マーケ組織の立ち上げ|最初の90日

施策から始めてしまうことです。
数字の土台と社内の期待値が揃わないまま動くと、成果が出ても評価されません。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- マーケティング部門の立ち上げが、最初につまずくところ
- 成果を急ぐ圧力が、最初からかかる
- 最初の30日で、何を確かめるのか
- 事業の数字を、自分で出す
- 31日目から60日目で、何を決めるのか
- 成果の定義を、営業と揃える
- 61日目から90日目で、何を動かすのか
- 検証の目的は、成果ではなく学習
- 立ち上げ期に、やらないほうがよいこと
- 大きな出稿を、最初にしない
- 予算と人をいつ要求するのか
- 着任直後の要求が通りにくい理由
- 90日の終わりに、何が揃っていればよいのか
- 出すのは、成果ではなく根拠
- 着任からの時間の割り振り方
- 聞く相手を、10人以上にする
- よくある質問
- まとめ
施策から始めてしまうことです。
数字の土台と社内の期待値が揃わないまま動くと、成果が出ても評価されません。
マーケティング部門の立ち上げが、最初につまずくところ
施策から始めてしまうことです。
数字の土台と社内の期待値が揃わないまま動くと、成果が出ても評価されません。
新しくマーケティング部門を置く判断は、事業が一定の規模に達したときに出てきます。
それまで営業が担っていた集客を、専門の部門で組み立て直す局面です。
成果を急ぐ圧力が、最初からかかる
部門を新設した以上、経営は早い段階で成果を見たがります。
この圧力に応えようとして、すぐに広告を出す判断になりがちです。
土台がないまま出稿すると、結果を解釈できない
何を成果とするかが定まっていない状態で出稿すると、数字が出ても判断ができません。
問い合わせが増えても、それが事業にとって良い問い合わせかを誰も言えません。
立ち上げ期につまずく原因
| 原因 | 表に出る形 | 後から効いてくること |
|---|---|---|
| 施策から始めた | 数字は出るが評価ができない | 成果の基準が作れない |
| 期待値を揃えなかった | 短期で成果を求められる | 途中で予算が止まる |
| 既存の取り組みを把握しなかった | 重複や矛盾が起きる | 社内の信頼を失う |
| 営業との接続を後回しにした | 渡したリードが追われない | 成果が受注につながらない |
| 測る仕組みを後回しにした | 過去と比較できない | 1年後も根拠が作れない |
最初の90日は、実行より設計の期間
90日で見える成果を出す必要はありません。
90日で、その後の判断ができる状態を作ります。
90日という区切りの意味
四半期が1つ終わる期間です。この期間で何も示せないと、次の四半期の予算の議論が難しくなります。だから、成果ではなく計画と根拠を示せる状態にします。
最初の30日で、何を確かめるのか
事業の数字と、社内の期待と、いま動いているものの3つです。
この段階では何も決めません。
最初の1か月は、把握に使います。
決めるのは翌月です。
事業の数字を、自分で出す
平均の受注単価、粗利率、受注までの期間、受注率。
渡された資料ではなく、元のデータから自分で出します。
出してみると、社内で共有されている数字と違うことがあります。
期待されていることを、人ごとに聞く
経営、営業、事業の責任者。
それぞれが新しい部門に何を期待しているかは、違います。
同じ言葉で違うものを指していることもあります。
30日目までに確かめること
| 対象 | 確かめること | 聞く相手 |
|---|---|---|
| 事業の数字 | 受注単価、粗利率、受注までの期間 | 経理と営業 |
| 顧客 | 誰が買っているか、なぜ買ったか | 営業と既存顧客 |
| 期待 | 新しい部門に何を求めているか | 経営と事業責任者 |
| 現状の取り組み | いま何が動いているか | 各部署 |
| 制約 | 使える予算、人、期間 | 経営 |
既存の取り組みを、全部書き出す
部門がなかった時期にも、何かは動いています。
営業が出している広告、外部に依頼している制作、過去に契約したツール。
これを把握しないまま新しいことを始めると、重複します。
1か月は、何も止めない
把握の期間に止める判断をすると、理由の説明ができません。止めるのは、把握が終わってからです。
31日目から60日目で、何を決めるのか
成果の定義と、追う数字と、90日後に示すものです。
決めた内容は文書にして、関係者に配ります。
2か月目は、決める期間です。
決めた内容が、その後の評価の基準になります。
成果の定義を、営業と揃える
何をもって有効なリードとするか。
この定義を営業と合意しないと、渡した後に追われません。
定義は、営業が実際に会いたい相手の条件から作ります。
60日目までに決めること
| 決めること | 決め方 | 合意する相手 |
|---|---|---|
| 成果の定義 | 営業が会いたい相手の条件から | 営業 |
| 追う数字 | 量、質、効率を1つずつ | 経営 |
| 予算の使い道 | 既存の取り組みの整理を含めて | 経営 |
| 止める取り組み | 重複しているもの、根拠がないもの | 各部署 |
| 90日後に示すもの | 計画と根拠の形 | 経営 |
追う数字を、3つに絞る
量、質、効率を1つずつ置きます。
数が増えると、優先順位がつかなくなります。
止めるものを、この時期に決める
把握が終わっているので、根拠を示して止められます。
止めた分の予算と時間が、新しい取り組みの原資になります。
決めた内容を文書にする
口頭での合意は、数か月後に食い違います。成果の定義と追う数字は、1枚にまとめて配ります。
61日目から90日目で、何を動かすのか
規模の小さい検証を1つか2つです。
大きな投資は、90日の中では判断できません。
3か月目に、初めて実行に入ります。
ただし、規模は絞ります。
検証の目的は、成果ではなく学習
この段階で動かすものは、成果を出すためではありません。
自社の数字がどう動くかを知るためです。
測れる形で始める
測る仕組みがないまま始めると、3か月後に何も分かりません。
計測の設定を先に済ませてから出稿します。
90日目までに動かすもの
| 対象 | 規模 | 目的 |
|---|---|---|
| 既存の接点の改善 | 費用はかからない | いまの数字の水準を知る |
| 小規模な出稿 | 月の予算の1割程度 | 反応の傾向を知る |
| 営業への引き渡しの流れ | 人手の調整のみ | 接続が機能するか確認する |
| 計測の設定 | 初期の設定費用 | 数字を残す基盤を作る |
| 既存顧客への接触 | 費用はかからない | 買う理由を確かめる |
既存の接点から始める
新規の出稿より先に、すでに人が来ている場所を見ます。
問い合わせのページ、既存のサイト、営業が使っている資料。
ここの改善は費用がかからず、結果が早く出ます。
営業への引き渡しを、この期間に試す
リードを渡す流れが機能するかは、実際に渡してみないと分かりません。少ない件数で試し、詰まる場所を見つけます。
立ち上げ期に、やらないほうがよいこと
大きな予算の投入と、組織の拡大と、外部への全面的な委託です。
どれも、判断の材料が揃う前に決めることになります。
立ち上げ期は、判断の材料が最も少ない時期です。
この時期に大きな決定をすると、後から戻せません。
大きな出稿を、最初にしない
月の予算を最初から満額使うと、何が効いたかが分かりません。
小さく始めて、効いたところに寄せます。
立ち上げ期に避けることを、項目ごとに見ていきます。
月の予算を満額投入するについては、理由は何が効いたか分からない、代わりにやることは1割程度で傾向を見る。
人を一度に複数採るについては、理由は役割が固まっていない、代わりにやることは1人目の役割を固めてから。
全面的に外部へ委託するについては、理由は判断の材料が手元に残らない、代わりにやることは実行だけを外に出す。
新しいツールを複数入れるについては、理由は使いこなす時間がない、代わりにやることは既存の仕組みで測れる範囲から。
過去の取り組みを全部否定するについては、理由は社内の協力が得られない、代わりにやることは根拠を示して個別に止める。
全面的な委託を、最初に選ばない
社内に判断の材料がない状態で全面委託すると、その後も材料が溜まりません。
Testifyが2026年5月に実施した調査では、全面委託している企業の8割超が1年以内のインハウス化を計画または検討していました。
一方で障壁の上位は、教育時間と知見の不足が44.8%です。
最初から全部を外に出すと、この知見が社内に残らない状態が続きます。
人を増やす前に、役割を固める
役割が固まっていない段階で複数人を採ると、全員が同じことをします。最初の90日は、1人か2人で進めます。
予算と人をいつ要求するのか
90日の終わりに、検証の結果を添えて出します。
着任直後の要求は、根拠がないので通りにくくなります。
立ち上げ期の予算は、多くの場合は少額から始まります。
本格的な予算は、根拠を示してから要求します。
着任直後の要求が通りにくい理由
着任直後は、社内の数字を把握していないことが相手にも分かっています。
この段階での要求は、一般論に基づくものと見られます。
要求の出し方を、項目ごとに見ていきます。
着任直後については、要求できるものは検証のための少額、根拠として示すものは一般的な相場。
60日目については、要求できるものは止める取り組みの予算の振り替え、根拠として示すものは把握した重複や無根拠の出稿。
90日目については、要求できるものは次の四半期の予算、根拠として示すものは検証で得た自社の数字。
半年後については、要求できるものは人員の追加、根拠として示すものは回りきらない作業量の実績。
1年後については、要求できるものは継続的な枠の拡大、根拠として示すものは1年分の実績と回収期間。
振り替えは、早い段階でできる
新しい予算の要求は難しくても、既存の予算の使い道を変える提案は通りやすくなります。
止めたものの予算を、検証に回します。
人の要求は、作業量の実績を示してから
立ち上げ期に人を要求しても、何をする人かを説明できません。実際に回らなかった作業を記録してから要求します。
90日の終わりに、何が揃っていればよいのか
成果の定義、追う数字、自社の数字の初期値、次の四半期の計画です。
成果そのものは、この時点では問われません。
90日目に何を出すかを、着任時点で決めておきます。
出すものが決まっていると、途中の優先順位がつきます。
出すのは、成果ではなく根拠
90日で成果を出そうとすると、無理な出稿になります。
出すのは、次の四半期に何をするかと、その根拠です。
90日目に揃っている状態を、項目ごとに見ていきます。
成果の定義については、状態は営業と合意し、文書になっている。
追う数字については、状態は3つに絞られ、経営と合意している。
自社の数字の初期値については、状態は受注単価、率、獲得費用が出ている。
止めた取り組みについては、状態は根拠と一緒に記録されている。
次の四半期の計画については、状態は金額、施策、見込みが揃っている。
計測の仕組みについては、状態は数字が残る状態になっている。
初期値があることの価値
1年後に振り返るとき、出発点の数字がないと変化を示せません。
90日目の数字を、基準として記録します。
計画には、達成できなかった場合の見方も入れる
計画だけを出すと、未達のときに説明がつきません。どの前提が崩れると未達になるかを、あらかじめ添えます。
着任からの時間の割り振り方
把握に30日、決定に30日、検証に30日です。
この配分を崩して実行を前倒しすると、後半で戻ることになります。
90日の使い方を、着任の初日に決めます。
最初の90日の割り振りを、項目ごとに見ていきます。
1日目から10日目については、主にやることは事業の数字を自分で出す、終わりに揃うものは受注単価、粗利率、率。
11日目から20日目については、主にやることは期待と制約を人ごとに聞く、終わりに揃うものは期待の一覧と食い違い。
21日目から30日目については、主にやることは既存の取り組みを全部書き出す、終わりに揃うものは現状の一覧。
31日目から45日目については、主にやることは成果の定義を営業と揃える、終わりに揃うものは定義の文書。
46日目から60日目については、主にやることは追う数字を決め、止めるものを決める、終わりに揃うものは指標と停止の一覧。
61日目から75日目については、主にやることは計測の設定と既存の接点の改善、終わりに揃うものは数字が残る状態。
76日目から90日目については、主にやることは小規模な検証と営業への引き渡しの試行、終わりに揃うものは初期の数字。
聞く相手を、10人以上にする
期待を聞く相手が少ないと、特定の人の意見が全体の意見に見えます。
部署をまたいで、10人以上に聞きます。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
たとえば90日目に、平均受注単価300万円、粗利率40%、受注までの期間が平均4か月、小規模な検証での1件あたりの獲得費用が8万円という初期値が出たとします。
この数字があると、次の四半期の予算の根拠を組み立てられます。
発足直後に見る数字を、項目ごとに見ていきます。
事業の基礎数値については、見る時期は30日目、何に使うかは逆算の土台。
既存の取り組みの本数と費用については、見る時期は30日目、何に使うかは止める判断の材料。
成果の定義に合致した件数については、見る時期は76日目以降、何に使うかは営業との接続の確認。
1件あたりの獲得費用については、見る時期は90日目、何に使うかは次の予算の根拠。
引き渡しから商談までの日数については、見る時期は90日目、何に使うかは接続の詰まりの把握。
90日目の数字を、必ず記録に残す
その後の変化を示すには、出発点が要ります。
1枚の資料にして、日付とともに保管します。
次の90日の設計も、同時に出す
90日目の報告には、次の90日で何をするかを添えます。
報告だけで終えると、次の予算の議論が別の場になります。
立ち上げの進め方が定まらない場合は、無料相談で現状の事業の数字を一緒に整理するところから始められます。集客の組み立てごと設計する段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
部門を立ち上げたら、まず何をすべきですか
施策ではなく把握です。最初の30日は事業の数字を自分で出し、社内の期待を人ごとに聞き、既存の取り組みを全部書き出すことに使ってください。この期間は何も止めません。
90日で成果を出す必要はありますか
成果ではなく、次の判断ができる状態を作ることが目的です。成果の定義、追う数字、自社の数字の初期値、次の四半期の計画の4つが揃っていれば十分です。
立ち上げ期にやってはいけないことは何ですか
月の予算を満額投入すること、人を一度に複数採ること、全面的に外部へ委託することです。どれも判断の材料が揃う前の決定になり、後から戻せません。
予算はいつ要求すればよいですか
着任直後の要求は根拠がないため通りにくくなります。まず止める取り組みの予算を振り替え、90日目に検証で得た自社の数字を添えて次の四半期の予算を要求してください。
最初の検証はどのくらいの規模にしますか
月の予算の1割程度に絞ります。この段階の目的は成果ではなく、自社の数字がどう動くかを知ることなので、計測の設定を済ませてから始めてください。
まとめ
- 施策から始めてしまうことです。数字の土台と社内の期待値が揃わないまま動くと、成果が出ても評価されません
- 事業の数字と、社内の期待と、いま動いているものの3つです。この段階では何も決めません
- 成果の定義と、追う数字と、90日後に示すものです。決めた内容は文書にして、関係者に配ります
- 規模の小さい検証を1つか2つです。大きな投資は、90日の中では判断できません
- 大きな予算の投入と、組織の拡大と、外部への全面的な委託です。どれも、判断の材料が揃う前に決めることになります
- 90日の終わりに、検証の結果を添えて出します。着任直後の要求は、根拠がないので通りにくくなります
- 成果の定義、追う数字、自社の数字の初期値、次の四半期の計画です。成果そのものは、この時点では問われません
- 把握に30日、決定に30日、検証に30日です。この配分を崩して実行を前倒しすると、後半で戻ることになります