営業が求める情報をマーケが持っていない問題

要望が出るのは、その情報が必要になった商談の最中だからです。
その時点から作り始めると、どんなに急いでも間に合いません。
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目次
目次
- 営業からの情報の要望が、いつも間に合わないのはなぜか
- 要望が出る時点が遅い
- 営業が求めている情報は、どの種類に分かれるのか
- 自社についての情報は、社内にある
- マーケティングが持てる情報と、持てない情報
- 持てない情報を、先に伝える
- 競合の情報は、誰がどう集めるのか
- 記録の項目を一つ足す
- 価格と費用の根拠は、どこが持つのか
- 値引きの権限と、説明の材料は別
- 情報を取りに行く順番を、どう決めるのか
- 要望の件数だけで決めない
- 全部の要望に応えると、何が起きるのか
- 作ったものの使用回数を見る
- 情報の穴を埋める作業の入口
- 要望の収集は口頭で拾わない
- よくある質問
- まとめ
要望が出るのは、その情報が必要になった商談の最中だからです。
その時点から作り始めると、どんなに急いでも間に合いません。
営業からの情報の要望が、いつも間に合わないのはなぜか
要望が出るのは、その情報が必要になった商談の最中だからです。
その時点から作り始めると、どんなに急いでも間に合いません。
競合との比較表がほしい、この業種の事例がほしい、費用対効果の根拠がほしい。
こうした要望は、たいてい商談の直前か最中に出ます。
要望が出る時点が遅い
営業が情報の不足に気づくのは、相手に聞かれた瞬間です。
その場で答えられなかった情報だけが、要望として上がります。
つまり、上がってきた時点ですでに一度失敗しています。
個別の要望に応えても、次に活きない
特定の商談のために作った資料は、その案件で終わります。
同じ情報が別の案件でも必要かどうかが分からないので、資産になりません。
要望が間に合わない構造
| 段階 | 起きていること | 結果 |
|---|---|---|
| 商談で聞かれる | 答えられない | その場で失点 |
| 社内に要望を出す | 個別の依頼として届く | 優先順位がつかない |
| 作成する | 数日から数週間かかる | 商談が進んでしまう |
| 渡す | 案件は次の段階へ | 使われない |
| 次の案件 | 同じ情報が必要 | また要望が出る |
要望を集めることから始める
個別に応えるのではなく、一定期間の要望を集めて分類します。繰り返し出ている要望が、先に用意すべき情報です。
営業が求めている情報は、どの種類に分かれるのか
自社について、競合について、顧客についての三つです。
それぞれ、集められる場所と集める難しさが違います。
要望を種類で分けると、対応の仕方が変わります。
自社についての情報は、社内にある
導入の実績、価格の考え方、機能の詳細、他部署の対応範囲。
これは社内のどこかにあるはずの情報です。
ないのではなく、探せないか、まとまっていないことが大半です。
競合についての情報は、集める必要がある
公開されている情報には限りがあります。
商談の現場から集めるのが、最も実態に近い経路です。
顧客についての情報は、個別性が高い
相手の業界の動向、他社がどう使っているか。
これは汎用の形にしにくく、都度の対応になりやすい種類です。
情報の種類と、集める場所
| 種類 | 例 | 主な出どころ | 集める難しさ |
|---|---|---|---|
| 自社について | 価格の根拠、実績、対応範囲 | 社内の各部署 | 低い |
| 競合について | 比較の論点、価格帯 | 商談の記録 | 中くらい |
| 顧客について | 業界の動向、他社の使い方 | 外部の情報と事例 | 高い |
| 手続きについて | 契約、確認事項への回答 | 法務と情報システム | 低い |
| 実績の数値 | 導入後の変化 | 既存顧客 | 中くらい |
集めやすい種類から埋める
社内にあるはずの情報を探せる状態にするだけで、要望の半分程度は減ります。競合や顧客の情報は、その後で取り組みます。
マーケティングが持てる情報と、持てない情報
公開されている範囲と、自社の商談から出る範囲までです。
他社の非公開の情報は集められないので、そこは期待の調整が要ります。
線引きをしないと、応えられない要望が積み上がります。
持てない情報を、先に伝える
他社の実際の価格、他社の顧客数、他社の内部の事情。
これらは正確には分かりません。
分からないことを分からないと伝えないと、要望が出続けます。
推測を事実として渡さない
不確かな情報をそのまま渡すと、商談の場で誤りが露呈します。
出どころと確からしさを添えて渡します。
情報の確からしさの扱い
| 情報の性質 | 出どころ | 渡し方 |
|---|---|---|
| 自社の公開情報 | 自社の資料 | そのまま渡す |
| 自社の非公開の実績 | 社内の記録 | 使える範囲を確認して渡す |
| 他社の公開情報 | 他社の公開資料 | 出どころを添えて渡す |
| 商談で得た他社の情報 | 営業の報告 | 複数の案件で確認できた範囲で |
| 推測 | なし | 渡さない |
複数の案件で確認できたものだけを使う
一件の商談で聞いた他社の情報は、その案件の事情かもしれません。三件以上で同じ内容が出たものだけを、社内で共有する形にします。
競合の情報は、誰がどう集めるのか
商談の記録から、マーケティングが集めます。
専任を置くより、既存の記録から継続して拾うほうが実態に近い情報が集まります。
競合の情報の出どころは、商談の現場です。
記録の項目を一つ足す
案件の記録に、比較の対象として挙がった相手を入れる項目を作ります。
これだけで、四半期ごとに分布が出ます。
負けた理由と組にして見る
競合の名前だけでは、打ち手が決まりません。
どの相手に、どの論点で負けたかを組にして集計します。
競合の情報の集め方
| 集める内容 | 集め方 | 使い道 |
|---|---|---|
| 比較の対象に挙がった相手 | 案件の記録の項目 | 分布の把握 |
| 負けた論点 | 失注の理由 | 比較の材料の作成 |
| 相手の提案の内容 | 商談の記録 | 訴求の見直し |
| 価格帯の感触 | 営業の報告 | 価格の体系の検討 |
| 公開されている情報 | 他社の資料と発表 | 基礎の情報 |
比較の材料は、自社に不利な点も含める
自社が勝てない論点を隠した比較の材料は、商談の場で使えません。不利な点と、その場合にどう答えるかを併せて用意します。
価格と費用の根拠は、どこが持つのか
価格の決定は事業側ですが、説明の材料はマーケティングが作れます。
営業が求めているのは価格そのものではなく、説明できる形です。
価格に関する要望は、二つに分かれます。
値引きの権限と、説明の材料は別
値引きができるかどうかは、事業の判断です。
一方で、この価格になる理由を説明する材料は、価格を変えずに作れます。
相手の社内で回る形にする
価格の説明は、商談の場だけで使われるわけではありません。
相手が社内で稟議に使います。
その形式で作らないと、使われません。
価格に関する要望の分け方を、項目ごとに見ていきます。
値引きの可否については、誰が扱うかは事業の責任者、作れるものは判断のみ。
価格の体系の説明については、誰が扱うかはマーケティング、作れるものは体系の整理。
費用と効果の関係については、誰が扱うかはマーケティング、作れるものは考え方の整理。
他社との価格の比較については、誰が扱うかはマーケティング、作れるものは公開情報の範囲で。
稟議に使える形式については、誰が扱うかはマーケティング、作れるものは社内向けの資料。
効果の数値を出すときの扱い
費用に対する効果を数値で示す場合、前提の条件を必ず添えます。実績として示せるものがない場合は、数値を出さずに考え方の整理にとどめます。
情報を取りに行く順番を、どう決めるのか
要望の件数ではなく、失注の理由と突き合わせて決めます。
要望が多い情報と、受注に効く情報は一致しないことがあります。
優先順位の付け方で、成果が変わります。
要望の件数だけで決めない
要望が多く出るのは、言いやすい情報です。
事例がほしい、という要望は出やすいですが、失注の理由が価格なら事例では戻りません。
失注の理由との重なりを見る
失注の理由の分布と、情報の要望の分布を並べます。
両方に出ている項目が、最初に埋める情報です。
優先順位の決め方を、項目ごとに見ていきます。
要望の件数については、見る数字は3か月の集計、重みは中くらい。
失注の理由の分布については、見る数字は四半期の集計、重みは大きい。
停滞している案件の理由については、見る数字は停滞の分類、重みは大きい。
作るのにかかる期間については、見る数字は見積もり、重みは中くらい。
他の案件でも使えるかについては、見る数字は汎用性の判断、重みは大きい。
汎用性のない要望は個別に処理する
特定の一案件でしか使えない情報は、資産になりません。その案件の中で対応する形にして、全社の制作の順番には入れません。
全部の要望に応えると、何が起きるのか
作ったものが使われないまま増えます。
要望に応えることが目的になると、制作の量だけが増えて受注は動きません。
要望への対応は、断らないほうが楽です。
作ったものの使用回数を見る
要望に応えて作った資料が、その後何回使われたか。
これを見ていないと、次に何を作るかが決まりません。
断る基準を決めておく
汎用性がない、失注の理由と結びつかない、期限に間に合わない。
断る基準を決めておくと、そのつどの交渉にならずに済みます。
要望への対応の振り分けを、項目ごとに見ていきます。
複数の案件で使えるについては、対応は作る、理由は資産になる。
失注の理由と重なるについては、対応は優先して作る、理由は受注に効く。
一案件限定については、対応はその案件内で対応、理由は資産にならない。
すでにある情報については、対応は探せる場所を伝える、理由は作る必要がない。
集められない情報については、対応は集められないと伝える、理由は期待の調整。
すでにある情報を探せるようにする
要望の一部は、すでに作られている資料で答えられます。探せないから要望として出てきます。保管と検索の整理だけで、要望の件数が減ります。
情報の穴を埋める作業の入口
最初にやるのは、三か月分の要望を集めて分類することです。
個別に応え続けている限り、何が足りないのかが見えません。
要望の分類から始めます。
情報の整備を進める順序を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去3か月の情報の要望を集めて分類する、期間の目安は2週間。
2については、やることは失注と停滞の理由の分布と突き合わせる、期間の目安は1週間。
3については、やることはすでにある資料で答えられるものを外す、期間の目安は1週間。
4については、やることは残った要望を汎用性で並べ替える、期間の目安は1週間。
5については、やることは上位2つの情報を整備する、期間の目安は1か月。
6については、やることは案件の記録に競合の項目を追加する、期間の目安は2週間。
要望の収集は口頭で拾わない
会議の場で聞くと、直近の案件の話に偏ります。
一定期間、書面で受け付ける形にします。
追う数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
三か月で42件の要望があり、そのうち28件がすでにある資料で答えられるなら、最初にやるのは制作ではなく保管の整理です。
情報の整備の効果を見る数字を、項目ごとに見ていきます。
要望の件数については、見る頻度は毎月、見方は減っているか。
すでにある資料で答えられた割合については、見る頻度は毎月、見方は探せる状態か。
整備した情報の使用回数については、見る頻度は毎月、見方は使われているか。
失注の理由の分布の変化については、見る頻度は四半期、見方は埋めた穴が効いたか。
比較の対象として挙がる相手の分布については、見る頻度は四半期、見方は競合の状況の変化。
要望の件数が減らない場合
制作を続けても要望が減らないなら、作っているものが使われていません。
使用回数を確認して、作る対象を選び直します。
営業から求められる情報が用意できていない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。商談を支える情報の整備ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
営業からの情報の要望に追いつけません
個別に応えるのをやめて、一定期間の要望を集めて分類します。要望が上がる時点はすでに商談で一度失敗した後なので、繰り返し出ている要望を先に用意します。
競合の情報はどう集めますか
商談の記録から集めます。案件の記録に比較の対象として挙がった相手の項目を作り、負けた論点と組にして集計します。三件以上で同じ内容が出たものだけを社内で共有します。
他社の価格は調べられますか
公開されている範囲までです。他社の実際の価格や内部の事情は正確には分かりません。分からないことを分からないと伝えないと、要望が出続けます。
どの情報から整備すべきですか
要望の件数ではなく、失注や停滞の理由の分布と突き合わせて決めます。要望が出やすい情報と受注に効く情報は一致しないことがあります。
要望には全部応えるべきですか
汎用性がない、失注の理由と結びつかないといった断る基準を先に決めます。要望の一部はすでにある資料で答えられるので、保管と検索の整理だけで件数が減ります。
まとめ
- 要望が出るのは、その情報が必要になった商談の最中だからです。その時点から作り始めると、どんなに急いでも間に合いません
- 自社について、競合について、顧客についての三つです。それぞれ、集められる場所と集める難しさが違います
- 公開されている範囲と、自社の商談から出る範囲までです。他社の非公開の情報は集められないので、そこは期待の調整が要ります
- 商談の記録から、マーケティングが集めます。専任を置くより、既存の記録から継続して拾うほうが実態に近い情報が集まります
- 価格の決定は事業側ですが、説明の材料はマーケティングが作れます。営業が求めているのは価格そのものではなく、説明できる形です
- 要望の件数ではなく、失注の理由と突き合わせて決めます。要望が多い情報と、受注に効く情報は一致しないことがあります
- 作ったものが使われないまま増えます。要望に応えることが目的になると、制作の量だけが増えて受注は動きません
- 最初にやるのは、三か月分の要望を集めて分類することです。個別に応え続けている限り、何が足りないのかが見えません