
掲載の許諾を得ることが目的になり、誰にどう使うかが決まっていないからです。
使い道のない事例は、制作費をかけた読み物として残ります。
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目次
目次
- 導入事例が、営業で使われないまま増えていくのはなぜか
- 使われない事例の共通点
- どの顧客に取材するのかを、どう決めるのか
- 使う場面から逆に選ぶ
- 取材で、何を聞くのか
- 導入前の状態
- 数字を入れるために、何が要るのか
- 出せる数字を、事前に相談する
- 誰が取材して、誰が同席するのか
- 営業担当の役割
- 掲載の確認は、どこまでやるのか
- 確認の経路を先に聞く
- 事例づくりで、見落とされること
- 使われたかを記録する
- 事例の取材を、どう組み立て直すか
- 不足の枠から埋める
- よくある質問
- まとめ
掲載の許諾を得ることが目的になり、誰にどう使うかが決まっていないからです。
使い道のない事例は、制作費をかけた読み物として残ります。
導入事例が、営業で使われないまま増えていくのはなぜか
掲載の許諾を得ることが目的になり、誰にどう使うかが決まっていないからです。
使い道のない事例は、制作費をかけた読み物として残ります。
事例の記事は、多くの会社が継続して作っています。
数が増えても、営業からは使いにくいという声が返ります。
使われない事例の共通点
導入の経緯が一般的すぎる。
数字が入っていない、または入れられなかった。
自社の商材の説明が中心で、顧客の話になっていない。
この三つが揃うと、商談で渡す理由がなくなります。
許諾が目的化する
事例制作の進行では、掲載の許諾が最大の関門になります。
許諾が取れた時点で達成感が生まれ、中身の設計が後回しになります。
事例が使われなくなる原因
| 原因 | 制作の段階 | 結果 |
|---|---|---|
| 使い道を決めていない | 企画 | 誰にも刺さらない内容 |
| 許諾を優先して内容を薄める | 取材と確認 | 判断材料が残らない |
| 自社の説明が中心 | 執筆 | 顧客の話にならない |
| 数字を入れられない | 確認 | 効果が伝わらない |
| 業種や規模が偏る | 対象の選定 | 使える場面が限られる |
取材の設計が、成否のほとんどを決める
執筆や編集の技術より、何を聞いたかで内容が決まります。聞いていないことは書けません。だから設計は、取材の前に終わっている必要があります。
どの顧客に取材するのかを、どう決めるのか
これから取りたい層と条件が近い顧客を選びます。
うまくいった顧客から選ぶと、取りたい層とずれた事例が並びます。
取材の対象は、成果が大きかった順に選ばれがちです。
その選び方だと、事例の構成が偏ります。
使う場面から逆に選ぶ
どの業種の、どの規模の相手との商談で使いたいのか。
その条件に合う顧客を探します。
揃えるべき構成
いくつかの業種、いくつかの規模、いくつかの課題。
商談で出会う相手の分布に合わせて、事例の構成を作ります。
事例の対象を選ぶ基準
| 基準 | 確認すること | 優先の理由 |
|---|---|---|
| 狙う層との近さ | 業種と規模が合うか | 読み手が自分ごとにできる |
| 課題の典型性 | よく聞く課題か | 多くの商談で使える |
| 語れる数字の有無 | 効果を数字で出せるか | 判断の材料になる |
| 関係の良さ | 取材に協力が得られるか | 進行が確実になる |
| 掲載の可否 | 社名を出せるか | 信用の度合いが変わる |
社名を出せない場合の扱い
業種と規模だけを書く匿名の形でも、事例として成立します。
ただし信用の度合いは下がります。
匿名が続くと、事例全体の信頼性が落ちるので、実名の事例を一定数は確保します。
依頼の時期
成果が出た直後が、最も協力を得やすい時期です。時間が経つと、当時の担当者が異動している場合があります。
取材で、何を聞くのか
導入後の話より、導入前の状態と検討の過程を聞きます。
読み手が自分と重ねるのは、導入前の部分です。
事例の取材では、導入後の効果に時間を使いがちです。
読み手が知りたいのは、その手前です。
導入前の状態
何に困っていたのか。
それを社内でどう認識していたのか。
放置していたら何が起きると考えたのか。
ここが具体的でないと、読み手は自分の状況と重ねられません。
検討の過程
何と比較したのか。
社内で誰の承認が要ったのか。
どこで迷ったのか。
この部分は、読み手が同じ過程を通ることになるので、最も使われます。
導入後の変化
何が変わったのか。
変わったことを、どの数字で確認したのか。
想定と違ったことはあったか。
取材で聞く項目と、使われ方
| 聞く項目 | 商談での使われ方 | 省略できるか |
|---|---|---|
| 導入前の状態 | 読み手が自分と重ねる | 省略できない |
| 検討のきっかけ | 時期の判断の材料 | 省略できない |
| 比較した候補と軸 | 選定の妥当性の説明 | 省略すると弱くなる |
| 社内の承認の過程 | 稟議の進め方の参考 | 省略すると弱くなる |
| 導入後の変化 | 効果の見込みの材料 | 数字がなくても書ける |
| 想定と違った点 | 信用の担保 | 省略できるが入れると強い |
想定と違った点を聞く
すべてが順調だった事例は、読み手に信用されません。苦労した点や、想定と違った点を聞いておきます。掲載するかは後で決められますが、聞いていなければ選べません。
数字を入れるために、何が要るのか
取材の前に、何の数字を出せるかを確認しておきます。
取材の場で初めて聞くと、その場では答えが出ません。
事例に数字が入らない理由の多くは、事前の確認不足です。
出せる数字を、事前に相談する
取材の依頼をする段階で、どの数字なら公開できるかを聞いておきます。
相手の社内で確認が必要な場合、時間がかかります。
出せない場合の代替
絶対値が出せなくても、変化の割合なら出せることがあります。
割合も出せない場合は、定性的な変化を具体的に書きます。
数字の出し方と、必要な準備
| 出し方 | 必要な確認 | 使いやすさ |
|---|---|---|
| 絶対値 | 相手の社内の承認 | 最も使いやすい |
| 変化の割合 | 相手の社内の承認 | 使いやすい |
| 期間の短縮 | 担当者の確認で足りる場合がある | 使いやすい |
| 定性的な変化 | 担当者の確認 | 補助的 |
| 数字なし | なし | 判断材料にならない |
自社の効果として断定しない
数字が変わった理由が、自社の商材だけとは限りません。
相手の側で他の取り組みが同時に進んでいることがあります。
取材で、他に何をしていたかを確認します。
効果の表現に制約がある業種
医療や金融など、効果の表現に制約がある業種では、書ける範囲が限られます。制約の内容は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
誰が取材して、誰が同席するのか
営業担当は同席させますが、聞き手にはしません。
日ごろの関係があるため、相手が本音を言いにくくなります。
取材の場の作り方で、聞ける内容が変わります。
営業担当の役割
同席して、事実の確認と補足をします。
聞き手になると、相手は普段の商談と同じ話し方になります。
苦労した点や、不満だった点は出てきません。
聞き手は、外部か別部門から
マーケティングの担当か、外部のライターが聞き手になります。
商材を知らない人が聞くと、前提を省略せずに説明してもらえます。
取材の場の構成を、項目ごとに見ていきます。
聞き手については、誰が担うかはマーケティングか外部、やることは質問と進行。
補足については、誰が担うかは営業担当、やることは事実の確認。
記録については、誰が担うかはマーケティングか外部、やることは録音と書き起こし。
相手側の回答者については、誰が担うかは当時の担当者、やることは検討と導入の経緯。
相手側の同席者については、誰が担うかは上長か利用部門、やることは効果の確認。
相手側の回答者を確認する
当時の担当者が異動している場合、経緯を語れる人がいません。
依頼の段階で、誰が答えられるかを確認します。
時間は1時間を超えない
長い取材は、相手の負担になります。聞く項目を絞り、1時間で終わる設計にします。
掲載の確認は、どこまでやるのか
原稿の確認は一度に集約し、修正の回数を先に決めておきます。
回数を決めないと、確認が数か月に及びます。
事例の制作で最も時間がかかるのが、相手の社内確認です。
確認の経路を先に聞く
担当者の確認だけで済むのか、広報や法務を通るのか。
経路によって、必要な期間が変わります。
修正の回数と期限を決める
確認を何往復するかを、依頼の段階で伝えます。
決めないと、社内の関係者が増えるたびに修正が入ります。
掲載確認の進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは確認の経路と関係者を聞く、期間の目安は依頼時。
2については、やることは原稿を一度で完成させて送る、期間の目安は取材から2週間。
3については、やることは修正をまとめて受け取る、期間の目安は送付から2週間。
4については、やることは修正を反映して再送する、期間の目安は1週間。
5については、やることは最終の承認を文書で得る、期間の目安は1週間。
使用の範囲を書面で決める
サイトへの掲載だけか、営業資料や広告にも使えるか。
範囲を決めておかないと、後で使えない事例になります。
期限を設けるかどうかも、あわせて決めます。
内容が薄くなったら、公開を見送る
確認の過程で、判断材料がすべて削られることがあります。薄くなった事例を公開しても、営業では使われません。その場合は、公開しない選択も残しておきます。
事例づくりで、見落とされること
公開して終わりにすることです。
どの商談で使われ、どう効いたかを記録しないと、次の事例の設計が改善しません。
事例は、作ることではなく使われることに価値があります。
使われたかを記録する
どの商談で渡したか。
渡した後、相手の反応はどうだったか。
記録がないと、どの事例が効いているのか分かりません。
本数を目標にしない
年間の制作本数を目標にすると、作りやすい相手から作ることになります。
狙う層と合わない事例が並びます。
事例の運用で見落とされることを、項目ごとに見ていきます。
公開して終わるについては、起きることは使われたか分からない、対処は使用の記録を残す。
本数を目標にするについては、起きることは作りやすい相手に偏る、対処は構成の目標にする。
古い事例を残し続けるについては、起きることは当時の条件が現在と違う、対処は年次で点検する。
一つの形式だけで作るについては、起きることは使う場面が限られる、対処は要約版を併せて作る。
成功の話だけを載せるについては、起きることは読み手に信用されない、対処は想定と違った点も書く。
要約版を作る
商談で渡すのは、数ページの要約です。
長い記事をそのまま渡しても読まれません。
制作の段階で、要約版も同時に作ります。
古い事例を点検する
数年前の事例は、当時の商材や価格が現在と違います。年に一度、内容が現在と整合するかを確認します。
事例の取材を、どう組み立て直すか
いま商談でどの業種と規模の相手に会っているかを数えることからです。
その分布に対して、手持ちの事例が足りていない箇所が分かります。
新しい事例を作る前に、手持ちの過不足を確かめます。
事例制作を立て直す進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは直近1年の商談を業種と規模で分類する、期間の目安は1週間。
2については、やることは手持ちの事例を同じ軸で分類する、期間の目安は1週間。
3については、やることは不足している枠を3つに絞る、期間の目安は1週間。
4については、やることは該当する顧客を選び、依頼する、期間の目安は3週間。
5については、やることは聞く項目を決めて取材する、期間の目安は4週間。
6については、やることは要約版を含めて公開し、営業に配る、期間の目安は3週間。
不足の枠から埋める
すべての枠を埋めようとすると終わりません。
商談の件数が多い枠から順に埋めます。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
商談の4割が製造業なのに、事例が1本しかない状態なら、そこが不足の枠になります。
事例が効いているかを見る数字を、項目ごとに見ていきます。
商談で事例を渡した割合については、見る頻度は毎月、使いどころは営業での定着。
事例別の使用回数については、見る頻度は四半期、使いどころはどれが使われているか。
業種別の事例の本数と商談数の比については、見る頻度は半期、使いどころは不足の枠。
事例を渡した商談の受注率については、見る頻度は半期、使いどころは効き方。
取材の依頼から公開までの日数については、見る頻度は案件ごと、使いどころは制作の速さ。
取材の項目を固定する
毎回違う項目を聞くと、事例ごとに内容の粒度が変わります。
項目を固定すると、比較して読める事例群になります。
協力してくれた顧客に結果を返す
公開後、どれくらい読まれたかを伝えます。
返すことで、次の依頼がしやすくなります。
導入事例の作り方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の事例と商談の構成を一緒に見てもらうところから始められます。営業で使う資料ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
どの顧客に事例の取材を依頼すればよいですか
これから取りたい層と業種や規模が近い顧客を選びます。成果が大きかった順に選ぶと、狙う層とずれた事例が並びます。直近の商談を業種と規模で分類し、手持ちの事例が足りない枠から埋めます。
取材では何を聞けばよいですか
導入後の効果より、導入前の状態と検討の過程を厚く聞きます。読み手が自分と重ねるのは導入前の部分で、社内の承認の過程は同じ道を通る読み手に最も使われます。
数字を入れられないことが多いのですが
取材の前に、どの数字なら公開できるかを相手に確認しておきます。取材の場で初めて聞くと、その場では答えが出ません。絶対値が出せなくても、変化の割合や期間の短縮なら出せることがあります。
営業担当が取材の聞き手になってよいですか
同席はさせますが、聞き手にはしません。日ごろの関係があるため、苦労した点や不満だった点が出てきません。聞き手はマーケティングの担当か外部が務め、営業担当は事実の確認と補足に回ります。
掲載の確認に時間がかかります
依頼の段階で、確認の経路と関係者、修正の往復回数を決めておきます。決めないと、関係者が増えるたびに修正が入ります。サイト掲載だけか営業資料にも使えるかという使用の範囲も、書面で決めておきます。
まとめ
- 掲載の許諾を得ることが目的になり、誰にどう使うかが決まっていないからです。使い道のない事例は、制作費をかけた読み物として残ります
- これから取りたい層と条件が近い顧客を選びます。うまくいった顧客から選ぶと、取りたい層とずれた事例が並びます
- 導入後の話より、導入前の状態と検討の過程を聞きます。読み手が自分と重ねるのは、導入前の部分です
- 取材の前に、何の数字を出せるかを確認しておきます。取材の場で初めて聞くと、その場では答えが出ません
- 営業担当は同席させますが、聞き手にはしません。日ごろの関係があるため、相手が本音を言いにくくなります
- 原稿の確認は一度に集約し、修正の回数を先に決めておきます。回数を決めないと、確認が数か月に及びます
- 公開して終わりにすることです。どの商談で使われ、どう効いたかを記録しないと、次の事例の設計が改善しません
- いま商談でどの業種と規模の相手に会っているかを数えることからです。その分布に対して、手持ちの事例が足りていない箇所が分かります