
名簿の劣化と、配信量の増加の両方によるものです。
手段そのものが効かなくなったわけではありません。
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目次
目次
- メールの効果が落ちているという実感は、何によるものか
- 名簿が静かに劣化している
- 届いていないのか、読まれていないのか
- 配信エラーの内訳を見る
- 名簿は毎年どれだけ減るのか
- 減少の要因を分けて数える
- メールが今も強い場面は、どこか
- 時期を選べる
- 配信の量と頻度を、どう決めるのか
- 頻度を下げても反応は上がらない
- メールから他の手段へ、どう配分を移すのか
- 削る対象は配信ではない
- メールの評価で、何を取り違えるのか
- 開封率の改善に時間を使わない
- 配信のあり方を見直す入口
- 補充の経路を先に作る
- よくある質問
- まとめ
名簿の劣化と、配信量の増加の両方によるものです。
手段そのものが効かなくなったわけではありません。
メールの効果が落ちているという実感は、何によるものか
名簿の劣化と、配信量の増加の両方によるものです。
手段そのものが効かなくなったわけではありません。
配信の反応が年々下がっている、という報告が毎年出ます。
原因を手段の陳腐化に求めると、打ち手を誤ります。
名簿が静かに劣化している
配信先の名簿は、何もしなければ毎月劣化します。
担当者の異動と退職で、宛先が無効になります。
関心が薄れた相手は、開かなくなります。
新しい接点が加わらなければ、名簿の平均的な関心度は下がり続けます。
反応率の低下は、この劣化の結果として現れます。
受け取る側の受信量が増えている
同じ相手に届くメールの総量が増えています。
自社の配信が相対的に埋もれます。
自社の内容が変わっていなくても、反応は下がります。
反応が落ちる原因の切り分け
| 原因 | 確認の方法 | 打ち手の方向 |
|---|---|---|
| 宛先の無効化 | 配信エラー率の推移 | 名簿の整理と補充 |
| 関心の低下 | 開封率の名簿の年次別の比較 | 内容と対象の見直し |
| 受信量の増加 | 自社では確認できない | 頻度と件名の設計 |
| 新規の流入不足 | 有効件数の月次の増減 | 接点づくりへの投資 |
| 配信の到達の問題 | エラーの種類の内訳 | 送信の設定の確認 |
手段としての優位は残っている
配信の費用は、他の手段と比べて小さいままです。相手を特定して届けられる数少ない手段でもあります。劣化への対処をすれば、投資対効果は高い部類に残ります。
届いていないのか、読まれていないのか
配信エラーの率と開封率を分けて見ます。
届いていない問題と読まれていない問題では、打ち手がまったく違います。
反応の低下を一つの数字で見ていると、原因が特定できません。
配信エラーの内訳を見る
宛先が存在しないことによるエラーと、受信側で拒否されるエラーは別物です。
前者は名簿の劣化、後者は送信の設定や内容の問題です。
エラーの種類ごとに件数を出します。
エラー率が高い状態を放置すると、正常な宛先にも届きにくくなります。
名簿の整理は、到達そのものを守る作業でもあります。
数字の切り分け方
| 数字 | 示していること | 低下時の打ち手 |
|---|---|---|
| 配信エラー率 | 宛先の有効性と送信の状態 | 名簿の整理と設定の確認 |
| 開封率 | 件名と送信者名と関心 | 対象の絞り込み |
| 閲覧率 | 内容と相手の関心の一致 | 内容の見直し |
| 配信停止率 | 相手にとっての不要さ | 頻度と対象の見直し |
| 新規の有効件数 | 接点づくりの成果 | 獲得の施策への投資 |
開封率の低下は対象の問題であることが多い
件名の工夫で開封率を上げる試みは、効果が限定的です。
関心のない相手に送っていることが原因であれば、件名を変えても変わりません。
対象を絞るほうが、効果が大きくなります。
配信停止率を警戒する
配信停止が増えているときは、内容が相手に合っていません。件数の減少より先に、停止した相手の属性を確認します。どの層が離れているかが分かれば、対象の条件を調整できます。
名簿は毎年どれだけ減るのか
何もしなければ、年に1割から2割程度が無効化します。
この減少を上回る補充がなければ、配信の規模は縮小し続けます。
名簿の増減を把握していない組織が多くあります。
最初に測ります。
減少の要因を分けて数える
担当者の異動と退職による無効化。
配信停止。
長期間まったく反応がない相手の除外。
この三つを分けて数えます。
それぞれ対処の方法が違います。
名簿の増減を管理する
| 項目 | 測り方 | 対処 |
|---|---|---|
| 宛先の無効化 | 配信エラーの件数 | 既存顧客への再取得 |
| 配信停止 | 停止の件数と属性 | 頻度と対象の調整 |
| 無反応の蓄積 | 12か月無反応の件数 | 除外か別の接触手段 |
| 新規の追加 | 月ごとの追加件数 | 接点づくりの施策 |
| 有効件数の純増減 | 追加から減少を引く | 全体の健全性 |
数字は説明のための仮の値です。
有効件数10,000件で年間15%が無効化するなら、年1,500件が減ります。
現状を維持するだけでも、年1,500件の新規の追加が必要になります。
無反応の相手をどう扱うか
12か月以上まったく開封がない相手を、配信対象から外す判断があります。
配信の到達を守るうえでは有効です。
ただし、開封の記録は完全ではないので、除外の前に一度確認の配信を行います。
既存顧客からの再取得
既存顧客の担当者が変わったときに、新しい担当者の情報を取得します。営業の接点を通じて更新する形が確実です。この経路を仕組みにしておくと、無効化の影響が小さくなります。
メールが今も強い場面は、どこか
相手を特定して、任意の時期に届けられる点です。
検討が進んだ相手への通知と、長期の関係維持には代替がありません。
他の手段と比べたときの優位を確認します。
時期を選べる
広告は、相手が接する機会を待つ必要があります。
メールは、こちらが決めた時期に届けられます。
契約の更新前、イベントの直前といった時期の指定が効きます。
費用が件数に比例しない
配信の費用は、件数が増えてもほとんど変わりません。
広告は、届く人数に比例して費用が増えます。
名簿が大きいほど、この差が効きます。
手段としての比較
| 観点 | メール | 広告 | 自社サイト |
|---|---|---|---|
| 相手の特定 | できる | 条件でしか絞れない | できない |
| 時期の指定 | できる | 接触の機会に依存 | できない |
| 件数あたりの費用 | ほぼ増えない | 比例して増える | 増えない |
| 新規への到達 | できない | できる | 限定的 |
| 反応の記録 | 個人単位で残る | 集計でのみ残る | 限定的 |
既存顧客への通知は代替がない
仕様の変更、障害の連絡、更新の案内。
これらを確実に届ける手段として、メールの位置づけは変わっていません。
獲得の手段としての評価と、通知の手段としての評価は分けます。
検討が進んだ相手への接触
資料を読み、商談の途中で止まっている相手。この層に定期的に接触する手段として、費用対効果は高い部類に入ります。新規を取る手段としては弱くても、この用途は残ります。
配信の量と頻度を、どう決めるのか
配信停止率が上がらない範囲で、最も多い頻度にします。
頻度を下げれば反応が上がるとは限りません。
頻度の設計は、実験で決めます。
感覚で決めると、少なすぎるほうに寄ります。
頻度を下げても反応は上がらない
月1回に減らすと、1回あたりの開封率は上がることがあります。
しかし総量としての接点は減ります。
商談の発生数で見ると、頻度を下げたほうが少なくなることがあります。
配信停止率を上限の指標にする
頻度を上げていき、配信停止率が上がり始めた地点が上限です。
この地点を、対象ごとに確認します。
検討が進んだ相手と、関心の薄い相手では、許容される頻度が違います。
対象ごとの頻度の目安を、項目ごとに見ていきます。
検討が進んでいる相手については、頻度の考え方は週1回程度まで、上限の判断は返信と反応で判断。
過去の失注先については、頻度の考え方は月2回程度、上限の判断は配信停止率で判断。
関心が薄い相手については、頻度の考え方は月1回、上限の判断は停止が増えたら下げる。
既存顧客への通知については、頻度の考え方は必要なときのみ、上限の判断は内容の必要性で判断。
新規に獲得した相手については、頻度の考え方は最初の1か月は多めに、上限の判断は反応の有無で分岐。
対象ごとに頻度を変える
全員に同じ頻度で送ると、どちらかに合わなくなります。
対象を分けて、頻度を変えます。
この分け方が、配信停止を減らしながら接点を増やす方法になります。
送る内容がない回は送らない
頻度を守るために、中身の薄い配信を出すことがあります。これは配信停止を増やします。頻度は上限であって、義務ではありません。
メールから他の手段へ、どう配分を移すのか
メールを減らすのではなく、名簿を増やす施策に費用を移します。
配信の費用は小さいので、そこを削っても効果が出ません。
配分の見直しでは、どこを削るかの判断が要ります。
削る対象は配信ではない
配信そのものの費用は、全体の中で小さい割合です。
削っても効果がありません。
制作にかかる時間と、名簿を増やす施策の費用が、議論の対象になります。
制作の時間を減らす
毎回新しく作ると、時間が尽きます。
既存の資料、記事、ウェビナーの内容から転用する形にします。
この転用の経路を作ることが、実質的な費用の削減になります。
費用の移し方を、項目ごとに見ていきます。
配信の道具の費用については、見直しの方向は使っていない機能を確認、移す先は下位の契約へ。
制作の時間については、見直しの方向は既存の内容から転用、移す先は接点づくりの企画。
全員への一斉配信については、見直しの方向は対象を絞って頻度を上げる、移す先は質の改善。
新規の名簿づくりについては、見直しの方向は増やす、移す先は展示会や共催や広告。
無反応層への配信については、見直しの方向は停止して別の手段へ、移す先は営業からの直接の接触。
名簿を増やす施策に移す
配信の効果は、名簿の規模と質で決まります。
配信の改善より、名簿を増やす施策のほうが効果が大きくなります。
展示会、共催のセミナー、資料の公開。
これらへの投資が、配信の成果を底上げします。
無反応層は別の手段に切り替える
長期間反応がない相手には、配信以外の手段を試します。営業からの直接の接触、郵送、広告での再接触。費用はかかりますが、配信を続けるより結果が出ることがあります。
メールの評価で、何を取り違えるのか
開封率を成果として扱うことです。
開封率は件名と送信の時間で大きく変わり、商談とは連動しません。
評価の指標を誤ると、改善の方向も誤ります。
開封率の改善に時間を使わない
開封率は上げやすい指標です。
件名を工夫すれば数字は動きます。
しかし、その先の閲覧と商談は変わらないことがあります。
取り違えやすい点と、見るべき数字を、項目ごとに見ていきます。
開封率が成果については、見るべき数字は配信からの商談件数。
配信件数が多いほどよいについては、見るべき数字は有効件数の純増減。
頻度を下げれば反応が上がるについては、見るべき数字は期間あたりの商談発生数。
反応がないのは内容のせいについては、見るべき数字は対象の条件が合っているか。
メールは古い手段については、見るべき数字は相手を特定して時期を選べる価値。
期間あたりで見る
1回あたりの反応率で見ると、頻度を下げたほうが良く見えます。
月あたり、四半期あたりの商談発生数で見ます。
この見方に変えると、頻度の判断が変わります。
外部に任せる場合の確認事項
配信の運用を外部に委託する場合があります。開封率の改善を成果指標にした契約は、事業への接続が弱くなります。配信からの商談件数を指標にできるか、名簿の増減まで管理するかを確認してください。
配信のあり方を見直す入口
名簿の有効件数の増減を月次で出すところから始めます。
減り続けているなら、配信の改善より先に補充の施策が要ります。
改善の入口は、配信の内容ではなく名簿の状態にあります。
配信を組み替える段取りを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは有効件数の月次の増減を過去2年分出す、期間の目安は2週間。
2については、やることは配信エラーの種類ごとの内訳を出す、期間の目安は1週間。
3については、やることは配信停止した相手の属性を分類する、期間の目安は2週間。
4については、やることは対象を分けて頻度を変える設計をする、期間の目安は3週間。
5については、やることは名簿を増やす施策に費用を移す、期間の目安は4週間。
6については、やることは配信からの商談件数を記録する仕組みを作る、期間の目安は3週間。
補充の経路を先に作る
名簿が減り続けている状態で内容を改善しても、規模の縮小は止まりません。
展示会、共催、資料の公開。
新規の接点が入る経路を先に作ります。
配信の健全性を示す数字を、項目ごとに見ていきます。
有効件数の純増減については、見る頻度は毎月、判断に使うところは名簿の健全性。
配信エラー率については、見る頻度は毎月、判断に使うところは到達の状態。
配信停止率については、見る頻度は配信ごと、判断に使うところは頻度と対象の妥当性。
配信からの商談件数については、見る頻度は四半期、判断に使うところは投資の継続判断。
対象別の反応の差については、見る頻度は四半期、判断に使うところは分け方の妥当性。
対象別の反応の差を確認する
対象を分けた効果は、反応の差として現れます。
差が出ていなければ、分け方が機能していません。
条件を変えて、もう一度試します。
記録を1年分ためてから判断する
配信の成果は、季節や事業の状況で変動します。
短期の数字で判断すると、振れに引きずられます。
1年分をためてから、投資の配分を判断します。
メールの配信をどう位置づけるか迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。接点の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
メールの反応が年々落ちています
手段の陳腐化ではなく、名簿の劣化と受信量の増加が主な原因です。配信エラー率と開封率と配信停止率を分けて見て、届いていない問題と読まれていない問題を切り分けてください。
名簿は毎年どれくらい減りますか
何もしなければ年に1割から2割程度が無効化します。担当者の異動と退職、配信停止、長期の無反応が主な要因です。現状を維持するだけでも、その分の新規の追加が必要になります。
配信の頻度は下げたほうがいいですか
1回あたりの開封率は上がりますが、総量としての接点は減ります。月あたりの商談発生数で見ると、頻度を下げたほうが少なくなることがあります。配信停止率が上がらない範囲で最も多い頻度にしてください。
開封率を成果として報告してもいいですか
開封率は件名と送信の時間で大きく変わり、その先の商談とは連動しません。配信からの商談件数を成果に置いてください。開封率の改善に時間を使っても事業には届きません。
メールをやめて他の手段に移すべきですか
配信そのものの費用は全体の中で小さいため、削っても効果がありません。制作の時間を既存の内容の転用で減らし、名簿を増やす施策に費用を移すほうが成果につながります。
まとめ
- 名簿の劣化と、配信量の増加の両方によるものです。手段そのものが効かなくなったわけではありません
- 配信エラーの率と開封率を分けて見ます。届いていない問題と読まれていない問題では、打ち手がまったく違います
- 何もしなければ、年に1割から2割程度が無効化します。この減少を上回る補充がなければ、配信の規模は縮小し続けます
- 相手を特定して、任意の時期に届けられる点です。検討が進んだ相手への通知と、長期の関係維持には代替がありません
- 配信停止率が上がらない範囲で、最も多い頻度にします。頻度を下げれば反応が上がるとは限りません
- メールを減らすのではなく、名簿を増やす施策に費用を移します。配信の費用は小さいので、そこを削っても効果が出ません
- 開封率を成果として扱うことです。開封率は件名と送信の時間で大きく変わり、商談とは連動しません
- 名簿の有効件数の増減を月次で出すところから始めます。減り続けているなら、配信の改善より先に補充の施策が要ります