営業が使える資料をマーケが作る

資料が商談のどの場面で出るのかを決めずに作っているからです。
使う場面のない資料は、どれだけ内容が良くても開かれません。
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目次
目次
- 作った営業資料が使われないのは、なぜか
- 依頼の出発点が、資料の形になっている
- 営業が資料を出す場面は、いくつあるのか
- 読む人が、場面ごとに変わる
- どの場面から作るのかを、どう決めるのか
- 止まっている場面を、案件の記録から出す
- 誰の言葉で書くのかを、どう決めるのか
- 機能名と業務名のずれ
- 資料の数は、どこまで増やしてよいのか
- 探す時間が、使うかどうかを決める
- 古い資料が使われ続ける状態を、どう止めるのか
- 手元に保存された時点で、更新は届かない
- 資料を増やせば、商談は進むのか
- 資料で解ける問題と、解けない問題
- 資料の作り直しに入る前の整理
- 一度に作るのは二つまで
- よくある質問
- まとめ
資料が商談のどの場面で出るのかを決めずに作っているからです。
使う場面のない資料は、どれだけ内容が良くても開かれません。
作った営業資料が使われないのは、なぜか
資料が商談のどの場面で出るのかを決めずに作っているからです。
使う場面のない資料は、どれだけ内容が良くても開かれません。
マーケティングが作った資料が、営業に使われないという話はよく出ます。
作り直しても同じことが起きます。
依頼の出発点が、資料の形になっている
会社紹介を新しくしたい、という依頼から始まります。
どの場面で誰に出すのかが決まっていないので、全部入りの資料になります。
全部入りの資料は、どの場面でも長すぎます。
営業は、その場で必要な数枚しか出さない
商談の中で資料を通しで見せることはほとんどありません。
相手の質問に合わせて、数枚だけを開きます。
そのため、探しやすさと切り出しやすさが、内容と同じくらい効きます。
使われない資料に共通すること
| 状態 | 営業から見た問題 | 直し方 |
|---|---|---|
| どの場面で使うか不明 | 開く理由がない | 場面を決めてから作る |
| 全部入りで長い | 探すのに時間がかかる | 場面ごとに分ける |
| 自社の言葉で書かれている | 相手に通じない | 顧客の言葉に置き換える |
| 最新版がどれか分からない | 古い版を使う | 保管の場所を一つにする |
| 編集できない | 相手に合わせられない | 一部を差し替え可能にする |
使われたかどうかを、誰も測っていない
資料は作って終わりになりがちです。どの資料が何回使われたかを見ていないと、次に何を作るかが決まりません。
営業が資料を出す場面は、いくつあるのか
初回の接触、商談の中、商談の後、社内の説得の四つです。
場面ごとに読む人と目的が違うので、同じ資料では足りません。
場面を分けると、必要な資料の種類が決まります。
読む人が、場面ごとに変わる
初回の接触と商談の中で読むのは、目の前の担当者です。
商談の後と社内の説得で読むのは、その場にいなかった人です。
後者は、説明なしで意味が通る必要があります。
目的も場面ごとに変わる
会う理由を作る資料、話を進める資料、社内で回す資料。
この三つは、長さも構成も違います。
場面ごとの資料の条件
| 場面 | 読む人 | 求められること |
|---|---|---|
| 初回の接触の前 | 担当者 | 会う理由が1分で分かる |
| 商談の中 | 担当者 | 話に合わせて数枚だけ出せる |
| 商談の後 | その場にいなかった人 | 説明なしで意味が通る |
| 社内の説得 | 決裁者と他部署 | 費用と効果、リスクへの回答 |
| 契約の直前 | 法務と情報システム | 確認事項への回答 |
社内の説得用が最も不足しやすい
商談で使う資料は揃っていても、相手が社内で回す資料がない会社は多いです。決裁の段階で止まる案件が多いなら、ここが足りていない可能性があります。
どの場面から作るのかを、どう決めるのか
商談が最も止まっている場面から作ります。
案件が進まない区間を先に見つけてから、資料の制作に入ります。
資料の優先順位は、資料の議論では決まりません。
止まっている場面を、案件の記録から出す
商談の設定で止まっているのか、提案の後で止まっているのか。
案件の記録を区間で分ければ出ます。
最も件数が滞留している場面が、最初に作る資料の場面です。
要望の多さで決めない
営業から要望が多いのは、作りやすくて使いやすい資料です。
事業に効くのは、止まっている場面の資料です。
この二つは一致しないことがあります。
作る順番の決め方
| 判断の材料 | 見る数字 | 優先度への効き方 |
|---|---|---|
| 滞留している案件の件数 | 区間別の滞留 | 最も大きい |
| 失注した理由の分布 | 理由別の件数 | 大きい |
| 営業からの要望の件数 | 要望の集計 | 補助に使う |
| 既存資料の使用回数 | 閲覧と送付の記録 | 補助に使う |
| 競合の資料の充実度 | 商談での言及 | 参考程度 |
失注の理由からも決まる
失注の理由に、社内で通らなかったという回答が多い場合。そのときに足りていないのは、商談で使う資料ではありません。
誰の言葉で書くのかを、どう決めるのか
顧客が商談で実際に使っている言い方に合わせます。
自社の機能名で書かれた資料は、相手の社内で回った時点で意味が通らなくなります。
資料の言葉は、商談の記録から取ります。
機能名と業務名のずれ
自社が機能の名前で呼んでいるものを、顧客は業務の名前で呼びます。
資料に機能名だけが並んでいると、その場にいなかった人には伝わりません。
両方を併記するのが、最も無難な形です。
業種によって言い方が変わる
同じ業務でも、業種ごとに呼び方が違うことがあります。
主要な業種が三つか四つに絞れるなら、呼び方だけを差し替えた版を作ります。
言葉の置き換えの考え方
| 自社側の書き方 | 置き換えの方向 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 機能の名前 | 業務の名前を主にする | 商談の冒頭の発言 |
| 効果の言い切り | 条件つきの書き方 | 失注の理由 |
| 社内の略語 | 使わない | 外部の人に読ませる |
| 業界共通の用語 | そのまま使う | 検索されている言葉 |
| 定量の表現 | 前提を併記する | 営業が説明できるか |
数字を載せるときの前提
効果を数字で示す場合、前提の条件を同じ枚に書きます。前提のない数字は、相手の社内で必ず質問になります。実績として出せるものがない場合は、数字を載せずに条件の整理だけを載せます。
資料の数は、どこまで増やしてよいのか
場面ごとに一つ、主要な業種ごとに一つまでです。
それ以上に増やすと、探す時間が増えて使われなくなります。
資料は増えるほど使われなくなります。
探す時間が、使うかどうかを決める
商談の直前に資料を探す時間は、数分しかありません。
数十の資料が並んでいると、結局よく知っている古い資料を使います。
差し替えの形にすると、数が減る
業種ごとに全部作り直すのではなく、事例の数枚だけを差し替える形にします。
本体が一つなら、更新のときも一度で済みます。
資料の数の目安を、項目ごとに見ていきます。
場面ごとの基本資料については、数の目安は4つから5つ、増やすときの条件は場面が増えたとき。
業種別の差し替えについては、数の目安は主要な3業種まで、増やすときの条件は受注の3割以上を占める業種。
事例については、数の目安は業種ごとに2件、増やすときの条件は新しい業種の受注が出たとき。
確認事項への回答については、数の目安は1つ、増やすときの条件は質問の種類が増えたとき。
価格の資料については、数の目安は1つ、増やすときの条件は体系が変わったとき。
使われていない資料を消す
半年間で一度も使われていない資料は、置いておく理由がありません。消すか、他の資料に統合します。
古い資料が使われ続ける状態を、どう止めるのか
保管の場所を一つにして、そこ以外から配らないようにします。
個人の手元にある資料を止められない限り、更新は反映されません。
更新した資料が使われない最大の原因は、保管の分散です。
手元に保存された時点で、更新は届かない
添付で送られた資料は、受け取った人の手元に残ります。
その後で本体を更新しても、手元の版は古いままです。
配る形を変える
資料を都度その場所から取り出す形にすると、常に最新の版が使われます。
誰がいつ使ったかの記録も、同時に取れます。
保管と配布の設計を、項目ごとに見ていきます。
個人の端末に保存については、更新の反映は反映されない、使用の記録は取れない。
共有の保管場所に置くについては、更新の反映は次に開いたときに反映、使用の記録は部分的に取れる。
その場所から取り出す形にするについては、更新の反映は常に最新、使用の記録は取れる。
相手に直接送る仕組みについては、更新の反映は常に最新、使用の記録は開封まで取れる。
古い版を残さない
旧版を参照用に残しておくと、検索で先に出てくることがあります。
別の場所に移すか、版の表示を明確にします。
更新の時期を決める
必要になったときに更新する運用だと、更新されません。四半期に一度、使用回数の少ない資料から見直す時期を決めます。
資料を増やせば、商談は進むのか
進みません。
止まっている場面が資料の不足で起きている場合だけ、資料が効きます。
資料の制作は、商談が進まない問題への対応として選ばれやすい施策です。
資料で解ける問題と、解けない問題
相手が社内で説明できずに止まっているなら、資料が効きます。
予算の時期が合っていないなら、資料では動きません。
価格が合わないなら、資料を変えても結果は変わりません。
止まる理由と、資料の効き方を、項目ごとに見ていきます。
社内で説明できないについては、資料で動くかは動く、代わりに必要なものは説得用の資料。
他部署の確認が通らないについては、資料で動くかは動く、代わりに必要なものは確認事項への回答。
予算の時期が合わないについては、資料で動くかは動かない、代わりに必要なものは接触の時期の設計。
価格が合わないについては、資料で動くかは動かない、代わりに必要なものは価格の体系の見直し。
比較の相手に負けているについては、資料で動くかは部分的に動く、代わりに必要なものは比較の材料と商品の改善。
資料の制作に逃げていないか
組織として動きやすいのが資料の制作です。そのため、本当の原因が別にあっても資料を作る判断になりやすい構造があります。止まっている理由を先に確かめます。
資料の作り直しに入る前の整理
最初にやるのは、既存の資料の使用状況の確認です。
何が使われていないかを知らないまま作ると、また使われない資料が増えます。
制作に入る前の整理で、作る数が大きく減ります。
資料を組み直す手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは既存の資料を場面ごとに並べる、期間の目安は1週間。
2については、やることは直近6か月の使用回数を出す、期間の目安は1週間。
3については、やることは案件が滞留している場面を特定する、期間の目安は2週間。
4については、やることは作る資料を1つか2つに絞る、期間の目安は1週間。
5については、やることは商談の記録から言葉を取り出す、期間の目安は2週間。
6については、やることは保管と配布の場所を一つにする、期間の目安は2週間。
一度に作るのは二つまで
同時に多くを作り直すと、営業側が覚えきれません。
一四半期に一つか二つに絞ります。
追う数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
資料が28本あり、直近6か月で一度でも使われたのが9本なら、まず19本を消す判断から入ります。
資料が機能しているかを見る数字を、項目ごとに見ていきます。
資料ごとの使用回数については、見る頻度は毎月、見方は使われていないものを特定。
滞留していた場面の案件件数については、見る頻度は四半期、見方は作った資料が効いたか。
相手先での閲覧の記録については、見る頻度は毎月、見方は社内で回っているか。
営業からの改訂の要望件数については、見る頻度は四半期、見方は不足している場面。
資料の総数については、見る頻度は四半期、見方は増えすぎていないか。
相手先で開かれたかを見る
送った資料が相手の社内で何回開かれたかが分かると、回っているかどうかが判断できます。
一度も開かれていない場合、商談で使った説明が伝わっていない可能性があります。
営業に渡す資料が使われない状態が続く場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。商談を進めるための情報設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
作った営業資料が使われないのはなぜですか
どの場面で誰に出す資料かを決めずに作っているためです。全部入りの資料はどの場面でも長すぎ、探しやすさと切り出しやすさが足りません。
どの資料から作り直せばよいですか
案件が最も滞留している場面の資料です。営業からの要望が多い資料と、事業に効く資料は一致しないことがあります。
資料はいくつまで作ってよいですか
場面ごとに一つ、主要な業種ごとに差し替えの数枚までです。数が増えると探す時間が増え、結局よく知っている古い資料が使われます。
更新した資料が使われません
保管の場所を一つにして、そこから取り出す形に変えます。添付で送った資料は相手の手元に残り、本体を更新しても反映されません。
商談が進まないので資料を増やすべきですか
止まっている理由を先に確かめてください。社内で説明できずに止まっているなら資料が効きますが、予算の時期や価格が理由なら資料を変えても結果は変わりません。
まとめ
- 資料が商談のどの場面で出るのかを決めずに作っているからです。使う場面のない資料は、どれだけ内容が良くても開かれません
- 初回の接触、商談の中、商談の後、社内の説得の四つです。場面ごとに読む人と目的が違うので、同じ資料では足りません
- 商談が最も止まっている場面から作ります。案件が進まない区間を先に見つけてから、資料の制作に入ります
- 顧客が商談で実際に使っている言い方に合わせます。自社の機能名で書かれた資料は、相手の社内で回った時点で意味が通らなくなります
- 場面ごとに一つ、主要な業種ごとに一つまでです。それ以上に増やすと、探す時間が増えて使われなくなります
- 保管の場所を一つにして、そこ以外から配らないようにします。個人の手元にある資料を止められない限り、更新は反映されません
- 進みません。止まっている場面が資料の不足で起きている場合だけ、資料が効きます
- 最初にやるのは、既存の資料の使用状況の確認です。何が使われていないかを知らないまま作ると、また使われない資料が増えます