
実績には、来期には起きないことが含まれているからです。
一過性の要因と、単価の変化と、媒体側の変更を取り除かないと前提になりません。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- 前期の実績をそのまま使うと、来期の予算はなぜ外れるのか
- 実績は、その期の条件の下での結果
- 実績のうち、どの数字を持ち越すのか
- 金額を引き継ぐと、規模の変化に対応できない
- 単価の変化を、どう織り込むのか
- 年間平均を使うと、低く見積もる
- 一過性の出来事を、どうやって取り除くのか
- 外れた月を、機械的に見つける
- 季節の偏りを、どう扱うのか
- 過去2年から指数を作る
- 実績が悪かった施策は、どう積むのか
- 悪かった理由を、3つに分ける
- 媒体側の変更があった場合、実績はどこまで使えるのか
- 変更の時期を、月次の並びに重ねる
- 積み上げに入る前の下準備
- 補正後の前提を、文書にしておく
- よくある質問
- まとめ
実績には、来期には起きないことが含まれているからです。
一過性の要因と、単価の変化と、媒体側の変更を取り除かないと前提になりません。
前期の実績をそのまま使うと、来期の予算はなぜ外れるのか
実績には、来期には起きないことが含まれているからです。
一過性の要因と、単価の変化と、媒体側の変更を取り除かないと前提になりません。
来期の予算を組むとき、出発点は前期の実績です。
ただし、実績をそのまま横に置くと、初めから外れた計画になります。
実績は、その期の条件の下での結果
前期の獲得費用は、前期の競合の状況、前期の媒体の仕様、前期の季節の並びの下で出た数字です。
条件が変われば、同じ金額で同じ件数は取れません。
補正すべきものは、4つに分かれる
一過性の出来事、単価の変化、季節の偏り、媒体側の変更。
この4つを順に取り除き、残った数字を来期の前提にします。
実績をそのまま使えない理由
| 要因 | 実績に含まれているもの | 来期への影響 |
|---|---|---|
| 一過性の出来事 | 特需、キャンペーン、競合の一時的な撤退 | 再現しない |
| 単価の変化 | 前期の水準での入札 | 上昇すると同じ件数に多く要る |
| 季節の偏り | 期の中での月ごとの偏り | 期の区切りが変わると崩れる |
| 媒体側の変更 | 前期の仕様での配信 | 仕様が変わると実績が参考にならない |
| 施策の途中開始 | 年の途中から始めた施策 | 通年になると金額が変わる |
補正を省くと、期中に修正が必要になる
補正しないまま組んだ予算は、第1四半期の段階で実態と合わなくなります。
そこから期中の修正が始まり、計画としての意味を失います。
補正の作業は、1か月では終わらない
4つの要因を確認するには、過去のデータを月次で並べる必要があります。期初の2か月前から着手します。
実績のうち、どの数字を持ち越すのか
金額ではなく、率と単価を持ち越します。
金額は規模で変わりますが、率と単価は前提として使えます。
実績から来期に引き継ぐのは、結果の金額ではありません。
金額を引き継ぐと、規模の変化に対応できない
前期に1億円使って2,000件取れたという実績があるとします。
来期に1.5億円使えば3,000件取れるとは限りません。
金額をそのまま伸ばす計算は、規模による効率の変化を無視しています。
持ち越す数字と、持ち越さない数字
| 数字 | 持ち越すか | 理由 |
|---|---|---|
| 1件あたりの獲得費用 | 持ち越す | 補正したうえで前提にできる |
| 各段階の転換の率 | 持ち越す | 商材の性質を反映している |
| 平均の受注単価 | 持ち越す | 商品が変わらなければ安定する |
| 総額 | 持ち越さない | 規模の判断は別に行う |
| 総件数 | 持ち越さない | 金額と規模に依存する |
| 媒体ごとの構成比 | 参考にとどめる | 媒体の状況で変わる |
率は、月ごとの振れを均す
単月の率は、件数が少ないと大きく振れます。
12か月の平均と、月ごとの振れ幅の両方を出します。
振れ幅が大きい率は、前提にしにくい
平均が20%で、月ごとに10%から35%まで動いている率を前提にすると、計画が外れます。振れ幅が大きい場合は、低めの値を前提にします。
単価の変化を、どう織り込むのか
前期の月次の推移から、上昇の傾向を出します。
年間の平均ではなく、期末の水準を起点にします。
獲得費用は、年間を通じて一定ではありません。
年間平均を使うと、低く見積もる
上昇の傾向がある場合、年間の平均は期末の実態より低くなります。
来期は期末の水準から始まるので、平均を使うと不足します。
単価の織り込み方
| 方法 | 計算 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 年間平均をそのまま使う | 12か月の平均 | 傾向がない場合のみ |
| 期末の3か月平均を使う | 直近3か月の平均 | 傾向がある場合の基本 |
| 期末の水準に上昇率を掛ける | 直近3か月 × 前年の上昇率 | 傾向が続くと見る場合 |
| 低めと高めの2通りを出す | 上の2つを両方 | 不確実性が高い場合 |
| 媒体ごとに分けて出す | 媒体別に同じ計算 | 媒体で傾向が違う場合 |
媒体ごとに、傾向が違う
全体の平均では傾向が見えないことがあります。
媒体ごとに分けると、上がっている媒体と安定している媒体が分かれます。
市場の伸びを、参考として添える
電通の2025年 日本の広告費では、インターネット広告費が4兆459億円で前年比110.8%、構成比50.2%でした。
市場に資金が流入している局面では、単価は上がりやすくなります。
自社の単価の傾向と、市場の動きを並べると、説明の根拠になります。
一過性の出来事を、どうやって取り除くのか
月次の実績を並べ、平均から大きく外れた月を特定します。
外れた月については、何があったかを記録から確認します。
一過性の要因は、平均を歪めます。
外れた月を、機械的に見つける
月次の数字を並べ、平均から大きく離れた月を拾います。
その月に何があったかを、当時の記録から確認します。
一過性の要因の例と、扱い
| 要因 | 実績への現れ方 | 来期の扱い |
|---|---|---|
| 大型のキャンペーン | 単月で件数が急増 | 除外するか、来期も行うなら計上 |
| 競合の一時的な撤退 | 獲得費用が一時的に改善 | 除外する |
| 自社の商品の改定 | 単価や率が変化 | 変化後の水準を使う |
| 外部の話題による流入 | 接点が急増 | 除外する |
| システムの障害 | 数字が欠落 | 前後の月から補う |
除外するか、計上するかを判断する
来期も同じことを行う予定があるなら、計上します。
行わないなら、除外して残りの月から平均を出します。
除外した理由を、記録に残す
どの月をなぜ除外したかを記録します。
記録がないと、翌々期に同じ判断ができません。
除外しすぎない
外れた月を全部除外すると、良い月だけが残ります。除外は、明確な理由がある月だけに限ります。
季節の偏りを、どう扱うのか
月次の指数を作って、来期の各月に当てはめます。
年間の総額だけを出すと、月ごとの過不足が生まれます。
需要の季節性がある商材では、月ごとの配分が成果を左右します。
過去2年から指数を作る
各月の実績を年間平均で割ると、月ごとの指数が出ます。
2年分を平均すると、単年の変動が均されます。
月次の指数の作り方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去2年の月次の件数を並べる、注意点は一過性の月は除外する。
2については、やることは各年の月平均を出す、注意点は年によって規模が違うので年ごとに。
3については、やることは各月の値を、その年の月平均で割る、注意点はこれが月ごとの指数。
4については、やることは2年分の指数を平均する、注意点は単年の変動を均す。
5については、やることは来期の月別の配分に当てはめる、注意点は総額を指数で按分する。
指数が1を大きく超える月に、予算を寄せる
需要が多い月に予算が足りないと、機会を逃します。
指数の高い月には、余裕を持った配分をします。
決算期と需要の山がずれる場合
決算期の区切りと、需要の山が合わないことがあります。期をまたいで山が来る場合、期の前半に予算が偏る計画になります。この構造を、予算の合意の段階で共有します。
実績が悪かった施策は、どう積むのか
悪かった理由を確認してから決めます。
実績が悪いという事実だけでは、削るべきか改善すべきかが判断できません。
前期に成果が出なかった施策の扱いは、予算を組むときの論点になります。
悪かった理由を、3つに分ける
やり方の問題か、規模の問題か、その施策自体が合わなかったのか。
理由によって、来期の扱いが変わります。
実績が悪かった理由と、来期の扱いを、項目ごとに見ていきます。
規模が小さすぎて読めなかったについては、確認の仕方は成果の件数が判断に足りたか、来期の扱いは必要額を確保して再度行うか、止める。
やり方に改善の余地があるについては、確認の仕方は改善の仮説があるか、来期の扱いは仮説があるなら継続、なければ止める。
開始が遅れて期間が足りなかったについては、確認の仕方は実施期間の長さ、来期の扱いは通年で計上して再度行う。
商材や対象が合わないについては、確認の仕方は同種の施策の結果、来期の扱いは止める。
外部の条件が変わったについては、確認の仕方は媒体や市場の変化、来期の扱いは変化後の条件で再検討。
読めなかった施策を、そのまま縮小しない
規模が足りずに判断できなかった施策を、さらに小さくして継続する判断が起きがちです。
この形では、翌期も判断できません。
必要額を確保するか、止めるかの二択にします。
止めた施策の予算を、どこに回すか決めておく
止める判断をしたら、その金額の行き先を同時に決めます。決めないと、既存の施策に自動的に吸収されます。
媒体側の変更があった場合、実績はどこまで使えるのか
変更の前後で数字が連続していない期間は、前提から外します。
変更の内容によっては、実績そのものが参考にならなくなります。
媒体の仕様変更は、実績の連続性を断ちます。
変更の時期を、月次の並びに重ねる
媒体側の変更があった月を、実績の並びに印として入れます。
その前後で数字の水準が変わっているかを確認します。
直近の変更を、把握しておく
媒体の側では、この期間に構成の変わる変更が続いています。
Googleは2025年5月6日にAI Max for Search campaignsを発表し、自動作成アセットとキャンペーンレベル部分一致は2026年9月に自動アップグレードされます。
新規のDSAキャンペーンは2026年9月以降作成できず、既存の移行は2027年2月に延期されています。
LINEヤフーは2025年9月25日に統合を発表し2026年4月1日にリリース、検索クエリーマッチングは2026年9月14日に提供完了でオプトイン方式、LINE VOOMは2026年9月30日に終了しています。
媒体側の変更と、実績の扱いを、項目ごとに見ていきます。
配信の仕組みの自動移行については、実績への影響は効率の水準が変わる、来期の前提の作り方は移行後の期間だけを使う。
配信面の終了については、実績への影響はその面の実績が消える、来期の前提の作り方は他の面に振り替えて見積もる。
統合による基盤の変更については、実績への影響は計測の条件が変わる、来期の前提の作り方は統合後の期間だけを使う。
マッチングの方式の変更については、実績への影響は対象の範囲が変わる、来期の前提の作り方は変更後の実績を待つ。
計測の条件の変更については、実績への影響は数字の定義が変わる、来期の前提の作り方は定義を揃えて再集計する。
変更後の期間が短い場合
変更から数か月しか経っていない場合、実績が足りません。
このときは、変更前の実績に幅を持たせた見積りを使い、期中に修正する前提で組みます。
検索からの流入は、構造的な変化も受けている
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される情報収集型キーワードで、日本の検索1位のCTR下落率が2025年12月の38.0%から2026年6月に62.7%へ拡大していました。流入を前提にした施策は、前期の実績がそのまま使えない領域に入っています。
積み上げに入る前の下準備
月次の実績を並べ、4つの補正を順に行うところからです。
補正が終わってから、積み上げの作業に入ります。
補正の作業は、予算を組む作業の前段です。
実績を来期に直す順序を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去2年の月次の実績を並べる、期間の目安は1週間。
2については、やることは平均から大きく外れた月を特定する、期間の目安は3日。
3については、やることは外れた月の原因を記録から確認し、除外の可否を決める、期間の目安は1週間。
4については、やることは媒体側の変更があった時期を並びに重ねる、期間の目安は3日。
5については、やることは直近3か月の獲得費用から単価の前提を出す、期間の目安は1週間。
6については、やることは月次の指数を作り、季節の偏りを出す、期間の目安は1週間。
7については、やることは実績が悪かった施策の理由を分類する、期間の目安は1週間。
8については、やることは補正後の率と単価を、来期の前提として文書にする、期間の目安は1週間。
補正後の前提を、文書にしておく
どの数字をどう補正したかを記録します。
期中に計画と実績がずれたとき、どの前提が外れたかを特定できます。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
たとえば前期の年間の獲得費用の平均が3万円で、直近3か月が3.4万円だったとします。
前年の上昇率が年8%なら、来期の前提は3.4万円に上昇分を見込んで3.6万円前後になります。
同じ2,000件を取るなら、必要な媒体費は6,000万円から7,200万円に変わります。
積み上げの精度を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
補正後の獲得費用の前提については、見る頻度は期初に確定、何に使うかは必要額の算出。
実績と前提の差については、見る頻度は月次、何に使うかは前提が外れていないか。
除外した月の件数と理由については、見る頻度は期初に確定、何に使うかは補正の妥当性の検証。
月次の指数と実績の差については、見る頻度は月次、何に使うかは季節の前提が合っているか。
前期の計画と実績の乖離率については、見る頻度は期初に確定、何に使うかは補正の精度の改善。
前期の計画と実績の乖離を、必ず見る
前期にどれだけ外れたかを確認すると、補正の精度が分かります。
乖離が大きかった項目に、重点的に補正をかけます。
補正の手順を、毎期同じにする
手順が期ごとに変わると、精度の改善が測れません。
一度決めた手順を、毎期同じ形で繰り返します。
前期の実績をどう読み替えるか迷う場合は、無料相談で現状の数字を一緒に整理するところから始められます。予算の組み立てごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
前期の実績をそのまま来期の予算にしてよいですか
実績には来期に再現しない要因が含まれています。一過性の出来事、単価の変化、季節の偏り、媒体側の変更の4つを順に取り除いてから前提にしてください。
実績のどの数字を引き継ぎますか
金額ではなく、1件あたりの獲得費用、各段階の転換の率、平均の受注単価です。金額をそのまま伸ばす計算は、規模による効率の変化を無視することになります。
獲得費用の前提はどう出しますか
上昇の傾向がある場合、年間平均を使うと実態より低くなります。直近3か月の平均を起点にし、前年の上昇率を掛けた値を前提にしてください。
一過性の月はどう扱いますか
月次の実績を並べて平均から大きく外れた月を拾い、当時の記録から原因を確認します。来期も同じことを行う予定があるなら計上し、行わないなら除外して、除外の理由を記録に残してください。
前期に成果が出なかった施策はどうしますか
規模が小さすぎて読めなかったのか、やり方に改善の余地があるのか、そもそも合わないのかで扱いが変わります。読めなかった施策をさらに小さくして続けると翌期も判断できないので、必要額を確保するか止めるかの二択にしてください。
まとめ
- 実績には、来期には起きないことが含まれているからです。一過性の要因と、単価の変化と、媒体側の変更を取り除かないと前提になりません
- 金額ではなく、率と単価を持ち越します。金額は規模で変わりますが、率と単価は前提として使えます
- 前期の月次の推移から、上昇の傾向を出します。年間の平均ではなく、期末の水準を起点にします
- 月次の実績を並べ、平均から大きく外れた月を特定します。外れた月については、何があったかを記録から確認します
- 月次の指数を作って、来期の各月に当てはめます。年間の総額だけを出すと、月ごとの過不足が生まれます
- 悪かった理由を確認してから決めます。実績が悪いという事実だけでは、削るべきか改善すべきかが判断できません
- 変更の前後で数字が連続していない期間は、前提から外します。変更の内容によっては、実績そのものが参考にならなくなります
- 月次の実績を並べ、4つの補正を順に行うところからです。補正が終わってから、積み上げの作業に入ります