コンペで代理店を選ぶときの進め方

何を決めるためのコンペかを先に定めます。
提案を集めること自体が目的になると、比較できない資料が並びます。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- コンペをやる前に、決めておくこと
- 決めるのは相手か、方針か
- コンペに向く案件と、向かない案件
- 向いている案件
- 声をかける社数は、どう決めるのか
- 多すぎるときに起きること
- 提案依頼書には、何を書くのか
- 書く内容
- どこまで情報を開示するのか
- 開示しないと起きること
- 評価は、どう運営するのか
- 配点を先に決める
- 決めたあとの進め方と、落選先への対応
- 選んだ社に伝えること
- 検討に入る前に決めること
- 日程の組み方
- よくある質問
- まとめ
何を決めるためのコンペかを先に定めます。
提案を集めること自体が目的になると、比較できない資料が並びます。
コンペをやる前に、決めておくこと
何を決めるためのコンペかを先に定めます。
提案を集めること自体が目的になると、比較できない資料が並びます。
複数の代理店から提案を受けて選ぶ進め方は、一般的な手続きになっています。
一方で、準備が足りないまま始めると、選定の材料にならない提案が集まります。
決めるのは相手か、方針か
新しい委託先を決めるためのコンペと、今期の方針を固めるためのコンペは、進め方が違います。
方針を固めたいだけなら、提案を集めるより、現在の委託先と議論するほうが早く進みます。
何を決める場かを最初に定めます。
社内で先に合意しておくこと
予算の規模、委託する範囲、契約の開始時期。
この三つが決まっていないと、提案の前提が各社で異なります。
前提が違う提案は、横に並べても比較になりません。
コンペの前に社内で決めること
| 項目 | 決める内容 | 決まっていないと起きること |
|---|---|---|
| 目的 | 相手を決めるのか方針を決めるのか | 提案の性質がばらつく |
| 委託範囲 | どこまでを任せるか | 見積りの前提が揃わない |
| 予算 | 媒体費と手数料の想定 | 提案の規模が比較できない |
| 開始時期 | 契約と実行の時期 | 各社の体制の確保が読めない |
| 評価の軸 | 何をどの比重で見るか | 印象で決まる |
決裁者を先に確認する
最終的に誰が決めるかを、提案を集める前に確認します。選定の途中で決裁者が加わると、評価の軸が動きます。決裁者には、評価の軸を決める段階から関わってもらいます。
コンペに向く案件と、向かない案件
委託範囲が明確な案件は向きます。
何を任せるかを一緒に考えてほしい案件は、コンペより個別の相談が向きます。
コンペは万能の手続きではありません。
向かない案件で実施すると、時間をかけた割に判断材料が得られません。
向いている案件
任せる範囲と予算が決まっている。
求める成果の指標が定義できている。
複数社が同じ条件で提案できる。
この条件が揃えば、比較が成立します。
向いていない案件
現状の整理から一緒にやってほしい場合。
事業の課題がまだ特定できていない場合。
これらは、提案を受ける前に自社で整理するか、個別に相談する形が向きます。
案件の性質と、適した選び方
| 案件の性質 | 適した進め方 | 理由 |
|---|---|---|
| 範囲と予算が明確 | コンペ | 同じ条件で比較できる |
| 課題の特定から必要 | 個別の相談 | 前提を作る作業が先 |
| 既存の委託先の見直し | 改善の依頼が先 | 切り替えの費用が大きい |
| 少額の単発 | 見積り比較 | コンペの工数に見合わない |
| 専門性が極端に高い | 指名 | 該当する相手が限られる |
コンペをやらない判断もある
現在の委託先との関係を改善すれば解決する場合があります。その場合、コンペにかける社内の工数と、切り替えの費用のほうが大きくなります。実施しない判断も、選択肢として残します。
声をかける社数は、どう決めるのか
三社から四社が実務的な上限です。
社数を増やすほど比較の精度は上がりませんが、社内の工数は比例して増えます。
社数の設計は、比較の質と社内の負担の釣り合いで決めます。
多すぎるときに起きること
提案の説明を受ける時間、質疑の対応、評価の集計。
社数が増えるほど、これらに使う時間が増えます。
一社あたりに割ける確認の時間が減り、体制の確認が浅くなります。
少なすぎるときに起きること
二社では、比較の幅が狭くなります。
片方が明らかに劣っていた場合、実質的に選択肢がありません。
社数と、社内にかかる負担
| 社数 | 提案説明と質疑の時間 | 一社あたりの確認の深さ |
|---|---|---|
| 2社 | 短い | 深く確認できる |
| 3社 | 適度 | 確認の時間を確保できる |
| 4社 | 長い | 確認が浅くなり始める |
| 5社以上 | 過大 | 印象での判断に傾く |
| 指名1社 | 最短 | 比較の材料がない |
候補の集め方
既に取引のある先、業界での実績がある先、規模の近い先。
この三つの観点で候補を挙げます。
規模が離れすぎている先を混ぜると、比較の軸が合いません。
現在の委託先を含めるか
含める場合は、そのことを事前に伝えます。伝えずに含めると、選定の途中で関係が悪化します。含めない場合も、いつ伝えるかを先に決めておきます。
提案依頼書には、何を書くのか
提案してほしい範囲と、提案してほしくない範囲の両方を書きます。
範囲を限定するほど、比較しやすい提案が集まります。
提案依頼書の役割は、各社の提案を同じ土俵に乗せることです。
書く内容
事業の概要と現状の課題。
委託する範囲と予算の想定。
提案してほしい項目と、その提出の形式。
評価の軸と配点。
選定の日程と決裁の流れ。
形式を指定する理由
提案の構成が各社で違うと、比較に時間がかかります。
項目と順番を指定すれば、同じ項目を横に並べられます。
資料の枚数に上限を設けると、量ではなく中身で比べられます。
提案依頼書の項目と、指定する理由
| 項目 | 指定する内容 | 指定する理由 |
|---|---|---|
| 提案の構成 | 項目と順番 | 横並びで比較するため |
| 資料の分量 | 枚数の上限 | 量で判断しないため |
| 見積りの様式 | 内訳の区分 | 総額を同じ条件で比べるため |
| 体制の記載 | 担当予定者と兼務数 | 実務の質を見るため |
| 提出期限 | 日付と提出方法 | 各社の条件を揃えるため |
| 質問の受付 | 期間と回答の共有方法 | 情報の非対称をなくすため |
質問は全社に共有する
一社からの質問と回答を、全社に共有します。
共有しないと、質問した社だけが前提を正確に理解した状態になります。
提案してほしくないことも書く
管理画面の操作手順、媒体の機能の一般的な説明。こうした内容で資料が厚くなると、判断に使えません。不要な項目を明示すると、提案の密度が上がります。
どこまで情報を開示するのか
提案の精度は、開示した情報の量で決まります。
開示を絞ると、どの社も同じような一般論を提出してきます。
情報の開示は、コンペの質を最も左右する要素です。
開示しないと起きること
現状の数字が分からなければ、各社は推測で提案します。
推測に基づく提案は、実行の段階で前提が崩れます。
選定の時点では良く見えた提案が、契約後に機能しません。
開示の範囲
直近12か月の媒体別の実績、現在の体制、指標の定義、抱えている課題。
これらを開示すると、提案の具体性が変わります。
機密の扱いは、秘密保持の取り決めを結んでから進めます。
開示する情報と、提案への影響を、項目ごとに見ていきます。
媒体別の実績については、開示しない場合の提案は一般的な媒体構成の提案、開示した場合の提案は現状を踏まえた配分の提案。
指標の定義については、開示しない場合の提案は定義が各社で異なる、開示した場合の提案は同じ定義で目標を提示。
現在の体制については、開示しない場合の提案は体制の前提が不明、開示した場合の提案は自社の体制と組み合わせた提案。
過去に試した施策については、開示しない場合の提案は同じ施策が再提案される、開示した場合の提案は次に試す施策の提案。
事業の目標については、開示しない場合の提案はマーケティング内で完結、開示した場合の提案は事業目標との接続を示す。
開示にともなう取り決め
秘密保持の取り決めを、提案依頼の前に結びます。落選した社が保有する資料の扱いと、返却または廃棄の方法も定めます。個人情報を含むデータは、この段階では開示しません。取り扱いに関する規制は改定されることがあるため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
評価は、どう運営するのか
配点を提案を受け取る前に決めます。
提案を見てから軸を決めると、印象の強い提案に合わせて軸が動きます。
評価の運営は、公平さのためだけではありません。
後から選定の理由を説明できるようにするためです。
配点を先に決める
考え方、体制、費用、契約条件。
この四つに配点を割り振ります。
費用の配点を高くしすぎると、安いだけの提案が上位に来ます。
評価者を複数にする
一人で評価すると、その人の関心が配点に反映されます。
マーケティング、経営、実務の担当者を含めます。
評価者ごとの点数を集計し、差が大きい項目は議論します。
評価項目と、配点の考え方を、項目ごとに見ていきます。
課題の理解については、見るものは自社の状況を踏まえているか、配点の考え方は高く置く。
施策の考え方については、見るものは判断の根拠が示されているか、配点の考え方は高く置く。
体制については、見るものは担当予定者と兼務の状況、配点の考え方は高く置く。
費用については、見るものは作業範囲を揃えた総額、配点の考え方は中程度に置く。
契約条件については、見るものはアカウント名義と終了時の扱い、配点の考え方は中程度に置く。
提案説明の場で確認すること
資料だけでは分からない点を質疑で埋めます。
担当予定者を同席させることを、依頼の条件に含めます。
提案を書いた人だけが来る場合、実務の体制が確認できません。
評価の記録を残す
点数と、その理由を記録します。この記録が、契約後に期待と実務が食い違ったときの照合先になります。
決めたあとの進め方と、落選先への対応
選定の理由を、選んだ社にも選ばなかった社にも伝えます。
伝えることで、次の機会に提案の質が上がります。
コンペは、決めた時点で終わりではありません。
選んだ社に伝えること
何を評価したのか。
提案のうち、実行に移す部分と、見送る部分。
これを契約の前に共有すると、契約後の前提が揃います。
選ばなかった社に伝えること
何が決め手だったかを簡潔に伝えます。
理由を伝えない対応が続くと、次回声をかけても提案の優先度が下がります。
業界内で自社の評判にも影響します。
選定後にやることを、項目ごとに見ていきます。
選んだ社については、やることは評価した点と見送る提案の共有、時期は契約前。
選んだ社については、やることは契約条件の確定と体制の確認、時期は契約時。
選ばなかった社については、やることは結果と理由の連絡、時期は決定後すみやかに。
選ばなかった社については、やることは開示資料の返却または廃棄の確認、時期は決定後1か月以内。
社内については、やることは選定の記録の保管、時期は決定後。
提案内容を他社に流用しない
落選した社の提案内容を、選んだ社に実行させる。
この扱いは、提案の対価を支払っていない以上、避けます。
提案の取り扱いについては、依頼の段階で条件を明示しておきます。
提案料を支払う選択肢
事前の調査や分析を求める場合、提案料を支払う形があります。支払うことで、求める水準の提案を依頼できます。
検討に入る前に決めること
委託する範囲と評価の配点を、提案を集める前に決めることからです。
この二つが決まれば、提案依頼書はほぼ書けます。
コンペの質は、開始前の準備で大半が決まります。
立ち上げの流れを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることはコンペの目的と委託範囲を社内で決める、期間の目安は2週間。
2については、やることは評価の軸と配点を決裁者と合意する、期間の目安は1週間。
3については、やることは開示する情報を整理し秘密保持を準備する、期間の目安は2週間。
4については、やることは提案依頼書を作成し候補先に送付する、期間の目安は1週間。
5については、やることは質問の受付と全社への回答の共有、期間の目安は2週間。
6については、やることは提案説明と評価の集計を行い決定する、期間の目安は3週間。
日程の組み方
提案依頼書の送付から提出までは、三週間から四週間を見ます。
これより短いと、各社は既存の資料を組み替えた提案を出します。
数字は説明のための仮の値です。
たとえば準備に4週間、提案期間に4週間、評価に3週間で、決定まで約3か月です。
健全さを見る項目を、項目ごとに見ていきます。
候補先の社数については、見る時点は開始時、目安の考え方は3社から4社に収まっているか。
提出された質問の件数については、見る時点は質問受付後、目安の考え方は開示が足りているか。
評価者ごとの点数の差については、見る時点は評価時、目安の考え方は軸が共有されているか。
提案から契約までの日数については、見る時点は決定後、目安の考え方は想定の日程どおりか。
契約後3か月の体制の一致度については、見る時点は契約後、目安の考え方は提案どおりの体制か。
準備が間に合わないときは延期する
日程が先に決まっていて、準備が追いつかないことがあります。
準備が不十分なまま実施すると、比較できない提案が集まります。
延期の判断は、開始前であれば費用がかかりません。
選定の記録を保管する
評価の配点、各社の点数、決めた理由。
これを保管しておくと、次回のコンペで同じ準備を繰り返さずに済みます。
コンペで代理店を選ぶ進め方が分からない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。委託の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
コンペを実施する前に決めておくことは何ですか
委託する範囲、予算の規模、契約の開始時期、評価の軸と配点です。これらが決まっていないと各社の提案の前提が異なり、横に並べても比較になりません。
何社に声をかけるのが適切ですか
三社から四社が実務的な上限です。社数を増やしても比較の精度は上がらず、社内の工数だけが増えます。一社あたりに割ける確認の時間が減り、体制の確認が浅くなります。
自社の数字はどこまで開示すべきですか
直近12か月の媒体別の実績、指標の定義、現在の体制、過去に試した施策までは開示してください。開示を絞ると、どの社も推測に基づく一般論を提出します。秘密保持の取り決めを先に結びます。
評価の配点はいつ決めればいいですか
提案を受け取る前です。提案を見てから軸を決めると、印象の強い提案に合わせて軸が動きます。費用の配点を高くしすぎると、安いだけの提案が上位に来ます。
落選した代理店にはどう伝えればいいですか
何が決め手だったかを簡潔に伝え、開示資料の返却または廃棄も確認してください。理由を伝えない対応が続くと、次に声をかけたときの提案の優先度が下がります。
まとめ
- 何を決めるためのコンペかを先に定めます。提案を集めること自体が目的になると、比較できない資料が並びます
- 委託範囲が明確な案件は向きます。何を任せるかを一緒に考えてほしい案件は、コンペより個別の相談が向きます
- 三社から四社が実務的な上限です。社数を増やすほど比較の精度は上がりませんが、社内の工数は比例して増えます
- 提案してほしい範囲と、提案してほしくない範囲の両方を書きます。範囲を限定するほど、比較しやすい提案が集まります
- 提案の精度は、開示した情報の量で決まります。開示を絞ると、どの社も同じような一般論を提出してきます
- 配点を提案を受け取る前に決めます。提案を見てから軸を決めると、印象の強い提案に合わせて軸が動きます
- 選定の理由を、選んだ社にも選ばなかった社にも伝えます。伝えることで、次の機会に提案の質が上がります
- 委託する範囲と評価の配点を、提案を集める前に決めることからです。この二つが決まれば、提案依頼書はほぼ書けます