
広告の配信とチャンネルの運営が、同じ名前で語られるからです。
必要な費用も期間も体制も違うので、分けて判断する必要があります。
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目次
目次
- YouTubeへの投資が、二つの別物として混ざるのはなぜか
- 判断の性質が違う
- 広告配信とチャンネル運営は、何が違うのか
- 即時性と持続性
- チャンネル運営に向く事業の条件は、何か
- 説明の長さが条件になる
- 広告配信に向く事業の条件は、何か
- 短い時間で伝わるか
- チャンネルを持つとしたら、何を積み上げるのか
- 二つの用途を同時に満たす
- どれだけの期間と費用がかかるのか
- チャンネルは24か月で見る
- YouTubeの投資で、何を見誤るのか
- 視聴者数は目的にならない
- 投資の可否を決めるまでの段取り
- 広告から先に試す
- よくある質問
- まとめ
広告の配信とチャンネルの運営が、同じ名前で語られるからです。
必要な費用も期間も体制も違うので、分けて判断する必要があります。
YouTubeへの投資が、二つの別物として混ざるのはなぜか
広告の配信とチャンネルの運営が、同じ名前で語られるからです。
必要な費用も期間も体制も違うので、分けて判断する必要があります。
社内でYouTubeに投資すべきかという議題が出ます。
このとき、広告を出す話とチャンネルを持つ話が混ざります。
前者は出稿の判断で、後者は制作の体制をつくる判断です。
判断の性質が違う
広告の配信は、他の運用型の広告と同じ枠組みで判断できます。
出稿額を決め、単価を見て、続けるか止めるかを決めます。
止めれば費用も止まります。
チャンネルの運営は、制作を続ける体制をつくる判断です。
止めれば積み上げたものが減衰し、再開には時間がかかります。
判断の重さが異なります。
二つの投資の違い
| 観点 | 広告の配信 | チャンネルの運営 |
|---|---|---|
| 判断の性質 | 出稿の判断 | 体制をつくる判断 |
| 費用の出方 | 出稿額に連動 | 人件費と制作費が固定 |
| 効果が出るまで | 数週間 | 12か月以上 |
| 止めたときの影響 | 費用も成果も止まる | 積み上げが減衰する |
| 必要な社内の人 | 運用の担当 | 企画と出演と編集 |
混ざると結論が出ない
二つを同じ議題で扱うと、費用の話と体制の話が交互に出ます。
決められる論点が定まりません。
議題を分けることが、最初の作業になります。
市場の数字はどちらの根拠にもならない
動画の広告費が伸びていることは、供給側の変化を示します。電通デジタルの分析では、2025年のビデオ広告は1兆275億円で媒体費の構成比30%でした。これは在庫が増えたことを意味しますが、自社がチャンネルを持つべき理由にはなりません。
広告配信とチャンネル運営は、何が違うのか
届ける相手を買うか、届く状態を作るかの違いです。
前者は費用で即座に量を作れ、後者は時間でしか作れません。
二つの違いを、投資の観点から整理します。
即時性と持続性
広告は、出稿すればその日から届きます。
止めれば翌日に消えます。
チャンネルは、届くようになるまで時間がかかりますが、残ります。
過去に公開した内容が、数年後にも見られることがあります。
この持続性が、チャンネル運営の価値になります。
二つの投資の効き方
| 項目 | 広告の配信 | チャンネルの運営 |
|---|---|---|
| 立ち上がりの速さ | 即日 | 12か月以上 |
| 量の調整 | 費用で調整可能 | 制作の本数に依存 |
| 過去の投資の残存 | 残らない | 残る |
| 対象の絞り込み | 条件で指定できる | 内容で自然に絞られる |
| 競合との競争 | 入札で単価が上がる | 内容の質で決まる |
費用の性質が違う
広告費は変動費です。
事業の状況に応じて増減できます。
チャンネルの運営費は、実質的に固定費です。
人件費と制作費が毎月かかり、急には減らせません。
この違いが、予算の稟議の通しやすさを左右します。
併用する場合の順番
チャンネルで制作した内容を、広告の素材として使う形があります。この場合、制作の費用が両方に効きます。ただしチャンネル向けの長い内容は、広告にはそのまま使えません。
チャンネル運営に向く事業の条件は、何か
説明に時間がかかり、判断の材料が多い商材です。
短く説明できる商材では、チャンネルを持つ必要が薄くなります。
チャンネルの運営は、全ての事業に向くわけではありません。
条件を確認します。
説明の長さが条件になる
導入の判断に、多くの情報が必要な商材があります。
仕組み、使い方、他社との違い、導入後の運用。
これらを文章で読むより、話を聞くほうが早い場合があります。
逆に、価格と仕様で判断できる商材では、動画を見る理由がありません。
自社の商談で、説明にどれだけ時間がかかっているかを確認します。
チャンネル運営に向く条件
| 条件 | 向く場合 | 向かない場合 |
|---|---|---|
| 説明の長さ | 判断に多くの情報が要る | 価格と仕様で決まる |
| 検討の期間 | 数か月以上 | 数日で決まる |
| 出演できる人 | 社内に継続して出せる人がいる | 確保できない |
| 制作の継続 | 月2本以上を1年続けられる | 単発しかできない |
| 既存の内容の蓄積 | 資料や事例が溜まっている | 題材が尽きる |
出演できる人がいるか
チャンネルは、出演者への依存が大きくなります。
継続して出られる人が社内にいることが条件です。
外部に依頼すると、費用が毎回かかり、信用の蓄積も外部に残ります。
題材が尽きないか
月2本を1年続けると24本になります。それだけの題材があるかを、始める前に確認します。題材の一覧が10本も出ないなら、継続は難しくなります。
広告配信に向く事業の条件は、何か
対象が広く、短い時間で興味を引ける商材です。
説明に時間がかかる商材では、配信の枠で伝えきれません。
広告の配信は、チャンネル運営とは逆の条件が向きます。
短い時間で伝わるか
配信される広告は、数秒から数十秒で判断されます。
その時間で興味を持たせられない商材は、費用だけがかかります。
複雑な説明が必要な商材では、別の役割を与えます。
広告配信に向く条件
| 条件 | 向く場合 | 向かない場合 |
|---|---|---|
| 対象の広さ | 広い層が対象 | 限られた業種と役職 |
| 訴求の短さ | 数秒で伝わる | 説明に時間がかかる |
| 素材の有無 | 既存の素材を転用できる | 新規制作が必要 |
| 獲得以外の目的 | 想起の獲得も評価する | 直接の獲得のみを見る |
| 測定の体制 | 指名検索を追える | 直接の成果のみ |
直接の獲得だけを見ない
配信された広告を見て、その場で行動する人は限られます。
後から社名で検索する経路が中心になります。
直接の獲得だけを評価に置くと、効果がないという結論になります。
素材の有無が開始の条件になる
配信の枠を買っても、素材がなければ出せません。既存の資料や記録から転用できるかを確認します。新規制作が必要なら、その費用と期間を投資の判断に含めます。
チャンネルを持つとしたら、何を積み上げるのか
視聴者の数ではなく、商談で使える内容の蓄積を積み上げます。
視聴者が少なくても、営業が使える内容が溜まれば投資は回収できます。
チャンネルの目標を視聴者数に置くと、方向を誤ります。
二つの用途を同時に満たす
公開の場で見られること。
営業が商談で使えること。
この二つを同時に満たす内容を作ります。
視聴者数が伸びなくても、営業が使っていれば価値があります。
逆に視聴者数が伸びても、自社の対象でない層なら商談にはなりません。
積み上げる内容の種類を、項目ごとに見ていきます。
商材の仕組みの説明については、公開での効果は検討層に届く、営業での用途は初回商談の前に共有。
導入した企業の話については、公開での効果は信用の裏付け、営業での用途は提案時の参考資料。
業界の動向の解説については、公開での効果は新しい層に届く、営業での用途は関係構築の話題。
よくある質問への回答については、公開での効果は検討の後押し、営業での用途は商談後の確認用。
運用の実際の様子については、公開での効果は不安の解消、営業での用途は導入前の説明。
営業での利用を記録する
制作した内容が、営業の場でどれだけ使われたかを記録します。
使われていなければ、内容か共有の方法に問題があります。
この数字が、投資の回収を説明する材料になります。
過去の内容の更新を計画に入れる
商材の仕様が変わると、過去の内容が古くなります。古い内容が残ったままだと、誤った情報が伝わります。更新か非公開の判断を、定期的に行います。
どれだけの期間と費用がかかるのか
チャンネルは12か月から24か月、広告は3か月で判断がつきます。
この差を理解せずに同じ期間で評価すると、チャンネルが先に止まります。
期間の見積もりが、投資の成否を分けます。
チャンネルは24か月で見る
最初の12か月は、制作の体制が回るかを見ます。
次の12か月で、視聴と商談への接続を見ます。
この期間の合意がないと、途中で打ち切られます。
段階ごとに見るものを、項目ごとに見ていきます。
0か月から3か月については、チャンネルで見るものは制作の本数と体制、広告で見るものは配信の単価。
3か月から6か月については、チャンネルで見るものは営業での利用、広告で見るものは指名検索の変化。
6か月から12か月については、チャンネルで見るものは視聴の伸びと属性、広告で見るものは獲得への接続。
12か月から24か月については、チャンネルで見るものは商談への接続、広告で見るものは配分の見直し。
24か月以降については、チャンネルで見るものは投資の回収、広告で見るものは継続の判断。
数字は説明のための仮の値です。
月2本の制作に外部の編集を使い、1本15万円なら年間360万円です。
出演と企画の社内の時間を月40時間とすると、人件費を含めた総額はその1.5倍程度になります。
広告は3か月で判断できる
配信の単価は、数週間で見えてきます。
3か月あれば、素材の入れ替えも含めて判断できます。
この速さが、広告の利点です。
費用の性質を稟議で分けて示す
チャンネルの費用は固定費で、複数年の合意が要ります。広告の費用は変動費で、単年で判断できます。稟議の資料でも、この違いを明示します。
YouTubeの投資で、何を見誤るのか
視聴者数を成果として扱うことです。
自社の対象でない層が増えても、商談にも採用にもつながりません。
数字が見えやすい分、判断を誤りやすい領域です。
視聴者数は目的にならない
視聴者数を増やす方法は、内容を広げることです。
広げると、自社の対象から離れます。
数字は伸びても、事業への接続は弱くなります。
投資判断で外しやすい点を、項目ごとに見ていきます。
視聴者数が成果については、実際の見方は営業での利用と商談への接続。
本数を増やせば伸びるについては、実際の見方は題材の質と継続の体制。
広告とチャンネルは同じ投資については、実際の見方は費用の性質と期間が違う。
他社がやっているから必要については、実際の見方は自社の商談での説明の長さで判断。
一度作れば残り続けるについては、実際の見方は仕様変更で古くなる。
本数だけを増やさない
本数の目標を置くと、題材の質が落ちます。
継続できる体制の範囲で本数を決めます。
月2本を続けるほうが、月5本を3か月で止めるより効果が出ます。
外部に任せる場合の確認事項
チャンネルの運営を外部に委託する場合があります。視聴者数の増加を成果指標にした提案には注意が必要です。営業での利用件数か、商談への接続を指標にできるかを確認してください。
投資の可否を決めるまでの段取り
商談で説明に時間がかかっている箇所を確認することから始めます。
そこが長ければチャンネル、短ければ広告のみという分岐になります。
判断の分岐を、自社の商談の実態から作ります。
可否を判断する手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは直近の商談で説明に要した時間を確認する、期間の目安は3週間。
2については、やることは継続して出演できる人がいるかを確認する、期間の目安は2週間。
3については、やることは題材の候補を20本書き出せるか試す、期間の目安は2週間。
4については、やることは既存素材で広告を3か月試す、期間の目安は3か月。
5については、やることはチャンネルは24か月の合意を取る、期間の目安は4週間。
6については、やることは営業での利用を記録する仕組みを作る、期間の目安は2週間。
広告から先に試す
広告は3か月で判断がつき、費用も止められます。
先に試して、動画という形式が自社の対象に効くかを確認します。
効かなければ、チャンネルへの投資も見送る判断ができます。
投資後に追う数字を、項目ごとに見ていきます。
営業での利用件数については、見る頻度は毎月、判断に使うところは商談での価値。
制作の実施本数については、見る頻度は毎月、判断に使うところは体制が回っているか。
視聴者の属性については、見る頻度は四半期、判断に使うところは対象と合っているか。
指名検索と直接流入については、見る頻度は毎週、判断に使うところは想起への効果。
広告の配信単価については、見る頻度は毎月、判断に使うところは出稿の継続判断。
視聴者の属性を確認する
視聴者数ではなく、どんな層が見ているかを確認します。
自社の対象と離れている場合、内容の方向を修正します。
数が増えていても、この確認を怠ると方向が逸れます。
止める条件を先に決める
24か月の合意を取るときに、途中で止める条件も決めます。
制作の本数が計画の半分を下回った場合など、体制の面から条件を置きます。
条件がないと、成果が出ないまま続くか、突然止まるかのどちらかになります。
YouTubeへの投資を判断しかねる場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。発信と出稿の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
YouTubeに投資すべきかどうか、どう判断すればいいですか
広告の配信とチャンネルの運営を分けて判断してください。商談で説明に時間がかかっているならチャンネル、短い時間で興味を引ける商材なら広告のみという分岐になります。
チャンネルを持つべき事業の条件は何ですか
判断に多くの情報が必要で検討期間が数か月以上、継続して出演できる人が社内にいて、月2本を1年続けられることです。題材の候補が10本も出ないなら継続は難しくなります。
視聴者数はどれくらい必要ですか
視聴者数は目的になりません。自社の対象でない層が増えても商談にはつながらないためです。営業が商談で使った件数と、視聴者の属性が自社の対象と合っているかを見てください。
どれくらいの期間で成果が出ますか
チャンネルは12か月から24か月、広告は3か月で判断がつきます。この差を理解せず同じ期間で評価すると、チャンネルが先に止まります。費用の性質も固定費と変動費で違います。
まず何から試せばいいですか
既存の素材を使った広告の配信からです。3か月で判断がつき、費用も止められます。動画という形式が自社の対象に効くかを先に確認してから、チャンネルへの投資を検討してください。
まとめ
- 広告の配信とチャンネルの運営が、同じ名前で語られるからです。必要な費用も期間も体制も違うので、分けて判断する必要があります
- 届ける相手を買うか、届く状態を作るかの違いです。前者は費用で即座に量を作れ、後者は時間でしか作れません
- 説明に時間がかかり、判断の材料が多い商材です。短く説明できる商材では、チャンネルを持つ必要が薄くなります
- 対象が広く、短い時間で興味を引ける商材です。説明に時間がかかる商材では、配信の枠で伝えきれません
- 視聴者の数ではなく、商談で使える内容の蓄積を積み上げます。視聴者が少なくても、営業が使える内容が溜まれば投資は回収できます
- チャンネルは12か月から24か月、広告は3か月で判断がつきます。この差を理解せずに同じ期間で評価すると、チャンネルが先に止まります
- 視聴者数を成果として扱うことです。自社の対象でない層が増えても、商談にも採用にもつながりません
- 商談で説明に時間がかかっている箇所を確認することから始めます。そこが長ければチャンネル、短ければ広告のみという分岐になります