
採否の基準がないからです。
基準がなければ、誰かが見たいと言った数字を断る理由がなく、出た要望はすべて載ります。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- ダッシュボードに載せる数字の議論が、要望の足し算になるのはなぜか
- 画面の目的を、一つに決めてから作る
- 載せるかどうかを決める問いは、一つに絞れるのか
- 答えられない数字を、すぐ捨てなくてよい
- しきい値と次の行動は、数字とどう結びつけるのか
- しきい値を外れた記録を、残して使う
- 更新の頻度と鮮度は、どこまで揃える必要があるのか
- 確定していない数字は、確定したものと区別して見せる
- 常に見せる層と、掘り下げて見る層は、どう分けるのか
- 層をまたぐときの移動を、設計に含める
- ダッシュボードに載せてはいけない数字は、どれか
- 載せない数字にも、行き先を用意する
- 数字ごとの責任者は、どこまで決めておくのか
- 決めた責任を、期中に確認する仕組みを置く
- 載せる数字を選び直す作業は、何から始めるのか
- よくある質問
- まとめ
採否の基準がないからです。
基準がなければ、誰かが見たいと言った数字を断る理由がなく、出た要望はすべて載ります。
ダッシュボードに載せる数字の議論が、要望の足し算になるのはなぜか
採否の基準がないからです。
基準がなければ、誰かが見たいと言った数字を断る理由がなく、出た要望はすべて載ります。
ダッシュボードを作り直す話は、たいてい関係者から見たい数字を集めるところから始まります。
集める方法としては自然に見えますが、この始め方が画面の肥大を生みます。
要望を集める場では、載せない理由を誰も持っていません。
提案された数字を外すには、その数字が不要だと説明する必要があり、説明する立場の人がいないからです。
結果として、出てきた要望がそのまま画面に積まれます。
四十を超える数字が並んだ画面ができあがり、開いたときに視線がどこにも定まりません。
数字が多すぎる画面の問題は、見にくいことではありません。
どの数字が悪くなったら手を打つべきかが決まっていないため、見ても何も起きないことです。
画面が機能しなくなると、担当者は自分用の集計を別に作り始めます。
公式のダッシュボードと個人の集計が並存し、会議で数字が食い違う事態がここから生まれます。
食い違いが起きると、会議の時間は数字の照合に使われます。
判断のための場が、集計の正しさを確かめる場に変わります。
要望の足し算になるもう一つの経路が、過去の会議での質問です。
一度質問された数字を次から常に出しておくという運用を続けると、画面は一方向に増えていきます。
質問は、そのときの状況を説明するために出たものです。
状況が変われば不要になる数字が、恒久的な表示項目として残り続けます。
この増え方は、誰かの判断ミスではありません。
外す基準が無い設計の必然で、基準を作らないかぎり作り直しても同じ状態に戻ります。
作り直すときに最初に決めるのは、載せる数字ではなく外す基準です。
基準が決まっていれば、要望を集める作業は判定の作業に変わります。
画面の目的を、一つに決めてから作る
ダッシュボードには、二つの異なる用途が混ざりがちです。
今月の状況を判断するための画面と、悪くなった原因を調べるための画面です。
判断のための画面には、少数の数字としきい値だけが要ります。
原因を調べる画面には、分解した細かい数字が大量に要ります。
この二つを一枚に収めると、どちらの用途にも使いにくい画面になります。
判断したい人には情報が多すぎ、調べたい人には粒度が足りません。
作る前に、この画面は誰が何を決めるために開くのかを一文で書いてください。
書けない画面は、作っても開かれません。
画面が肥大するのは、外す基準が無いからです。載せる数字を集める前に、この画面で誰が何を決めるのかを一文で決めてください。
載せるかどうかを決める問いは、一つに絞れるのか
絞れます。
この数字が想定の範囲を外れたとき、誰が何をするかに答えられるかどうかだけで判定してください。
採否を決める問いは、一つで足ります。
その数字が想定の範囲を外れたとき、誰が何をするかに答えられるかどうかです。
答えられない数字は、見ても行動につながりません。
画面に置く意味があるのは、見たあとに何かが起きる数字だけです。
この問いを当てると、載せる理由として挙がっていたものの多くが消えます。
参考までに見たい、経営が気にしている、去年から載っているといった理由は、行動を指定していないからです。
経営が気にしているという理由については、もう一段掘ってください。
経営が何を判断するために見ているのかが分かれば、そのために必要な数字が別にあることが多くあります。
判定の作業は、数字ごとに一行ずつ書き出す形で行います。
外れたら誰が何をするかを一行で書けない数字は、その場で外します。
書けた数字の中にも、答えが重複しているものがあります。
クリック率が下がったときの行動と、クリック単価が上がったときの行動が同じなら、二つ並べる必要はありません。
答えが同じ数字は、一つに統合してください。
統合する基準は、より早く動く数字を残すことです。
この判定を通すと、残る数字は十を下回ることが多くなります。
少なすぎると感じたときは、外した数字が下の層に置けるかどうかを確認してください。
判定の場には、その数字を見て動く立場の人を必ず入れます。
作る側だけで判定すると、行動の欄が想像で埋まります。
想像で埋めた行動は、実際には誰も実行しません。
実行されない行動が書かれた数字は、載っていないのと同じです。
答えられない数字を、すぐ捨てなくてよい
行動を書けなかった数字の中には、今は書けないだけのものがあります。
必要な打ち手が社内で決まっていない領域の数字が、ここに入ります。
この場合は、数字を外す前に打ち手を決める議論を立ててください。
決まれば、その数字は載せる価値のある数字に変わります。
議論しても打ち手が決まらないなら、その数字は今の組織では使えません。
使えるようになるまで、画面の外に置きます。
外した数字の一覧は、理由とともに残してください。
次に作り直すとき、同じ議論を最初からやり直さずに済みます。
採否を決める問いと、判定の例
| 数字 | 外れたときに動く人 | 取る行動 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 獲得単価 | 運用の担当 | 配分と入札の見直し | 載せる |
| 商談化率 | マーケと営業の責任者 | リードの条件の見直し | 載せる |
| 表示回数 | 運用の担当 | 配信の停止や審査の確認 | 載せる |
| クリック率 | なし | 特に決まっていない | 外す |
| ページの滞在時間 | なし | 特に決まっていない | 外す |
採否は一つの問いで決まります。外れたときに誰が何をするかを一行で書ける数字だけを残し、答えが同じ数字は早く動くほうに統合してください。
しきい値と次の行動は、数字とどう結びつけるのか
数字だけを載せても、良いか悪いかが分かりません。
しきい値を置き、外れたときの行動と動く人まで決めて初めて、画面が判断に使えます。
数字を載せただけの画面は、見る人に判断を丸投げしています。
獲得単価が12,000円と表示されていても、それが良いのか悪いのかは別の情報がないと分かりません。
比較の基準として最初に置かれるのが、前月や前年同月の数字です。
しかし前月比だけでは、どの程度の差が通常の揺れなのかが分かりません。
通常の揺れの幅は、過去の実績から出します。
過去十二か月の月次の数字を並べ、平均からのばらつきを見ると、どの範囲までが日常的な変動かが分かります。
この範囲の外側にしきい値を置きます。
範囲の内側にしきい値を置くと、毎月のように警告が出て、誰も反応しなくなります。
しきい値は一段ではなく、二段で置くのが実務的です。
一段目は担当者が確認する水準、二段目は責任者に報告して対応を決める水準です。
二段にすると、報告の判断が担当者の裁量から外れます。
裁量に任せると、報告すべき悪化が報告されない事態が起きます。
しきい値ごとに、取る行動を先に書いておきます。
獲得単価が一段目を超えたら配信面ごとの内訳を確認する、二段目を超えたら配分の変更案を持って責任者と話す、という形です。
行動を先に書く効果は、悪化したときに考える時間が要らなくなることです。
考える時間が要らなければ、対応が翌週まで先送りされません。
行動の欄には、実行する人の役割も書きます。
誰がという欄が空いていると、全員が誰かが見ていると考えます。
しきい値と行動は、期初に一度決めて、四半期ごとに見直してください。
実績の水準が変われば、通常の揺れの幅も変わります。
しきい値を外れた記録を、残して使う
しきい値を外れた回数を記録しておくと、設定の妥当性が検証できます。
四半期に一度も外れていないなら、しきい値が緩すぎます。
毎月外れているなら、しきい値が厳しすぎるか、実績の水準そのものが変わっています。
後者であれば、しきい値ではなく目標の前提を見直す場面です。
外れたあとに実際に取られた行動も記録してください。
書いてある行動と実際の行動が違うなら、書いてある行動が現実的ではありません。
この記録は、翌期にしきい値を設計し直すときの唯一の材料になります。
記録がないと、また感覚で線を引くことになります。
数字にはしきい値を二段で置き、段ごとの行動と実行する人まで書きます。外れた回数と実際に取られた行動を記録し、四半期ごとに見直してください。
更新の頻度と鮮度は、どこまで揃える必要があるのか
判断の頻度に合わせます。
月次で判断する数字を毎日更新しても判断の質は上がらず、日々の揺れに反応する動きが増えるだけです。
更新は速いほうがよいという前提で設計すると、全部の数字が日次更新になります。
日次更新は作る側の手間を増やしますが、それ以上に見る側の判断を悪くします。
月次で判断する数字を日次で見ると、途中経過の上下に反応したくなります。
月の前半で下振れしている数字を見て設定を変え、後半に戻った数字を見て変更が効いたと解釈する流れが生まれます。
実際には、月の前半の下振れは母数が少ないことによる揺れであることが多くあります。
揺れに反応した変更は、配信の学習を巻き戻し、その月全体の効率を下げます。
更新の頻度は、その数字で判断する頻度に合わせてください。
週次で判断する数字は週次で、月次で判断する数字は月次で更新します。
例外は、事故の検知に使う数字です。
配信量やクリック単価の急変は、当日中に手を打つ必要があるため日次で更新します。
判断の頻度と更新の頻度が揃っていれば、画面を開く回数も自然に決まります。
毎日開く必要のある画面と、月次会議の前だけ開く画面が分かれます。
鮮度については、いつ時点の数字かを必ず画面に明示してください。
媒体からのデータ取得と社内の受注管理からのデータ取得では、反映までの時間が違います。
同じ画面に、昨日までの広告の数字と先月末までの受注の数字が並ぶことがあります。
どちらもいつ時点かが書かれていないと、見る人は同じ期間の数字として読みます。
期間がずれた数字を並べて計算した比率は、実態と離れます。
広告費は今月の途中まで、受注は先月末までで獲得単価を出すと、実際より高い数字になります。
取得が止まったときの表示も決めておいてください。
古い数字がそのまま表示され続けると、変化がないという誤った判断を招きます。
確定していない数字は、確定したものと区別して見せる
月の途中の数字は、確定値ではありません。
媒体側の調整で後から変わることもあり、社内の計上が追いついていないこともあります。
途中の数字と確定した数字は、画面上で区別してください。
色や記号で分けるのではなく、確定前と確定後で表示する場所を変える方法が確実です。
確定前の数字を会議の資料に使う場合は、確定後に差し替えるかどうかも決めておきます。
差し替えない運用にすると、議事録に残る数字と後の集計が食い違います。
締め日の設定も、関係する部門と揃えてください。
広告の締めと経理の締めが違う月があると、月次の数字が毎回ずれます。
更新の頻度は判断の頻度に合わせます。いつ時点の数字かを明示し、確定前と確定後を表示上で分け、取得が止まったときの見せ方まで決めてください。
常に見せる層と、掘り下げて見る層は、どう分けるのか
判断の頻度で分けます。
毎週見る数字を常時表示にし、悪化の原因を調べるときだけ使う数字は下の層に置いてください。
画面を一枚に収めようとすると、必ず数字が多すぎるか少なすぎるかのどちらかになります。
解決策は、層を分けることです。
最上層には、毎週の判断に使う数字だけを置きます。
数は五つから七つが上限で、これを超えると一目で状態を把握できません。
最上層の数字には、しきい値と現在の位置が同時に見える表示を使います。
数値だけが並んでいると、良いか悪いかを判断するために別の情報を探すことになります。
二層目には、最上層の数字を分解した内訳を置きます。
獲得単価が悪化したときに、媒体別、キャンペーン別、デバイス別のどこで起きているかを見るための層です。
二層目は常時表示にしません。
最上層の数字が正常な月には開く必要がなく、開かない画面が常に見えていると最上層の視認性が落ちます。
三層目には、原因の仮説を確かめるための細かい数字を置きます。
検索語句の分布、配信面ごとの表示回数、素材ごとの成果といった粒度です。
三層目は、担当者だけが使う層です。
責任者や経営が開く必要はなく、開かれる前提で整える必要もありません。
層を分ける効果は、会議の進み方に出ます。
最上層だけを見て異常がなければその議題は終わり、異常があったときだけ二層目に降ります。
層を分けずに全部を見せると、異常のない月にも全部の数字を順に説明する会議になります。
説明に時間を使い、判断の時間が残りません。
層ごとに見る人を決めておくと、作り込む優先順位も決まります。
最上層は見た目と即応性を優先し、三層目は網羅性を優先します。
三つの層への振り分け
| 層 | 見る人 | 見る頻度 | 置く数字 | 求められること |
|---|---|---|---|---|
| 最上層 | 責任者と経営 | 週次 | 目標としきい値のある数字 | 一目で状態が分かる |
| 二層目 | マーケティング責任者 | 異常時と月次 | 最上層の内訳 | 分解の軸が揃っている |
| 三層目 | 運用の担当 | 必要時 | 素材や検索語句の粒度 | 網羅性がある |
| 別枠 | 営業と共有 | 月次 | 商談と受注の数字 | 定義が合意されている |
| 記録 | 全員 | 四半期 | しきい値を外れた履歴 | 経緯が追える |
層をまたぐときの移動を、設計に含める
層を分けても、最上層から二層目へ移動できなければ機能しません。
異常を見つけた人が、その場で内訳を開ける状態にしておいてください。
移動が面倒だと、担当者は最上層を無視して最初から二層目を開きます。
そうなると層を分けた意味が消えます。
分解の軸は、層をまたいで揃えます。
最上層で媒体別に見ている数字が、二層目でキャンペーン別にしか分解できないと、比較ができません。
軸を揃える作業は、データの持ち方を決める作業でもあります。
画面を作る前に、どの軸で分解するかを先に決めてください。
層は判断の頻度で分けます。最上層は五つから七つに絞り、層をまたぐ移動と分解の軸を先に設計してください。
ダッシュボードに載せてはいけない数字は、どれか
定義が確定していない数字と、推定や按分で出した値を実績と同じ形で見せる数字です。
どちらも、画面全体の信用を落とします。
載せてはいけない数字の一つ目は、定義が確定していない数字です。
有効リードの定義が部署によって違う状態のまま有効リード数を載せると、見る人ごとに違う意味で読まれます。
定義が揺れている数字は、会議で必ず定義の議論を呼びます。
判断のための時間が、定義の確認に使われます。
二つ目は、推定や按分で出した値を実績と同じ形で見せる数字です。
広告の貢献度を配分して算出した売上や、稼働の割合で按分した人件費がここに入ります。
これらの数字が悪いわけではありません。
実績と同じ見た目で並べることが問題で、見る人は同じ精度の数字として扱います。
推定値を載せる場合は、推定であることと算出の方法を同じ画面に書いてください。
別の資料に書くという運用は、画面が独り歩きした時点で機能しません。
三つ目は、自信を持って出せない数字です。
集計の経路に不安がある数字を暫定として載せると、後で修正することになります。
一つの数字が間違っていたことが判明すると、その画面の他の数字も疑われます。
画面の信用は、最も精度の低い数字に引きずられます。
四つ目は、他部門の評価に直結する数字を、合意なく載せることです。
営業の商談化率を無断で載せると、数字の正しさではなく載せた意図が議論になります。
他部門の数字を載せる場合は、定義と集計の方法をその部門と合意してから載せてください。
合意の記録は、画面の説明と同じ場所に残します。
五つ目は、外部の調査の数値を自社の実績と並べて置くことです。
出典と時点が違う数字が同じ画面に並ぶと、比較できるものとして読まれます。
載せない数字にも、行き先を用意する
載せないと決めた数字の中には、必要なものがあります。
定義が固まっていないだけの数字は、固めれば載せられます。
これらは保留の一覧に入れ、次の見直しのときに再判定してください。
一覧が無いと、要望を出した人には却下されたとしか伝わりません。
推定値は、月次の報告の文章の中で扱う方法があります。
数字だけを置くのではなく、前提と算出の方法を書いた文章の一部として出す形です。
この扱いにすると、推定であることが読み手に伝わります。
画面に置くよりも手間はかかりますが、誤読は防げます。
定義が固まっていない数字と推定値は、実績と同じ形で載せません。載せない数字は保留の一覧に残し、次の見直しで再判定してください。
数字ごとの責任者は、どこまで決めておくのか
集計の正しさに責任を持つ人と、しきい値を外れたときに動く人の両方を決めます。
どちらかが欠けると、その数字は放置されます。
数字に責任者を決めるという話は、集計の担当を決める話として理解されがちです。
しかし必要なのは二人分の役割で、集計の担当だけでは画面は動きません。
一人目は、集計の正しさに責任を持つ人です。
データの取得が止まっていないか、定義どおりに集計されているかを確かめます。
この役割がいないと、数字が止まっても誰も気づきません。
先月と同じ数字が表示され続け、変化がないという誤った判断が続きます。
集計の担当は、データの取得元ごとに決めるのが実務的です。
媒体からの取得、社内の受注管理からの取得、経理からの費用の取得で、それぞれ確認できる人が違います。
二人目は、しきい値を外れたときに動く人です。
数字が悪化したときに、内訳を確認し、対応を決めて実行する役割です。
この役割がいないと、悪化が共有されるだけで終わります。
会議で報告され、次の会議でも同じ数字が報告される状態が続きます。
動く人は、その数字に対して権限を持っている必要があります。
配分を変える権限が無い人を割り当てると、対応が上長の判断待ちで止まります。
権限が無い数字については、動く人ではなく上げる人を決めてください。
誰に、いつまでに、どの形で上げるかを書いておけば、止まりません。
二つの役割を同じ人が兼ねる場合もあります。
その場合も、役割としては分けて書いてください。
兼務のまま書かずにいると、担当者が交代したときにどちらの役割も引き継がれません。
引き継ぎの資料には、数字ごとの二つの役割を並べて残します。
決めた責任を、期中に確認する仕組みを置く
責任者を決めても、確認する仕組みがないと形だけになります。
月次で、集計が止まっていないかを一覧で確認する時間を置いてください。
確認は、数字が出ているかどうかではなく、更新の時刻が動いているかで行います。
古い数字が残っていると、表示されているだけで更新は止まっていることがあります。
しきい値を外れたときの対応についても、月次で実施の有無を確認します。
書かれた行動が実行されていない状態が続くなら、行動の設定か担当の割り当てに無理があります。
責任者の一覧は、人事の異動に合わせて更新してください。
異動のたびに空欄が生まれ、半年後には誰も見ない数字が並びます。
数字ごとに、集計の正しさを持つ人と悪化したときに動く人の二人を決めます。権限の無い数字は上げる相手と期限を書き、月次で更新と対応の実施を確認してください。
載せる数字を選び直す作業は、何から始めるのか
現在の画面にある数字を、採否の問いに一つずつ当てるところからです。
答えられない数字を外すだけで、常時表示の数は大きく減ります。
選び直す作業は、新しい画面を設計するところからは始めません。
今の画面にある数字を一覧にして、一つずつ判定するところから始めます。
判定の問いは一つです。
この数字が想定の範囲を外れたとき、誰が何をするかに答えられるかどうかです。
一覧には、画面に表示されている数字だけでなく、月次の報告資料に載せている数字も含めてください。
どちらも実質的に説明を求められる対象で、片方だけを整理しても手間は減りません。
判定の場には、その画面を見て判断している立場の人を入れます。
作る側だけで判定すると、行動の欄が想像で埋まります。
載せる数字を選び直す手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 現在の画面と報告資料の数字を一覧にする | データ担当 | 1週間 |
| 2 | 外れたときの行動と動く人を一行で書く | 見て判断する人 | 2週間 |
| 3 | 書けなかった数字を外し、答えが同じ数字を統合する | マーケティング責任者 | 1週間 |
| 4 | 残した数字にしきい値を二段で置く | データ担当と運用の担当 | 2週間 |
| 5 | 三つの層に振り分け、更新の頻度を決める | マーケティング責任者 | 2週間 |
| 6 | 数字ごとに集計の担当と動く人を割り当てる | 各部門の責任者 | 1週間 |
しきい値を置く作業では、過去十二か月の実績が要ります。
実績が取れていない数字は、しきい値を仮置きして三か月後に置き直す前提で進めてください。
数字は説明のための仮の値です。
過去十二か月の獲得単価が平均12,000円で、月次の変動が上下15%の範囲に収まっていたなら、一段目を15%、二段目を25%の悪化に置く、といった決め方になります。
仮置きしたしきい値には、仮であることを記録に残してください。
記録が無いと、三か月後に置き直す機会がそのまま流れます。
作り直したあとの画面は、最初の三か月は使われ方を観察してください。
開かれていない層があれば、その層の数字は誰の判断にも使われていません。
運用を始めたあとに点検する数字
| 点検する項目 | 見る頻度 | 点検の観点 |
|---|---|---|
| しきい値を外れた回数 | 四半期 | 緩すぎないか、厳しすぎないか |
| 書いた行動の実施率 | 月次 | 実行されない行動が残っていないか |
| 各層が開かれた回数 | 四半期 | 使われていない層がないか |
| 集計が止まった日数 | 月次 | 更新の時刻が動いているか |
| 追加の要望の件数 | 四半期 | 外す基準が機能しているか |
点検の結果は、次の見直しのときの材料になります。
記録が無いまま作り直すと、また要望の足し算に戻ります。
点検で使われていない層が見つかった場合は、層ごと廃止するのではなく、置いている数字の粒度を疑ってください。
分解の軸が現場の判断の単位と合っていないと、開いても答えが出ないため使われなくなります。
作業全体の期間は、着手から運用開始までで九週間前後が目安になります。
期初から新しい画面で運用するには、前の期の第四四半期のうちに一覧の作成を終えてください。
着手点は、今ある数字への判定です。答えられない数字を外し、しきい値と層と担当まで決めてから、初めて画面を作り直してください。
ダッシュボードに何を載せるかで判断に迷う場合は、無料相談で現状の画面を見てもらうところから始められます。
指標と報告の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
ダッシュボードに載せる数字は、どう選べばいいですか
その数字が想定の範囲を外れたとき、誰が何をするかに答えられるかどうかで判定します。答えられない数字は、見ても行動につながりません。答えが同じ数字は一つに統合し、より早く動くほうを残してください。判定の場には、その画面を見て判断している人を必ず入れます。
数字だけを載せてはいけませんか
良いか悪いかが判断できません。過去十二か月の実績から通常の揺れの幅を出し、その外側にしきい値を二段で置いてください。一段目は担当者が確認する水準、二段目は責任者に報告して対応を決める水準です。段ごとに取る行動と実行する人まで書きます。
更新の頻度はどう決めますか
判断の頻度に合わせます。月次で判断する数字を毎日更新しても判断の質は上がらず、母数の少ない途中経過の揺れに反応して設定を変える動きが増えるだけです。ただし配信量やクリック単価の急変は事故の検知に使うため、日次で更新してください。
載せてはいけない数字はありますか
定義が確定していない数字と、推定や按分で出した値を実績と同じ形で見せる数字です。画面の信用は最も精度の低い数字に引きずられるため、自信を持って出せない数字は最初から載せません。他部門の数字は、定義と集計の方法を合意してから載せてください。
数字ごとの責任者は誰を決めればよいですか
集計の正しさに責任を持つ人と、しきい値を外れたときに動く人の両方です。集計の担当が決まっていないと数字が止まっても誰も気づかず、古い数字が判断に使われます。動く人には権限が要るため、権限が無い場合は上げる相手と期限を書いてください。
まとめ
- 採否の基準がないからです。基準がなければ、誰かが見たいと言った数字を断る理由がなく、出た要望はすべて載ります
- 絞れます。この数字が想定の範囲を外れたとき、誰が何をするかに答えられるかどうかだけで判定してください
- 数字だけを載せても、良いか悪いかが分かりません。しきい値を置き、外れたときの行動と動く人まで決めて初めて、画面が判断に使えます
- 判断の頻度に合わせます。月次で判断する数字を毎日更新しても判断の質は上がらず、日々の揺れに反応する動きが増えるだけです
- 判断の頻度で分けます。毎週見る数字を常時表示にし、悪化の原因を調べるときだけ使う数字は下の層に置いてください
- 定義が確定していない数字と、推定や按分で出した値を実績と同じ形で見せる数字です。どちらも、画面全体の信用を落とします
- 集計の正しさに責任を持つ人と、しきい値を外れたときに動く人の両方を決めます。どちらかが欠けると、その数字は放置されます
- 現在の画面にある数字を、採否の問いに一つずつ当てるところからです。答えられない数字を外すだけで、常時表示の数は大きく減ります