
片方は会話の手応えを、もう片方は行動の記録を見ているからです。
同じ相手を指して、熱いと冷たいが同時に成立します。
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目次
目次
- 温度感という言葉が、営業とマーケで噛み合わないのはなぜか
- 手応えは、記録に残らない
- 温度感は、何で測るのが現実的か
- 時期が決まっているか
- 行動の記録は、どこまで信用できるのか
- 記録が取れない範囲がある
- 判定した温度感を、どう使い分けるのか
- 引き渡しの基準を決める
- 時期が来ていない相手に、何をするのか
- 接触の頻度を決める
- 温度感の判定を、誰が設計して誰が運用するのか
- 合意する内容
- 温度感の運用で、うまくいかなくなる原因
- 点数の根拠が説明できない
- 温度感の測り方を、どう組み立て直すか
- 差が出ない項目は使わない
- よくある質問
- まとめ
片方は会話の手応えを、もう片方は行動の記録を見ているからです。
同じ相手を指して、熱いと冷たいが同時に成立します。
温度感という言葉が、営業とマーケで噛み合わないのはなぜか
片方は会話の手応えを、もう片方は行動の記録を見ているからです。
同じ相手を指して、熱いと冷たいが同時に成立します。
このリードは温度が高いという言い方は、社内で日常的に使われます。
その根拠を聞くと、答えが分かれます。
営業は、電話で話したときの反応を根拠にします。
マーケティングは、資料の閲覧回数やページの滞在を根拠にします。
手応えは、記録に残らない
会話の印象は、話した本人にしか残りません。
引き継いだ相手には伝わらないので、同じリードの扱いが担当によって変わります。
行動の記録は、意図を映さない
資料を何度も見ている相手が、買う気があるとは限りません。
社内の他の目的で調べている場合があります。
温度感の根拠と、その限界
| 根拠 | 見ているもの | 限界 |
|---|---|---|
| 会話の反応 | 話し方と質問の内容 | 記録に残らない |
| 閲覧の回数 | 関心の持続 | 目的が分からない |
| 閲覧したページ | 関心の対象 | 一人分とは限らない |
| 資料の請求 | 情報収集の段階 | 比較検討の一部 |
| 問い合わせの内容 | 検討の具体性 | 書き方の個人差が大きい |
噛み合わないままだと、リードが滞留する
マーケティングが渡したリードを営業が動かさない。営業が欲しいリードが来ないと言う。この対立の多くは、温度感の定義がないことから来ています。
温度感は、何で測るのが現実的か
本人の言葉ではなく、時期と社内の状態を示す事実で測ります。
検討の時期、予算の有無、関与者の数の三つが実務では扱いやすくなります。
温度感を測る指標として、まず検討の具体性を見ます。
時期が決まっているか
いつごろ導入を検討していますかへの答えが、月まで出るか、未定か。
時期が決まっている相手は、社内で何かが動いています。
予算が確保されているか
予算がある、これから申請する、未定。
この三段階で、検討の段階がかなり分かります。
何人が関わっているか
一人で調べている段階と、複数部署が関わっている段階では違います。
関与者が増えている相手は、社内で話が進んでいます。
温度感の判定に使う事実
| 確かめること | 回答の段階 | 示している状態 |
|---|---|---|
| 導入の時期 | 月が決まる、四半期、未定 | 社内の計画の有無 |
| 予算 | 確保済み、申請予定、未定 | 承認の進み具合 |
| 関与者 | 複数部署、上長含む、本人のみ | 検討の広がり |
| 現状の課題 | 具体的、漠然、なし | 必要性の強さ |
| 比較の状況 | 他社と比較中、情報収集、未着手 | 検討の段階 |
聞き方を統一する
同じことを聞いても、聞き方で答えが変わります。質問の文面を固定し、選択肢で答えてもらう形にします。
行動の記録は、どこまで信用できるのか
補助の材料としては使えますが、単独では判定できません。
記録の欠損と、複数人が同じ端末を使う状況が避けられないためです。
閲覧の記録を点数化して温度感を出す仕組みがあります。
その数字の前提を確認しておきます。
記録が取れない範囲がある
同意の設定や、利用環境によって記録が残らない相手がいます。
記録が少ない相手が、関心が低いとは限りません。
一人の行動として記録されるとは限らない
同じ会社の複数人が見ていても、別々に記録されます。
逆に、共有の端末では一人分に集約されます。
行動の記録で起きるずれ
| 状況 | 記録の見え方 | 実際の状態 |
|---|---|---|
| 同意の設定で記録が残らない | 接触がないように見える | 関心はある |
| 複数人が別々に閲覧 | 別のリードとして記録 | 同じ案件 |
| 社内の共有端末 | 一人の閲覧に見える | 複数人が見ている |
| 競合や採用候補者の閲覧 | 関心が高いように見える | 顧客ではない |
| 生成AI経由で一度で判断 | 閲覧が少ない | 情報は得ている |
生成AI経由の接触を、どう見るか
生成AIの回答で情報を得てから来る相手は、閲覧回数が少なくなります。
PLAN-Bマーケティングパートナーズが2025年2月から4月にGA4で調べた結果では、83.0%のサイトで生成AI経由のセッションが増加していました。
総流入の1%未満という規模ですが、増え方としては急です。
閲覧回数で温度感を測る仕組みは、この経路の相手を低く見積もります。
判定した温度感を、どう使い分けるのか
高い相手は営業に渡し、低い相手は接点を維持する側に回します。
低い相手に営業が当たると、両方の時間が無駄になります。
温度感を測る目的は、誰がいつ動くかを決めることです。
引き渡しの基準を決める
どの条件を満たしたら営業に渡すのか。
基準を決めないと、量で渡すか、営業の要求で渡すかになります。
渡さない相手の扱い
時期が未定の相手は、営業が当たっても進みません。
接点を維持し、時期が来たときに思い出される状態を作ります。
温度感別の扱い
| 温度感 | 次にやること | 担当 |
|---|---|---|
| 時期と予算が決まっている | 即座に商談を設定 | 営業 |
| 時期は決まるが予算は未定 | 稟議の材料を渡す | 営業 |
| 時期が未定で課題は明確 | 定期的な情報提供 | マーケティング |
| 情報収集の段階 | 接点の維持 | マーケティング |
| 対象外 | 対応しない | なし |
差し戻しの経路を作る
渡したリードが商談にならなかった場合、マーケティング側に戻します。
戻さないと、営業の手元で放置されます。
対象外の判定も明示する
自社の対象にならない相手は、早く外します。外さないと、名簿の数字が実態から離れます。
時期が来ていない相手に、何をするのか
売り込まずに、判断の材料を渡し続けます。
時期が来たときに最初に思い出される状態を作るのが目的です。
検討期間の長い商材では、時期が来ていない相手が名簿の大半を占めます。
接触の頻度を決める
頻度が高すぎると外されます。
低すぎると忘れられます。
月に一度程度の接点が、多くの場合の目安になります。
内容は、自社の宣伝にしない
時期が来ていない相手にとって、商品の説明は不要な情報です。
市場の変化や、他社の動きといった、相手の判断に使える内容を渡します。
時期待ちの相手への接点を、項目ごとに見ていきます。
定期の情報配信については、頻度は月次、中身は市場の動きと判断材料。
事例の案内については、頻度は随時、中身は同業種の事例。
制度や環境の変化の解説については、頻度は変化時、中身は影響の範囲。
個別の状況確認については、頻度は半期、中身は時期の再確認。
セミナーや説明の場については、頻度は四半期、中身は課題別の内容。
時期を再確認する頻度を決める
半年に一度、時期の見込みを聞き直します。
聞き直さないと、時期が来たのに気づかないまま過ぎます。
配信の停止と、情報の扱い
配信を止めたいという意思表示には、速やかに対応します。取得した情報の利用範囲は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
温度感の判定を、誰が設計して誰が運用するのか
判定の条件はマーケティングと営業で合意し、運用はマーケティングが持ちます。
営業が個別に判断する形に戻ると、記録が残りません。
判定の仕組みは、部門間の取り決めです。
合意する内容
どの条件で引き渡すか。
渡した後、何日以内に接触するか。
商談にならなかった場合、どう戻すか。
この三つを文書にします。
判定の運用で決める取り決めを、項目ごとに見ていきます。
引き渡しの条件については、内容は時期と予算と関与者の状態、決める場は営業とマーケの合意。
接触の期限については、内容は引き渡しから何営業日以内か、決める場は営業。
差し戻しの条件については、内容は商談化しなかった場合の扱い、決める場は営業とマーケの合意。
対象外の判定については、内容は自社の対象にならない条件、決める場は事業責任者。
記録の入力項目については、内容は判定に使う項目と選択肢、決める場はマーケティング。
記録は選択肢にする
自由記述で温度感を書かせると、表現がばらつきます。
選択肢にして、判定の条件をそのまま項目にします。
外部に任せる範囲
情報配信の運用や、判定の仕組みの構築は外部に委託できます。引き渡しの条件と、営業との取り決めは自社で決めます。
温度感の運用で、うまくいかなくなる原因
点数化の仕組みを作ることが目的になり、点数の意味を誰も説明できなくなることです。
点数が高い相手の受注率が高くないなら、仕組みが機能していません。
温度感の判定には、仕組みを作る側の落とし穴があります。
点数の根拠が説明できない
複数の行動に重みを付けて合計する方式では、なぜその重みなのかの説明が要ります。
説明できないと、営業は点数を信用しません。
点数と受注率を照合していない
点数が高い相手の受注率が、低い相手と変わらないことがあります。
この照合をしないまま運用を続けると、仕組みが空回りします。
温度感の運用で起きる問題を、項目ごとに見ていきます。
点数の根拠が不明については、現れ方は営業が点数を見ない、対処は判定の条件を事実に戻す。
受注率と対応しないについては、現れ方は高得点の受注率が低い、対処は重みを実績で見直す。
引き渡しの量が多すぎるについては、現れ方は営業が処理できない、対処は条件を厳しくする。
引き渡しの量が少なすぎるについては、現れ方は営業から不足の声、対処は条件を緩めるか母数を増やす。
差し戻しが機能しないについては、現れ方はリードが営業側で滞留、対処は戻す期限を決める。
行動の点数だけで組まない
閲覧の記録だけで点数を組むと、記録が取れない相手を取りこぼします。
時期と予算という、聞けば分かる事実を軸に置きます。
仕組みを入れる前に、手作業で確かめる
判定の条件が受注率と対応するかを、まず手作業で確かめます。対応していない条件を仕組みに組み込んでも、結果は変わりません。
温度感の測り方を、どう組み立て直すか
過去の受注案件が、問い合わせ時点でどんな状態だったかを調べることからです。
受注した相手に共通する状態が、判定の条件になります。
条件を先に考えず、実績から逆に引きます。
判定の仕組みを作る手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去1年の受注案件の初回接触時の状態を調べる、期間の目安は3週間。
2については、やることは失注案件についても同じ項目を調べる、期間の目安は2週間。
3については、やることは受注と失注で差が出た項目を抽出する、期間の目安は1週間。
4については、やることは差が出た項目を質問の形にする、期間の目安は1週間。
5については、やることは引き渡しの条件を営業と合意する、期間の目安は2週間。
6については、やることは記録の項目を整え、運用を始める、期間の目安は3週間。
差が出ない項目は使わない
受注と失注で分布が変わらない項目は、判定に使っても意味がありません。
項目を減らすほど、運用が続きます。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
引き渡したリード100件のうち商談化が30件で、引き渡さなかった層から後日商談になったのが10件あれば、条件が厳しすぎる可能性があります。
判定が機能しているかを見る数字を、項目ごとに見ていきます。
引き渡したリードの商談化率については、見る頻度は毎月、使いどころは条件の妥当性。
引き渡さなかった層からの商談発生については、見る頻度は四半期、使いどころは条件が厳しすぎないか。
引き渡しから接触までの日数については、見る頻度は毎月、使いどころは営業側の運用。
差し戻された件数については、見る頻度は毎月、使いどころは条件と実態のずれ。
時期待ちの名簿の規模については、見る頻度は四半期、使いどころは将来の案件の量。
条件は年に一度見直す
市場が変われば、受注する相手の状態も変わります。
受注実績と照合して、条件を更新します。
営業の手応えも記録として残す
会話の印象を否定する必要はありません。
選択肢の形で記録に残せば、後から照合できます。
見込み客の扱い方で判断に迷う場合は、無料相談で現状のリードの流れを一緒に見てもらうところから始められます。獲得から商談までの設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
温度感は何で測ればよいですか
導入の時期、予算の状態、関与者の数という、聞けば分かる事実で測るのが実務では扱いやすくなります。閲覧の記録だけで組むと、記録が取れない相手や生成AI経由で情報を得た相手を低く見積もります。
行動の点数化は有効ですか
補助の材料としては使えますが、単独では判定できません。点数が高い相手の受注率が低い相手と変わらないなら、仕組みが機能していません。導入前に、条件が受注率と対応するかを手作業で確かめます。
温度が低い相手には何をしますか
売り込まず、判断の材料を渡し続けます。月に一度程度の接点で、市場の動きや同業の事例を渡します。半年に一度は時期の見込みを聞き直し、時期が来たのを見逃さないようにします。
営業に渡す基準は誰が決めますか
営業とマーケティングの合意で決めます。引き渡しの条件、引き渡しから接触までの期限、商談化しなかった場合の差し戻しの三つを文書にします。営業の個別判断に戻すと記録が残りません。
判定の条件はどうやって作りますか
過去1年の受注案件と失注案件について、初回接触時の状態を調べ、差が出た項目を条件にします。差が出ない項目を条件に入れても判定の精度は上がらず、運用の負荷だけが増えます。
まとめ
- 片方は会話の手応えを、もう片方は行動の記録を見ているからです。同じ相手を指して、熱いと冷たいが同時に成立します
- 本人の言葉ではなく、時期と社内の状態を示す事実で測ります。検討の時期、予算の有無、関与者の数の三つが実務では扱いやすくなります
- 補助の材料としては使えますが、単独では判定できません。記録の欠損と、複数人が同じ端末を使う状況が避けられないためです
- 高い相手は営業に渡し、低い相手は接点を維持する側に回します。低い相手に営業が当たると、両方の時間が無駄になります
- 売り込まずに、判断の材料を渡し続けます。時期が来たときに最初に思い出される状態を作るのが目的です
- 判定の条件はマーケティングと営業で合意し、運用はマーケティングが持ちます。営業が個別に判断する形に戻ると、記録が残りません
- 点数化の仕組みを作ることが目的になり、点数の意味を誰も説明できなくなることです。点数が高い相手の受注率が高くないなら、仕組みが機能していません
- 過去の受注案件が、問い合わせ時点でどんな状態だったかを調べることからです。受注した相手に共通する状態が、判定の条件になります