マーケティングの定例で決めることを決める

その場で決めることが、あらかじめ決まっていないからです。
議題が進捗の共有になっている限り、会議は報告で埋まります。
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目次
目次
- 定例が報告会になってしまうのはなぜか
- 議題の名前が、会議の中身を決める
- 会議で決めるものと、会議の外で決めるもの
- 持ち込まれる理由は、責任の分散
- 週次の定例で扱う範囲は、どこまでか
- 週次で動かせるものに限る
- 月次の定例は、何のためにあるのか
- 扱う順番を、決めておく
- 四半期の場では、何を決めるのか
- 前提が崩れていないかを確認する
- 代理店との定例は、社内の定例と何が違うのか
- 議題を、発注側が作る
- 決まらなかったときに、どう扱うのか
- 決まらない理由を、3つに分ける
- 会議の組み替えをどう進めるか
- 決定に至った割合を出す
- よくある質問
- まとめ
その場で決めることが、あらかじめ決まっていないからです。
議題が進捗の共有になっている限り、会議は報告で埋まります。
定例が報告会になってしまうのはなぜか
その場で決めることが、あらかじめ決まっていないからです。
議題が進捗の共有になっている限り、会議は報告で埋まります。
マーケティング部門の定例は、週次と月次を合わせると月に5回から6回になります。
1回1時間なら、参加者1人あたり月6時間です。
この時間に見合うものが出ているかは、あまり検証されません。
議題の名前が、会議の中身を決める
議題が今週の進捗と書かれていれば、参加者は進捗を話します。
来週どこに予算を寄せるかと書かれていれば、その議論になります。
会議の性質は、議題の書き方でほぼ決まります。
報告は、会議の前に終わらせられる
数字の共有は、資料を配れば済みます。
会議の時間を使うのは、読めば分かることではなく、議論しないと決まらないことです。
会議で扱うことと、扱わないこと
| 内容 | 会議で扱うか | 代わりの手段 |
|---|---|---|
| 数字の共有 | 扱わない | 事前に資料を配る |
| 作業の進み具合 | 扱わない | 一覧を共有する |
| 判断が割れていること | 扱う | なし |
| 前提が変わったことの確認 | 扱う | なし |
| 次に何を止めるか | 扱う | なし |
| 他部署への依頼の調整 | 扱う | なし |
人数が多いほど、報告会になる
参加者が多いと、全員に関係する話題が減ります。
関係のない議論を聞く時間が増えると、次第に報告だけの場になります。
時間の総量を、先に把握する
定例の回数、時間、参加人数を掛け合わせると、月あたりの総時間が出ます。この数字を見ると、議題を絞る動機が生まれます。
会議で決めるものと、会議の外で決めるもの
1人で決められることは、会議に持ち込みません。
会議に持ち込むのは、関係者の合意が要るか、前提の解釈が割れているものだけです。
会議の議題が増える原因は、決められることまで持ち込んでいることです。
持ち込まれる理由は、責任の分散
1人で決めると、後から問われたときに自分の責任になります。
会議で決めれば、参加者全員の決定になります。
この動機があるので、議題は放っておくと増えます。
権限の範囲を先に決めておく
金額と、後から戻せるかどうかで、1人で決めてよい範囲を定めます。
範囲内のことは、会議に出さず報告だけにします。
決め方の振り分け
| 内容 | 決める場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 既定の枠内での配分の変更 | 担当が単独で決める | 戻せる範囲 |
| 新しい媒体の検証の開始 | 部門の定例 | 他の施策への影響がある |
| 施策の停止 | 部門の定例 | 関係部署への説明が要る |
| 予算の総額の変更 | 四半期の場 | 事業計画に関わる |
| 他部署に作業を依頼する | 部門の定例 | 相手の工数が要る |
| 代理店への発注内容の変更 | 担当と責任者で決める | 契約の範囲内 |
決めた内容は、会議の外にも届ける
会議で決まったことが、参加していない人に伝わらないことがあります。決定の一覧を、参加者以外も見られる場所に置きます。
週次の定例で扱う範囲は、どこまでか
量の指標と、今週止めるものだけです。
質や効率の数字は週次では振れるので、扱いません。
週次の定例は、短くします。
扱う範囲を絞らないと、時間だけが延びます。
週次で動かせるものに限る
1週間で結果が出ることと、1週間で変えられることは限られます。
配分の微調整、素材の差し替え、明らかな異常への対応。
この範囲を超える議題は、月次に回します。
週次で見る範囲
| 項目 | 週次で見るか | 理由 |
|---|---|---|
| 量の指標の進捗 | 見る | 月次目標に届くかが分かる |
| 異常な数字の変化 | 見る | 早く気づく必要がある |
| 配分の微調整 | 見る | 週単位で動かせる |
| 質の指標 | 見ない | 母数が足りず振れる |
| 効率の指標 | 見ない | 母数が足りず振れる |
| 新しい施策の企画 | 見ない | 議論に時間がかかる |
30分で終える設計にする
週次を1時間にすると、埋めるための議題が足されます。
30分に設定すると、扱う範囲が自然に絞られます。
異常の定義を、先に決めておく
何をもって異常とするかが決まっていないと、毎回の議論になります。前週比で何%動いたら取り上げるかを、数字で決めておきます。
月次の定例は、何のためにあるのか
配分を動かす判断と、施策の継続と停止の判断です。
振り返りの場ではなく、次の1か月を決める場にします。
月次の定例は、振り返りに時間を使いがちです。
振り返りは資料で済ませ、会議では次を決めます。
扱う順番を、決めておく
停止の判断を先に扱います。
新しいことの議論を先にすると、時間が足りなくなって停止の話が後回しになります。
月次で決める順番
| 順番 | 議題 | 扱う時間の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 止める施策があるか | 15分 |
| 2 | 配分を動かすか | 20分 |
| 3 | 質と効率の指標に異常がないか | 10分 |
| 4 | 来月の重点をどこに置くか | 10分 |
| 5 | 他部署への依頼と調整 | 5分 |
止める判断を、毎月の議題にする
止める議題を常設にしないと、施策は増え続けます。
該当がない月はなしで終えて構いません。
振り返りの資料は、会議の2日前に配る
会議中に資料を読む時間が発生すると、議論の時間が削られます。事前に配り、読んできた前提で始めます。
四半期の場では、何を決めるのか
予算の配分の大きな組み替えと、目標の前提の確認です。
月次では扱えない、影響範囲の大きい判断をここに集めます。
四半期の場は、月次の延長ではありません。
扱う内容を明確に分けます。
前提が崩れていないかを確認する
期初に置いた前提が、そのまま成り立っているか。
市場の状況、競合の動き、自社の供給の体制。
これらが変わっていれば、目標そのものを見直す議論になります。
外部環境の変化を、同じ場で扱う
媒体の側の変化は、四半期の単位で見ると影響が見えます。
Googleは2025年5月6日にAI Max for Search campaignsを発表し、自動作成アセットとキャンペーンレベル部分一致は2026年9月に自動アップグレードされる予定です。
DSAについては、新規キャンペーンが2026年9月以降作成できなくなり、既存の移行は2027年2月に延期されています。
こうした変更は週次や月次では扱いきれません。
四半期の場で、次の期にどう影響するかを議論します。
四半期の場で扱うことを、項目ごとに見ていきます。
期初の前提の確認については、判断することは前提が変わっていないか、所要は30分。
予算配分の組み替えについては、判断することは媒体や施策の構成を変えるか、所要は45分。
外部環境の変化の影響については、判断することは来期にどう効くか、所要は30分。
外部パートナーの評価については、判断することは体制を変えるか、所要は30分。
次の四半期の重点については、判断することは何に集中するか、所要は30分。
参加者を、月次と変える
四半期の場には、事業側の責任者が入ります。月次と同じ顔ぶれだと、事業の前提の議論ができません。
代理店との定例は、社内の定例と何が違うのか
決める主体が発注側にあることを、明示する必要があります。
説明を聞く場にすると、判断が委託先に移ります。
代理店との定例は、報告を受ける場として設計されがちです。
その形では、判断の材料が揃っても判断が起きません。
議題を、発注側が作る
代理店が用意した議題は、報告の構成になります。
発注側が議題を作り、事前に送ります。
代理店との定例の設計を、項目ごとに見ていきます。
議題については、発注側が決めるは決める、代理店が用意するはなし。
報告の様式については、発注側が決めるは決める、代理店が用意するは様式に沿って作成。
判断が必要な事項については、発注側が決めるは事前に提示する、代理店が用意するは見解を用意する。
数字の定義については、発注側が決めるは決める、代理店が用意するは定義に沿って集計。
次回までの宿題については、発注側が決めるは決める、代理店が用意するは対応する。
判断が必要な事項を、事前に伝える
その場で初めて出た論点は、持ち帰りになります。
事前に伝えておけば、当日に判断まで進みます。
説明の不足は、様式で解く
Testifyが2026年5月に実施した調査では、マーケティング責任者の不満の第1位が成果不振の説明不足で53.1%でした。
説明を求めるのではなく、報告様式に説明の欄を作るほうが確実です。
数字が想定から外れたときに、何が起きていたかを書く欄を常設します。
決まらなかったときに、どう扱うのか
次にいつ決めるかと、それまでに何を揃えるかをその場で決めます。
持ち帰りのまま終えると、同じ議題が何度も戻ってきます。
会議で決まらないこと自体は、問題ではありません。
決まらないまま終わることが問題です。
決まらない理由を、3つに分ける
情報が足りないのか。
権限がその場にないのか。
意見が割れているのか。
理由によって、次の手が変わります。
決まらない理由と、次の手を、項目ごとに見ていきます。
情報が足りないについては、次にやることは誰が何を調べるかを決める、期限の目安は次回まで。
権限がその場にないについては、次にやることは誰に諮るかを決める、期限の目安は2週間。
意見が割れているについては、次にやることは判断の基準を先に決める、期限の目安は次回まで。
前提が定まっていないについては、次にやることは前提を確認する場を別に設ける、期限の目安は1か月。
決める必要がなかったについては、次にやることは議題から外す、期限の目安は即時。
保留の件数を、数える
保留になった議題の数を記録します。
数が増え続けているなら、会議の設計か、権限の置き方に問題があります。
決める必要がなかった議題は、外す
議論の結果、決めなくてよいと分かることがあります。このときは保留にせず、議題から外したことを記録します。
会議の組み替えをどう進めるか
いまの定例に使っている総時間を出すところからです。
時間の総量が見えると、議題を絞る合意が取りやすくなります。
会議の見直しは、削る提案から入ると反発が出ます。
現状の把握から始めます。
定例を組み替える順序を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは定例の回数、時間、参加人数を一覧にする、期間の目安は1週間。
2については、やることは月あたりの総時間を算出する、期間の目安は3日。
3については、やることは直近3か月の議題を分類し、決定に至った割合を出す、期間の目安は1週間。
4については、やることは1人で決めてよい範囲を金額と可逆性で定める、期間の目安は2週間。
5については、やることは週次、月次、四半期で扱う範囲を書き分ける、期間の目安は2週間。
6については、やることは報告の資料を事前配布に切り替える、期間の目安は2週間。
7については、やることは代理店との定例の議題を発注側で作る形にする、期間の目安は1か月。
8については、やることは3か月後に、保留の件数と総時間を再測定する、期間の目安は3か月後。
決定に至った割合を出す
過去の議題を並べ、その場で決まったものと持ち帰りになったものを数えます。
決まった割合が半分を切っているなら、設計に問題があります。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
たとえば週次が30分で6人、月次が60分で8人、四半期が120分で10人だとします。
月あたりの総時間は、週次が12時間、月次が8時間、四半期が月あたり6.7時間で、合計26.7時間です。
会議の機能を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
定例に使った総時間については、見る頻度は月次、何が分かるかは時間の投入が妥当か。
その場で決まった議題の割合については、見る頻度は月次、何が分かるかは会議が機能しているか。
保留のまま繰り越した件数については、見る頻度は月次、何が分かるかは判断が止まっていないか。
止める判断が出た件数については、見る頻度は四半期、何が分かるかは施策が増え続けていないか。
資料の事前配布が守られた割合については、見る頻度は月次、何が分かるかは会議の前提が整っているか。
総時間は、減らすことが目的ではない
時間を減らしても、決まらない会議のままでは意味がありません。
決まった議題の割合と合わせて見ます。
3か月は同じ形で続ける
会議の形を変えた直後は、慣れの問題で混乱します。
3か月続けてから、効果を判断します。
定例で何を決めるかが定まらない場合は、無料相談で現状の会議の使い方を見てもらうところから始められます。社内の進め方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
定例が報告会になってしまいます
議題の書き方が会議の中身を決めます。進捗の共有ではなく、来週どこに予算を寄せるかのように決めることを議題名に書き、数字の共有は事前の資料配布に移してください。
週次の定例では何を扱えばよいですか
量の指標の進捗、異常な数字の変化、配分の微調整の3つに絞ります。質と効率の指標は週次では母数が足りず振れるので、月次で扱ってください。
月次の定例で最初に扱うべき議題は何ですか
止める施策があるかどうかです。新しいことの議論を先にすると時間が足りなくなり、停止の判断が後回しになって施策が増え続けます。
代理店との定例はどう設計しますか
議題を発注側が作り、事前に送ります。代理店が用意した議題は報告の構成になるため、判断の材料は揃っても判断が起きません。
会議で決まらなかったときはどうしますか
情報が足りないのか、権限がその場にないのか、意見が割れているのかを分け、次にいつ決めるかと、それまでに何を揃えるかをその場で決めてください。
まとめ
- その場で決めることが、あらかじめ決まっていないからです。議題が進捗の共有になっている限り、会議は報告で埋まります
- 1人で決められることは、会議に持ち込みません。会議に持ち込むのは、関係者の合意が要るか、前提の解釈が割れているものだけです
- 量の指標と、今週止めるものだけです。質や効率の数字は週次では振れるので、扱いません
- 配分を動かす判断と、施策の継続と停止の判断です。振り返りの場ではなく、次の1か月を決める場にします
- 予算の配分の大きな組み替えと、目標の前提の確認です。月次では扱えない、影響範囲の大きい判断をここに集めます
- 決める主体が発注側にあることを、明示する必要があります。説明を聞く場にすると、判断が委託先に移ります
- 次にいつ決めるかと、それまでに何を揃えるかをその場で決めます。持ち帰りのまま終えると、同じ議題が何度も戻ってきます
- いまの定例に使っている総時間を出すところからです。時間の総量が見えると、議題を絞る合意が取りやすくなります