
多くの場合は、使えなかったからです。
出稿の機会が想定より少なかったのか、効率が想定より良かったのかで、意味が正反対になります。
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目次
目次
- 予算が余るのは、使わなかったからなのか
- 余りには、性質の違う3種類がある
- 余りに気づく時期で、打てる手が変わる
- 残りの期間が、施策の選択肢を決める
- 上限を上げて消化するのが、なぜ危ないのか
- 限界の獲得費用が、急に跳ね上がる
- 対象を広げて消化すると、何が起きるのか
- 件数は増えるが、受注は増えない
- 余りの原因を、どう切り分けるのか
- 出稿できる量に、上限があったのか
- 余りを回してよい先は、どこか
- 翌期の準備に使う
- 余ったことを、社内にどう説明するのか
- 目標の達成状況を、先に書く
- 余りが見えた週にやること
- 見込みの再計算を、最初にやる
- よくある質問
- まとめ
多くの場合は、使えなかったからです。
出稿の機会が想定より少なかったのか、効率が想定より良かったのかで、意味が正反対になります。
予算が余るのは、使わなかったからなのか
多くの場合は、使えなかったからです。
出稿の機会が想定より少なかったのか、効率が想定より良かったのかで、意味が正反対になります。
予算に余りが出たとき、社内では使い切れなかったという言い方になります。
この言い方には、余りが失敗だという前提が入っています。
実際には、余りの原因によって評価が変わります。
余りには、性質の違う3種類がある
出稿できる量が確保できなかった場合。
効率が想定より良く、少ない金額で目標に届いた場合。
計画そのものが過大だった場合。
この3つは、次にやることが違います。
余りの性質と、意味
| 性質 | 起きていること | 評価 |
|---|---|---|
| 出稿量が確保できなかった | 配信先の在庫や検索の量が不足 | 機会を逃している |
| 効率が想定より良かった | 少ない金額で目標に届いた | 望ましい状態 |
| 計画が過大だった | そもそも必要額を多く見積もった | 次期の精度の問題 |
| 実行が遅れた | 施策の開始が後ろにずれた | 進行の問題 |
| 承認が下りなかった | 社内で判断が止まった | 決裁の問題 |
目標に対してどうかを、同時に見る
金額が余っているだけでは判断できません。
成果の目標に届いているかと合わせて見ます。
届いていて余っているのと、届かずに余っているのでは、全く違う状況です。
余りを消すことが、目的になっていないか
余りの金額を消すこと自体には、事業上の価値がありません。価値があるのは、その金額で何かを得ることです。
余りに気づく時期で、打てる手が変わる
四半期の半ばまでに気づけば、配分の組み替えができます。
期末の1か月前に気づいた場合、選べる手はほとんど残っていません。
余りへの対処は、気づいた時期で選択肢が決まります。
残りの期間が、施策の選択肢を決める
新しい施策を立ち上げるには、準備の期間が要ります。
残り1か月では、既存の施策の増額しか選べません。
気づいた時期と、選べる手
| 残りの期間 | 選べる手 | 選べないもの |
|---|---|---|
| 4か月以上 | 新しい施策の立ち上げ | なし |
| 2か月から3か月 | 既存施策の拡大、制作の前倒し | 大きな立ち上げ |
| 1か月から2か月 | 制作の投資、測定の整備 | 新しい媒体の検証 |
| 1か月未満 | 既存施策の小幅な増額 | ほぼすべて |
| 期末の数週間 | 何もしない | すべて |
月次で消化の見込みを出す
余りに早く気づくには、月次で年度末までの見込みを出します。
実績の消化率ではなく、このままいくといくら余るかを計算します。
見込みが外れる要因を、あわせて記録する
なぜ見込みからずれたかを毎月記録すると、翌期の計画の精度が上がります。記録がないと、同じずれを繰り返します。
上限を上げて消化するのが、なぜ危ないのか
獲得費用が急に悪化し、その数字が翌期の前提になるからです。
一度悪化した数字は、良かった時期の数字より記憶に残ります。
余りを消す最も手軽な方法は、入札の上限を上げることです。
短期的には金額が動きますが、代償があります。
限界の獲得費用が、急に跳ね上がる
すでに取れている層に対して上限を上げても、追加で取れる件数は限られます。
追加の1件にかかる費用は、平均よりはるかに高くなります。
上限を上げたときに起きること
| 段階 | 起きること | 影響 |
|---|---|---|
| 上限を上げた直後 | 消化額が増える | 見かけ上の消化は進む |
| 1週間後 | 平均の獲得費用が悪化 | 効率の指標が崩れる |
| 1か月後 | 悪化した数字が月次に反映 | 翌期の前提になる |
| 翌期 | 悪化した水準からの計画 | 目標が立てにくくなる |
| 翌々期 | 元の水準に戻すのに時間がかかる | 回復に数か月 |
自動入札の学習にも影響が出る
上限を大きく動かすと、配信の傾向が変わります。
元に戻したときに、以前の水準に戻るまでに時間がかかります。
一時的な措置であることを、記録に残す
どうしても上限を上げる判断をする場合は、期間と理由を記録します。記録がないと、その期間の数字が通常の実績として扱われます。
対象を広げて消化すると、何が起きるのか
質の低い成果が増え、営業側の工数を消費します。
件数は増えるので、数字の上では問題が見えません。
配信の対象を広げると、確実に消化は進みます。
ただし、得られるものの質が変わります。
件数は増えるが、受注は増えない
対象を広げると、検討段階の浅い人が含まれます。
問い合わせや資料の請求は増えますが、商談には進みません。
対象を広げたときの数字の動き
| 指標 | 動き | 実態 |
|---|---|---|
| 接点の数 | 増える | 想定どおり |
| 問い合わせの件数 | 増える | 想定どおり |
| 獲得費用 | 変わらないか、やや悪化 | 問題なく見える |
| 商談化の率 | 低下する | ここで質が落ちている |
| 受注件数 | ほぼ変わらない | 事業への寄与がない |
営業側の負担が増える
質の低いリードは、営業が対応した後に商談にならないと分かります。
その分の工数は、事業のコストです。
マーケティングの数字には出ません。
翌期のリードの評価にも影響する
一度質の低いリードを大量に渡すと、営業側の信頼が下がります。次に渡すリードも、優先度を下げて扱われるようになります。
余りの原因を、どう切り分けるのか
出稿の量と、成果の効率と、計画の前提の3つを順に確認します。
原因が違えば、次期の予算の組み方も変わります。
余った金額を使う前に、なぜ余ったかを確かめます。
出稿できる量に、上限があったのか
検索の量や配信面の在庫には上限があります。
上限に達していたなら、金額を増やしても出稿できません。
この場合は、別の媒体や別の対象に広げる必要があります。
原因の切り分けの手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、見る数字は媒体側の表示可能量に対する実績、余りの原因だと言える条件は上限に近い水準で推移している。
2については、見る数字は想定と実績の獲得費用の差、余りの原因だと言える条件は実績が想定より良い。
3については、見る数字は計画時の見積りの根拠、余りの原因だと言える条件は根拠の数字が実態と違った。
4については、見る数字は施策の開始時期、余りの原因だと言える条件は計画より遅れている。
5については、見る数字は承認の待ち時間、余りの原因だと言える条件は判断が止まっていた期間がある。
効率が良くて余った場合は、目標を上げる
想定より少ない金額で目標に届いたなら、余りは成果です。
このときは、金額を消すのではなく、目標そのものを引き上げる議論をします。
計画が過大だった場合は、翌期に反映する
見積りの前提が実態と違っていたなら、翌期の計画を直します。今期の余りを無理に使う理由にはなりません。
余りを回してよい先は、どこか
翌期以降に効く投資です。
その期の成果にならなくても、事業として損にならない使い方を選びます。
余りの使い道を、あらかじめ決めておきます。
決めていないと、その場の判断で出稿に回ります。
翌期の準備に使う
制作物の在庫、測定の環境の整備、調査。
どれも、翌期の成果を上げるための投資になります。
余りの回し先の候補を、項目ごとに見ていきます。
制作物の在庫を作るについては、その期の成果はなし、翌期への効果は高い、準備の期間は1か月から2か月。
計測と分析の環境を整えるについては、その期の成果はなし、翌期への効果は高い、準備の期間は1か月。
顧客の調査を行うについては、その期の成果はなし、翌期への効果は高い、準備の期間は1か月から2か月。
新しいチャネルの検証については、その期の成果は限定的、翌期への効果は高い、準備の期間は2か月以上。
既存施策の小幅な増額については、その期の成果はあり、翌期への効果はなし、準備の期間は即時。
何もしないについては、その期の成果はなし、翌期への効果はなし、準備の期間はなし。
何もしないという選択肢を、残しておく
残りの期間が短く、どの投資も間に合わないことがあります。
このときは、使わずに残すのが最も損の少ない判断です。
制作物の在庫が、最も使いやすい
素材の制作は、期をまたいで使えます。
翌期の立ち上がりが早くなるので、余りの回し先として合理的です。
検証に回す場合は、判断できる規模かを確認する
余った金額を新しいチャネルの検証に回す場合、その額で結果が読めるかを確認します。読めない規模なら、制作か測定に回すほうが確実です。
余ったことを、社内にどう説明するのか
原因と、目標の達成状況をあわせて出します。
金額の余りだけを報告すると、計画の精度の問題として扱われます。
余りの報告は、書き方で受け取られ方が変わります。
目標の達成状況を、先に書く
目標に届いたうえで余っているなら、それは効率の良さを示しています。
届いていないのに余っているなら、別の問題があります。
余りの報告の組み立てを、項目ごとに見ていきます。
1については、書くことは成果の目標に対する達成状況。
2については、書くことは余りの金額と、その原因。
3については、書くことは原因の3つの分類のうちどれか。
4については、書くことは余りをどこに回すか、または回さない理由。
5については、書くことは翌期の計画にどう反映するか。
回さないという判断も、理由を書く
余りを使わない判断は、説明がないと消極的に見えます。
残りの期間で判断できる規模の投資がないことを、理由として書きます。
翌期への反映を、必ず添える
今期の余りは、翌期の計画の材料です。どう反映するかを書くと、報告が次の議論につながります。
余りが見えた週にやること
原因の切り分けを最初に行います。
使い道を決めるのは、原因が分かった後です。
余りに気づいた時点から、2週間で判断まで進めます。
余りに対処する順序を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは年度末までの消化の見込みを再計算する、期間の目安は2日。
2については、やることは成果の目標に対する達成状況を確認する、期間の目安は1日。
3については、やることは媒体側の表示可能量に対する実績を確認する、期間の目安は3日。
4については、やることは想定と実績の獲得費用の差を出す、期間の目安は2日。
5については、やることは原因を3つの分類のどれかに特定する、期間の目安は2日。
6については、やることは残りの期間で間に合う投資の候補を出す、期間の目安は3日。
7については、やることは回す先を決めるか、残す判断をする、期間の目安は2日。
8については、やることは原因と対応を記録し、翌期の計画に反映する、期間の目安は1週間。
見込みの再計算を、最初にやる
いくら余るかが確定していないと、使い道の議論ができません。
月ごとの消化の実績から、年度末までの見込みを出します。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
たとえば年間予算1億2,000万円に対し、第3四半期末で消化が8,100万円だとします。
このままの水準なら年度末で1億800万円となり、1,200万円が余る見込みです。
このとき成果の目標に届いているなら、効率が良かったことになります。
届いていないなら、出稿量か施策の進行に問題があります。
余りの兆候を測る数字を、項目ごとに見ていきます。
年度末までの消化の見込みについては、見る頻度は月次、何が分かるかは余りの規模。
成果の目標に対する達成率については、見る頻度は月次、何が分かるかは余りが良いものか悪いものか。
媒体側の表示可能量に対する実績については、見る頻度は月次、何が分かるかは出稿量に上限が来ていないか。
想定と実績の獲得費用の差については、見る頻度は月次、何が分かるかは効率が想定とどうずれたか。
施策の開始が計画からずれた日数については、見る頻度は月次、何が分かるかは進行の遅れが余りの原因か。
消化率ではなく、見込みで見る
消化率は、過去の実績を示すだけです。
このままいくらになるかという見込みを出すと、早く手を打てます。
毎月同じ形で記録する
余りの原因の記録は、翌期の計画の精度に直結します。
月次の報告の様式に、見込みと原因の欄を常設します。
予算の余りへの対処で判断に迷う場合は、無料相談で現状の消化の状況を見てもらうところから始められます。予算の組み立てごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
予算が余ったのは、失敗ですか
原因によります。効率が想定より良くて少ない金額で目標に届いたなら望ましい状態ですが、出稿量が確保できなかったなら機会を逃しています。成果の目標に対する達成状況とあわせて判断してください。
余りを消すために入札の上限を上げてもよいですか
追加で取れる1件あたりの費用が平均よりはるかに高くなり、悪化した獲得費用が翌期の前提になります。どうしても行う場合は、期間と理由を記録して通常の実績と区別してください。
配信の対象を広げて消化するのはどうですか
件数は増えますが商談化の率が下がり、受注はほぼ変わりません。営業側の工数を消費し、次に渡すリードの評価にも影響します。
余りはどこに回すのがよいですか
制作物の在庫を作る、計測と分析の環境を整える、顧客の調査を行うといった翌期に効く投資です。残りの期間が短くどれも間に合わないなら、使わずに残すのが最も損の少ない判断です。
余ったことを社内にどう説明しますか
金額だけを報告すると計画の精度の問題として扱われます。成果の目標に対する達成状況を先に書き、余りの原因、回す先または回さない理由、翌期の計画への反映を順に添えてください。
まとめ
- 多くの場合は、使えなかったからです。出稿の機会が想定より少なかったのか、効率が想定より良かったのかで、意味が正反対になります
- 四半期の半ばまでに気づけば、配分の組み替えができます。期末の1か月前に気づいた場合、選べる手はほとんど残っていません
- 獲得費用が急に悪化し、その数字が翌期の前提になるからです。一度悪化した数字は、良かった時期の数字より記憶に残ります
- 質の低い成果が増え、営業側の工数を消費します。件数は増えるので、数字の上では問題が見えません
- 出稿の量と、成果の効率と、計画の前提の3つを順に確認します。原因が違えば、次期の予算の組み方も変わります
- 翌期以降に効く投資です。その期の成果にならなくても、事業として損にならない使い方を選びます
- 原因と、目標の達成状況をあわせて出します。金額の余りだけを報告すると、計画の精度の問題として扱われます
- 原因の切り分けを最初に行います。使い道を決めるのは、原因が分かった後です