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代理店経由と直販でマーケの役割が変わる

外注・パートナー選び公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約22分
代理店経由と直販でマーケの役割が変わる

顧客を取りに行く役割に、販売する会社を動かす役割が加わります。
同じ予算でも、届ける相手が二種類になります。

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目次

  1. 販売が間接になると、マーケティングの役割はどう変わるのか
    • 役割の配分を決めないと、どちらも中途半端になる
  2. 獲得したリードは、誰のものとして扱うのか
    • 販売店が自分で作った案件と、自社が渡した案件を分けて記録する
  3. 間接販売では、どこまでの数字が測れるのか
    • 申告の負担を増やすと、報告そのものが止まる
  4. 需要を作る役割と販売を支える役割は、どう配分するのか
    • 相手の状態は毎年変わるので、分類も毎年やり直す
  5. 販売する会社に渡す材料は、自社の営業向けと何が違うのか
    • 時間を取ってもらえない前提で作る
  6. 直販と間接販売がぶつかったとき、どう裁くのか
    • 例外を作ると、規則ごと機能しなくなる
  7. 販売する会社を増やせば、販売は伸びるのか
    • 稼働している相手に支援を寄せる
  8. 役割の切り分けは、何から決めていけばいいのか
  9. よくある質問
  10. まとめ

顧客を取りに行く役割に、販売する会社を動かす役割が加わります。
同じ予算でも、届ける相手が二種類になります。

販売が間接になると、マーケティングの役割はどう変わるのか

顧客を取りに行く役割に、販売する会社を動かす役割が加わります。
同じ予算でも、届ける相手が二種類になります。

販売が間接になると、マーケティングの役割はどう変わるのか

自社が直接売る場合と、販売店や取次を通す場合では、マーケティングの仕事の中身が変わります。
両方を並行している会社では、この違いが意識されないまま直販と同じやり方が続いていることが多くなります。

直販で届ける相手は、見込み顧客だけです。
間接販売では、見込み顧客に加えて、販売する側の会社と、その会社の営業担当者にも届ける必要があります。

相手が二種類になるということは、予算の使い先も二種類になるということです。
広告で需要を作る費用と、販売する会社に向けた資料や研修の費用が、同じ予算の枠の中で取り合いになります。

もう1つ変わるのが、受注までの経路の長さです。
自社が作った需要が受注になるまでに、販売する会社の営業が動くという工程が挟まります。

この工程は自社では動かせません。
資料を渡すことも研修を行うこともできますが、実際に顧客に会いに行くかどうかを決めるのは相手の会社です。

動かせない工程が経路に入ると、施策と成果の対応が弱くなります。
広告経由のリードが増えても、渡した先が動かなければ受注は増えません。

この構造を理解しないまま直販と同じ指標で管理すると、リードの件数だけが伸びて受注が伸びない状態が続きます。
そして期末には、広告の効率が落ちているという結論が出ます。

実際に起きているのは広告の問題ではなく、渡した先の稼働の問題です。
切り分けができていないと、稼働に手を入れるべき局面で広告予算を削る判断に向かいます。

価格の扱いも直販とは違います。
直販なら自社で決められる値引きの幅が、間接販売では販売する側の裁量に入ります。

そのため、価格を訴求の中心に置いた広告は、間接販売では成立しにくくなります。
顧客が広告で見た条件と、販売店が提示する条件がずれると、その調整は販売店側の負担になるためです。

情報の入り方も変わります。
直販なら自社の商談記録から失注の理由が分かりますが、間接販売では相手の報告を通じてしか分かりません。

報告の粒度は相手によって違うため、市場の状況を把握する速さが落ちます。
訴求の見直しが、直販よりも一拍遅れる前提で計画を組む必要があります。

これらの違いは、どれも自社の外側に工程があることから生まれています。
外にある工程を前提に設計し直す作業が、間接販売でのマーケティングの仕事です。

役割の配分を決めないと、どちらも中途半端になる

需要を作ることに寄せすぎると、作った需要が販売する会社に渡らずに消えます。
渡す仕組みと、渡した後に動いてもらう仕組みがないかぎり、リードは手元に滞留します。

逆に販売支援に寄せすぎると、市場での認知が育ちません。
販売する会社が提案に行っても、顧客側に商品の名前がまったく入っていない状態が続きます。

どちらに寄せるかは方針の好みではなく、販売する会社の能力で決まります。
自力で案件を作れる相手が多いのか少ないのかで、答えが反対になります。

配分を決める場には、営業部門と販売網を担当する部門を同席させてください。
マーケティング部門だけで決めると、渡した先の実情が前提から抜け落ちます。

決める時期は、期初の予算が固まる前です。
予算が確定してから配分を議論すると、支援の費用が広告費の余りとして扱われます。

間接販売では、届ける相手が見込み顧客と販売する会社の二種類になります。受注までの経路に自社では動かせない工程が入る前提で、予算と指標を組み直してください

獲得したリードは、誰のものとして扱うのか

先に規則を決めておかないと、案件が出るたびに交渉になります。
既存の取引の有無、地域、申告の先着という3つの基準を、文書にしてから配信を始めます。

獲得したリードは、誰のものとして扱うのか

間接販売で最も揉めるのが、リードの帰属です。
自社の広告で獲得したリードを誰が扱うかを決めていないと、案件が1件出るたびに個別の判断が発生します。

判断が個別になると、決めた人の立場が結果に反映されます。
販売店との関係が近い担当者は渡す判断をし、直販の数字を持つ担当者は自社で抱える判断をします。

この揺れは、販売する側から見ると恣意的な運用に映ります。
一貫していない相手には案件の情報を出さないという行動に、必ずつながります。

決めるべき場面は大きく3つあります。
獲得したリードがすでに販売店の取引先だった場合、新規だが特定の販売店の担当地域だった場合、そして複数の販売店が同じ相手を扱っていると申告してきた場合です。

既存の取引先については、従来の担当を優先するのが摩擦の少ない扱いです。
自社が横から入ると、その販売店がこれまで積み上げてきた関係の上に乗ることになります。

ただし、既存の取引がある商材と、今回の商材がまったく別の領域である場合は例外を作りたくなります。
例外を作るかどうかは、商材ごとに一度だけ決めて、案件ごとには決めないでください。

地域で割り当てる場合は、何を地域とするかの定義が要ります。
顧客の本社所在地なのか、実際に導入する拠点の所在地なのかで、割り当て先が変わる案件が出てきます。

拠点が複数の都道府県にまたがる顧客は、どちらの定義でも割り切れません。
この種の案件は自社が対応すると先に決めておくと、判断の時間が節約できます。

複数から申告がある場合は、申告の先着で決めるのが運用しやすい基準です。
先着を採る以上、申告の手続きが軽いことが前提になります。

申告のために5項目も10項目も入力を求めると、営業担当者は申告しないまま商談に入ります。
顧客の社名、担当者名、想定している導入時期の3項目に絞ってください。

申告には有効期間を置きます。
申告だけして動かない案件が枠を押さえ続けると、他の販売店が提案できなくなるためです。

期間は60日から90日が実務的な範囲です。
これより短いと商談の途中で期限が切れ、これより長いと死んだ案件が滞留します。

自社の直販も、同じ申告の仕組みに乗せてください。
自社だけが申告せずに動ける状態にすると、規則そのものが信用されなくなります。

販売店が自分で作った案件と、自社が渡した案件を分けて記録する

販売店が自力で見つけた案件と、自社から渡した案件では、取引の条件を変えるのが一般的です。
自社が需要を作った案件のほうが、販売店の負担が小さいためです。

条件を変えるには、どちらの経路で生まれた案件かが記録に残っている必要があります。
記録がなければ、条件の議論そのものが始まりません。

記録は、申告の時点で経路を選ばせる形にすると運用に乗ります。
受注してから遡って分類しようとすると、有利な側の申告が通ります。

経路別の記録は、支援の配分を決める材料にもなります。
自社が渡した案件しか受注していない販売店は、自走できていない相手として扱う必要があります。

規則を作る主体は、営業部門ではなく、販売網を所管する部門と経営です。
営業部門だけで作ると、直販に有利な線が引かれたと受け取られます。

リードの帰属は、既存の取引、地域、申告の先着の3つを先に文書にしてください。自社の直販も同じ申告の仕組みに乗せないと、規則が信用されません。

間接販売では、どこまでの数字が測れるのか

渡した件数と、受注の件数と金額までは測れます。
商談の中身と失注の理由はほとんど取れないため、取れない前提で指標を組みます。

間接販売では、どこまでの数字が測れるのか

直販と間接販売では、測れる範囲が違います。
同じ指標で管理しようとすると、片方が必ず欠測になります。

自社が販売店に渡したリードが、どういう会話を経て受注になったか。
これは相手の報告を通じてしか分かりません。

報告の粒度は相手によって違います。
案件管理の仕組みを持っている販売店もあれば、担当者の手元にしか記録がない販売店もあります。

つまり、間接販売の指標は、最も報告の粒度が粗い相手に合わせて設計することになります。
細かい報告を前提にすると、一部の相手からしかデータが集まらず、全体の比較ができません。

確実に取れるのは、自社が渡したリードの件数です。
これは自社側の記録なので、相手の協力に依存しません。

受注の件数と金額も取れます。
出荷や請求の記録があるため、報告が滞っても後から確認できます。

一方、渡したリードに実際に接触したかどうかは、申告に依存します。
接触していないまま失注として処理された案件が、報告上は接触済みになることもあります。

商談になったかどうかも同じです。
商談の定義が販売店ごとに違うため、集めた数字を横に並べても意味を持ちません。

最も取りにくいのが失注の理由です。
販売店にとって失注の理由は自社の営業力の評価につながるため、正直な報告が集まりにくい項目です。

ここを推測で埋めると、埋めた推測が前提として独り歩きします。
価格が理由だという推測が広まると、価格の見直しという議論に進んでしまいます。

取れない項目は、取れないと明記して空欄にしてください。
空欄が並ぶことを避けようとする運用が、最も精度を下げます。

間接販売で取れる数字と、取れない数字

数字直販間接販売使い方
リードの件数測れる測れる需要創出の評価に使う
接触の有無測れる申告に依存稼働の目安として見る
商談になったか測れる申告に依存定義を揃えた相手だけ比較する
失注の理由測れるほとんど取れない推測で埋めない
受注の件数と金額測れる測れる配分の判断に使う
提案の内容測れる取れない研修の設計で補う

申告の負担を増やすと、報告そのものが止まる

販売店に細かい報告を求めると、報告の作業が営業活動を圧迫します。
圧迫された時点で、報告は後回しになり、やがて提出されなくなります。

案件の状態は、3段階か4段階にとどめてください。
提案前、提案中、受注または失注という粒度なら、営業担当者が移動中でも入力できます。

段階を増やしたくなるのは、自社側が分析に使いたいからです。
分析の精度と報告の継続はほぼ反比例するため、継続のほうを優先してください。

報告を続けてもらうには、返すものが要ります。
集めた数字を販売店ごとに集計して返すと、相手にとっても自社の位置が分かる資料になります。

返す先は担当者ではなく、販売店の責任者にしてください。
担当者にだけ返すと、報告の負担と便益が同じ人の中で閉じ、社内の優先度が上がりません。

間接販売で確実に取れるのは、渡した件数と受注の件数と金額です。失注の理由は取れない前提に立ち、報告の段階は3つか4つに抑えてください。

需要を作る役割と販売を支える役割は、どう配分するのか

販売する会社が自力で需要を作れるかどうかで決まります。
自力で作れない相手が多いほど、自社が需要を作る比重を上げる必要があります。

需要を作る役割と販売を支える役割は、どう配分するのか

配分は、自社の方針ではなく、販売する側の能力で決まります。
同じ商材でも、販売網の構成が違えば正解が変わります。

すでに顧客基盤を持ち、自力で提案の場を作れる相手が多い場合は、自社は支援に寄せられます。
資料、研修、価格の体系を整えれば、案件は相手の側から出てきます。

この構成では、自社が広告で需要を作りすぎると、かえって摩擦が起きます。
自社が獲得したリードの中に、販売店の既存顧客が混ざる比率が上がるためです。

反対に、顧客との接点はあるが提案の場を自力で作れない相手が多い場合は、自社が需要を作らないと案件が出ません。
この構成で支援ばかり厚くすると、研修を受けた担当者が使う機会のないまま忘れていきます。

見分ける材料は、過去1年に販売店が自力で作った案件の数です。
自社が渡した案件しか受注していない相手は、提案の場を作れていない相手です。

もう1つの材料は、その販売店が扱っている他の商材の数です。
扱いが多い相手ほど、自社の商材に割ける時間の比率は下がります。

時間が割けない相手には、需要を作って渡す形のほうが効きます。
提案の場が用意されていれば、少ない時間でも動けるためです。

配分は全社一律にしないでください。
一律にすると、自走できる相手には支援が過剰になり、自走できない相手には需要が足りない状態が同時に起きます。

販売する会社の型と、必要な支援の重さ

販売する会社の状態自社が需要を作る比重支援の重さ先に手をつけること
自力で案件を作れる低い重い提案の型と価格の体系を整える
顧客はいるが提案の場を作れない高い中くらい渡す案件を増やす
顧客の開拓から必要高い軽い投資する相手かを見極める
特定の業種に強い中くらい重いその業種向けの事例を用意する
取り扱いを始めたばかり高い重い最初の受注までを自社が伴走する

配分を決めたら、予算の科目としても分けてください。
需要創出の費用と販売支援の費用が同じ科目に入っていると、期中に片方が食われます。

食われるのはたいてい販売支援のほうです。
広告は週次で数字が動くため、数字が出ていない月には支援の費用が転用されます。

転用が続くと、支援の断続が起きます。
研修を半年に一度しか実施できない販売網では、担当者の入れ替わりに追いつけません。

相手の状態は毎年変わるので、分類も毎年やり直す

分類は一度作って終わりにはできません。
担当者が変われば、自走できていた販売店が翌年には動かなくなります。

見直しの周期は年1回で足ります。
四半期ごとに分類を変えると、支援の内容が落ち着かず、相手の側も方針が読めなくなります。

見直す時期は、自社の期初ではなく、販売店側の期初に合わせるほうが実務的です。
相手の予算と人員が決まった直後のほうが、支援の受け入れ余地があります。

分類を下げる判断は、伝え方を設計してから行ってください。
支援を薄くする通知だけが届くと、相手は取り扱いそのものを見直します。

伝えるときは、何が満たされれば元の分類に戻るかを同時に示します。
基準が示されていれば、分類の変更は評価ではなく条件の提示として受け取られます。

配分は販売する会社が自力で案件を作れるかどうかで決まります。全社一律の支援をやめ、需要創出と販売支援の予算を別の科目に分けてください。

販売する会社に渡す材料は、自社の営業向けと何が違うのか

前提の説明を厚くし、相手の名前で出せる形にする必要があります。
自社の営業向けの資料をそのまま渡すと、使われないまま終わります。

販売する会社に渡す材料は、自社の営業向けと何が違うのか

自社の営業が使っている資料は、間接販売ではほぼそのまま使えません。
書かれている内容が足りないのではなく、読む人の前提が違うためです。

自社の営業は、その商品だけを扱っています。
販売店の担当者は、多くの商品の1つとして扱っています。

この差は知識の量の差として表れます。
自社の営業向けの資料は、商品を知っている人が要点を確認するために作られているため、前提の説明が省かれています。

省かれた前提は、販売店の担当者には埋められません。
埋められない箇所が1つでもあると、その資料は顧客の前で使われなくなります。

次に問題になるのが、誰の名前で出す資料かです。
販売店が顧客に渡す資料に自社の社名だけが並んでいると、販売店は自分の提案として出しにくくなります。

相手の社名を入れられる形にするかどうかは、作る前に決めてください。
作り終わってから対応すると、体裁の作り直しが発生します。

社名を入れられる形にする場合は、どこまでの改変を認めるかも決めます。
価格の記載と、効果に関する記述は、改変を認めない範囲として明示してください。

医療や金融など表示に規制のある領域を扱う場合は、改変の可否を自社の判断だけで決めないでください。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認し、確認した結果を販売店にも共有します。

提案の型も、渡す材料の1つです。
どの順番で何を話すかが決まっていれば、商品を深く知らない担当者でも提案の場に立てます。

提案の型には、相手が埋める箇所を明示してください。
埋める箇所が分からないと、型のまま読み上げる提案になり、顧客に響きません。

価格の体系は、仕切りと売価の関係が分かる形で渡します。
どこまで値引きしてよいかが分からない状態では、販売店は商談の終盤で自社に確認を取ることになります。

確認の往復が挟まると、商談の速度が落ちます。
値引きの範囲を先に示しておくほうが、結果として価格は保たれます。

競合との比較資料では、その販売店が扱っている他の商品との関係にも触れる必要があります。
自社と他社の比較だけを書いた資料は、販売店の現場では使いどころがありません。

時間を取ってもらえない前提で作る

販売店の担当者は、自社の商品だけに時間を使えません。
研修の案内を出しても、日程が合わないという理由で参加が集まらないことが続きます。

そのため、材料は短時間で要点が分かる形にしてください。
30分の説明で提案の場に立てる構成にしないと、最初の一歩が踏み出されません。

研修も、集合で行う形だけに頼らないほうが安全です。
録画と短い手引きを併用し、参加できなかった担当者が後から追える経路を残します。

材料を渡した後は、使われているかどうかを確認してください。
確認しないまま次の材料を作ると、使われていない資料が積み上がります。

確認の方法は、ダウンロードの回数より、商談への同席のほうが正確です。
同席の場で使われていない資料は、作り方を変える必要があります。

渡す材料は、前提の説明を厚くし、相手の名前で出せる形にしてください。30分の説明で提案の場に立てる構成でないと、最初の一歩が踏み出されません。

直販と間接販売がぶつかったとき、どう裁くのか

裁く規則を先に作り、その場の交渉にしないことです。
規則がないと、販売する側から見て自社は競合になり、案件の情報が上がらなくなります。

直販と間接販売がぶつかったとき、どう裁くのか

直販と間接販売の両方を持つ会社では、同じ顧客に両方が提案する事態が必ず起きます。
起きること自体は避けられないため、起きたときにどう裁くかを先に決めておく必要があります。

この問題の深刻さは、1件の案件の損得では測れません。
一度競合が起きると、販売する側にとって自社は競合他社と同じ扱いになります。

そうなると、案件の情報が上がってこなくなります。
情報が上がらなければ、次の競合を防ぐこともできなくなり、状況は悪化し続けます。

裁く基準として使えるのは、案件の申告の先着、規模、地域、業種、既存の取引の5つです。
どれを主軸にするかを1つ決め、残りは補助として使ってください。

申告の先着を主軸にすると、運用は最も単純になります。
ただし申告の仕組みが軽くなければ、先着は形だけの基準になります。

規模で区分する場合は、一定規模以上の顧客は自社が対応するという線を引きます。
この線引きは分かりやすい一方で、販売店から見ると大型の案件を取られる仕組みに見えます。

その印象を避けるには、規模で自社が対応した案件についても、販売店に一定の関与と対価を残す設計が要ります。
関与を残さない線引きは、販売網の側の協力を確実に失います。

地域で区分する場合は、境界の顧客をどう扱うかが論点になります。
本社と導入拠点が別の地域にある顧客は、どの地域にも属さない扱いになりがちです。

業種で区分する方法は、販売店ごとの専門性を活かせます。
一方で、業種の判定が難しい顧客が出るため、判定を行う部署を先に決めておく必要があります。

規則の内容は、社内だけでなく販売する側にも公開してください。
非公開の規則は、適用されるたびに恣意的な判断だと受け取られます。

公開するのは、基準そのものと、判断を行う部署と、異議を出す手順の3点です。
異議の手順がない規則は、納得されないまま形だけ守られます。

例外を作ると、規則ごと機能しなくなる

規則を運用し始めると、例外を認めたくなる場面が出てきます。
経営が直接の関係を持つ顧客や、金額の大きい案件が典型です。

例外を1つ認めると、その例外が次の交渉の基準になります。
前回は認められたのに今回は認められない、という説明を繰り返すことになります。

例外を作る必要がある場合は、例外として運用せず、規則そのものに条件として書き込んでください。
書き込まれた条件は、事前に読める基準として機能します。

規則の見直しは、年に1回の決まった時期に行ってください。
随時見直せる規則は、揉めた案件のたびに書き換えを求められます。

見直しの場には、直販側と販売網側の双方を入れます。
片方だけで書き換えた規則は、次の案件で必ず争点になります。

競合の裁定は、申告の先着、規模、地域、業種、既存の取引のどれか1つを主軸にして文書化し、販売する側にも公開してください。例外は規則本体に条件として書き込みます。

販売する会社を増やせば、販売は伸びるのか

取り扱いの契約が増えても、実際に案件を出す会社の数はほとんど変わりません。
支援の負担だけが契約の数に比例して増えます。

販売する会社を増やせば、販売は伸びるのか

販売網の拡大は、数の議論になりやすい領域です。
取り扱い店舗数や提携社数は社外にも示しやすい数字のため、目標として置かれがちです。

しかし、契約と稼働は別です。
取り扱いの契約を結んだ会社のうち、実際に案件を出すのは一部にとどまります。

契約の数を目標にすると、稼働しない相手が増えます。
増えた相手にも問い合わせへの対応、資料の提供、研修の案内は発生するため、支援の負担だけが積み上がります。

負担が積み上がると、既存の稼働している相手への支援が薄くなります。
薄くなった支援は、稼働していた相手の稼働率を下げます。

つまり、数を増やす動きは、放置すると全体の販売を減らす方向に働きます。
これは拡大そのものが悪いのではなく、支援の総量が有限であることから来ています。

条件を緩くして相手を増やす場合は、別の副作用が出ます。
仕切りの条件を下げて契約を取ると、既存の販売店の条件との整合が崩れます。

整合が崩れた条件は、必ず知られます。
知られた時点で、既存の相手から条件の見直しを求められます。

地域を細かく分けて相手を増やす方法にも上限があります。
1社あたりの担当地域が小さくなると、その地域だけでは事業として成立しない規模になります。

成立しない規模の取り扱いは、担当者が付かなくなります。
契約だけが残り、稼働はゼロという状態が生まれます。

増やす前に確認するのは、既存の相手の稼働率です。
稼働していない相手が半数を超えているなら、増やす前に稼働を上げる余地のほうが大きくなります。

増やすべき場面は、既存の相手と顧客基盤が重ならない領域が明確なときです。
重なる領域に相手を足すと、案件の取り合いが増えるだけで総量は変わりません。

稼働している相手に支援を寄せる

案件を出している相手に支援を厚くするほうが、全体の販売は伸びます。
これは公平の観点では説明しにくい配分ですが、支援の総量が有限である以上、避けられません。

配分を変えるときは、基準を先に示してください。
過去1年の案件数という基準が示されていれば、配分の変更は評価ではなく結果の反映として受け取られます。

稼働していない相手を切り捨てる必要はありません。
定型の情報提供にとどめ、案件が出たときに支援を戻す設計にします。

支援を戻す条件も、あわせて示してください。
戻る道が見えていない相手は、取り扱いそのものを終了させます。

目標として置くのは、契約している会社の数ではなく、稼働している会社の数です。
この1点を入れ替えるだけで、販売網の運営の方向が変わります。

契約の数ではなく、稼働している会社の数を目標に置いてください。増やす前に既存の相手の稼働率を確認し、顧客基盤が重ならない領域にだけ足します。

役割の切り分けは、何から決めていけばいいのか

販売する会社を過去1年の案件数で分類するところからです。
分類がないまま支援を設計すると、どの相手にも同じ支援が届き、どこにも十分な支援が届きません。

役割の切り分けは、何から決めていけばいいのか

最初にやるのは、相手の分類です。
分類がないまま配分や材料の議論に入ると、全社一律の設計になります。

分類の基準は、過去1年に受注につながった案件の数と、そのうち販売店が自力で作った案件の数の2つです。
この2つが揃うと、需要創出と支援のどちらを厚くするかが自動的に決まります。

分類ができたら、リードの帰属と競合の裁定の規則を作ります。
この2つは部分的に決めても機能しないため、まとめて決めて同時に公開してください。

規則の公開と同じ時期に、案件の申告の仕組みを立ち上げます。
規則だけ公開して申告の場がない状態は、規則を守れない状態と同じです。

役割の切り分けを決める手順

順番やること決める人期間の目安
1販売する会社を過去1年の案件数で分類する販売網の所管部門2週間
2分類ごとに需要創出と支援の配分を決めるマーケ・営業・経営2週間
3リードの帰属の規則を文書にする販売網の所管部門・経営2週間
4案件の申告の仕組みを立ち上げる販売網の所管部門1か月
5渡す材料を相手が使える形に作り直すマーケティング1か月
6直販との競合を裁く規則を公開する経営2週間

数字は説明のための仮の値です。
取り扱いのある会社が38社で、過去1年に案件を出したのが11社なら、支援の対象はまずこの11社になります。

11社のうち、自力で案件を作れているのが4社であれば、残りの7社には需要を作って渡す比重を上げます。
4社には提案の型と価格の体系を整える支援を寄せ、需要創出は薄くします。

27社については、定型の情報提供にとどめます。
そのうえで、案件が1件でも出た相手を翌四半期に分類し直す運用にしてください。

この配分を決めずに38社へ均等に支援を配ると、1社あたりの支援は全体の38分の1になります。
この量では、どの相手も提案の場に立てません。

間接販売で毎月見る数字

数字見る頻度見るときの観点
案件の申告の件数毎月申告の仕組みが使われているか
自社が渡した案件の件数毎月需要創出が届いているか
稼働している会社の数四半期契約数ではなくこちらを追う
販売する会社が自力で作った案件数四半期自走できている相手が増えているか
自社が渡した案件の受注率四半期渡し方と渡す相手が合っているか
直販との競合の発生件数四半期規則が機能しているか

毎月見るのは、申告の件数と渡した案件の件数だけにしてください。
受注率や自走の度合いは、月単位では母数が足りず、施策の効果と偶然の振れを区別できません。

競合の発生件数は、ゼロが続くことを目標にしないでください。
申告されなくなっただけの状態と、実際に起きていない状態は、数字の上では同じに見えます。

見分けるには、販売店への聞き取りを四半期に一度行います。
聞き取りは責任者ではなく、案件を持っている営業担当者に対して行ってください。

着手点は支援の設計ではなく、販売する会社の分類です。帰属と競合の規則は同時に決めて公開し、目標には契約数ではなく稼働している会社の数を置いてください。

直販と間接販売でマーケティングの役割が整理できていない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
販路ごとの設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

間接販売ではマーケティングの役割がどう変わりますか

届ける相手が見込み顧客だけでなく、販売する会社とその担当者にも広がります。受注までの経路に自社では動かせない工程が入るため、リードが増えても受注が増えない局面が生まれます。需要を作る役割と販売を支える役割の配分を先に決めないと、どちらも中途半端になります。

自社が獲得したリードは誰のものですか

既存の取引の有無、地域、申告の先着の3つを基準にして、事前に文書化してください。申告の項目は社名と担当者名と導入時期の3つに絞り、有効期間を60日から90日で置きます。自社の直販も同じ申告の仕組みに乗せないと、規則そのものが信用されません。

間接販売では何を指標にしますか

渡したリードの件数と、受注の件数と金額までは確実に取れます。接触の有無と商談化は申告に依存し、失注の理由はほとんど取れません。取れない項目を推測で埋めると、その推測が前提として独り歩きするため、空欄のまま残してください。

直販と販売店が同じ相手に提案してしまいます

申告の先着、規模、地域、業種、既存の取引のどれか1つを主軸にした規則を作り、販売する側にも公開してください。一度競合が起きると販売する側から見て自社は競合になり、案件の情報が上がってこなくなります。例外は認めず、必要なら規則本体に条件として書き込みます。

販売する会社を増やせば売上は伸びますか

契約の数が増えても、実際に案件を出す会社の数はほとんど変わりません。支援の負担は契約の数だけ発生し、既存の稼働している相手への支援が薄くなります。増やす前に既存の相手の稼働率を確認し、顧客基盤が重ならない領域にだけ足してください。

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まとめ

  • 顧客を取りに行く役割に、販売する会社を動かす役割が加わります。同じ予算でも、届ける相手が二種類になります
  • 先に規則を決めておかないと、案件が出るたびに交渉になります。既存の取引の有無、地域、申告の先着という3つの基準を、文書にしてから配信を始めます
  • 渡した件数と、受注の件数と金額までは測れます。商談の中身と失注の理由はほとんど取れないため、取れない前提で指標を組みます
  • 販売する会社が自力で需要を作れるかどうかで決まります。自力で作れない相手が多いほど、自社が需要を作る比重を上げる必要があります
  • 前提の説明を厚くし、相手の名前で出せる形にする必要があります。自社の営業向けの資料をそのまま渡すと、使われないまま終わります
  • 裁く規則を先に作り、その場の交渉にしないことです。規則がないと、販売する側から見て自社は競合になり、案件の情報が上がらなくなります
  • 取り扱いの契約が増えても、実際に案件を出す会社の数はほとんど変わりません。支援の負担だけが契約の数に比例して増えます
  • 販売する会社を過去1年の案件数で分類するところからです。分類がないまま支援を設計すると、どの相手にも同じ支援が届き、どこにも十分な支援が届きません