
結果の数字が出てから判断しているからです。
月次の獲得単価が確定したときには、増やすべきだった期間はすでに過ぎています。
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目次
目次
- 増額の判断が、いつも半歩遅れるのはなぜか
- 見ている数字が遅い
- 結果より先に動く数字は、どれか
- 先行する数字の候補
- 媒体側に出稿の余地が残っているかを、どう確かめるのか
- 三つの増やし方
- 需要の山が来る前に、どう前倒しするのか
- 山の手前で入る
- 供給の側に余力があるかを、なぜ先に確かめるのか
- 制約になる場所
- 増やした後、何をもって成功とみなすのか
- 追加分だけを切り出す
- 増やさないほうがよい局面は、どこか
- 見送る条件
- 増額の判断を仕組みに変えるには
- 決裁の上限を先に決めておく
- よくある質問
- まとめ
結果の数字が出てから判断しているからです。
月次の獲得単価が確定したときには、増やすべきだった期間はすでに過ぎています。
増額の判断が、いつも半歩遅れるのはなぜか
結果の数字が出てから判断しているからです。
月次の獲得単価が確定したときには、増やすべきだった期間はすでに過ぎています。
広告費を増やすかどうかの判断は、月次のレポートを見てから行われます。
その時点で、判断の材料になった状況はもう変わっています。
見ている数字が遅い
獲得単価や件数は、結果の数字です。
結果が確定するのは、その月が終わってからです。
そこから社内の決裁を通すと、実際に出稿が増えるのは翌々月になります。
遅れの積み上がり
増額が実行されるまでの経過
| 段階 | かかる時間の目安 | この間に起きていること |
|---|---|---|
| 月次の数字が確定する | 月初の数日 | 需要の山が過ぎつつある |
| 社内で増額を提案する | 1週間 | 競合の出稿が増えている |
| 決裁が下りる | 1週間から数週間 | 入札の単価が上がっている |
| 出稿を増やす | 数日 | 配信が安定するまで時間がかかる |
| 効果が数字に出る | 2週間から1か月 | 次の判断の時期になる |
遅れを前提に設計する
決裁を速くする工夫には限界があります。遅れを縮めるより、判断の材料を前倒しするほうが効きます。結果の数字ではなく、結果より先に動く数字を見ます。
結果より先に動く数字は、どれか
入札の競り合いと、需要側の反応の強さを示す数字です。
獲得件数が増える前に、これらが先に動きます。
先に動く数字は、媒体の管理画面のなかにも、それ以外にもあります。
どれを使うかは、商材の性質で変わります。
先行する数字の候補
先に動く数字と、示していること
| 数字 | 示していること | 増額の判断への使い方 |
|---|---|---|
| 指名検索の件数 | 認知の広がり | 増え始めたら獲得面を広げる余地がある |
| 広告の表示回数に対する占有の割合 | 出稿の余地 | 余地が残っているなら増やせる |
| クリック単価の推移 | 競合の出稿の強さ | 急に上がっているなら増額の効率が落ちる |
| LPの直帰率と滞在 | 訴求と需要の合致 | 悪化していないなら量を増やせる |
| 問い合わせから商談までの通過率 | リードの質 | 維持されているなら量を増やしてよい |
| 在庫や受注処理の余力 | 供給の側の制約 | 余力がないなら増やしても意味がない |
一つでは判断しない
指名検索が増えていても、供給の余力がなければ増額は無駄になります。
需要側の数字と供給側の数字を、両方見ます。
先行指標は、事前に決めておく
増額の判断の場で指標を選ぶと、その時に都合のよい数字が選ばれます。何を見るかを期初に決め、毎月同じ数字を並べます。
媒体側に出稿の余地が残っているかを、どう確かめるのか
同じ対象に出す量を増やせるか、新しい対象に広げるかで意味が違います。
前者は単価が上がり、後者は単価が下がることがあります。
増額の結果として何が起きるかは、増やし方で変わります。
余地の確認は、増やし方ごとに行います。
三つの増やし方
今の対象への出稿量を増やす、対象を広げる、新しい媒体を足す。
この三つで、効率の変化が違います。
増やし方と、効率への影響
| 増やし方 | 単価への影響 | 判断の材料 |
|---|---|---|
| 今の対象に量を増やす | 上がりやすい | 表示機会のうち取れていない割合 |
| 対象を広げる | 下がることも上がることもある | 広げた層の反応の見込み |
| 新しい面や媒体を足す | 当初は読めない | 検証の枠として扱えるか |
| 配信の時間帯や地域を広げる | やや上がる | 除外していた理由が今も有効か |
| 入札の水準を上げる | 確実に上がる | 許容単価までの余裕 |
取れていない部分の確認
今の対象で、表示の機会のうちどれだけを取れているか。
取れていない部分が大きければ、量を増やす余地があります。
ほぼ取り切っている状態で入札だけを上げると、単価だけが上がります。
除外していた理由を確認する
対象を広げるとき、過去に除外した層が含まれることがあります。除外した理由が今も有効かを確認してから広げます。理由の記録がなければ、小さく試してから広げます。
需要の山が来る前に、どう前倒しするのか
前年の同じ時期の動きから、山の手前で増やします。
山が来てから増やすと、競合と同じ時期に入札を上げることになります。
季節性のある商材では、需要の山の時期が決まっています。
その時期に増額の判断をすると、競合も同じ動きをします。
山の手前で入る
検討の期間がある商材では、購入の山の数週間から数か月前に検討が始まります。
その時期に接触しておくと、山の時期の単価上昇を避けられます。
需要の波と、増額の時期
| 商材の性質 | 山の時期 | 増額を始める時期 |
|---|---|---|
| 季節性が強い消費財 | 需要期 | 需要期の1か月前 |
| 検討期間の長い法人向け | 予算期の前 | 予算期の2か月から3か月前 |
| 年度の切り替えに連動 | 年度の変わり目 | その1か月前 |
| イベントや催事に連動 | 開催の前後 | 告知の開始時 |
| 季節性がない | 通年 | 山を待たず他の指標で判断する |
前倒しの原資を先に確保する
山の手前で増やすには、その時点で使える予算が要ります。
期初の計画で、山の手前に厚めに配分しておきます。
均等に割り付けた予算では、前倒しができません。
前年と同じ時期に山が来るとは限らない
暦の並びや、市場の状況で山の時期はずれます。前年の実績を目安にしつつ、先行する数字で補正します。
供給の側に余力があるかを、なぜ先に確かめるのか
問い合わせが増えても、対応できなければ成果になりません。
増額の効果は、受け止める体制の上限で頭打ちになります。
広告費を増やす判断では、需要側の話しかされないことがあります。
実際の制約は、供給の側にあることが多くあります。
制約になる場所
営業の商談枠、在庫、出荷や施工の体制、問い合わせへの初動の速さ。
このどれかが上限に達していると、増額は数字に結びつきません。
供給側の制約と、増額前の確認を、項目ごとに見ていきます。
営業の商談枠については、上限に達している兆候は商談の設定までの日数が延びている、確認の方法はリードから商談までの平均日数。
在庫については、上限に達している兆候は欠品や納期の延長が出ている、確認の方法は在庫の回転と納期の実績。
問い合わせ対応については、上限に達している兆候は初動までの時間が延びている、確認の方法は初回接触までの平均時間。
施工や提供の体制については、上限に達している兆候は着手までの待ちが発生している、確認の方法は受注から着手までの日数。
審査や与信については、上限に達している兆候は通過率が下がっている、確認の方法は申込に対する通過率。
増額の前に、初動の時間を見る
問い合わせから最初の接触までの時間は、成果に直結します。
この時間が延びている状態で広告を増やすと、取りこぼしが増えます。
増額より先に、初動の改善のほうが効くことがあります。
供給側の増強と、同時に進める
供給の体制を増やすには時間がかかります。増額を決めた時点で、供給側にも同時に伝えます。
増やした後、何をもって成功とみなすのか
増やした分の追加の獲得単価で見ます。
全体の平均単価で見ると、増額の効果が既存の出稿に薄められます。
増額の評価を全体の平均で行うと、判断を誤ります。
増やした分だけを切り出して見ます。
追加分だけを切り出す
増額の前後で、増えた費用と増えた件数を出します。
増えた費用を増えた件数で割ると、追加分の獲得単価が出ます。
数字は説明のための仮の値です。
月500万円で100件だった状態から、月700万円で120件になったなら、追加の200万円で20件なので追加分の単価は10万円です。
全体の平均単価は5万円から5.8万円に上がっただけに見えますが、追加分は10万円かかっています。
増額の評価に使う数字を、項目ごとに見ていきます。
追加分の獲得単価については、計算は増えた費用÷増えた件数、判断は許容単価の範囲内か。
全体の獲得単価については、計算は総費用÷総件数、判断は悪化の幅が説明できるか。
件数の伸び率については、計算は増えた件数÷元の件数、判断は費用の伸び率と比べる。
リードの質については、計算は商談化率の推移、判断は質が落ちていないか。
供給側の滞留については、計算は未対応の件数、判断は受け止められているか。
追加分の単価が許容を超えたら、そこが上限
追加分の単価が許容できる水準を超えたなら、その手前が出稿の上限です。
全体の平均がまだ許容内でも、追加の投資は損になっています。
評価の期間を決めてから増やす
増額の効果が出るまでには時間がかかります。何週間見てから評価するかを、増やす前に決めます。
増やさないほうがよい局面は、どこか
供給が詰まっているとき、クリック単価が急上昇しているとき、質が落ち始めているときです。
この三つのどれかに当たるなら、増額より先にやることがあります。
増額の判断では、増やす条件だけでなく増やさない条件も決めておきます。
条件がないと、予算が余っているという理由だけで増えます。
見送る条件
増額を見送る条件と、代わりにやることを、項目ごとに見ていきます。
供給が詰まっているについては、見える形は初動が遅れ、未対応が溜まる、代わりにやることは体制の増強と初動の改善。
単価が急に上がっているについては、見える形はクリック単価が短期間で上昇、代わりにやることは競合の動きが収まるまで待つ。
リードの質が落ちているについては、見える形は商談化率が下がっている、代わりにやることは対象と訴求の見直し。
素材が足りないについては、見える形は同じ訴求が繰り返されている、代わりにやることは制作の本数を先に増やす。
計測が不確かになっているについては、見える形は数字の食い違いが出ている、代わりにやることは計測の確認を優先する。
質が落ちているときの増額は、問題を大きくする
商談化率が下がっている状態で量を増やすと、営業の負担だけが増えます。
量を増やす前に、質の原因を特定します。
素材の不足を、媒体費で埋めない
配信できる訴求が足りないまま媒体費を増やすと、同じ素材の接触が増えます。反応は下がり、単価が上がります。制作の供給が先に要ります。
増額の判断を仕組みに変えるには
毎月同じ数字を同じ順で並べる形を作ることからです。
その月だけの資料を作っている限り、判断は遅れ続けます。
増額の判断を速くするには、判断の材料を定型化します。
材料が毎回違うと、そのたびに議論が最初からになります。
判断を仕組みにする手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは先に動く数字と、供給側の制約の指標を選ぶ、期間の目安は2週間。
2については、やることは毎月同じ様式で並べる資料を作る、期間の目安は1週間。
3については、やることは増やす条件と見送る条件を文書にする、期間の目安は1週間。
4については、やることは増額の決裁の階層と上限を決めておく、期間の目安は2週間。
5については、やることは季節性のある商材は前倒しの時期を決める、期間の目安は1週間。
6については、やることは追加分の単価で評価する様式を作る、期間の目安は数日。
決裁の上限を先に決めておく
一定の金額までは現場の判断で増やせる形にすると、遅れが減ります。
上限を超える増額だけを決裁にかけます。
条件を満たしたら増やす、を既定にする
条件を満たしているのに増やさない場合に、理由を書く形にします。
増やすときに理由を書く形だと、何もしないほうが楽になります。
増額前後に追う数字を、項目ごとに見ていきます。
指名検索の件数については、見る頻度は週次、何のために見るかは需要側が動いているか。
表示機会のうち取れている割合については、見る頻度は週次、何のために見るかは出稿の余地が残っているか。
クリック単価の推移については、見る頻度は週次、何のために見るかは競合の動きが強まっていないか。
リードから商談までの平均日数については、見る頻度は週次、何のために見るかは供給側が詰まっていないか。
追加分の獲得単価については、見る頻度は増額後の評価時、何のために見るかは増額が採算に合っているか。
商談化率については、見る頻度は月次、何のために見るかは質が落ちていないか。
増額を見送った記録も残す
見送った月と、その理由を記録します。
記録があると、後から判断の妥当性を検証できます。
広告費を増やすべきかどうか判断がつかない場合は、無料相談で現状の数字を一緒に見てもらうところから始められます。判断の仕組みごと整える段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
広告費を増やす判断はどの数字で行いますか
獲得単価や件数などの結果の数字だけでは半歩遅れます。指名検索の件数、表示機会のうち取れている割合、クリック単価の推移といった先に動く数字と、供給側の余力を組み合わせて判断します。
増額の効果はどう評価しますか
全体の平均獲得単価ではなく、増やした分の追加の獲得単価で見ます。増えた費用を増えた件数で割った数字が許容の範囲を超えていれば、その手前が出稿の上限です。
季節性のある商材はいつ増やしますか
山が来てからでは競合と同じ時期に入札を上げることになります。検討の期間を考えて山の1か月から3か月前に増やします。前倒しの原資を期初の配分で確保しておく必要があります。
増やしてはいけないのはどんなときですか
供給が詰まっているとき、クリック単価が短期間で急上昇しているとき、商談化率が落ち始めているときです。この三つのどれかに当たるなら、増額より先にやることがあります。
決裁が遅くて増額が間に合いません
決裁を速くする工夫には限界があるため、一定の金額までは現場の判断で増やせる上限を先に決めておきます。上限を超える増額だけを決裁にかけ、条件を満たしたら増やすことを既定にします。
まとめ
- 結果の数字が出てから判断しているからです。月次の獲得単価が確定したときには、増やすべきだった期間はすでに過ぎています
- 入札の競り合いと、需要側の反応の強さを示す数字です。獲得件数が増える前に、これらが先に動きます
- 同じ対象に出す量を増やせるか、新しい対象に広げるかで意味が違います。前者は単価が上がり、後者は単価が下がることがあります
- 前年の同じ時期の動きから、山の手前で増やします。山が来てから増やすと、競合と同じ時期に入札を上げることになります
- 問い合わせが増えても、対応できなければ成果になりません。増額の効果は、受け止める体制の上限で頭打ちになります
- 増やした分の追加の獲得単価で見ます。全体の平均単価で見ると、増額の効果が既存の出稿に薄められます
- 供給が詰まっているとき、クリック単価が急上昇しているとき、質が落ち始めているときです。この三つのどれかに当たるなら、増額より先にやることがあります
- 毎月同じ数字を同じ順で並べる形を作ることからです。その月だけの資料を作っている限り、判断は遅れ続けます