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内製と外注のコストを正しく比べる

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約11分
内製と外注のコストを正しく比べる

外注は請求書の金額が一目で分かり、内製は費用が複数の部署に分散しているからです。
比較の土俵が最初から揃っていません。

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外注は請求書の金額が一目で分かり、内製は費用が複数の部署に分散しているからです。
比較の土俵が最初から揃っていません。

内製と外注の費用を比べると、いつも内製が安く見えるのはなぜか

外注は請求書の金額が一目で分かり、内製は費用が複数の部署に分散しているからです。
比較の土俵が最初から揃っていません。

内製と外注の費用を比べると、いつも内製が安く見えるのはなぜか

運用を内製に切り替えるかどうかの議論では、費用の比較が材料になります。
その比較は、たいてい内製に有利な形で行われます。

見えている金額と、見えていない金額

外注の費用は、月々の請求書に一つの金額として出ます。
内製の費用は、人件費、採用費、教育費、ツール費に分散します。
人件費は既存の給与に埋もれ、新しい費用としては認識されません。

比較が歪む三つの経路

比較が内製に有利に傾く理由

経路起きていること比較への影響
人件費が埋もれる既存社員の時間が費用として計上されない内製の費用が小さく出る
立ち上げ費用が抜ける教育と習熟の期間が計算に入らない移行の費用が見えない
機会損失が入らない習熟期間中の成果の低下が計上されない移行の代償が見えない
離職の確率が入らない担当者が辞める前提がない再構築の費用が見えない
間接費が入らない採用、労務、設備の費用が入らない一人あたりの費用が小さく出る

比較の目的を先に決める

費用の比較は、内製に切り替えるかどうかを決めるためのものです。内製が安いという結論を出すためのものではありません。比較の設計を、結論を出す前に合意しておきます。

内製の費用には、何を含めるのか

給与だけでなく、採用、教育、間接費、離職に備える費用まで含めます。
このうちどれか一つでも抜けると、比較になりません。

内製の費用には、何を含めるのか

内製の費用を積むとき、月給や年収だけを使うと過小になります。
人を一人抱えることで発生する費用を、全部並べます。

含める項目

内製の費用として計上する項目

項目内容計上の仕方
給与と賞与本人に支払う金額年額で計上
法定福利費と福利厚生社会保険などの会社負担給与に対する率で計上
採用費求人、紹介手数料、選考の工数採用時に一度、在籍年数で割る
教育と習熟研修、学習の時間、外部の講座最初の期に計上
設備とツール席、端末、運用に必要な有料ツール一人あたりと年額で計上
管理と間接の時間上司の管理、労務や経理の手間工数の比率で計上

年収の何割増しになるか

上の項目を足すと、年収に対して相当の上乗せになります。
比率は会社によって違うため、自社の実績から出します。
経理や人事に、一人あたりの間接費の実績を確認します。

専任でない場合の按分

既存の社員が兼任で運用を担う場合、その人の時間の何割を使うかで按分します。按分の比率は自己申告ではなく、実際の作業の記録から出します。兼任の場合、本来の業務の成果が落ちる分も費用として見ます。

外注の費用には、何を含めるのか

手数料だけでなく、社内の窓口の工数と、別途で発生する実費を足します。
外注していても、発注側の工数はゼロになりません。

外注の費用には、何を含めるのか

外注の費用を請求書の金額だけで見ると、こちらも過小になります。
発注側に残る作業があります。

外注していても残る作業

依頼の内容を決める、素材と原稿を確認する、会議に出る、社内の承認を取る。
この作業は外注しても残ります。

外注の費用として計上する項目

項目内容計上の仕方
手数料代理店への支払い月額または料率で計上
別途費用制作、ツール、特別対応年額の実績で計上
社内の窓口の工数やり取りと確認の時間時間を金額に換算して計上
会議の時間参加者全員の時間回数と人数から換算
承認と決裁の工数上位者の確認の時間工数の比率で計上
切り替えの費用移行と引き継ぎの費用発生時に計上

窓口の工数を、実測する

社内の担当者が外注のやり取りに使っている時間を、二週間ほど記録します。
記録すると、想定より大きいことが多くあります。
この時間を金額に換算して、手数料に足します。

手離れの良さが費用を決める

同じ手数料でも、社内の工数が少ない外注先のほうが総額は安くなります。手数料の比較だけでは、この差が見えません。

移行の期間に発生する費用を、どう見るのか

習熟期間中の成果の低下を、費用として計上します。
この期間の損失が、内製化の判断で最も抜けやすい項目です。

移行の期間に発生する費用を、どう見るのか

内製に切り替えると、最初の数か月は成果が落ちます。
落ちた分は、費用と同じ意味を持ちます。

落ち方の見積もり

習熟の期間と、その間の効率の低下を掛けると、損失の見込みが出ます。
数字は説明のための仮の値です。
月間の粗利が1,000万円の事業で、移行後6か月間に獲得効率が15%落ちるなら、900万円の損失になります。
この金額を、内製の費用に足します。

移行期に発生する費用

費用発生の時期見積もりの仕方
成果の低下移行後の数か月効率の低下率×期間×月間の粗利
並行稼働の費用移行の期間外注と内製の費用が重なる期間
引き継ぎの工数移行の前後双方の時間
アカウントとデータの移管移行時作業と、失われるデータの影響
ツールの新規契約移行時これまで代理店側が持っていた分

並行稼働の期間を短くしすぎない

外注を止めてから内製を始めると、間に空白ができます。
一定期間は並行させるため、その分の費用が重なります。
重なりを避けようとして引き継ぎを短くすると、成果の低下が大きくなります。

移行の費用は、初期投資として分けて持つ

移行の費用を通常の運用費と同じ枠で見ると、移行した期の効率が極端に悪く見えます。初期投資として分けて計上します。

比較の期間を、何年で取るのか

3年です。
1年では内製の立ち上げ費用が重く出すぎ、5年では担当者の在籍の前提が現実的でなくなります。

比較の期間を、何年で取るのか

比較の期間の取り方で、結論が変わります。
短すぎても長すぎても、判断を誤ります。

期間ごとの見え方

比較の期間と、結論の傾向を、項目ごとに見ていきます。
1年については、内製の見え方は立ち上げ費用が重く出る、外注の見え方は安く見える、判断への影響は内製を過小評価する。
3年については、内製の見え方は立ち上げが均される、外注の見え方は実態に近い、判断への影響は判断に使える。
5年については、内製の見え方は担当者の交代が入る、外注の見え方は変わらない、判断への影響は在籍の前提が非現実的になる。
単月については、内製の見え方は人件費だけで比べがち、外注の見え方は請求額だけ、判断への影響は比較にならない。
移行期を除くについては、内製の見え方は内製が有利に出る、外注の見え方は変わらない、判断への影響は移行の代償が消える。

離職を確率として織り込む

3年の間に担当者が辞める確率はゼロではありません。
辞めた場合、採用と教育と習熟の費用が再び発生します。
この費用を確率で割り引いて、内製の費用に足します。

外注側の変動も織り込む

外注も3年の間に担当者が変わります。担当が変わったときの引き継ぎの工数を、外注の費用に足します。

費用だけで決めてよいのか

決められません。
費用が近い場合、判断を分けるのは知見の蓄積と、変化への追随の速さです。

費用だけで決めてよいのか

内製と外注の費用が大きく違うなら、費用で決まります。
実際には近い金額になることが多く、費用以外の要素が判断を分けます。

費用以外の判断材料

Testifyが2026年5月に実施した調査では、インハウス化の動機としてノウハウの蓄積が56.7%、コスト削減が46.7%でした。
一方で障壁は、教育時間と知見の不足が44.8%、媒体アップデートへの追随が困難で40.3%、人材の採用が36.7%です。
回答数は1,016です。
費用以外の要素が、動機と障壁の両側にあります。

費用以外に比較する項目を、項目ごとに見ていきます。
知見の蓄積については、内製が有利な点は自社に残る、外注が有利な点は残りにくい。
媒体の変化への追随については、内製が有利な点は遅れやすい、外注が有利な点は情報が入りやすい。
判断の速さについては、内製が有利な点は速い、外注が有利な点は窓口を経由する分遅い。
繁閑への対応については、内製が有利な点は人数が固定で対応しにくい、外注が有利な点は柔軟に対応しやすい。
客観的な視点については、内製が有利な点は内向きになりやすい、外注が有利な点は外からの指摘が入る。
属人化の危険については、内製が有利な点は高い、外注が有利な点は担当交代で吸収される。

折衷の選択肢も費用に入れる

全部を内製にするか外注にするかの二択ではありません。
判断を内製にして作業を外注する、媒体ごとに分けるといった形があります。
折衷の場合の費用も、同じ様式で計算します。

費用が近いなら、変化への追随で決める

費用が近い場合は、媒体の変化にどちらが追随できるかで判断します。運用型広告は仕様の変更が続くため、追随できない体制は時間とともに不利になります。

比較した結果を、社内にどう示すのか

一つの数字ではなく、前提を変えた複数の場合を並べます。
一つの結論だけを示すと、前提の置き方への疑義で議論が止まります。

比較した結果を、社内にどう示すのか

比較の結果を一つの金額で示すと、前提の妥当性が論点になります。
前提を変えた複数の結果を並べると、議論が判断に進みます。

並べる場合の組み合わせ

前提を変えて並べる場合を、項目ごとに見ていきます。
出稿額の規模については、内製が有利になる条件は大きい、外注が有利になる条件は小さい。
媒体の数については、内製が有利になる条件は少ない、外注が有利になる条件は多い。
出稿の変動については、内製が有利になる条件は小さい、外注が有利になる条件は季節により大きい。
担当の在籍年数については、内製が有利になる条件は長い、外注が有利になる条件は短い。
移行期の効率低下については、内製が有利になる条件は小さい、外注が有利になる条件は大きい。
社内の窓口工数については、内製が有利になる条件はもともと大きい、外注が有利になる条件はもともと小さい。

前提の出どころを書く

各前提の数字がどこから来たかを書きます。
自社の実績か、見積もりか、仮の値か。
出どころが書いてあると、議論が前提の妥当性に絞られます。

結論を出さない列も置く

費用が近く、判断がつかない範囲があることも示します。その範囲では費用以外の要素で決める、と明示します。

コストの比較表を作るところから

社内の工数を二週間だけ記録することからです。
この数字がないと、内製も外注も費用が出ません。

コストの比較表を作るところから

比較の作業で最も手間がかかるのは、社内の工数を出すところです。
ここを飛ばすと、比較表が作れません。

比較表を作る作業を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは現在の外注の請求額と実費を12か月分集める、期間の目安は1週間。
2については、やることは社内の窓口の工数を2週間記録する、期間の目安は2週間。
3については、やることは人事と経理に一人あたりの間接費を確認する、期間の目安は1週間。
4については、やることは必要な人数と職能を書き出す、期間の目安は1週間。
5については、やることは移行期の効率低下の見込みを置く、期間の目安は1週間。
6については、やることは3年分の費用を両方の形で並べ、前提を変えた場合も作る、期間の目安は2週間。

必要な人数を、作業の一覧から出す

内製に必要な人数は、年収の話から入ると決まりません。
現在外注している作業を一覧にして、それぞれにかかる時間を積みます。
積んだ時間を月の稼働時間で割ると、必要な人数が出ます。

一人では回らない前提を置く

運用を一人に任せると、休暇や離職で止まります。
最低でも、作業を把握している人が二人必要になります。
この前提を入れると、必要な費用が変わります。

比較後に追跡する数字を、項目ごとに見ていきます。
運用にかかっている社内の総時間については、見る頻度は月次、何を確かめるかは想定した工数との差。
獲得単価と件数の推移については、見る頻度は月次、何を確かめるかは移行期の効率低下の実際の幅。
外注に払った実費の累計については、見る頻度は四半期、何を確かめるかは請求額以外の費用の規模。
担当者の作業の偏りについては、見る頻度は四半期、何を確かめるかは一人に集中していないか。
媒体の仕様変更への対応の遅れについては、見る頻度は四半期、何を確かめるかは追随できているか。

移行後も比較を続ける

内製に切り替えた後も、同じ様式で費用を記録します。
記録があれば、想定と実際のずれが分かります。
ずれが大きければ、体制を戻す判断もできます。

内製と外注のどちらが自社に合うか判断がつかない場合は、無料相談で現状の費用を一緒に整理するところから始められます。運用の体制ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

内製と外注の費用はどう比べますか

内製は給与に加えて採用費、教育費、間接費、管理者の時間まで含めます。外注は手数料に加えて社内の窓口の工数と別途費用を足します。どちらか片方だけを丁寧に積むと、比較になりません。

比較の期間は何年で取りますか

3年が目安です。1年では内製の立ち上げ費用が重く出すぎ、5年では担当者が同じままという前提が現実的でなくなります。3年の間に担当が辞める確率も、費用として織り込みます。

移行期の費用はどう見積もりますか

習熟の期間中に獲得効率がどれだけ落ちるかを見込み、その低下率に期間と月間の粗利を掛けます。この損失が内製化の判断で最も抜けやすい項目です。移行の費用は初期投資として分けて計上します。

費用が近い場合は何で判断しますか

知見の蓄積と、媒体の変化への追随の速さです。運用型広告は仕様の変更が続くため、追随できない体制は時間とともに不利になります。全部を内製にするか外注にするかの二択でもありません。

社内の工数はどう測りますか

二週間ほど、外注とのやり取りや確認に使った時間を記録します。想定より大きいことが多くあります。この時間を金額に換算して手数料に足すと、外注の総額が出ます。

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  • 事前資料の準備は不要

お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

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まとめ

  • 外注は請求書の金額が一目で分かり、内製は費用が複数の部署に分散しているからです。比較の土俵が最初から揃っていません
  • 給与だけでなく、採用、教育、間接費、離職に備える費用まで含めます。このうちどれか一つでも抜けると、比較になりません
  • 手数料だけでなく、社内の窓口の工数と、別途で発生する実費を足します。外注していても、発注側の工数はゼロになりません
  • 習熟期間中の成果の低下を、費用として計上します。この期間の損失が、内製化の判断で最も抜けやすい項目です
  • 3年です。1年では内製の立ち上げ費用が重く出すぎ、5年では担当者の在籍の前提が現実的でなくなります
  • 決められません。費用が近い場合、判断を分けるのは知見の蓄積と、変化への追随の速さです
  • 一つの数字ではなく、前提を変えた複数の場合を並べます。一つの結論だけを示すと、前提の置き方への疑義で議論が止まります
  • 社内の工数を二週間だけ記録することからです。この数字がないと、内製も外注も費用が出ません