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複数媒体の予算配分を、どの数字で決めるか

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約21分
複数媒体の予算配分を、どの数字で決めるか

平均は、これまでに取れた分を集計した数字だからです。
配分を決める場で必要なのは、次の1円で何件取れるかという別の数字です。

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目次

  1. 媒体の平均獲得単価で配分を決めると、なぜ判断を誤るのか
    • 平均で判断し続けると、どこに行き着くのか
  2. 追加の1円で何件取れるかという数字は、何を指しているのか
    • 比べる上限を、先に決めておく
  3. 追加分の獲得単価は、どうやって実測するのか
    • 差が出ない媒体を、どう扱うのか
  4. 媒体ごとに成果の数え方が違う問題を、どう揃えるのか
    • 数え方の差を、報告の場でどう説明するのか
  5. 最後の接点だけで成果を配ると、予算配分はどう歪むのか
    • 指名での検索と、広告を経由しない訪問を監視に置く
  6. 計測で追いきれない範囲は、何で補うのか
    • 補う作業を、誰がいつ決めるのか
  7. 数字が拮抗して決まらないときは、何を判断の根拠にするのか
    • 決め方そのものを、先に決めておく
  8. 配分の判断に使う数字は、何から揃えていけばいいのか
    • 動かした後に、何を並べて見るのか
  9. よくある質問
  10. まとめ

平均は、これまでに取れた分を集計した数字だからです。
配分を決める場で必要なのは、次の1円で何件取れるかという別の数字です。

媒体の平均獲得単価で配分を決めると、なぜ判断を誤るのか

平均は、これまでに取れた分を集計した数字だからです。
配分を決める場で必要なのは、次の1円で何件取れるかという別の数字です。

媒体の平均獲得単価で配分を決めると、なぜ判断を誤るのか

媒体Aの獲得単価が2万円、媒体Bが3万円だとします。
数字は説明のための仮の値です。

この2つを並べれば、Aに予算を寄せる判断が自然に出てきます。
社内の資料も、たいていこの形で作られています。

この判断が成り立つのは、Aに追加した予算がこれまでと同じ効率で回る場合だけです。
実際には、その前提が崩れているほうが多くなります。

平均の獲得単価は、使った金額の累計を、取れた件数の累計で割った数字です。
過去の全期間、すべての配信面、すべての時間帯を1つにならしています。

ならした数字には、最初に取れた反応の良い層も、後から広げて取れた層も同じ重みで入っています。
この2つは、獲得の難易度がまったく違います。

予算を増やしたときに新しく届くのは、後者の層です。
そのため追加した分の効率は、平均より悪い側に出ます。

どれだけ悪く出るかは、その媒体に残っている余地で決まります。
届けたい層の大半にすでに配信が届いている媒体では、追加分の単価が平均の2倍を超えることもあります。

一方、立ち上げたばかりで配信量の小さい媒体では、追加分の単価が平均より良くなることさえあります。
配信の学習が進んで精度が上がる局面と、予算の増加が重なるためです。

この2つの媒体を平均だけで並べると、順位が実態と逆になります。
良く見えている媒体に寄せ、伸びる余地のある媒体を削る形になります。

誤りに気づくのが遅れる理由は、平均という数字の動き方にあります。
累計どうしの割り算なので、追加した分の効率が落ちても、全体の平均はゆっくりとしか悪化しません。

半年分の累計に1か月分の悪化が混ざっても、平均は数パーセントしか動きません。
管理画面を見ている限り、判断が誤っていたという証拠は出てきません。

証拠が出てくるのは、予算を増やしたのに件数が伸びないという形になったときです。
その時点では、すでに何四半期分かの予算が効率の悪い側に流れています。

誰がこの判断をしているかも確認してください。
媒体ごとの数字を並べるのは運用側ですが、配分を決めるのは予算を持つ側です。

運用側が平均の数字を提出し、予算側がその順位のまま配分を決めると、誰も前提を疑わないまま1年が過ぎます。
数字の作り方を、予算を承認する側が知っている必要があります。

平均で判断し続けると、どこに行き着くのか

平均の良い媒体に寄せる動きを続けると、配分は少数の媒体に集中していきます。
集中した媒体はさらに飽和し、追加分の効率が落ちます。

落ちたことは平均に出にくいため、さらに寄せる判断が繰り返されます。
数年続けると、予算の7割が1つの媒体に乗っている状態になります。

この状態で問題になるのは、効率ではなく依存です。
その媒体の仕様変更や単価の上昇が起きた瞬間に、代わりに使える媒体が社内に残っていません。

平均の獲得単価そのものが無意味なわけではありません。
社外への報告や、前年との比較には使えます。

使ってはいけないのは、次の予算をどこに置くかを決める場面だけです。
この線引きを、予算の会議の最初に確認してください。

平均の獲得単価は過去の集計であり、追加した予算の効率とは別の数字です。配分を決める場では、平均の順位をそのまま使わないでください。

追加の1円で何件取れるかという数字は、何を指しているのか

予算を1単位増やしたときに、増えた金額を増えた件数で割った数字です。
配分の判断に使うのは、平均ではなくこちらの数字です。

追加の1円で何件取れるかという数字は、何を指しているのか

予算を月100万円から110万円に増やし、件数が50件から54件になったとします。
数字は説明のための仮の値です。

増えた10万円で4件取れているので、追加した分の獲得単価は2万5,000円です。
このとき平均は2万円から2万400円にしか動きません。

平均だけを見ていると、この媒体はほとんど何も起きていないように見えます。
実際には、次に増やす1円の効率は、平均より25パーセント悪い水準まで落ちています。

この2万5,000円を、何と比べるのかを決めておく必要があります。
比べる相手は、他の媒体の平均ではなく、自社が払える上限です。

上限は、顧客1件あたりの粗利に、成果から受注までの歩留まりと、広告費を引いた後に残したい利益の割合を掛けて出します。
粗利ではなく売上で計算すると、上限が2倍以上大きく出ます。

追加分の単価が上限の内側なら、その媒体は増やせます。
外側に出たなら、平均がどれだけ良くても増やしません。

媒体どうしの比較も、追加分どうしで行います。
媒体Aの追加分が3万3,000円、媒体Bが2万6,000円なら、AからBへ移す余地があります。

このときAの平均がBより良いことは、判断に影響しません。
平均が良いのは過去の話で、次の1円がどうなるかとは別の情報だからです。

同じ考え方は、予算を減らす方向でも使えます。
削るときに平均の悪い媒体から手をつけるのが通例ですが、それで落ちる件数の大きさは平均では分かりません。

平均が悪い媒体でも、削った分だけ失われる件数が多ければ、その媒体は削るべきではありません。
削減の判断も、動かした分の単価で見ます。

平均の獲得単価と追加分の獲得単価の違い

媒体の状態平均の獲得単価追加分の獲得単価配分の判断
届けたい層の大半に届いている良い大きく悪化する寄せると全体が悪化する
配信量にまだ余地があるやや悪い平均と近い寄せる余地が残っている
立ち上げた直後悪い改善している平均では判断できない
予算を絞り続けている良い不明削減の影響を測り直す
季節の山と重なっている良い一時的に良い翌期まで判断を保留する

比べる上限を、先に決めておく

追加分の数字が出ても、比べる相手がなければ判断はできません。
上限を出す作業は、測定より先に終わらせてください。

上限は年に1回、粗利率と広告費の回収期間から置き直します。
商品の構成や値付けが変われば、払える上限も変わります。

上限を全媒体に1つ置くか、媒体ごとに変えるかも決めておきます。
1つに揃えると、検討の初期に効く媒体が常に上限の外側に出て、毎回削る対象になります。

そのため、初期に効く媒体には別の上限を置くか、上限とは別の枠として管理します。
どちらにするかを期初に決め、上限の値と超えたときの扱いを1枚にして、予算側と運用側で合意してください。

追加分の獲得単価は、増えた金額を増えた件数で割るだけで出ます。比べる相手は他媒体の平均ではなく、粗利から出した自社の上限です。

追加分の獲得単価は、どうやって実測するのか

予算を段階的に動かして、そのときの件数の変化を記録します。
理論では出せないので、測るための期間を確保するしかありません。

追加分の獲得単価は、どうやって実測するのか

測り方は単純です。
1つの媒体について予算を1割動かし、他の条件を変えずに2週間から1か月維持します。

動かす幅を1割にするのは、小さすぎると差が日々の振れに埋もれ、大きすぎると配信の中身が別物になるからです。
3割動かすと、それまで届いていなかった層に一気に広がり、測っているものが変わります。

維持する期間が必要なのは、入札の自動化が変更のたびに学習をやり直すためです。
変更直後の1週間の数字は、学習の途中の数字なので使えません。

同時に複数の媒体を動かさないでください。
同じ期間に2つ動かすと、需要側の変動と自社の変更を切り分けられなくなります。

季節の影響は、前年の同じ時期の増減率で割り戻して補正します。
年末や年度末をまたぐ期間は、補正しても誤差が大きいので避けてください。

測る作業を運用の担当者だけに任せると、記録が残りません。
変更の記録は、集計を持つ側が自社の台帳に残してください。

記録に残す項目は、変更日、変更前後の予算、変更前後の件数、比較に使った期間、その期間に起きた外部の出来事です。
最後の項目が欠けている記録は、後から読み返しても使えません。

競合が大きく出稿した期間や、自社が値下げをした期間の数字は、そのままでは比較に使えないからです。
出来事を書き残していないと、半年後にその数字を信じてしまいます。

同じ媒体で3回から4回測ると、どのあたりから追加分が急に悪化するかの目安が見えてきます。
その目安が出れば、次からは測らずに判断できます。

測る期間は、四半期の中でまとめて確保してください。
毎月ばらばらに動かすと、どの変更の結果を見ているのか分からなくなります。

差が出ない媒体を、どう扱うのか

件数の少ない媒体では、予算を1割動かしても差が振れに埋もれます。
この場合は、測る期間を2か月に延ばすか、動かす幅を3割にします。

それでも差が出ない媒体は、配分の議論の対象になる規模に達していません。
金額の上限だけを決めて、測定の対象からは外してください。

外した媒体は、四半期に1回、規模だけを確認します。
規模が測定できる水準まで育ったら、そこで測定の対象に戻します。

測定にかける時間は、媒体の数だけ積み上がります。
主要な3媒体から始め、全媒体を一度に測ろうとしないでください。

追加分の単価は、1媒体ずつ予算を1割動かして1か月維持し、増えた金額を増えた件数で割って出します。外部の出来事まで含めて記録してください

媒体ごとに成果の数え方が違う問題を、どう揃えるのか

媒体の管理画面の数字ではなく、自社側で集計した数字に統一します。
数え方が違うまま足し合わせると、実際の件数より多い数字が出ます。

媒体ごとに成果の数え方が違う問題を、どう揃えるのか

各媒体の管理画面の件数を足すと、自社の問い合わせ件数より多くなることがあります。
これは計測の不具合ではありません。

理由の1つは、成果と見なす期間が媒体ごとに違うことです。
広告に触れてから何日以内の申し込みを自分の成果と数えるかの設定が、媒体ごとに揃っていません。

もう1つは、表示だけで成果と見なす条件の扱いです。
クリックを伴わない接触を成果に含める媒体と、含めない媒体があります。

3つ目は、同じ人が複数の媒体に触れていた場合の扱いです。
それぞれの媒体が、自分の貢献として同じ1件を数えます。

どれも媒体の立場では正しい数え方です。
媒体は、自社の配信がどれだけ効いたかを説明するために数えているからです。

一方、事業側が必要としているのは、問い合わせが何件あったかという1つの数字です。
この数字は、媒体の管理画面のどこにも存在しません。

揃え方は、自社の計測で1件を1回だけ数えることから始まります。
その1件をどの媒体の成果として配るかは、自社の規則で決めます。

規則を決めるのは期初の1回だけにしてください。
期の途中で変えると、前期との比較ができなくなります。

どうしても変える必要が出た場合は、過去のデータも新しい規則で再集計します。
再集計せずに規則だけ変えると、数字の変化が施策の成果に見えてしまいます。

計測できる範囲そのものが外部の事情で変わることも、前提に入れてください。
同意の取得状況によって広告用のデータを共有できるかどうかが決まる仕様に変わっており、この設定の状態で数字が動きます。

Googleは2025年10月17日に、プライバシー関連技術の大半を終了すると発表しました。
一部は存続しますが、計測の前提が数年おきに動くこと自体は変わりません。

前提が動くたびに数字が段差を作るため、段差の発生日を台帳に残してください。
残していないと、翌期に前年比を出したときに説明ができません。

数え方の差を、報告の場でどう説明するのか

予算を承認する側から、媒体の資料と社内の数字が違うと指摘される場面が必ず来ます。
その場で説明できないと、集計そのものへの信頼が落ちます。

説明の型は、差の金額を並べるのではなく、差が生まれる仕組みを1文で言い切ることです。
媒体は自分に触れた人を数え、自社は申し込んだ人を数えている、という説明で足ります。

月次の資料には、媒体側の合計と自社集計の両方を並べ、差の推移を載せておきます。
差が一定なら数え方の違い、急に動いたなら計測側の不具合です。

この並記があると、指摘が出たときの説明が毎回同じ形で済みます。
資料の作り方を変えるだけで、会議の時間が短くなります。

媒体をまたぐ配分の判断には、自社側で1件を1回だけ数えた数字を使います。媒体との差は消すのではなく、仕組みとして説明できる形で並べてください。

最後の接点だけで成果を配ると、予算配分はどう歪むのか

検討の初期に効く媒体の予算が、削られ続けます。
最後に触れた媒体に成果が集中するため、そこだけが良く見えます。

最後の接点だけで成果を配ると、予算配分はどう歪むのか

成果1件を、最後に触れた媒体にすべて配る数え方が最も広く使われています。
理由は精度ではなく、計算が要らないことです。

この数え方では、指名での検索や、一度訪問した人への再配信が常に上位に来ます。
すでに自社を知っている人が、最後に通る経路だからです。

逆に、名前を知る前に触れる媒体には成果がつきません。
動画や、幅広い層に届ける配信がここに入ります。

成果のつかない媒体は、翌期の予算で削られます。
削った直後は、全体の獲得単価がむしろ改善します。

変化が出るのは半年から1年後です。
指名での検索の量が落ち、最も単価の低い経路の件数が減ります。

その時点で全体の獲得単価が上がりますが、原因は1年前の判断にあります。
時間が離れているため、削った判断と結びつけられません。

判断した人を責めても意味がありません。
その時点で手元にあった数字だけを見れば、削る判断は正しく見えたからです。

対策は、評価の方法を1つに決めないことです。
最後の接点で並べた順位と、検討の途中で触れた媒体すべてに配った順位の2つを並べます。

2つの順位が大きく変わる媒体が、判断を誤りやすい媒体です。
その媒体についてだけ、扱いを個別に決めます。

順位が変わらない媒体は、どちらの方法でも同じ結論になります。
議論の時間を使う必要はありません。

成果の配り方による媒体の見え方の違い

媒体の役割最後の接点で配った場合全接点に配った場合起きやすい判断の誤り
指名での検索過大に良く見える相対的に下がる本来の獲得分を上回って評価する
再訪問への配信良く見えるやや下がる元の流入を作った媒体を削る
一般の検索実態に近い実態に近い判断を誤りにくい
幅広い層への配信成果がつかない一定の成果がつく毎期の削減対象になる
動画ほとんどつかない中程度につく効果がないと結論づける

指名での検索と、広告を経由しない訪問を監視に置く

検討の初期に効く投資が機能しているかは、成果の配り方では測れません。
代わりに、指名での検索の量と、広告を経由しない訪問の推移を月次で見ます。

この2つが伸びているなら、初期に効く媒体は機能しています。
減っているなら、削りすぎた可能性を先に疑ってください。

ただし、この2つに目標値は置かないでください。
外部の環境で動く数字だからです。

Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される検索で、日本の検索1位のクリック率の下落率が2025年12月の38.0パーセントから2026年6月には62.7パーセントまで拡大していました。
同じ調査では、日本の予測クリック率24.1パーセントに対し実測は9.0パーセントでした。

順位を維持していても検索からの訪問が減る局面では、監視の数字の減少が自社の判断の誤りを意味しません。
だからこそ目標には置かず、動きの向きだけを見てください。

成果の配り方を1つに固定すると、検討の初期に効く媒体が毎期削られます。2つの方法で順位を並べ、順位が変わる媒体だけを個別に扱ってください。

計測で追いきれない範囲は、何で補うのか

地域を分けた実験と、支出と成果の推移から寄与を推定するモデルです。
計測できる範囲だけで判断すると、計測しやすい媒体に予算が寄ります。

計測で追いきれない範囲は、何で補うのか

追いきれない範囲は、年々広がっています。
同意の取得状況で計測の対象が変わり、端末をまたぐ行動は同じ人として結びつきません。

この状態で計測できた分だけを根拠に配分を決めると、計測しやすい媒体の評価が構造的に高くなります。
実際の貢献の大小とは別の理由で、予算の向き先が決まってしまいます。

補う方法の1つが、地域を分けた実験です。
一部の地域で配信を止め、止めた地域と続けた地域の成果の差を見ます。

設計で押さえるのは3つです。
地域の規模を揃えること、期間を4週間以上取ること、季節の山を避けることです。

この実験には費用がかかります。
止めた地域で失われた成果は戻りません。

そのため、年に1回か2回、最も金額の大きい媒体に対してだけ行います。
小さい媒体で実験しても、差が振れに埋もれて結論が出ません。

もう1つの方法が、期間全体の支出と成果の推移から各媒体の寄与を推定するモデルです。
Googleはオープンソースの手法としてMeridianを提供しており、地域単位で扱う拡張も公開が予定されています。

モデルには、月次のデータが2年分以上必要です。
データが揃っていない段階では、実験のほうが早く答えが出ます。

モデルの結果は、そのまま配分に使わないでください。
実験の結果と突き合わせ、向きが大きくずれていないかを確認する使い方に留めます。

2つの結果が食い違ったときは、実験のほうを採ります。
実験は自社で条件を作って観測した結果で、モデルは過去のデータからの推定だからです。

補う作業を、誰がいつ決めるのか

実験もモデルも、運用の担当者の判断だけでは始められません。
止めた地域の成果が落ちることを、予算を持つ側が事前に了解している必要があります。

了解を取る場は、期初の予算の会議です。
年間の予算の1パーセントから2パーセントを、検証のための枠として確保する形になります。

確保していないと、期の途中で成果が落ちるから止められないという話になり、いつまでも実験ができません。
枠を先に切っておくことが、実験を実行できるかどうかを決めます。

確保した枠を使い切らなかった場合も、翌期に持ち越さないでください。
毎期、同じ割合を確保し直すほうが、検証が習慣として残ります。

計測の外側は、地域を分けた実験とモデルの推定で補います。実験の枠を期初の予算に確保していないと、期中には実行できません。

数字が拮抗して決まらないときは、何を判断の根拠にするのか

事業がどの市場を取りに行くかと、1つの媒体への依存の度合いです。
差が振れの範囲に収まっているなら、数字では決まりません。

数字が拮抗して決まらないときは、何を判断の根拠にするのか

追加分の単価が2万6,000円と2万8,000円のように近い場合、どちらに寄せても結果はほとんど変わりません。
数字は説明のための仮の値です。

それでも配分は決めなければなりません。
このとき数字をさらに細かく分解しても、答えは出てきません。

分解して出てくるのは、より小さい母数の、より振れの大きい数字だからです。
細かく見るほど、決まらなさは強まります。

1つ目の基準は、事業がどの市場を取りに行くかです。
効率が同等なら、まだ届いていない層に届く媒体を選びます。

2つ目の基準は、依存の度合いです。
1つの媒体が予算に占める構成比に、上限を置いてください。

上限を置く理由は、媒体側の都合で配信の前提が変わることが実際に起きるからです。
LINEヤフーは2025年9月25日に統合を発表し、2026年4月1日にリリースしました。

このとき、LINE広告のみを利用していた企業には、Yahoo!側の計測タグの新規設置が必要になりました。
移行のための道具を使うにも、事業者としての識別の用意が前提になります。

予告があっても、社内では作業が発生します。
1つの媒体に予算が寄っていると、その作業の期間そのものが事業の停止に近い影響を持ちます。

3つ目の基準は、社内に何を残したいかです。
どちらの媒体で運用の経験を積みたいかという観点で選びます。

3つの基準でも決まらない場合は、現状を維持してください。
動かさないことも、記録に残る判断の1つです。

決まらなかったという事実も台帳に残します。
翌四半期に測り直す対象として登録しておけば、同じ議論を繰り返さずに済みます。

決め方そのものを、先に決めておく

拮抗した場面でその場で基準を持ち出すと、後付けの理屈に見えます。
納得されないまま決まった配分は、期の途中で蒸し返されます。

そのため、数字で決まらないときの基準と、その順番を期初に文書にしておいてください。
文書があると、会議の時間が短くなります。

決める人は、予算の承認者と運用の責任者の2人で足ります。
人数を増やすほど、拮抗した議論ほど長引きます。

文書には、誰が決めるかも書いてください。
基準だけを書いて決定者を書かないと、結局その場の力関係で決まります。

差が振れの範囲なら、市場の方針と依存の度合いで決めます。基準と決定者を期初に文書化しておくと、拮抗した局面で議論が長引きません。

配分の判断に使う数字は、何から揃えていけばいいのか

自社側の集計を揃えるところからです。
媒体の管理画面の数字を並べている限り、配分の議論は結論が出ません。

配分の判断に使う数字は、何から揃えていけばいいのか

揃える順番は決まっています。
自社の成果の定義、媒体との差の把握、許容できる上限、追加分の実測、2つの評価方法、構成比の上限、そして実行と記録です。

この順番を入れ替えると、やり直しが発生します。
定義が固まる前に追加分を測っても、測った数字の意味が後から変わるからです。

予算配分の基準を決めるまでの順序

順番やること関わる人期間の目安
1自社側で数える成果の定義を確定するマーケティング・情報システム2週間
2媒体の合計と自社集計の差の中身を把握するマーケティング2週間
3粗利から払える上限を出す経営・マーケティング2週間
4主要媒体で予算を1割動かし追加分を測るマーケティング2か月
52つの評価方法で媒体の順位を並べるマーケティング2週間
61媒体あたりの構成比の上限を決める経営・マーケティング1週間
7配分を動かし、結果を台帳に記録するマーケティング四半期

最初の2つに1か月かかるのは、集計の仕組みそのものに手を入れるためです。
定義を紙の上で決めるだけなら1日で終わりますが、実際に数えられる状態にするには設定の変更が要ります。

追加分の実測に2か月かかるのは、媒体ごとに順番に測るからです。
同時に動かすと切り分けられないという制約が、そのまま期間になります。

全体では四半期1つ分です。
期初に着手すれば、第2四半期の配分から新しい基準を使えます。

数字は説明のための仮の値です。
媒体Aの予算を月500万円から550万円に増やし、件数が250件から265件になったとします。

増えた50万円で15件なので、追加分の獲得単価は3万3,000円です。
同じ作業を媒体Bで行って2万6,000円なら、AからBへ移す余地があります。

移す金額は、一度に全部ではなく1割ずつにしてください。
大きく動かすと配信の学習がやり直しになり、移した先の効率も一時的に落ちます。

動かした後に、何を並べて見るのか

配分を動かした後に並べる数字

数字見る頻度使いどころ
媒体ごとの件数毎週配分の変更後に急な落ち込みがないか
媒体ごとの追加分の獲得単価四半期次の配分を動かすかどうかの判断
粗利から出した上限年1回総額を見直すかどうかの判断
自社集計と媒体合計の差毎月報告の場で説明できる状態かどうか
指名での検索と広告経由でない訪問毎月初期に効く媒体を削りすぎていないか
1媒体あたりの構成比四半期依存の上限を超えていないか

週次で見るのは件数だけにしてください。
単価は週単位では母数が足りず、施策の影響と偶然の振れを区別できません。

上限の見直しを年1回にするのは、粗利率と回収の期間がその頻度でしか動かないからです。
商品の構成や値付けを変えた期は、その時点で臨時に置き直します。

動かした結果は、必ず台帳に残してください。
記録が2年分たまると、測らなくても媒体ごとの余地が推定できるようになります。

台帳の置き場所は、予算の資料と同じ場所にしてください。
別のファイルに分けると、担当者が交代した時点で誰も探せなくなります。

着手点は媒体の比較ではなく、自社側の集計の定義です。定義、上限、実測の順に揃えれば、配分の議論は四半期1つ分で判断できる形になります。

媒体の配分をどの数字で決めるか迷う場合は、無料相談で現状の集計の仕方を見てもらうところから始められます。
配分の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

媒体ごとの獲得単価を比べて、良いほうに寄せればよいですか

平均の獲得単価は、すでに取れた分の効率を集計した数字です。配分の判断に必要なのは、予算を1単位増やしたときに追加で1件取るのにかかる金額なので、その数字を媒体ごとに実測してください。平均の順位と追加分の順位は、しばしば逆になります。

追加分の獲得単価はどうやって出しますか

1つの媒体について予算を1割増やし、他の条件を変えずに2週間から1か月維持して、増えた金額を増えた件数で割ります。同じ期間に複数の媒体を動かすと需要側の変動と切り分けられません。季節性のある時期は前年の同じ時期の増減率で補正してください。

各媒体の管理画面の件数を足すと、実際の問い合わせ数より多くなります

成果と見なす期間や、表示だけで成果と数えるかどうかの条件が媒体ごとに違うためで、計測の不具合ではありません。媒体をまたぐ配分の判断には、自社側で1件を1回だけ数えた数字を使い、媒体合計との差は仕組みの説明として資料に並べてください。

最後に触れた媒体に成果を配っていますが、問題はありますか

検討の初期に効く媒体に成果がつかず、その予算が毎期削られ続けます。最後の接点で並べた順位と、途中で触れた媒体すべてに配った順位の2つを出し、順位が大きく変わる媒体だけを個別に扱ってください。

数字が拮抗していて決められません

差が振れの範囲に収まっているなら、数字では決まりません。まだ届いていない層に届くかどうかと、1媒体への依存が上限を超えていないかで判断し、それでも決まらない場合は現状を維持して翌四半期に測り直してください。基準と決定者は期初に文書化しておくと議論が短くなります。

Webマーケティング支援

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  • 無料マーケ診断は毎月10社限定
  • オンライン30〜45
  • 事前資料の準備は不要

お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

まずは無料で相談する>>>

まとめ

  • 平均は、これまでに取れた分を集計した数字だからです。配分を決める場で必要なのは、次の1円で何件取れるかという別の数字です
  • 予算を1単位増やしたときに、増えた金額を増えた件数で割った数字です。配分の判断に使うのは、平均ではなくこちらの数字です
  • 予算を段階的に動かして、そのときの件数の変化を記録します。理論では出せないので、測るための期間を確保するしかありません
  • 媒体の管理画面の数字ではなく、自社側で集計した数字に統一します。数え方が違うまま足し合わせると、実際の件数より多い数字が出ます
  • 検討の初期に効く媒体の予算が、削られ続けます。最後に触れた媒体に成果が集中するため、そこだけが良く見えます
  • 地域を分けた実験と、支出と成果の推移から寄与を推定するモデルです。計測できる範囲だけで判断すると、計測しやすい媒体に予算が寄ります
  • 事業がどの市場を取りに行くかと、1つの媒体への依存の度合いです。差が振れの範囲に収まっているなら、数字では決まりません
  • 自社側の集計を揃えるところからです。媒体の管理画面の数字を並べている限り、配分の議論は結論が出ません