商談が止まる理由をマーケ側から潰す

誰も終わったと言っていないからです。
断られていない案件は見込みに残り続け、数字を膨らませたまま動きません。
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目次
目次
- 止まった案件が、失注として記録されないのはなぜか
- 返事がないまま、月をまたぐ
- 止まる場所は、どこに偏っているのか
- 見えなくなる境目がある
- 相手の社内で、何が起きているのか
- 説明する相手が増えている
- マーケティングが潰せる停滞は、どれか
- 材料の不足は、事前に潰せる
- 止まった案件に、いつ何を送るのか
- 進捗を聞く連絡は、相手の負担になる
- 営業が持ったままの案件を、どう見つけるのか
- 更新日を基準にする
- 止まった案件を全部追うと、何が起きるのか
- 再開する確率は、理由で大きく違う
- 停滞を減らす取り組みの入口
- 理由の聞き取りは一度でよい
- よくある質問
- まとめ
誰も終わったと言っていないからです。
断られていない案件は見込みに残り続け、数字を膨らませたまま動きません。
止まった案件が、失注として記録されないのはなぜか
誰も終わったと言っていないからです。
断られていない案件は見込みに残り続け、数字を膨らませたまま動きません。
商談の結果は、受注か失注の二つだと扱われがちです。
実際には三つ目があります。
返事がないまま、月をまたぐ
提案を出して、検討しますと言われたまま連絡が途絶える。
この状態には結果の名前がありません。
営業は失注として登録する理由がないので、見込みに残します。
見込みの数字が、実態から離れる
止まった案件が積み上がると、パイプラインの総額が実態より大きくなります。
経営が見る見込みと、実際の着地の差が広がります。
三つ目の状態が見えなくなる仕組み
| 段階 | 起きていること | 数字への影響 |
|---|---|---|
| 提案の直後 | 返事待ちとして扱う | 見込みに計上 |
| 1か月後 | 営業は次の案件に移る | 見込みに残る |
| 3か月後 | 誰も触っていない | 見込みが膨らむ |
| 半期末 | まとめて整理される | 着地との差が露呈 |
止まった案件を別の状態として定義する
一定の日数を超えて動いていない案件を、停滞として別に数えます。名前を付けた時点で、件数が見えるようになります。
止まる場所は、どこに偏っているのか
提案を出した後に偏ります。
相手の社内で検討が始まった時点から、自社の見えない場所で話が進みます。
停滞の件数を段階ごとに並べると、偏りが出ます。
見えなくなる境目がある
商談をしている間は、相手の反応が分かります。
提案を渡した後は、相手の社内で何が起きているかが見えません。
この境目を越えた案件が、最も止まります。
一次接触の直後にも溜まる
商談の設定ができないまま、連絡だけを続けている案件があります。
これも停滞ですが、見込みに入っていないので見過ごされます。
段階ごとの停滞の出方
| 段階 | 停滞の起きやすさ | 見えているか |
|---|---|---|
| 一次接触から商談設定まで | 起きやすい | 見込みに入らず見過ごされる |
| 商談から提案まで | 中くらい | 営業が把握している |
| 提案から決裁まで | 最も起きやすい | 見込みに残り続ける |
| 決裁から契約まで | 少ない | 手続きの遅れが中心 |
| 契約から開始まで | 少ない | 実務の調整 |
日数の基準を段階ごとに変える
すべての段階に同じ日数の基準を置くと、実態と合いません。段階ごとの中央値の二倍を、停滞の基準にする考え方があります。
相手の社内で、何が起きているのか
担当者が社内を説得できずにいるか、別の優先事項に押し出されています。
どちらも相手の担当者が悪いわけではなく、材料が足りていません。
止まっている理由の多くは、相手の担当者の手元にあります。
説明する相手が増えている
上長に説明し、情報システムに確認し、経理に費用の枠を聞く。
担当者はそのつど、自分の言葉で説明し直しています。
そこで詰まると、案件は止まります。
他の案件に押し出されている
相手の担当者は、この件だけを進めているわけではありません。
社内で優先度が下がれば、連絡が止まります。
断る理由がないので、断りの連絡も来ません。
止まっている理由と、見分け方
| 理由 | 見分け方 | 打ち手の所在 |
|---|---|---|
| 社内で説明できていない | 質問が細かくなる | マーケティング |
| 他部署の確認で止まった | 担当が変わる話が出る | マーケティング |
| 優先度が下がった | 返事の間隔が開く | 営業 |
| 予算の時期を待っている | 時期の話が出る | 営業 |
| 実は他社に決まった | 急に連絡が途絶える | 営業 |
質問の細かさが合図になる
止まる直前に、細かい確認の質問が増えることがあります。社内で説明を求められている合図です。ここで材料を渡せるかどうかで、その後が変わります。
マーケティングが潰せる停滞は、どれか
相手が社内で説明するための材料が足りていない停滞です。
優先度や予算の時期が理由の停滞には、マーケティングは効きません。
手を出せる範囲を先に切り分けます。
材料の不足は、事前に潰せる
社内の説得で毎回出る質問は、案件をまたいで同じです。
その回答を先に用意しておけば、担当者が自分で答えられます。
他部署の確認は、想定できる
情報システムが聞くこと、法務が聞くこと、経理が聞くこと。
これは業種ごとにほぼ決まっています。
先に整理しておくと、確認の往復が一回で済みます。
停滞の理由と、マーケティングの手
| 理由 | マーケティングの手 | 効き方 |
|---|---|---|
| 社内で説明できない | 説得用の資料 | 大きい |
| 他部署の確認 | 確認事項への回答集 | 大きい |
| 費用の説明ができない | 費用と効果の整理 | 大きい |
| 優先度が下がった | 定期の情報提供 | 小さい |
| 予算の時期 | 時期に合わせた接触 | 小さい |
効かない停滞に手を出さない
優先度の低下や予算の時期は、情報を送っても動きません。無理に接触を増やすと、逆に印象が悪くなります。これらは時期を待つ対象として、別のリストに移します。
止まった案件に、いつ何を送るのか
止まってから二週間以内に、社内の説明に使える材料を一つだけ送ります。
進捗を尋ねる連絡だけを繰り返すと、返事が出しにくくなります。
連絡の内容で、再開するかどうかが変わります。
進捗を聞く連絡は、相手の負担になる
その後いかがでしょうか、という連絡には、進んでいない限り返事が書けません。
相手は返事を書けないまま、さらに返しにくくなります。
材料を送ると、返事の口実になる
社内の説明に使える資料を送ると、相手はそれについて返事ができます。
進んでいなくても、受け取りの返事が来ます。
そこから会話が戻ります。
停滞からの経過と、送るものを、項目ごとに見ていきます。
2週間については、送るものは社内の説明に使える整理、送る側は営業。
1か月については、送るものは他部署の確認事項への回答、送る側は営業。
2か月については、送るものは同じ業種の導入の事例、送る側はマーケティング。
3か月については、送るものは定期の情報提供に戻す、送る側はマーケティング。
6か月については、送るものは状況を尋ねる連絡を一度、送る側はインサイドセールス。
一度に多くを送らない
まとめて複数の資料を送ると、読まれません。一回に一つ、という形にします。
営業が持ったままの案件を、どう見つけるのか
最終の更新日からの経過日数で機械的に抽出します。
営業からの申告を待っていると、止まった案件は出てきません。
停滞は、自己申告では上がってきません。
更新日を基準にする
案件の記録が最後に更新された日から、何日経ったかを見ます。
この抽出は自動でできます。
抽出した案件を、責める材料にしない
停滞の一覧を評価の場で使うと、営業が記録を更新しなくなります。
更新だけして実態が動かない、という状態になります。
一覧は支援のために使うことを、先に共有します。
停滞の抽出と扱いを、項目ごとに見ていきます。
14日から30日については、扱いは営業が持ったまま、次の行動は材料を送る。
31日から60日については、扱いは週次で一覧に出す、次の行動は営業とマーケが一緒に見る。
61日から90日については、扱いは見込みから外す、次の行動は別のリストへ移す。
91日以上については、扱いは保有に戻す、次の行動は定期の情報提供へ。
配信停止の申し出については、扱いは対象から外す、次の行動は接触を止める。
見込みから外す基準を決めておく
外す基準がないと、営業は外しません。日数で自動的に外れる設計にすると、議論が起きません。
止まった案件を全部追うと、何が起きるのか
新しい案件に使う時間が減ります。
停滞の掘り起こしは、新規の獲得より効率が良いとは限りません。
停滞した案件は、再開すれば受注に近い位置にあります。
それでも全部を追うのは合いません。
再開する確率は、理由で大きく違う
材料が足りずに止まった案件は、材料を出せば戻ります。
他社に決まった案件は、何をしても戻りません。
理由が分からないまま全件を追うと、後者に時間を使います。
停滞案件を追う優先度を、項目ごとに見ていきます。
社内の説明で詰まったについては、再開の見込みは高い、追う優先度は最優先。
他部署の確認待ちについては、再開の見込みは高い、追う優先度は高い。
優先度が下がったについては、再開の見込みは中くらい、追う優先度は時期を置いて。
予算の時期待ちについては、再開の見込みは中くらい、追う優先度は時期に合わせる。
他社に決定については、再開の見込みは低い、追う優先度は追わない。
追わない判断を記録する
追わないと決めた案件も、記録には残します。
半年後に状況が変わることがあります。
新規との配分を決めておく
営業の時間のうち、停滞案件の掘り起こしに使う割合を決めます。決めていないと、追いやすい停滞案件ばかりに時間が向きます。
停滞を減らす取り組みの入口
最初にやるのは、停滞の定義と件数の把握です。
件数が分からない段階で資料を作っても、どこに効いたかを確かめられません。
数を数えるところから始めます。
停滞に取り組む順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは段階ごとの日数の中央値を出す、期間の目安は2週間。
2については、やることは停滞とみなす日数を段階ごとに決める、期間の目安は1週間。
3については、やることは現在の停滞案件を抽出して件数を出す、期間の目安は1週間。
4については、やることは停滞の理由を営業から聞き取って分類する、期間の目安は2週間。
5については、やることは最も多い理由に効く材料を1つ作る、期間の目安は1か月。
6については、やることは見込みから外す日数の基準を決める、期間の目安は1週間。
理由の聞き取りは一度でよい
一度分類すれば、どこに手を入れるかが決まります。
その後は自動の抽出と、月次の確認で足ります。
追う数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
提案後の案件が80件あり、30日以上動いていないものが34件なら、見込みの総額の四割が実質的に止まっています。
停滞の状況を見る数字を、項目ごとに見ていきます。
段階別の停滞件数については、見る頻度は毎週、見方はどこに溜まっているか。
停滞案件の総額については、見る頻度は毎月、見方は見込みとの差。
材料を送った後の返信率については、見る頻度は毎月、見方は打ち手が効いたか。
停滞から再開した件数については、見る頻度は毎月、見方は戻りの実績。
見込みから外した件数については、見る頻度は毎月、見方は整理が進んでいるか。
見込みの総額と停滞額を並べる
見込みの総額だけを報告すると、実態より大きく見えます。
停滞している分を差し引いた数字を、必ず並べて出します。
商談が進まないまま滞留している案件が多い場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。提案の後の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
止まった案件はどう扱えばよいですか
受注でも失注でもない三つ目の状態として、停滞という名前を付けて別に数えます。名前がないと見込みに残り続け、パイプラインの総額が実態より大きくなります。
案件はどの段階で最も止まりますか
提案を出した後です。相手の社内で検討が始まると、自社からは何が起きているか見えなくなります。一次接触から商談設定までの段階にも溜まりますが、見込みに入らないため見過ごされます。
止まった案件に何を送ればよいですか
相手が社内で説明するために使える材料を一つだけ送ります。進捗を尋ねる連絡は、進んでいない限り相手が返事を書けず、さらに返しにくくなります。
停滞している案件はどう見つけますか
記録の最終更新日からの経過日数で機械的に抽出します。営業からの申告を待っていると出てきません。抽出した一覧を評価の場で使うと記録だけが更新されるようになるので、支援のために使うと先に共有します。
止まった案件は全部追うべきですか
理由で分けます。社内の説明で詰まった案件や他部署の確認待ちは戻りますが、他社に決まった案件は戻りません。停滞の掘り起こしに使う時間の割合を先に決めておきます。
まとめ
- 誰も終わったと言っていないからです。断られていない案件は見込みに残り続け、数字を膨らませたまま動きません
- 提案を出した後に偏ります。相手の社内で検討が始まった時点から、自社の見えない場所で話が進みます
- 担当者が社内を説得できずにいるか、別の優先事項に押し出されています。どちらも相手の担当者が悪いわけではなく、材料が足りていません
- 相手が社内で説明するための材料が足りていない停滞です。優先度や予算の時期が理由の停滞には、マーケティングは効きません
- 止まってから二週間以内に、社内の説明に使える材料を一つだけ送ります。進捗を尋ねる連絡だけを繰り返すと、返事が出しにくくなります
- 最終の更新日からの経過日数で機械的に抽出します。営業からの申告を待っていると、止まった案件は出てきません
- 新しい案件に使う時間が減ります。停滞の掘り起こしは、新規の獲得より効率が良いとは限りません
- 最初にやるのは、停滞の定義と件数の把握です。件数が分からない段階で資料を作っても、どこに効いたかを確かめられません