費用の配分が揃って初めて、議論の土台ができます